生姜の栽培方法・育て方のコツは?植え方やプランターでのポイントも紹介

生姜は自家栽培できないと思っていませんか?実は生姜には種類があり、小さな庭やプランター栽培に向いている生姜があります。しかし実際生姜の自宅での栽培方法や植え付け方法、育て方はあまり知られていません。生姜を自宅で育てるために必要な条件や栽培方法、必要な肥料や栽培時に注意しなければいけないことなど生姜の自家栽培について植え方のポイントやプランターでの栽培方法などをを調査してみました。

生姜の栽培方法・育て方のコツは?植え方やプランターでのポイントも紹介のイメージ

目次

  1. 1生姜の話
  2. 2生姜の旬はある?
  3. 3生姜に含まれる栄養成分とは?
  4. 4日本で栽培されている生姜の種類
  5. 5自家栽培できる生姜とは?
  6. 6自家栽培で生姜を育てるには?
  7. 7自家栽培で生姜を育てるときのポイントとは?
  8. 8自家栽培した生姜を使ったレシピ(その1)
  9. 9自家栽培した生姜を使ったレシピ(その2)
  10. 10【まとめ】生姜の自家栽培をしてみよう!

生姜の話

昔から使われていた生姜

生姜は、ショウガ目ショウガ科ショウガ属に属する多年草で、生姜は人類が狩りをし始めた頃にはその存在が知られ、調味料としてはもちろん防腐剤や生薬として扱われていました。ジンジャー(生姜)の語源は古代インドのサンスクリット語のcringa-vera(ショウガ)がペルシア語訳のdzungebirから来ており、これが中国から日本へ伝わった時に中国語の「シャウキャウ」がミョウガの影響も受け「ショウガ」になりました。

生姜の花

生姜の花はインターネットなどで検索すると色々と画像を見つけることができますが、みなさんのよく知っている大生姜(通常の生姜)の花は収穫時期に花の見頃なうえになかなか咲かないため、生姜農家の方でも見れるか見れないかくらい希少な花だそうです。緑色のつぼみ部分に赤い花が咲きます。ちなみに「ジンジャー」という花は生姜の花とは全く別物です。

生姜の花は収穫中~後半に咲きますが、なかなか花を咲かせないため目にすることはほどんどない珍しい花ということになります。

生姜の旬はある?

生姜は寝かせてできる?

収穫したての生姜は「新生姜」と呼ばれ収穫時期は10~11月になります。収穫してすぐの生姜は、普段スーパーで見かける生姜とはちがい全体的に白っぽく芽が出ていた部分はほんのり鮮やかなピンク色をしています。初夏に新生姜がスーパーに並んでいるのを見かけたことがあると思いますが、あれはハウス栽培されたものです。従って露地栽培された生姜が新生姜として店頭に並ぶのは11月です。

ではいつも見かける生姜の色はどうなっているのでしょうか?実は収穫してすぐの生姜は「新生姜」として出荷されるものと、収穫したものを2ヶ月ほど寝かせてから出荷する「根生姜」に分けられます。そして寝かせて外皮の色が変わったものを「根生姜」として12月~2月頃に出荷します。したがって露地栽培された生姜の旬は11月となります。育て方も植え方も同じですが収穫後の工程のちがいでちがう物のようになります。

生姜に含まれる栄養成分とは?

生姜の三大栄養素(その1)「ジンゲロール」

生姜の成分にはジンゲロールといってその抗酸化作用によって免疫力をアップさせることで老化防止や、血行不良を改善する効果があります。また消化吸収を助ける胃腸の調子を整えるため、つわりや乗り物いなどからくる吐き気を和らげる効果があります。ジンゲロールは加熱することによりジンゲロンという成分に変化します。そのため、ジンゲロールを摂取するためには生姜は食べる直前に調理(すりおろすなど)しましょう。

生姜の三大栄養素(その2)「ジンゲロン」

実は別物だと思われていますが、ジンゲロンはジンゲロールを加熱または乾燥させると変化したものになります。そのため、先に説明したジンゲロールを料理などで加熱してしまうとジンゲロールではなくこのジンゲロンを摂取することになります。ジンゲロンを効果的に摂取するには生姜を調理して加熱する方法かスライスして乾燥させる方法を利用します。

生姜の辛味成分でもあるジンゲロンは優れた殺菌力で食中毒の予防になるほか、発汗作用により体脂肪の現象や体内の老廃物・たまった水分を排出するためむくみを改善したり、血行促進作用により身体が温めるため冷え性や代謝がよくなることで便秘の改善も期待されたます。ほかには血管を拡張し血流をよくすることで、動脈硬化の予防や体温の上昇による脂肪の燃焼によりダイエット効果などがあります。

