はじかみ生姜の正しい食べ方は?名前の由来・食のマナーについて紹介
魚料理などに添えられる事が多いはじかみ生姜。そんなはじかみ生姜の正しい食べ方を知らない方が多いようです。そこで今回は、はじかみ生姜の正しい食べ方マナーをご紹介するとともに、「はじかみ」という名前の由来についても調査してみました!
目次
魚などに添えられているはじかみ生姜
料亭などで魚料理を食べた際、横に添えられている淡い桃色の細長い素材…見たことありませんか?これは、お料理の付け合わせとして提供されるもので、「はじかみ生姜」というものです。
「はじかみ生姜」って一体どんな食べ物?
「見たことあるけど、名前も食べ方もよくわからないから無視してた…」という方が意外と多いようです。では、魚料理の付け合わせとしてよく出される「はじかみ生姜」って一体どんな食べ物なのでしょうか?まずは、「はじかみ生姜」がどのようなものか、学んでみましょう。
はじかみ生姜とは…
はじかみ生姜とは、芽生姜を酢漬けにしたもののことを言います。一般的に使われているボコボコした生姜は「ひね生姜」と呼ばれているのですが、はじかみ生姜に使うのは、このひね生姜の上に生える新しい根の部分であり、「新生姜」と呼ばれている部分です。ちなみに日本料理に出されるはじかみは、小生姜の分類に入ります。
ひね生姜の保存は収穫後数ヶ月と長いのに対し、はじかみ生姜に使われている新生姜は鮮度が落ちるのが非常に早いと言われています。そのため、新生姜は収穫後すぐに出荷されます。はじかみは、早生で小ぶり(一株400g前後)の小しょうがの新芽の部分を整形し、湯に通して軽く塩を振って冷ましてから甘酢に漬ければ完成です。
ポッと色づいた紅色が美しい印象のはじかみ生姜ですが、実はこの色は酢と生姜の色素が反応して全体が淡紅色になっているため、天然です。非常に鮮やかな色味ですが、人工的に着色したわけではないとのことで驚きですね。
はじかみ生姜が魚料理に添えられている理由は?
はじかみ生姜は焼き魚や煮魚などの魚料理に添えられていることが多いです。はじかみ生姜が魚料理に添えられている理由は一体なぜなのでしょうか?お次は、はじかみ生姜が魚料理に添えられている理由について調査してみましょう。
はじかみ生姜が魚料理に添えられている理由は…
はじかみ生姜が魚料理に添えられている理由は、見た目を良くするだけではなく箸休めや口直しの意味があると言われています。はじかみ生姜を食べることで次の料理の前に口の中の魚臭さをを取り覗いて味覚をリセットする事ができたり、最後にはじかみ生姜をかじることで気分よく食事を終える事ができると言われています。
このように、はじかみ生姜は食材の生臭さを和らげてくれる効果がありますがその他にも嬉しいメリットがあります。たとえば、生姜にはご存知の方も多いでしょうが、冷え性改善や基礎代謝を高めてくれる効果があります。
お昼に仕出しのお弁当貰ってきて「はじかみ生姜」入ってたんやけど、あれってみんな食べる?
— 飛び出すな小僧‼ (@su_dutch) June 23, 2019
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【画像は検索から】 pic.twitter.com/xAv3hzeYV5
さらに生姜には体内の酸化を防ぐ効果もあるので、酸化によって引き起こされやすいシミやそばかすの防止などにも効果的なんです。また、魚の油は血流改善や脳の働きに役立つと言われていますが酸化しやすいというデメリットも…。
酸化してしまうと発がん性物質の発生や老化の原因になるとも言われているのですが、体内の酸化を防ぐ効果に期待できるはじかみ生姜を魚料理に添える事で、体内の酸化を抑えつつも良質な脂の効果も逃さずに取り入れられると言われています。その他にも酢漬けにされているはじかみ生姜は、お酢の成分が疲労を和らげてくれるという効果もあります!
はじかみ生姜の「はじかみ」という名前の由来は何?
