2019年10月01日公開
2024年09月29日更新
玉ねぎの芯は食べることは可能?芽が出たらどうする?取り方と芽を防ぐ方法
玉ねぎの芯と芽を食べても良い理由や、玉ねぎの芽が伸びる訳を解説します。芯や芽の取り方と活用方法も詳しく紹介していきます。また、玉ねぎの正しい常温保存の方法や冷蔵保存の方法、冷凍保存の方法を見やすくまとめました。
玉ねぎの芯は食べることができる?
玉ねぎは料理で頻繁に使う食材の一つです。玉ねぎを常に家に置いている、という家庭も珍しくありません。日常的によく調理をする玉ねぎですが、正しい知識を持っている人は、あまり多くありません。
白菜やピーマン、りんごの芯は取り除くことが多いです。では、玉ねぎの芯はどうでしょうか?そもそも、玉ねぎに芯はあるのでしょうか?この記事では、そんな疑問も含め、玉ねぎの芯の活用法や取り方、芽が出たときの対処法などを紹介していきます。玉ねぎの正しい知識を増やすことで、より美味しく玉ねぎを食べられるようになります。
玉ねぎの芯は食べても大丈夫
玉ねぎの芯はどこの部分?
玉ねぎの芯とは、根を下にして縦に玉ねぎを切ったとき、根の少し上に見える白い部分のことです。玉ねぎの芯は、食べても問題ありません。玉ねぎはシャキシャキとした歯ごたえが特徴ですが、芯は加熱しても硬く、口に残ります。その食感が苦手という人は、玉ねぎを切るときに、芯を取り除いてしまうようです。
毒は無い
玉ねぎの芯に毒はありません。玉ねぎの保存状態によっては、芯の周りが黄色味がかっていたり、緑色っぽくなっていたりすることもありますが、腐敗臭がしなければ、問題ありません。玉ねぎの芯が変色する理由は、新しい芽ができているためです。玉ねぎは収穫後も成長を続けており、根から上に向かって芽を伸ばそうとしています。
芯の変色した部分は、上に成長しようとした芽の卵のようなものです。芽にも毒性はないため、芯の周りが変色していても食べることができます。
栄養が豊富
玉ねぎの芯を取り除く人が多いですが、それはもったいないです。玉ねぎの芯は栄養豊富です。先述しましたが、玉ねぎは収穫後も、根から芽を伸ばそうと成長を続けています。芽を出すためには、栄養が必要になります。そのため、根や芯付近に玉ねぎの栄養成分が集まる性質があります。
芯を切り落とすということは、芯の周りに集まった栄養成分も取り除くということです。玉ねぎには、ケルセチンやアリシン様物質という栄養成分が、豊富に含まれています。これらの栄養成分は、血流を改善し、脳梗塞や心筋梗塞を予防する効果があるとされています。玉ねぎの芯を摂取することで、その効果がより高まります。
食べられない時のサイン
根元から芽の生え際にかけて、玉ねぎの中心部分が茶色く変色している場合は、食べられないサインです。玉ねぎの中心が変色する理由は、主に芯腐り病、玉ねぎの傷みが挙げられます。芯腐り病は、玉ねぎに原因菌が付着することで起こります。玉ねぎに菌が付着していると、保存している間に病気が進行し、芯が茶色く変色してしまいます。
玉ねぎは腐りにくい野菜ですが、保存期間があまりにも長かったり、保存の仕方が適切でないと芯が傷むことがあります。このような場合も、玉ねぎの中心部分は、茶色く変色します。傷んだ玉ねぎは、食べない方が賢明です。
傷んだ部分がごくわずかである場合は、変色した芯の周りを切り落とせば、食べることができます。ただし、食べるときは、よく加熱して食べるようにしましょう。
芯の取り方
玉ねぎの芯の取り方は、とても簡単です。まず、玉ねぎの皮を剥き、根を下にして縦半分に切ります。根の辺りに包丁でV字の切れ込みを入れると、根と芯を同時に切り落とすことができます。芯の取り方のコツは、できるだけ切り込みを小さくすることです。取り除く部分を最小限にすることで、食材の無駄が少なくなり、栄養成分も損なわれません。
玉ねぎの芯から芽が出た場合
芽が出ても食べられる?
