玉ねぎの黒い粉の正体はなに?洗えば食べられる?腐った玉ねぎの見分け方も

玉ねぎの黒い粉のようなものの正体や、黒いものを洗えば食べることができるかどうかについて解説していきます。また、カビや腐敗を発生した場合の対処方法、発生させないための保存方法、腐っている玉ねぎの見分け方などについても紹介します。

玉ねぎの黒い粉の正体はなに?洗えば食べられる?腐った玉ねぎの見分け方ものイメージ

目次

  1. 1玉ねぎが黒い状態に!
  2. 2玉ねぎの黒い粉はなに?食べられる?
  3. 3玉ねぎの黒いカビ以外のカビは食べられる?
  4. 4玉ねぎが腐っているかのどうかの見分け方
  5. 5玉ねぎの正しい保存方法
  6. 6玉ねぎの黒い粉の正体まとめ

玉ねぎが黒い状態に!

たまに茶色い皮やその下に黒い粉のようなものがついている玉ねぎに出会うことがあります。スーパーで購入した玉ねぎではほとんど見かけませんが、家庭菜園で収穫した後で発症することはよくあることです。茶色い皮を剥いで水できれいに洗うと美しい白い部分が現れます。

黒い粉のようなものを取り除けば通常の玉ねぎと品質的にそれほど変わりがないように見えるので、半信半疑でそのまま料理に使っている人も多いでしょう。この黒い粉の正体は何でしょうか?また、洗って食べても健康的に問題がないのでしょうか?詳しく解説していきます。

玉ねぎの黒い粉はなに?食べられる?

玉ねぎの黒い粉はカビ

玉ねぎの表面に現れる黒い粉のような汚れは、実はアスペルギルス・ニガーと呼ばれる黒いカビです。アスペルギルス・ニガーは空気中や土壌に生息しているポピュラーなカビで、クエン酸やペクチナーゼなどの製造に用いられるなど食品産業業界ではよく知られている存在です。

黒いカビといっても風呂場やパンに発生するカビとは種類が異なり、玉ねぎ特有の病気である黒カビ病の原因菌です。

玉ねぎの黒いカビの原因

玉ねぎの黒いカビは、高い湿度や通気性が悪く、空気がよどみやすい場所に保存すると発症します。また、収穫直後や出荷前の貯蔵庫の中で見つけられることもあるそうです。袋の中の1個に黒いカビが発生すると、一緒に入っている他の玉ねぎにも移ってしまいます。

出荷時にしっかりとチェックされるためスーパーの商品で見かけることは少ないのですが、もし袋の中で黒カビ病にかかっている玉ねぎを見つけたら、処分するか問題のない部分を早めに使い切るようにしましょう。

玉ねぎに黒いカビが生えたら食べられない?

玉ねぎは黒くなっている部分にカビが発生しているだけで、中まで浸透していません。玉ねぎには硫化アリルが含まれているため殺菌作用が強く、通常は傷などがない限り粉のようなカビが中まで浸透することはないとされます。そのため、きれいに取り除けば他の白い部分は使用で切るようです。

黒い粉は基本的に水でこすり洗いするだけできれいに落ちます。茶色い皮や悪くなっている部分を取り除き、黒い粉のようなものをきれいに洗い流して通常通り料理に利用してください。黒いカビが表面の傷に付着していて取れにくい場合は、その部分を剥いで利用します。

もし仮に少し残っていて口にしたとしても毒性はあまりないとされ、食中毒の心配はしなくてもよいようです。今のところ玉ねぎの黒いカビが原因という健康被害の話は出ていません。しかし、カビには間違いないので気になる方は処分してください。

玉ねぎに黒いカビを発生させない対策

玉ねぎは元々賞味期限が長い野菜ですが、保存状態が悪いと傷みやすい食品です。黒カビ病は30度以上の高温や湿気の多いところで発生しやすいので、乾燥している風通しのよい冷暗所で保存するのがよいでしょう。冬の季節であれば、新聞紙に包んで部屋の中の涼しい場所でも保存可能です。

または、雨が当たらず風通しのよい軒下に吊るしておくのもよいでしょう。しかし、どんなに保存場所に注意していても保存期間が長くなると黒いカビが発生し腐ることもあります。いずれにしても黒い粉のようなものを見つけたら、早めに処分するか使い切るようにしましょう。

そのときに、黒いカビが発生した場所や容器はアルコールで消毒するようにしてください。玉ねぎそのものを取り除いても保存していたところに菌が残っている可能性があるので、注意が必要です。

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玉ねぎの黒いカビ以外のカビは食べられる?