これまで、はじかみ生姜についてのご紹介を簡単にしてきましたが、「はじかみ生姜の『はじかみ』という名前の由来は一体何なんだろう…?」と気になりませんか?お次は、はじかみ生姜の「はじかみ」という名前の由来について学んでみましょう。
はじかみ生姜の名前の由来は…
はじかみ生姜の「はじかみ」という名前の由来は、中国で使われていた生姜の呼び方なんだとか。生姜は中国から伝わったものとされているんですが、生姜は中国では「生薑」と書かれており、「薑(はじかみ)」の漢字の代用として「姜」が使われているとの事です。
では、「どうして薑(はじかみ)に生をつけるの…?」という点についてですが、薑はそもそも漢方薬として多様されていたので乾燥させる事が多かったそうです。そのため、薑(はじかみ)に生をつける理由は乾燥と生の区別するためではないかと言われています。
お魚についてるはじかみ生姜を全部食べようとして挫折してほしい。そんなドラちゃんを見たママに『それは、はじかみ生姜と言って、魚を食べた後に口直して根の部分だけ食べるものだぞ。全部食べなくていい。』って苦笑いされて欲しい。ママはなんでも知ってるね!(すき!!!) pic.twitter.com/M7Nv9xa5zQ
— かまぼこ大明神 (@kamabocomodoki) June 8, 2018
「はじかみ」と言う言葉は古事記にも出てくる程、古くから使われている言葉です。そして、かつては山椒も生姜も「はじかみ」と呼ばれていたそうです。つまり、かつて「はじかみ」は辛いものの総称として使われていたという事です。そのため、混同を防ぐために、生姜の事を「くさはじかみ」や「くれのはじかみ」と呼んでいたそうです。
しかし、近年になって「はじかみ」は山椒でなく生姜のイメージを強くなってきたので、「はじかみ」と言えば生姜を浮かべるようになりましたので山椒の名前を奪ってしまったような印象です。はじかみの由来には諸説があるのですが、酢とショウガの色素反応によって、端の方が赤く見えることから「はじ赤み」と言われることや、「歯でかんで、辛い物」からきたという説があります。
はじかみ生姜の正しい食べ方は?マナーが知りたい!
料亭や懐石料理などで提供されることが多いはじかみ生姜。「飾りとして提供されているだけで食べて良い物か分からなかった…」という人や、「食べようとはしたけれども食べ方がわからず避けてきてしまっていた…」という人も、この機会にはじかみ生姜の正しい食べ方について学んでみませんか?正しい食べ方マナーを学んでおいて損はないですよ!
はじかみ生姜の食べ方マナーを徹底調査!
そこでお次は、はじかみ生姜の食べ方マナーを徹底調査してまとめてみました。いざという時に恥ずかしくないように、はじかみ生姜の食べ方マナーをしっかり学んでおきましょう!
はじかみ生姜の食べ方マナーSTEP1・食べてもいいの?
魚料理に上品に添えられたはじかみ生姜。どの飲食店も、目で見て料理を楽しむことも大切な目的とされていますが、はじかみ生姜が良く提供される料亭や懐石料理では見た目の美しさが特に大きな目的とされています。
そのため、はじかみ生姜がどのような物かよく分かっていないと、「彩りをよくするために添えられているのかな…?」と、ただの飾りとして認識してしまい手をつけられずにいる方も多いようです。さて、実際に食べても良い物なのかどうか、結論からお話しさせていただきますと、はじかみ生姜は食べても良いものです。
先ほどもご紹介させていただきましたように、はじかみ生姜には箸休めや口直しの意味があると言われています。また、はじかみ生姜を食べることで味覚をリセットする事ができたり、最後にはじかみ生姜をかじることで気分よく食事を終える事ができるとされているので、はじかみ生姜が添えられている際には是非食べてお口をリセットさせてみてくださいね。
はじかみ生姜の食べ方マナーSTEP2・どこまで食べるの?
口直しや箸休めのためにも是非食べるべきはじかみ生姜ですが、「一体どこまで食べればいいのだろう…?」と、気になりますよね。はじかみ生姜は茎と根の部分に分かれているはので、全体を食べるのではなく枝状の半分程度の根の部分だけをかじるのがマナーとされています。
はじかみ生姜 pic.twitter.com/bOVpRzh3Yt
— かわうそ印 (@namasayagoyou) August 28, 2016
白い部分は柔らかいので食べられますが赤い部分は固くて食べられないこともあります。お箸ではじかみ生姜の真ん中あたりを摘んだら、白っぽくなっているやわらかい部分だけをかじり、赤い固い茎の部分はお皿に残します。上記がはじかみ生姜の箸休めの意味での食べ方です。
はじかみ生姜の食べ方マナーSTEP3・食べるタイミングは?
口直しや箸休めの意味があるはじかみ生姜ですが、食べるタイミングはいつが良いのでしょうか?調べてみたところ、はじかみ生姜を食べるタイミングはメインである肉料理や魚料理などを食べ終わってから食べるのが一般的なんだとか。箸休めということから、ちょこちょこかじるのかと思いきや、メインを食べてからいただくのがマナーという事ですから、しっかり頭に入れておきましょう!
《まとめ》はじかみ生姜の食べ方マナー・名前の由来調査
はじかみ生姜の食べ方マナー・名前の由来調査まとめのご紹介はどうでしたか?料亭や懐石料理などでよく魚料理に添えられているはじかみ生姜。今までは食べ方も分からなければどんな意味がある物かも理解できていなかった方も多いかもしれませんが、実は見栄えを良くするだけでなくしっかりと意味も込められているものである事がわかりました。
そんなはじかみ生姜には食べ方マナーもありますが、意外と正しい食べ方を知らない方も多いのが現状です。もしもあなたが格式ある食事の場などで付け合せにはじかみ生姜が提供されたら、正しい食事マナーを身につけたあなたの評価もきっとあがるはずです。そして日本人として生まれたからには、繊細な日本料理の美しい食べ方を身につけられるように頑張りましょう!