ほうれん草の栽培・育て方！プランターを使った失敗しないポイントや注意点

ほうれん草は鉄分が多く含まれていることで有名な野菜です。栄養満点なほうれん草はおひたしやサラダ、鍋などに入れて食べるとおいしい野菜です。最近は野菜の高騰化によりほうれん草を買うのにも二の足を踏んでしまうケースも少なくありません。ほうれん草は農家が作る野菜と思われていますが、実は家庭菜園でも栽培することができる野菜です。畑や庭など地植えしなくてもプランターで栽培すること方法もあります。

マンション住まいだから、家庭菜園でほうれん草を栽培できないと諦めていませんか？ほうれん草もプランターで栽培可能です。畑や庭で地植えしたものと変わらない品質のほうれん草を収穫できます。最近、人気になっている家庭菜園でほうれん草を栽培してみませんか？ほうれん草の地植えとプランターを使った栽培方法や育て方、栽培するにあたっての注意点を紹介します。初めての人も安心して栽培できます。

ほうれん草は野菜の中でも非常に栄養価値が高いことで知られています。総合栄養野菜と呼ばれるほうれん草は、人間の健康を維持するための栄養素がふんだんに含まれています。代表的な栄養素は鉄分です。牛肉のレバーより多くの鉄分が含まれているほうれん草は貧血防止にも役立ちます。女性に多いと言われる貧血を防止し、疲れにくい体を維持するには鉄分が多く含まれたほうれん草がおすすめです。

カロテンも多く含まれています。活性酸素を抑制するため、がん発症の防止に効果があります。ビタミンも多く含まれています。特にビタミンCの含有量が多く、一緒に食べるとよいとされるビタミンEが多く含まれているゴマを使ったほうれん草のゴマ和えは、栄養満点の料理です。カリウムも豊富です。塩分除去や血圧を下げるのに効果的で生活習慣病や成人病の予防に効果的です。

ほうれん草の旬は冬です。冬の野菜は栄養素をその体内に閉じ込めて寒い冬を乗り越えます。そのため、栄養素が夏野菜と比較して豊富です。ほうれん草が栄養満点なのは冬野菜だからです。厳しい冬の環境で育てるほうれん草は料理していただく時にそのありがたみを受け取ることができる万能な野菜です。

ほうれん草は様々な国で食されていますが、交配などを繰り返し現在の形になっています。ほうれん草には様々な種類があり、料理の内容によって適しているほうれん草を使い分けることができます。おひたしなどに使われる日本で一般的に目にするほうれん草は東洋種と呼ばれるものです。茎が長く葉に大きな切れ目があるのが特徴です。対して西洋種は葉が肉厚であるため、炒め物に利用されることが多い品種です。

ほうれん草は生で食べるのに適していませんが、サラダとして生食するように改良された品種もあります。サラダホウレンソウという名の品種で葉が柔らかいのが特徴です。赤茎ホウレンソウという品種もあります。アクが少なく、こちらも生食に適しており、サラダなどに使えます。ほうれん草は火を通さないほうが栄養素を壊さず摂取できます。生食用のほうれん草は栄養価値が非常に高くなっています。

今、家庭菜園は人気です。お金をかけずに楽しめる趣味として人気です。都会に住んでいてもマンションのベランダなどで家庭菜園ができることも人気の理由の一つです。高騰化している野菜を自宅で作ることで食費の節約につなげることもできます。オーガニック野菜など農薬を使用せずに栽培方法が自然に近い形で栽培されるなど食に対する意識が変化していることも家庭菜園を助長している要因です。

家庭菜園では果物や野菜を作ることが多いのですが、果物は栽培方法が難しく、畑や庭などを所持していないと難しい一面もあります。しかし野菜はプランターなどで簡単に栽培できるとともに、収穫までの期間も短く栽培しやすいのがポイントです。ホームセンターや園芸店でも野菜の種や苗を簡単に入手できるようになっているため、初心者でも育て方が簡単なのが野菜の家庭菜園です。その種類はたくさんあります。