白いカビ

玉ねぎにつきやすいカビには、黒い粉のようなもの以外にも根に発生しやすいフザリウム・オキシスポルムという白カビがあります。この白カビも土壌に生息している玉ねぎ乾腐病の原因菌です。玉ねぎ乾腐病になると根の部分から腐敗していき、実の白い部分が乾燥するか水っぽくなっていきます。最終的には茶色い皮だけになってしまいます。

軒下に吊るされた玉ねぎの中で茶色い皮だけになっているものを見かけたら、玉ねぎ乾腐病の可能性が高いです。黒いカビはきれいに洗い落とせば残った白い部分は食べることができますが、白カビは食べることができないので注意してください。白カビからは有毒なマイコトキシンというカビ毒が発生します。

こちらは加熱消毒しても取り除くことはできません。残っている白い部分の範囲や状態にもよりますが、玉ねぎ乾腐病の玉ねぎを見つけたら処分する方が賢明でしょう。ちなみに、玉ねぎ乾腐病になって腐れていくと強力な臭いを発するので、家の中で保存している場合は早めに気がつきやすいです。

青いカビ

また、玉ねぎにも青や緑のカビが生えることがあります。青カビはペニシリウム属の菌で、柑橘類でもよく見られます。青いカビが生えても初期段階であればその箇所を大きく取り除き、料理に使うことは可能です。ただし、玉ねぎそのものが柔らかくなっていたり透明になっている場合は処分してください。

芯が緑色になっている場合

芽が出始める寸前のとき、中央部分が緑色になっているものがあります。これは、玉ねぎが生長し芯の部分から芽が出かかっている状態なので、何の異常でもありません。通常通り料理に利用できます。家庭菜園で収穫した玉ねぎをたくさん保存していると、最後の方に残った玉ねぎから芽が伸びてくることがあります。

芽が伸び過ぎて実が柔らかくなっているものは、使っても健康的には問題ありませんが食材としては風味もなくおすすめできません。

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玉ねぎが腐っているかのどうかの見分け方

見分け方①におい

玉ねぎが腐敗すると、鼻を覆いたくなるような強烈な臭いがします。そのため、腐敗しているものを気がつかないで食べることはほとんどないでしょう。取り除いた後でも床や保管場所に臭いは残るので、中性洗剤や重曹などを使って掃除してください。

見分け方②柔らかくなっている

玉ねぎをつかんでブヨブヨと柔らかく感じたら、中が腐敗していることが多いです。また、外からの感触で気がつかなくても、半分に切った後中心部分が少し茶色く柔らかくなっていたら腐りかけの状態です。まだ初期の段階で臭いもしなければ、その部分だけを取り除いて料理に使うことは可能です。

ただし、全体的にブヨブヨしていたり中心部分が茶色く腐れていたり、白い部分が半透明になっていたりしたら、臭い匂いがそれほどしなくても全体的に腐れかけた状態なので処分してください。

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玉ねぎの正しい保存方法

玉ねぎは正しく保存すると、基本的には賞味期限が長い野菜です。購入したら茶色い皮のまま風通しの良い冷暗所で保存してください。冷蔵庫の野菜室へ保存する人もいますが、茶色い皮付きのまま冷蔵庫で保存するのはおすすめできません。冷蔵庫保存では1ヶ月、常温での保存では2ヶ月といわれ、常温での保存の方が賞味期限が長いです。

新玉ねぎや早生玉ねぎは、水分が多く柔らかいので早く悪くなりやすい品種です。早めに食べ終わるようにしてください。それまでは、新聞紙に包んで保存するとよいでしょう。また、ネットに入れて日の当たらない軒下やベランダなどの風通しの良い場所に吊るしておくのもよいです。ただし、カットしたものは常温では保存できません。

残りはラップし密閉容器や袋に入れて冷蔵庫で保存します。賞味期限は2~3日ほどです。収穫期にたくさんもらった場合は、スライスやみじん切りにカットして1回分ずつ冷凍保存するとよいでしょう。玉ねぎの風味は多少低下しますが、無駄な処分を防ぐことができます。冷凍のままカレーやスープに、半解凍してハンバーグなどに利用すると便利です。

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玉ねぎの黒い粉の正体まとめ

スーパーで販売されている4~5個の量であれば腐るまでに使ってしまうことが多く、保存の場所にさほど神経を使う必要はないでしょう。しかし、収穫時期になると家庭菜園やもらいもので手元にたくさんの玉ねぎがあるときがあります。この場合はネットに入れたり紐で吊るしたりして、風通しのよい場所に保存してください。

カビが発生した後の玉ねぎの扱い方は、カビの部分を切り落として白い部分は食べてよいとする考えやどのようなカビであっても食べない方がよいとする考えなど、人によってまちまちのようです。これまでカビが原因菌となって病気の報告がないので、カビの発生が初期段階であれば問題の箇所を多めに処分して食べることも可能といえるでしょう。

ただし、赤ちゃんや小さな子供、高齢者など抵抗力が弱い人は、避けたほうが無難です。風通しのよい冷暗所で吊るしたりスライスやみじん切りにカットし冷凍するなどして、なるべくカビを生えさせず腐らない方法で保存しましょう。

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