生姜の三大栄養素(その3)「ショウガオール」

ショウガオールはジンゲロールが加熱・乾燥によって変化したもので、一見同じものと思われがちですが実は全くちがう成分です。例えば身体を温めるという効果はいずれにもありますが、ジンゲロールが体内の熱を手や足の先端に運ぶ働きがあるのに対して、ショウガオールの場合は体内に熱を作り出して身体を温めます。つまりジンゲロールの働きだと体内にある熱が使われるため返って体が冷えたりします。

つまり身体を本当の意味で温めるために摂取したいのは生姜を加熱・乾燥してできたショウガオールです。そしてこの発熱効果がダイエット効果につながります。それは体内で熱を作り出すためにはタイネイの脂肪や糖質を燃焼させなければならないからです。この熱を作り出す働きがダイエットにつながるため注目されているのがこのショウガオールなのです。

日本で栽培されている生姜の種類

生姜といっても一般的な生姜とは別にスーパーなどに行くと数種の生姜を目にします。日本にある生姜の種類は3種類で、植え方も育て方も同じですが収穫する時期で名前が変化していきます。ここで紹介する自家栽培するための生姜とはほかにミョウガがあります。生姜はショウガ科ショウガ属ショウガですが、茗荷(ミョウガ)はショウガ科ショウガ属ミョウガです。ですので生姜を育ててもミョウガにはなりません。

主に生食用の「小生姜(こしょうが)」

小生姜は葉生姜(はしょうが)とも呼ばれ、有名なものに「谷中生姜」という品種があります。小生姜は一般的な生姜の子供です。小生姜を育てると中生姜となり、さらに育てると根茎は成長して大生姜(一般的な生姜)になります。よく焼き魚などに添えられている「はじかみ生姜」は金時生姜という品種の子供の生姜を甘酢漬けしたもので「矢生姜」とも呼ばれます。プランター栽培はここら辺がおすすめです。

漬物に使用されている「中太生姜(ちゅうぶとしょうが)」

小生姜より大きく育った生姜で新生姜として出回るのがこの中太生姜です。代表的な品種には「らくだ」などがあります。収穫までに20度以上の気温と約100日必要ですがプランター栽培するには20Lを超える大きなプランターと1mを超える丈になるので倒れないように添え木をするなどの注意と工夫が必要ですので、家庭菜園中級者以上の方におすすめです。

一般的によく目にする生姜「大生姜(おおしょうが)」

よく見られる黄金色の生姜で、ここでいうと大人の成熟した生姜です。紅しょうがや寿司屋でみかけるガリはこの生姜を甘酢に漬けて作ります。ほかにも馬刺しや冷奴などすりおろした生の生姜はご家庭でもよく登場するのではないでしょうか?家庭菜園では中生姜と同様大きなプランターに1株を育てます。どの生姜の栽培も水はけが悪いと根腐れを起こしてしまうので、プランターで栽培する方は黒土などの水はけの悪い土は使いません。

自家栽培できる生姜とは?

プランターで生姜を栽培するなら

生姜の種類にあるように初心者にもおすすめなのは小生姜で、生姜を若いうちに収穫します。生姜の育て方で特に注意することは直射日光が苦手なことです。小生姜でおすすめの品種は「三州(みしゅう)」で種になる種生姜は3月頃からホームセンターなどで販売されます。ホームセンターで見かける品種はほかに「谷中」や「金時」と「近江」などがあります。

プランター栽培に必要なものは?

種生姜はもちろんですが、プランター栽培に必要なものはそれだけではありません。ほかにはプランター(サイズは深さが30m以上のもの)・鉢底石・土(野菜の土)・化成肥料と水やり用のジョウロ、土を耕すためのスコップや小さいクワなどもあると便利です。また丈が伸びてきたら折れたり倒れたりしないようにするための添え木も必要になってきます。これらは全てホームセンターの園芸コーナーで手に入ります。

自家栽培で生姜を育てるには?

生姜の植え方としては平均的なところで4月下旬頃に種生姜を植え付け、8月頃には小生姜(葉生姜)として収穫できます。10月下旬まで育て続ければ大生姜も収穫できるため収穫時期を分ければ3種類の生姜を楽しめます。育て方は色々なサイトで紹介されていますが、注意するところをしっかり守れは植え方も育て方もそれほど難しくはありません。

生姜の栽培方法(その1)準備

まずは種生姜を発芽させます。種生姜を1つ50gくらいの大きさに手で割り、湿らせた新聞紙に包んで室内の寒くならないところへ置いておきます。芽が出てきそうなのを確認したらプランターの準備にとりかかります。生姜は水はけが悪いと根腐れをおこしてしまうため、プランターの底には必ず鉢底石を4cmくらいまで敷き詰めてから野菜の土を入れましょう。土はプランターの6分目くらいまでにしておきます。

生姜の栽培方法(その2)植え付け

生姜の植え付けは気温が少し暖かくなってきてからにします。土に種生姜を芽が上になるようにして5~10cmくらい間隔を空けて並べたら、上から5cmほど土をかけたっぷり水をかけます。その後発芽するまではプランターにビニールを被せるなどして保温しておきます。

