キャベツの栽培と育て方のコツは?春まきの時期や収穫方法など調査!
年中を通して、食べることができるキャベツですが、キャベツの栽培方法は知っていますか?ロールキャベツや、回鍋肉、サラダなどキャベツはどんな食材とも合わせやすく、家庭料理には欠かせない食材の一つです。今回は、そんなキャベツの栽培方法や育て方、キャベツの育て方のコツ、春まきや夏まきキャベツについて、病害虫対策や収穫時期など、キャベツ栽培について詳しく紹介していきます。
目次
キャベツ栽培を始めよう
キャベツといえば、餃子やお好み焼き、ロールキャベツ、コールスローサラダなど、年中を通して、食卓に並ぶ食材です。そんなキャベツを家庭で栽培する方法を知っていますか?今回は、キャベツの栽培方法と育て方、キャベツ栽培のコツ、春まきの時期や収穫方法、病害虫対策など、キャベツ栽培について詳しく紹介していきます。
キャベツの栄養価
キャベツといえば、食物繊維が豊富な食材として有名です。便秘で悩んでいる人には、ぜひ積極的に摂ってもらいたいものです。他にも、キャベツには「キャベジン」という成分が含まれています。キャベジンとはいわゆるビタミンUのことです。キャベジンは、胃の粘膜を保護したり、胃酸の過剰な分泌を抑えたりという、働きがあります。脂っこいものを食べるときには、一緒に摂ると良いでしょう。
キャベツにはビタミンCも多く含まれています。ビタミンCは免疫力アップ効果や、美肌、美白効果を期待することができます。その他にも、キャベツにはビタミンKや、カルシウムが豊富に含まれていて、丈夫な骨作りに働きかけます。カルシウムは、精神を安定させる効果も期待することができます。
妊婦に必要な栄養素の一つである「葉酸」もキャベツには多く含まれています。葉酸はキャベツやほうれん草に含まれていて、赤血球をつくる働きもあります。さらに、高血圧予防の効果が期待できる「カリウム」もキャベツには含まれています。カリウムは体に溜まった、余分な塩分を排出してくれる働きもあるため、むくみなどに効果的です。
キャベツの効果的な食べ方
キャベツを栄養摂取目的で食べたいならば、生の状態や、軽く炒める程度のものを食べるようにしましょう。特にビタミンCや、キャベジンは長時間の加熱により、溶けてしまいます。加熱する場合は、スープとして飲むと、溶け出した栄養も一緒に摂ることができおすすめです。
キャベツの保存方法
一般にキャベツは、冷蔵庫に保管するのが良いとされています。冷蔵庫保存で、約2週間くらいの日が持ちます。もっと日持ちさせたい場合は、キャベツの芯をくり抜き、濡らしたキッチンペーパーを当てておくと、さらに長持ちします。
キャベツ栽培・育て方:キャベツ栽培の特徴
キャベツは、アブラナ科に属します。春まき夏取り、夏まき秋冬取り、秋まき春取りと、3回のまきどきがあり、一度コツを覚えたら長期間に渡って、栽培をすることが可能です。キャベツを上手に育てるコツは、苗作りのときに、温度管理をしっかりとすることです。追肥や土寄せも大きなキャベツの球をつくることができるポイントとなっています。キャベツ栽培は、種まきから収穫まで、約110日〜140日くらいを要します。
キャベツは、気温20度前後の、比較的涼しい気候を好みます。特に、結球が始まると耐暑性や耐寒性の両方が弱くなってしまいますので、温度管理に気をつけましょう。また、気温が28度を超えてくると、生育が衰えて、病害虫の被害にも遭いやすくなってしまいます。初心者や、初めてキャベツ栽培に挑む方は、秋から冬にかけて栽培する、夏まきが育てやすく、おすすめです。
家庭菜園では、秋から冬にかけて収穫する、夏まきが一般的ですが、キャベツ栽培に慣れてきたら、春まきにも挑戦してみましょう。春まきキャベツを上達すれば、夏まき栽培後に春まき栽培ができるため、長期に渡って、キャベツ栽培をすることが可能になります。
キャベツの栽培時期
キャベツの栽培時期は、春まきの場合、2月に種をまいて5〜6月の初夏に収穫するパターンと、4月に種まきをして、6〜7月にかけて収穫するパターンとがあります。一番栽培しやすい夏まきの場合は、7月下旬に種をまいて、10月〜12月にかけて収穫します。一般に「春キャベツ」と言われるキャベツを栽培することができる、秋まきは、9月に種まきをし、4〜5月の収穫を目指します。
秋まきするときの注意点
