墨汁の落とし方を解説!墨汁汚れの原因&服・床など素材別の落とし方

墨汁の落とし方について解説します。墨汁汚れが落ちにくい原因や、服や壁など素材別に綺麗に落ちるアイテムを使った落とし方を詳しく説明!なかなか取れない乾いた墨汁を落とすしみ抜きや墨汁汚れの対策も合わせて紹介します。

墨汁の落とし方を解説!墨汁汚れの原因&服・床など素材別の落とし方のイメージ

目次

  1. 1墨汁の落とし方を詳しく紹介!
  2. 2墨汁汚れの原因は?
  3. 3墨汁汚れの落とし方【服】
  4. 4墨汁汚れの落とし方【壁紙・床・その他】
  5. 5乾いた墨汁汚れを落とす方法
  6. 6墨汁汚れの対策
  7. 7墨汁の落とし方まとめ

墨汁の落とし方を詳しく紹介!

墨汁が服や絨毯について取れなくなったという経験はありませんか?どれだけ気を付けていてもついうっかり服に付いてしまった、という方も多いでしょう。一度墨汁が服に付いてしまうと繊維に染み込んでしまうので、普通の洗濯ではなかなか落ちません。ではどうしたら墨汁を綺麗に落とすことができるのでしょうか?

実は、墨汁は家にあるいろいろなアイテムを使って綺麗に落とす方法がいくつかあります。使うものは石鹸や洗剤、歯磨き粉などとても身近なものばかりです。服だけでなくフローリングや畳などいろいろな素材別の落とし方をぜひ参考にしてみてください。

墨汁汚れの原因は?

服や絨毯などに付いた墨汁はなぜ落ちにくいのでしょうか?墨汁のしみ抜きをする前に、墨汁の性質について詳しく知っておきましょう。

墨汁汚れが落ちにくい原因

墨汁汚れは不溶性なので水や油にも溶けません。むしろ水で洗うと広がってしまいます。墨汁の黒さは物を燃やした時に出る「すす」からできています。ごま油や椿油などを燃やした時に出るすすを材料とします。この時のすすはパウダー状です。このすすは水をはじく性質があるので、服に付いた際には繊維に残ってしまいます。

墨汁が付いた直後は表面に付いていますが、時間が経つにつれてどんどん繊維の奥まで入り込んでしまいます。このためすぐに処理をしなければ落とすのが難しくなります。しかし、水でゴシゴシこすると繊維の奥に入っていくだけでなく生地を傷めてしまいがちです。

墨汁の主成分

墨汁の主成分はカーボンブラックという炭素微粒子です。さらにニカワ(合成樹脂)と塩化石灰、防腐剤などを混ぜ合わせて作られます。ニカワとは獣類の骨や皮などを溶かし固めたゼラチンのようなもので、接着剤の材料になります。炭素は水をはじく性質があるので、水になじみやすいニカワと混ぜることで液体化します。

服に付いた墨汁を洗うと、水に溶けやすいニカワや石灰、防腐剤は流れ落ちます。しかし炭素は水をはじくので繊維に残ります。墨汁の汚れを落とすためにはこの炭素を繊維から取り除く必要があるようです。

墨汁汚れの落とし方【服】

それでは具体的にどんな落とし方が墨汁のしみ抜きに効果的なのしょうか?まずは服についた墨汁の落とし方を見ていきましょう。

墨汁の落とし方①石鹸を使う

固形せっけんを使う方法
墨汁のシミ部分を水で濡らし、固形せっけんをこすりつけます。墨汁が広がりますので、すぐに水道水で洗い流して下さい。再度固形せっけんをこすりつけ、墨汁のシミがなくなるまでこの処理を繰り返します。そのまま洗濯機で洗濯します。

身近な固形石鹸を使う落とし方は簡単に墨汁を落とすことができます。用意するのは石鹸のみです。墨汁のしみ部分を水で濡らして、固形石鹸をこすり付けます墨汁が広がったらすぐに水ですすぎましょう

墨汁のしみが出なくなるまで何度も石鹸をこすりつけることを繰り返します。しみが出なくなったら洗濯機で洗濯しましょう。生地によって脱色や擦れなどが出る場合もあります。擦れがでやすい生地は指や綿棒で優しくしみ部分をほぐします。