ほうれん草は冬野菜です。スーパーでは年中店頭に並んでいるため、どの季節が旬なのかわからなくなってしまいますが、秋に種まきして冬を越して春に収穫する野菜の一つがほうれん草です。家庭菜園では一般的に春に種まきして秋までに収穫する夏野菜が人気です。夏野菜を栽培していると冬は土地を遊ばせていることになります。この期間を利用するのがほうれん草です。土地の空き時期を有効活用できる野菜です。

冬野菜は夏野菜と比較して病気になりにくく、害虫の影響も受けにくいのが特徴です。そのため、毎日害虫がついていないかなどの観察をする必要がありません。手間がかかりにくいのも冬野菜の特徴です。ほうれん草も冬に育ちますので、手入れは夏野菜と比較すると少なく、家庭菜園に付きっきりにならなくても簡単に育てることができます。その点でもほうれん草の栽培は人気があります。

ほうれん草もほかの野菜の育て方と同じく、間引きなど成長を促すための手入れはある程度必要です。通常、間引きをして切り取った端は捨てるのが一般的ですが、ほうれん草の場合には、間引きした若芽を食することができます。まだ柔らかい葉ですので、東洋種などでもサラダなどに活用できます。ほうれん草は収穫だけでなく、その成長過程においても余すことなく無駄なく利用することができます。

ほうれん草の育て方は、一面のほうれん草畑で農家が育てていることを想像するのが一般的です。もちろんほうれん草農家では、一面の畑で大量にほうれん草を栽培していますが、家庭菜園ではスケールが異なります。小さな庭や畑でもほうれん草を育てることは可能です。また、プランターでもほうれん草栽培ができます。小さなプランターから溢れるばかりのほうれん草を栽培することができます。しかも育て方に相違はありません。

プランターであれば、マンション住まいで畑や庭を持っていない人でもベランダの一角を利用して栽培できます。日光が当たる条件が必要ですが、必ずしも南向きでなければならないということもありません。もともと冬野菜は、日光の光が弱くても十分成長できる生命力を持っています。そのため、日光の光が少ないベランダでも畑や庭と同じような環境で栽培できるのが特徴です。

プランターでほうれん草を育てる際に、どの程度の大きさのプランターを購入すればよいのか迷ってしまいます。ホームセンターや園芸店では数多くの種類のプランターが販売されています。最近では、家庭菜園の人気にあやかって100円ショップでもプランターを販売しています。まず素材に関しては、プラスチックでも構いません。一つ注意点として、プランターの底部の水はけがよいものを選ぶことがポイントです。

次に大きさですが、プランターの大きさによってほうれん草の株の数を調整すればよいので、大きさに拘る必要もありません。どの程度育てたいのかに左右されます。また、マンションのベランダであれば、設置できる場所も限られているので、スペースと相談して決めれば大丈夫です。一株など小さい単位で育てたいのであれば、植木鉢で栽培する事も可能です。ただ肥料や土など世話を考慮するとプランターは一つの方が便利です。

次にプランターの深さです。野菜の育て方に影響するのは根がどの程度張るのかによってプランターの深さを考慮しなければならない事です。ほうれん草の根はそんなに深く張らないので、一般的な深さのプランターで十分です。ただしほうれん草でも地面に這うように育つ縮みホウレンソウはプランターでの栽培は不向きです。縮みホウレンソウの栽培は畑や庭など地植えができる環境を準備しておきます。

いよいよほうれん草の育て方を紹介します。注意点として連作障害に気を付けます。連作障害とは、毎年同じ環境で同じ野菜を作ると病気になりやすくなったり成長が阻害されるなどの影響です。多くの野菜は連作障害を持っており、毎年同じ場所で同じ野菜を栽培しないことが注意点です。ほうれん草の場合、一年間は間隔を取ることが推奨されています。そのため、畑や庭を利用する際には、場所を変えて栽培することが必要です。

連作障害の問題はプランターでは皆無です。その理由は毎年土を入れ替えるからです。連作障害に影響が出るのは土です。そのため、プランターは同じものを利用しても問題ありません。ほうれん草を植える際に新しい土を利用する事で連作障害の問題を解決できます。連作障害の観点でもほうれん草のプランターでの栽培方法はおすすめです。