生姜の栽培方法(その3)収穫まで

プランター栽培の場合は水やりは芽が出るまではたっぷり、芽が出てきたら毎日朝と夕方に行います。乾燥に弱いので土の表面が乾かないよう注意しましょう。また芽が出てきて草丈が15cm、30cmと伸びてきたらその都度追肥(ついひ)します。追肥もホームセンターで手に入ります。どれが良いかわからないときは園芸コーナーの店員に聞くとわりと詳しく教えてくれます。追肥はこのあとは1ヶ月おきにします。

また種が成長してくると土から顔を出しますので、まし土(追加で土を増やす)します。特にプランターは乾燥しやすいので土の表面の乾燥を防ぐ必要があります。土の表面の乾燥を防ぐ方法としておすすめなのはピートモスなどを土に被せることです。ピートモスはミズゴケ類が主原料なので水を多く含みますので乾燥対策になります。ピートモスのほかには藁(わら)を敷き詰める方法もありどちらもホームセンターで購入できます。

自家栽培で生姜を育てるときのポイントとは?

育て方・植え方のポイント(その1)

生姜をプランターで栽培するときの植え方や育て方のポイントをまとめます。プランター栽培といっても使用する肥料や土の成分によって成長度がちがってきますので、植え方としての注意点はまずは生姜に合った土づくりが重要になります。生姜は酸性を好むので考慮した上で土を選ぶようにします。また低温だと発芽しにくいので土の温度が低い場合は4月後半に植えても発芽するのに2ヶ月近くかかることもあります。

育て方・植え方のポイント(その2)

ここではまずは小生姜を収穫する説明をしましたが、種生姜の植え方を10cm間隔で植えて、小生姜の収穫時期に間引きするだけにしておけば、残りを中太生姜として引き続き育てるという育て方をする方法もあります。そうすれば小生姜と中太生姜の二つを収穫することができ、楽しみも2倍です。

小生姜を植え付ける時期と収穫する時期は地方によってことなります。北海道などの寒冷地では4月中旬頃から1ヶ月間、関東付近では4月から1ヶ月間、九州や沖縄などの温かい地方では3月下旬から1ヶ月間が植え付けの目安になります。次に小生姜としての収穫時期は、北海道では8月上旬頃から、関東では7月下旬頃から、九州や沖縄などは7月中旬頃が収穫時期となりますが、発育の状態をみて調整してください。

自家栽培した生姜を使ったレシピ(その1)

小生姜の甘酢漬け

甘酢漬けは簡単に作れます。小生姜は丁寧に洗ったあと根から伸びている茎を15cmほど残して切ります。生姜の部分がくっついている場合は手で割るなどして切り離してください。茎の上から手で皮を剥いていきます。するとやわらかい芯の部分ががでてきますので酢と砂糖を合わせたものをグラスなどの倒れにくいものに入れて小生姜を浸し冷蔵庫で半日ほど寝かせれば完成です。

小生姜のディップ

小生姜はきれいに洗いくっついた根を手で切り離します。包丁の刃先で小生姜の生姜の部分の薄皮をそぎおとします。味噌などにディップしてそのまま食べます。

自家栽培した生姜を使ったレシピ(その2)

小生姜の肉巻き

小生姜(葉生姜)はきれいに洗ってフライパンに入る長さに葉の部分を切り落とします。根の部分に豚肉を小生姜1本につき1~2枚巻いてから油を敷いたフライパンに閉じ目を下にして並べて焼きます。最初は強火で焦げ目をつけたら弱火に近い中火で蓋をして蒸し焼きにし、仕上げに市販されている生姜焼きのたれ(もちろん手作りでもOK)をからめたら完成です。

小生姜の天ぷら

小生姜の下処理は肉巻きと同様にし、根の部分に衣をつけ天ぷらにします。塩などでいただくと生姜の味が感じられて美味しくいただけます。生食が可能なものなので長時間揚げず衣に火が通る程度でさっと揚げます。

【まとめ】生姜の自家栽培をしてみよう!

家庭でプランター菜園をしている方は多いと思いますが、生姜をプランターで育てるというのはあまり知られていません。しかし生姜は虫がつきにくく植え方や育て方によっては簡単に収穫できるのでまずは小生姜までを育ててみて、生姜にあった土や水のやり方や肥料を与える時期など育て方のコツをつかんでみましょう。生姜は背丈が伸びるので防風対策や直射日光に当たらないような対策も必要です。

生姜の植え方は種生姜から新たな生姜が付き成長するため、ほかの野菜とはちがい少し深めのプランターを使い、まし土を考慮して最初は土の量を減らすなどのコツがあります。ほかの野菜と一緒にプランターを並べて育ててみると育て方のちがいも見えてきます。大きく成長した生姜を収穫する日が待ち遠しいです。

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