墨汁の落とし方②台所用の洗剤を使う

台所用掃除洗剤を2~3倍に薄め、墨汁で汚れたところに薄めた台所用掃除洗剤と固形石鹸をすりこんで、もみ洗いをします。なじんだところ流水で洗い流していきます。これを繰り返すだけで、びっくりする位キレイになります。

台所用の洗剤を使った落とし方は墨汁がびっくりするほど綺麗に落ちるようです。洗剤を2~3倍に薄めて汚れた部分に浸透させます。浸透したら揉み洗いをして流水で洗い流します。これを綺麗に落ちるまで繰り返しましょう。

台所用の洗剤だけで落ちにくい場合には固形石鹸をすりこみます。洗剤を染みこませた部分に固形石鹸をすりこみ、もみ込んで水洗いするのを繰り返します。もみ込むと黒い泡が出てくるので、これが他の生地部分に侵食する前に水で流すのがよいです。

墨汁の落とし方③マジックリンを使う

油汚れ用のマジックリンを使った落とし方はより強力に墨汁を落とすことができます。やり方は台所洗剤を使った方法と同じです。マジックリンを水で2~3倍に薄めたら汚れ部分に浸透させます。その後固形石鹸をこすりつけて揉み洗いし、水で流すことを繰り返します。流水に当てながら揉み洗いをするとやりやすいようです。

石鹸の代わりに歯磨き粉でも効果を発揮します。墨が付いてすぐにやることでかなり墨が落ちる効果を期待できます。マジックリンを使う時には換気をして手袋をつけるなど十分取り扱いに注意しましょう。

この方法は強力に落ちる反面、柄物のTシャツなどの場合色落ちする可能性があります。色落ちが心配な場合は、最初に目立たない部分に付けて色落ちしないかどうか確認しましょう。

墨汁の落とし方④ご飯粒を使う

「服についた墨汁落とし」第1位 ごはん粒法
結論をいうと「墨汁落とし」にラクだの近道だの寝言は通用せず。地道なゴシゴシ、もみもみ作業は必須!!その中で最も成果をあげられたのは、なんとレトロな「ごはん粒」を使う方法でした。最先端どころか奈良時代に聖徳太子とかがやってたかもです。さらに現代の我々は、洗剤2種を加えてパワーアップさせます!

墨汁のしみ抜きといえばゴシゴシこする方法が主流だと思われがちですが、実はご飯粒を使った落とし方も昔から有名です。墨汁が染み込んでいる部分に一つまみのご飯粒をこねて擦りこみます。ご飯が固いときは水を少量足します。

さらにご飯と液体洗剤を2対1の割合でかき混ぜ、粉末洗剤を加えてまとまりとよくするとパワーアップしてよく落ちるでしょう。ヘラなどでこすり続けると、ご飯粒が黒くなるので洗い流します。これを繰り返して黒い色がでなくやるまで擦りましょう。ご飯粒のデンプンが繊維の奥に入っている墨の粒子を吸着してくれます。

墨汁汚れの落とし方【壁紙・床・その他】

墨汁が付くのは服だけではありません。うっかりテーブルや畳、フローリングなどに飛び跳ねたりこぼしたりすることもあるでしょう。では壁や床などに付いた墨汁のしみ抜きにはどんな落とし方があるのでしょうか?

壁紙についた墨汁を落とす場合

壁紙に墨汁が付いてしまうと、床と違ってクロスに染み込んでしまいます。クロスをゴシゴシこすると剥がれてしまうこともあるので、墨汁がついたら出来るだけ早く落としましょう。壁の素材によりますが、専用の洗剤やスチームクリーナーなどを使った落とし方が有効です。薄めた洗剤やハイターを使っても良いです。

壁がボコボコしている場合は、歯磨き粉や専用の洗剤と歯ブラシを使った落とし方が良さそうです。時間が経つとどんどん染み込んで落ちにくくなるので、早急に染み抜きをしましょう。

床についた墨汁を落とす場合

フローリングに墨汁が付いてしまったら、すぐにふき取れば落とすことができます。落ちにくい時にはメラミンスポンジや歯ブラシを使って歯磨き粉でこする落とし方がおすすめです。