もし、キャベツを秋まきの時期に栽培する場合は、とう立ちに注意す必要があります。「とう立ち」とは、花芽のついた花茎が伸びてきた状態のことを言います。一般に、植物の生育段階には、自分の体を大きくする「栄養成長」と種を残そうとする「生殖成長」とがあります。そして、とう立ちは、生殖成長が始まったことを意味します。
キャベツのような葉物野菜の場合は、生殖成長が始まると、栄養成長は止まってしまうという特徴を持っています。そのため、とう立ちが始まれば球がならなくなってしまうのです。キャベツは、ある程度の大きさに育った苗が、一ヶ月くらい低音の状態にあると、とう立ちを始めます。
そこで、キャベツのとう立ちを防ぐためには、とうたちを起こしにくい、秋まき用のキャベツの種を選んだり、小さい苗の状態で冬越しをさせたりする必要があります。また、寒さを防ぐために、トンネルの中で育てたりするようにするといいでしょう。
春まきにおすすめのキャベツの品種
春まきで栽培する場合は、これらの品種がおすすめです。例えば、甘さが強くサラダにもおすすめな「彩峰」や、育てやすい「彩風」や「YR天空」、大きな球ができる「初夏のかほり」などは、春まきの時期にぴったりなキャベツです。
キャベツ栽培・育て方:キャベツの育て方のポイントとコツ
キャベツ栽培のコツとしては、春まきの場合は、育苗をするときに、最低気温は10度くらいを目安に保温をしながら育てること、そして夏まきや秋まきの場合は、暑すぎないように、25度以下の涼しい温度で管理することです。
大きなキャベツの球を作りたい場合は、追肥と土寄せを適切な時期に行うようにすることがコツです。アオムシなどの害虫被害に遭いやすいので、防虫ネットで予防するとともに、こまめにチェックして、見つけたら捕殺するようにしましょう。
キャベツ栽培・育て方:種まき・育苗
キャベツの育て方は、まず種まきをすることから始まります。ポットに、3粒ずつ種を蒔きましょう。たっぷりと水をあげることがポイントです。発芽して、苗が育ってきたら、本葉が2枚くらいのときに、丈夫なものだけを残し、残りは間引きするようにしましょう。ポット苗は、春まき栽培の時期には、暖かい場所で育てます。夏場の育苗は、涼しいところで行うようにすることがコツです。
育苗がうまくいくコツは、日光には十分に当てないといけませんが、高温になりすぎないようにちゅいすることです。また、水やりは朝に行うようにしましょう。夜に水やりを行うと、ひょろひょろとした苗が育つ、徒長の原因となってしまいます。
キャベツ栽培・育て方:土作り
キャベツを育てる場合は、畑栽培となります。植え付けをする3週間前くらいから、土作りを始めておくことが理想的です。植え付け3週間前には堆肥を入れて、2週間前には石灰を入れて、耕しておきます。植え付け1週間前には、元肥を入れて、畝を立てます。株間は、30cm〜45cmほど確保しておくと良いでしょう。条間は約50cmくらい空けます。
畝は高めにつくることが土作りのコツです。そうすることで、水はけがよくなり、土の湿度を抑えて置くとこができます。特にキャベツは、土の湿度が高いと根腐れを起こす可能性もあるため、注意しましょう。キャベツのほとんどの病気も過湿が原因のことが多いです。水はけの良い土壌作りは、キャベツの栽培のコツですので、しっかり覚えておきましょう。
キャベツ栽培をするときの肥料は「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」などのバランスの取れた肥料を使うと良いでしょう。結球させるためには、初期の成長を促して、外葉の展開を早めることが大切です。ただ、肥料が多すぎてしますと、育ちは早いですが、甘みのないキャベツに成長してしまうので、肥料のやりすぎには注意しましょう。
キャベツ栽培・育て方:植え付け・定植
ポットに蒔いた種が、本葉が4〜5枚になるほどまで育ったら、植え付けの時期です。株間を30cm〜45cmほど確保して、畑に植え付けます。定植後は、たっぷりの水を与えることがポイントです。植え付けをするときは、炎天下を避けて、日が暮れた夕方などにすることをおすすめします。またキャベツは、株間を広く取りすぎてしまうと、発育が遅くなってしまったり、葉が固くなったりするので、適切な株間で育てるようにしましょう。
連鎖障害・コンパニオンプランツ