ほうれん草の育て方の第一歩は土の準備です。プランターで栽培する場合には、園芸店やホームセンターで販売している野菜栽培用の土を購入します。適度に肥料や培養土などがブレンドされているため、安心して利用できます。初心者には難しい土の選別も考える必要がないためおすすめです。畑や庭の土を利用する場合には、酸性を消石灰や苦土石灰を用いて中和させます。酸性の土壌はほうれん草の栽培を阻害し、病気を誘発します。

ほうれん草は冬野菜です。種まきの時期は夏が終わった秋に行います。畑や庭で栽培するときには種まきするときまでに土の耕しを終了させておきます。土起こしは一ヶ月程度要しますので、種まきに合わせて逆算して土起こしを実施しておく必要があります。土が準備できれば種まきです。種はホームセンターなどで販売しており、簡単に手に入れることができます。初心者は発芽率を向上させた種を購入するのがベストな方法です。

ほうれん草は収穫に合わせた時期ではなく、気温に応じた発芽タイミングに応じて種まきを行います。発芽するベストな気温は15度から20度程度です。そして25度以上になると発芽率が一気に悪くなります。その為、気温が25度以上になる時期に種まきは禁物です。住んでいる地域の気温に合わせて9月下旬から10月に種まきを実施します。ほうれん草は氷点下でも成長はしますが、成長スピードは遅くなるのが寒冷地での注意点です。

種まきは株と株の間は指二本程度空ければ大丈夫です。ただし条間は10センチ程度空けます。5ミリ程度の盛土をしてたっぷりと水やりをすれば種まきの完了です。ほうれん草の発芽までに期間は長くても一週間程度です。発芽直後は非常に株が弱くなっています。雨に当たっただけで折れてしまうこともあります。そのためプランター栽培の場合には軒下などに避難させます。畑や庭の場合には雨除けを設置します。

ほうれん草は乾燥を嫌う野菜です。そのため水やりは毎日行うのが鉄則です。水やりの方法は朝に行います。日が陰るころに水分があると病気になりやすくなるためです。プランターでの育て方の場合、追肥の考慮が必要です。追肥とはもともと土に含まれている栄養素が少なくなる為、栄養素を土に追加して上げる方法です。プランターの場合には、土の量が畑や庭と比較して少ないため、追肥を適度に実施する必要があります。

追肥のタイミングは一回目の間引きを行った後がベストです。追肥の方法は条間に追肥し、周囲の土と軽く混ぜてあげる方法で行います。肥料は液体肥料の場合10日に一回程度与えます。固形肥料の場合は、二週間から三週間に一回与えます。肥料はほうれん草の成長を促進させますが、与えすぎは病気になったり成長を低下させてしまう逆効果をもたらす注意点があります。

ほうれん草は氷点下でも成長します。寒ければ寒いほどほうれん草内部に栄養を蓄積させて甘みのあるおいしいほうれん草ができます。しかし家庭菜園で寒さを利用して甘みのあるほうれん草を簡単に作ることは難しいため、寒さ対策を行い成長することを第一優先位して栽培する方法をおすすめします。気温が10度以下になる日が続くような場合には、ビニールなどで保温してあげると成長を低下させずに済みます。

ほうれん草は春撒きで栽培する方法もあります。春撒きは2月から3月頃に種まきします。注意点は、成長時期は気温が高くなるため、逆に暑さ対策を施す必要があります。遮光性ネットを利用して直射日光を当てないようにすることで暑さから守ることができます。いずれのケースもほうれん草の成長に適温である15度から20度を維持できるように工夫してあげることが、おいしいほうれん草を育てるコツです。

ほうれん草の育て方で最も大事なのが間引きです。大きいほうれん草に育てるためには、余分な葉を適度に取り除く必要があります。ほうれん草の育て方の基本です。一般的な間引きのタイミングは二回です。一回目は本葉が3枚程度になった時期です。株間が3センチ程度になるように間引きをしてあげることがコツです。二回目は本葉が6枚程度になった時期に株間が6センチ程度にしてあげるのが目安です。間引きした葉も食べられます。