カーペットは服と同じ落とし方でこすります。カーペットに厚みがある場合は専用の洗剤を使うとより落ちるでしょう。畳に墨汁が付くと畳の目に入り込んでしまうのでなかなか落ちにくいです。

その他のものについた墨汁を落とす場合

バッグや財布に付いた墨汁は早急に対処しましょう。水で2倍に薄めたマジックリンをしみにつけて、石鹸でこすって水で流すのを繰り返します。この落とし方は何度もやると色落ちするので注意が必要です。

コンクリートの壁に付いた墨汁は一見落ちなさそうですが、マジックリンなどを使ってこすり落とすことができます。

に付いたら早急に対処しましょう。まずご飯粒に吸い込ませたら、歯ブラシと中性洗剤を使って畳の目に沿って優しくこするのがおすすめです。最後はタオルなどで優しくふき取ります。

クリーニング店に持ち込むという方法もありますが、完全に落とすことはできないかもしれません。またぬいぐるみなど洗いにくいものについた墨汁は、乾いたらブラシで取るか、しみ部分だけ洗剤をもみ込んで落とします。

乾いた墨汁汚れを落とす方法

墨汁が付いてすぐに染み抜きした場合は上記の方法を使って落とすことができるでしょう。しかし乾いてしまうと、墨汁は落ちにくくなってしまいます。乾いた墨汁のしみ抜きはどんな方法が良いのでしょうか?

乾いた墨汁の落とし方①【歯磨き粉】

炭素の粒子を服の繊維から取り出すには、歯磨き粉の研磨剤とお米の吸着力が有効。歯磨き粉は、必ず研磨剤の入っているものを使いましょう!でないと、炭素粒子を取り除くことができません。

乾いた墨汁は溶かして落とすことはできないので、歯磨き粉の研磨効果を使った落とし方が良いでしょう。繊維に絡んでいる炭素粒子を歯磨き粉と歯ブラシで物理的に掻き出す方法です。

服の下に汚れても良いタオルや布を敷いて、しみ部分に歯磨き粉をつけます。濡らした歯ブラシを使って叩くように落としましょう。繰り返すことで乾いた墨汁も少しずつ薄くなっていきます。ただし生地を傷めてしまうこともあるので、デリケートな生地には向いていなさそうです。あまり力をいれてこすらず優しく扱いましょう。

乾いた墨汁の落とし方②【泡タイプのキッチンハイター】

家に常備されていることの多いキッチンハイターを使った落とし方も効果的です。布に行き渡りやすい泡タイプがおすすめです。墨汁のしみ部分にキッチンハイターをつけてそのまま30分くらい放置します。その後お湯で流し、完全に落ちてなかった場合にはもう一度キッチンハイターをつけます。汚れが取れるまでこれを繰り返しましょう。

この方法は墨汁の汚れがよく落ちると評判が高いですが、同時に色落ちしてしまうので色柄の服にはおすすめできません。

乾いた墨汁の落とし方③【スミノン】

スミノンは墨汁を落とす専用のしみ抜き剤で、服に付いた乾いた墨汁にも効果を発揮します。家にある材料で効果を得られなかった場合には、多少コストはかかりますが専用の洗剤を使った落とし方が良いでしょう。

乾いた墨汁のしみ部分にスミノンをつけてもみ洗いします。つまむように洗ったら普通に洗濯します。もみ洗いの際に固形石鹸を併用するとさらに落ちるという声も聞かれるようです。口紅を落とす効果もあるようなので、墨汁を使う機会が多い場合は買っておいて損はなさそうです。

乾いた墨汁の落とし方④【クレンザー】

クレンザーは歯磨き粉と同じく研磨剤が含まれています。クレンザーに含まれる微粒子の研磨成分が繊維に絡んでいる炭素粒子を掻き出してくれます。歯磨き粉を使用したのと同じ落とし方で落とすことができます。

歯磨き粉よりも研磨剤の成分が強いので、墨汁が効果的に落ちるでしょう。しかし生地を傷める可能性があるので、クレンザーを使用するときには優しく扱うのが良いです。

墨汁汚れの対策

頑固な墨汁のしみ抜きも以上のように素材によってさまざまな方法で落とすことができます。しかし、できることならなるべく汚れないようにしたいものです。服や床をできるだけ汚さないように、汚れてもすぐ落とせるようにするにはどんな対策を取っておけば良いでしょうか?