キャベツには連鎖障害があります。よって、一度キャベツを栽培したら、同じ場所での栽培は2〜3年空けるようにしましょう。また、キャベツには、アオムシなどの害虫がよってきますが、これらの害虫が嫌う、キク科の野菜、レタスや春菊などを近くに植えると、害虫がよりにくくなります。
防虫ネットをつける
定植後には、虫食いを防ぐために、トンネルに防虫ネットをかけることもキャベツ栽培がうまくいくポイントです。害虫を見つけたら、捕殺するか薬剤を利用しましょう。春まきの場合、春先は、ナメクジの被害も多くなるので、畑周りや畝間に駆除剤を撒いておきましょう。
キャベツ栽培・育て方:追肥・土寄せ
キャベツを栽培する場合、追肥や土寄せは、のちに大きな球をつくる上で、とても重要なポイントとなります。大きな球をつくるためには、キャベツの結球開始の時期までに、外葉を大きくして、多く育てることが必要となります。大きな外葉を育てるためには、適切な時期に追肥と土寄せをしなければなりません。
追肥は、定植してから、約2週間後、本葉が7〜8枚ある頃に行うようにしましょう。この時期は、茎もだいぶ伸びてきているため、安定させるためにも、土寄せも同時に行うようにすることがポイントです。
キャベツ栽培・育て方:収穫
キャベツの株が大きくなり、外葉が10枚を超えてきたら、次第に中心が巻き始めます。この時期は、土が過湿したり、乾燥したりしていると、球が割れてしまったり、美味しい球ができなくなってしまいますので、注意しましょう。雨などで過湿状態になるのを防ぐために、結球後は、ビニールトンネルを設置しても良いでしょう。
そして、球が大きくなった頃、手でぎゅっと押さえてみて、固く締まっていたら収穫時期となります。もし、まだ柔らかいなと感じたら、もう少し様子をみましょう。球が小さくても、すでにぎゅっと固くなっている場合は、それ以上大きくなることはありません。
キャベツの収穫方法は、外歯を広げて球を少し傾けながら、株元を包丁で切ります。キャベツは、収穫の時期が遅れてしまうと、球が割れたり、味が落ちたりするため、適切な収穫時期を逃さないように気をつけましょう。
キャベツ栽培・育て方:病害虫対策
キャベツがかかる病気には、「萎黄病」「黒腐病」「黒斑病」「根こぶ病」「べと病」などが挙げられます。べと病以外は、高温期に、土壌の湿度が高すぎると、根元から感染する確率が高くなります。もし、キャベツが病気になっているのを見つけたら、他の株に感染する前に、根っこから抜き取ってしまいましょう。
「べと病」は、肥料切れを起こした時や、長く雨が続く時期に起こりやすくなります。葉の表に、黄緑色っぽい病斑が出るのが特徴です。放置しておくと、あっという間に広がって大きな被害を受けることもあります。もし、見つけたら、病気になっている葉を除去していきましょう。水はけをよくして、日当たりと風通しの良い環境をつくることで、予防することができます。
キャベツを栽培する時は、害虫対策をしっかりしておきましょう。特に、アオムシや、ナメクジなどといった、芋虫系の害虫により葉を食べられてしまうことが多くあります。害虫は見つけ次第、捕殺することが必要です。また、害虫が苦手とする、レタスや春菊などのキク科の野菜を近くに植えることで、害虫予防をすることができます。肥料を与えすぎても、産卵されやすくなるので、過剰な追肥にも気をつけるようにしましょう。
キャベツ栽培で起こるトラブル
キャベツの栽培途中には、病害虫だけでなく、葉が固かったり、外葉が赤色になったりなど、様々なトラブルや生育不良が起こることが予想されます。まず、葉が固くなってしまう原因は、株間を広く取りすぎた場合です。キャベツは他の株との共生を好みます。株間は30cmくらいが適切です。
もし、キャベツの外葉が赤色になってしまった場合は、赤い葉だけ取り除いて、食べれば特に問題ありません。赤く色がつく原因は、葉が寒さに当たることによって起こります。またキャベツは、収穫の時期が遅れてしまうと、球が割れる裂球という現象が起こります。裂球は、結球の時期に土壌の状態が多湿になっていても、起こる場合があります。
さっそくキャベツ栽培に挑戦してみよう
いかがでしたか?今回は、キャベツ栽培について、育て方のコツや、栽培時期、春まきキャベツにおすすめの品種、収穫方法、病害虫対策などについて、詳しく紹介しました。家庭菜園が好きな方は、ぜひこの機会にキャベツ栽培に挑戦してみてはどうでしょうか?きっと甘くてみずみずしいキャベツを味わうことができるでしょう。