ほうれん草の収穫は種まきから40日～50日程度経過した時期です。草丈が20センチ程度に育てば、十分収穫に適した時期です。ほうれん草の収穫は株ごと引き抜く方法で収穫します。ほうれん草の葉は柔らかく折れやすいのが特徴です。そのため根元からしっかりと抜いてあげることが適切な収穫方法です。ほうれん草は根の部分に甘みが凝縮されています。大きく成長させれば、甘みも増します。

ほうれん草の栽培時期は秋から冬にかけてです。また春撒きでも春先には収穫を完了できるため、台風や梅雨、大雨などの被害を受けにくい時期での栽培です。そのため、気象条件によるトラブルは発生しにくく、安定して栽培できます。しかしトラブルは皆無ではありません。最も多いトラブルが土壌が酸性であったため成長が止まってしまう現象です。葉が黄色くなる特徴があります。

畑や庭での育て方を行う際に、石灰を用いて酸性を中和させきれなかったことや、途中で酸性に変化してしまった、または肥料不足でも同様の現象が生じます。野菜を育てると必然的に酸性になりますが、ほうれん草は酸性に極めて敏感です。肥料も化学肥料を大量に使用すると酸性化しやすくなります。雨も酸性になる要因の一つです。酸性にならないようにph管理を徹底することで防止することができます。

ほうれん草は冬の野菜です。そのため虫が発生する確率は夏野菜と比較して少なくなります。育て方が簡単であるのはこうした害虫トラブルの発生リスクが低くなるからです。完全な氷点下の中で栽培するのであれば、問題視する必要性はないですが、15度から20度前後の気温では害虫リスクはまだ存在します。水やりの時などに害虫被害を受けていないかを確認し、もし害虫を見つけたら取り除くとともに殺虫剤を散布します。

害虫はアブラムシなどが多く、ホウレン草の葉を食べてしまいます。また蛾もほうれん草の敵です。秋口にはまだこれらの害虫は活動時期になるため、注意点として押さえておきます。病気にも対策が必要です。病気にも様々な種類がありますが、発見したら周囲への転移を防止するため摘み取ってしまうことをおすすめします。病気にならないようにする工夫を日ごろから行っておくと、ほうれん草は滅多に病気にかかりません。

ほうれん草の病気は多湿が要因で起こることが多く、余計な水分がいつもあると病気になりやすくなります。水やりは朝に行い、夕方には水分が目立たないようになっていることを意識するなど日ごろの世話で回避できます。また根本的な対策として連作障害にシビアになることです。畑や庭の場合、面積が限られており、連作しがちですが、次の栽培までの間隔を適切に空けることで病気は未然に防止できます。

ほうれん草栽培の注意点としてとう立ちがあります。とう立ちとは、植物が花を咲かせることです。植物が花を咲かせるのは子孫を残すための行動です。花を咲かせたのちに種子を残すからです。花を咲かせると株の持っている栄養分はすべて花に届けられるようになり、葉に栄養が回らなくなります。そのためほうれん草の栄養価値や味が落ちてしまいます。とう立ちする前に収穫を完了させることが大事なポイントです。

植物がとう立ちさせようと感じ取るのは日の長さです。ほうれん草は冬野菜です。そのため日の長さが長くなるととう立ちの準備に入ります。夏野菜は逆に日の長さが短くなるころにとう立ちの準備に入ります。そのため、プランターで栽培している場合の注意点として部屋の明かりがほうれん草に届かないようにする工夫が必要です。部屋の明かりを日光と勘違いすると早期にとう立ちしてしまう可能性があるのです。

マンションのベランダは部屋の明かりが届く位置にあります。周囲に電灯などがあり、朝まで点灯しているような場所も注意が必要です。部屋の光を届かないようにするには遮光カーテンを利用するなど工夫しましょう。高温状態も感知するため、暖房の熱がほうれん草のプランターに届くように設置するのは得策ではありません。

ほうれん草の育て方はとても簡単です。家庭菜園の入り口として初めて作る野菜に最適です。最近は野菜の高騰化によりほうれん草をスーパーで買うのも二の足を踏んでしまいます。家庭菜園でほうれん草を栽培することでおいしく安全な野菜が食べられるのと同時に食費の節約にもつながります。家庭菜園でほうれん草を栽培してみませんか？わずかなスペースといくつかの注意点を守ることで失敗せずに栽培できます。