墨汁がついたらすぐに対処する

墨汁は付いたらすぐにしみ抜きするようにすると、さほど手間をかけずに落とすことができます。墨汁は粒子が小さいので、時間が経つとどんどん繊維の奥に入り込んでいきます。乾いてしまうとさらに落とすのが難しくなるので、気づいたらすぐに対処するのがおすすめです。

学校の習字の授業で墨汁が付いた場合は帰ってから落とすことになりますが、学校で応急処置をしておくことはできます。液状の文具のりをご飯粒の代わりに塗っておくと、帰ってから墨汁のしみ抜きをする際に楽に落とすことができるようです。

洗濯で落ちる墨汁を使う

最近では洗濯で落ちる墨汁が販売されています。普通の墨汁と色味が違うので、清書用として使用することはできないこともあります。練習や自宅で使う分には問題ないのでおすすめです。また墨汁が飛び散りにくいように工夫されているので、うっかり墨汁を付けてしまうことが多い方にも使い勝手が良さそうです。

しかし、繊維の種類によって落ちにくい場合があるようです。また他の墨汁と混ぜてしまうと洗濯で落ちなくなってしまうので注意しましょう。

書道の時は着る服を固定する

書道の時には汚れても良い服をあらかじめ着ておくと良いでしょう。うっかり汚してあわてる必要もなく、汚れが落ちなくても気にする心配がなくなります。墨汁が付いても目立たない黒い服やエプロンなどを着るのも良さそうです。古着などを利用すると、ある程度汚れてしまったら気軽に捨てることもできて便利です。

しみ抜き前は色落ちテストをするのがポイント

無地や白い生地なら色落ちする心配はありませんが、色柄物の場合は色落ちする可能性があります。ハイターやクレンザー、歯磨き粉などでゴシゴシこする落とし方は特に色落ちしやすいです。墨汁のしみ抜きをする際には裏地など見えない部分でこすってみて、色が落ちないかどうかテストしておくと安心です。

色柄物の場合はあまり色落ちする心配のないように、ご飯粒や固形石鹸などを使った落とし方を活用するのがおすすめです。

墨汁汚れを落とす時の注意点

墨汁は時間が経つにつれてどんどん繊維の奥に入っていってしまいます。墨の粒子はとても小さいので、時間が経って奥に入り込むとますますしみ抜きが大変になります。墨汁がついたからといってあわてて水洗いすると、余計に炭素粒子が水にとけやすいニカワと周囲に広がってしみが大きくなります。

墨汁は乾いてしまうと落ちにくくなります。ついたらすぐに対処するのが最も綺麗に落とすことができるでしょう。またゴシゴシこすると繊維の奥に粒子が入り込むだけでなく、生地を傷めることにもなります。なかなか墨汁が取れないとつい強くこすってしまいがちですが、上記の落とし方を利用しながら優しくこするのが良いでしょう。

またハイターやクレンザー、マジックリンなど強力な洗剤を使うときには手が荒れるのでゴム手袋などを付けましょう。他の洗剤でもなるべく手袋で手を保護するのが良さそうです。
 

墨汁の落とし方まとめ

墨汁は水に溶けないのでとても落ちにくい成分です。服についた墨汁の落とし方は、固形石鹸や台所洗剤、ご飯粒などを使った落とし方がおすすめです。壁や床などの場合は素材を傷つけないよう歯磨き粉などを使いながらそれぞれに合った落とし方があります。

墨汁は乾いてしまうと落とすのが難しくなりますが、歯磨き粉やキッチンハイター、スミノンなど強めの洗剤を使うと落としやすくなります。これらを使った落とし方は特に色落ちしないよう気を付ける必要があるでしょう。

墨汁を扱う際には汚れても良い服を着て、付いたらすぐに落とすなど対策を取りましょう。もし服などに墨汁が付いてしまったら、あわてて水洗いせず今回紹介した素材に合ったいろいろな落とし方をぜひ活用してみてください。

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