玉ねぎの芽には毒性がないため、食べられます。野菜の芽には毒性があるというイメージが強いのは、じゃがいもの影響です。じゃがいもの芽には、ソラニンという毒性のある物質が含まれており、食べると腹痛やめまいを引き起こします。
料理番組やレシピ本などで、じゃがいもの芽を取り除くよう注意を促すことが多いため、野菜の芽を食べてはいけないというイメージが広がっています。しかし、野菜の芽に毒性がないものも多く、玉ねぎやニンニク、らっきょうなどの芽は栄養豊富であることが分かっています。
味が落ちる
芽が生えてしまった玉ねぎを食べても、問題ありません。しかし、芽を伸ばすときに栄養成分が芽に吸い取られてしまうため、芽が生えていない玉ねぎと比べると、味は落ちます。芽が生えた玉ねぎは、生で食べることを避け、炒め物やスープなどに調理するとよいでしょう。加熱すると玉ねぎの甘みが出るため、落ちた味をカバーすることができます。
薬味として使用する
玉ねぎの芽は、薬味として使用することができます。玉ねぎの芽の味は、小ねぎのような風味がします。玉ねぎの芽は加熱をしなくても食べられるため、小口切りにして料理に添えます。また、みそ汁の具や炒め物の材料としても利用できます。
栽培することも可能
玉ねぎの芽は、玉ねぎを長期間保存している間にいつの間にか生えているものというイメージがありますが、意図的に栽培することができます。栽培はとても簡単な上、何度も収穫ができるため、玉ねぎの芽を育てている人は多いです。
水栽培
玉ねぎの芽を水耕栽培するときに必要なものは、容器と玉ねぎです。容器選びで最も重要となるのは、大きさです。玉ねぎの根だけが、水に浸かる大きさの容器を選ぶようにしましょう。容器が大きすぎると、玉ねぎの根以外が水に触れてしまい、腐敗の原因となります。逆に、容器が小さすぎると、根が水に触れにくく、芽の成長が遅くなります。
容器の八分目まで水を入れ、玉ねぎを置けば準備完了です。水の交換を3〜5日に1度行い、芽が伸びるのを待ちます。芽の取り方は、20〜30cmほどに伸びてきたら、キッチンバサミで伸びた部分を切り取ります。
芽を切り取った玉ねぎをそのまま水に浸けておくと、また芽が伸び始めます。芽の収穫は、2〜4回ほど行うことができます。
土栽培
玉ねぎの芽をを土栽培するときに必要なものは、プランターと園芸用の土と玉ねぎです。プランターは、玉ねぎ全体がしっかりと埋まる深さのものを用意します。栽培方法はプランターに玉ねぎを入れ、園芸用の土を玉ねぎが見えなくなるまでかけます。そして、毎日水やりを行い、芽が伸びるのを待ちます。肥料は必要ありません。
芽の取り方は、伸びた部分をハサミでカットします。この時、芽の根元を少し残しておくと、次の収穫が早くできるようになります。
玉ねぎの保存方法
常温
玉ねぎは高温多湿になる場所で保存すると傷みやすいため、常温保存の場合は、風通しの良い冷暗所での保存が、おすすめです。玉ねぎと床との接地面が多いと、湿気が溜まりやすくなるので、ひもで吊るして保存すると長持ちします。
玉ねぎを吊るすスペースがないときは、新聞紙を敷き、その上に玉ねぎ同士が重ならないよう平置きにして保存しましょう。時々、玉ねぎを転がして、玉ねぎと床の間にある湿気を逃すと、保存期間が長くなります。玉ねぎは水触れると傷みが早くなるため、土がついていても、土を手で払い落とす程度でそのまま保存します。
玉ねぎに土がついていても、傷む心配はありません。常温での保存可能期間は、4〜6ヶ月程度です。
冷蔵
冷蔵庫で保存する場合は、玉ねぎを野菜室に入れて保存します。玉ねぎを購入したときに入っているネットや袋から出し、できるだけ玉ねぎ同士が重ならないようにして冷蔵庫に入れましょう。冷蔵庫にりんごが入っていると、りんごから出るエチレンガスの影響で、芽が伸びやすくなるため、注意が必要です。冷蔵での保存可能期間は、2ヶ月程度です。
冷凍
玉ねぎを冷凍保存する場合は、まず、玉ねぎの皮を剥き、食べやすい大きさに切ります。玉ねぎの切り方は、くし切りやみじん切りなどにしておくと、調理のときに使いやすいです。玉ねぎを切った後は、キッチンペーパーなどで表面に浮いた水分を軽く拭き取ります。そして、チャック付きのフリーザバッグに入れ、冷凍庫で保存しましょう。
玉ねぎを小さなフリーザバッグに入れ、一食分ずつに小分けにしておくと便利です。冷凍での保存期間は、1ヶ月程度です。
玉ねぎの芯は栄養が豊富のため食べるべき場所!
玉ねぎの芯や芽には、毒性がありません。むしろ、栄養が豊富に含まれているため、調理のときに取り除いてしまってはもったいないです。玉ねぎの芯は硬く、苦手な人も多いですが、スープやカレーなどの煮込み料理にすれば、硬さはあまり気にならなくなります。
玉ねぎを生で食べるときは、芯を取り除き、煮込むときは芯を使うなど、調理法によって使い分けると、苦手意識なく芯を食べることができます。芯を切る場合は、切り込みを小さくし、取り方の工夫をすれば栄養成分を大きく損ないません。美味しく調理をして、栄養満点である玉ねぎの芯を食べましょう!