2018年05月30日公開
2024年07月12日更新
アイナメを刺身にするときのさばき方!寝かせる時間と寄生虫について
アイナメを刺身にするときのさばき方を順番に紹介します。熟成させるために寝かせる時間はどのくらいなのか、アイナメは刺身の他にどんな食べ方をする魚なのか、リサーチしました。話題になっているアニサキスを代表とする魚にいる寄生虫はアイナメはどうなのか?寄生虫がいつかもしれない場合はどうすれば良いのか?アイナメの刺身の美味しさや値段も合わせて紹介します。アイナメの刺身を美味しく食べる方法も!
目次
アイナメ料理は、刺身が最高らしい!?
アイナメという魚を知っていますか?アイナメは鮎魚女、鮎並、愛魚女とも書くカサゴの種類の魚です。このアイナメを使った料理はたくさんありますが、アイナメは刺身が最高です。ではそのアイナメについて特徴から紹介しましょう。
アイナメの特徴
アイナメは日本近海で塩分濃度が低めの海に生息しており、体の大きさは30〜大きくなると50センチほどにもなる魚です。カサゴの種類ではありますが、棘はなく、細かいウロコが特徴です。旬は冬のはじまりから春にかけての寒い時期に産卵を控え多く水揚げされますが、身が美味しいのは春から夏です。脂肪の多い白身で、そのアブラの多さから「あぶらめ」と呼ばれることもあります。脂の多い白身魚で、美味しい魚です。
美味しいアイナメを見極めるために必要なことは鮮度です。傷みが早い魚なので、鮮度は重要です。生きている状態で手に入れるのがベストですが、なかなか難しいので、売られているアイナメの鮮度を見極める方法を紹介します。まずは目が澄んでいること、次に体の色や模様が鮮やかでエラの中が綺麗な赤い色をしていることが大切です。
アイナメは釣り人に人気の魚の一つです。実はスーパーで販売されているよりも釣りが趣味の人から頂くことが多いという人も珍しくないのではないでしょうか?鮮度が大切な魚なので、流通経路をまわってスーパーに陳列されるにはなかなか難しいこともあるのです。それが自分で釣ってきたものであれば鮮度は抜群です。ではその鮮度の良いアイナメを実際に料理していきましょう。
アイナメを使った料理
アイナメを使った料理はたくさんあります。刺身はもちろんですが、焼き魚、煮魚、唐揚げ、汁物にもなります。また干物やみりん干しになることもあります。最近ではアクアパッツァなどの料理にも使用されます。小骨は多めですが、皮が厚いので、焼いても炙っても脂の旨味が引き出されて美味しい料理になります。
一般的なアイナメの刺身は皮を除いた状態で食べますが、敢えて皮を残し、皮を炙った刺身で頂くと皮と身の間の旨味をじっくり味わうことができ、大変美味しいです。炙る場合は家庭でも簡単にバーナーなどで調理可能です。またアイナメは肝を頂いても美味しい魚です。その場合は寄生虫がいる場合もありますので、よく細かくしてから食べるようにしましょう。
アイナメの刺身は、どんな味?
ではアイナメの刺身はどんな味なのでしょうか?脂の多い白身魚であると紹介してきましたが、白身魚特有の淡白な味わいの中に脂の旨味がある美味しい刺身です。また鮮度が良ければコリコリとした歯ごたえもアイナメの刺身の特徴です。高級魚であるのも納得できる美味しいアイナメの刺身です。
アイナメをさばいて、刺身にしよう!
アイナメを実際にさばいて刺身にしてみましょう。鮮度の見極めができ、さばき方が分かれば、鮮度が落ちやすいアイナメの刺身が高級でなかなか手が出ない場合でも、自宅ならば手軽に食べることができます。またアイナメの刺身はなかなか手に入りません。活き締めのアイナメの方が手に入りやすいのです。基本的な魚のさばき方を紹介しますので是非チャレンジしてみてください。
アイナメのさばき方(1)うろこ処理
アイナメの基本的なさばき方を見ていきます。まず、アイナメのウロコを取り除きます。アイナメのウロコは細かいのが特徴です。包丁の背の部分を尾ヒレから頭に向けて動かし、ウロコを取り除くのが基本的な処理方法です。ですが、アイナメの身は脂が多く柔らかいのが特徴です。強い力でウロコを処理してしまうと身を炒めてしまいます。
もちろんウロコ専用の処理道具を使用しても問題ありませんが、家庭で簡単にアイナメをさばく場合には金だわしがおすすめです。どんな道具を使用しても、エラやヒレの近くが取り除きにくいので注意しましょう。身が柔らかいので注意すること、そして手の温もりで鮮度も失われていくので、できるだけ手早く済ませましょう。
アイナメのさばき方(2)頭と内臓の処理
次のアイナメのさばき方は頭と内臓の処理です。ウロコを処理したアイナメの胸ヒレと腹ヒレに沿って包丁を入れ頭を落とします。大きめのアイナメの場合は片側から包丁を入れただけでは、難しいこともあります。その場合は、片側から半分ほどまで包丁を入れた後にアイナメを返し、逆側からも再度包丁を入れます。両側から包丁を入れることで簡単に頭を落とすことができます。
頭を落としたら次のさばき方手順は内臓の処理です。お腹に切れ目を入れ、内臓を取り除きます。内臓を取り除くと、血合いが見られます。血合いは流水で処理する前に歯ブラシなどでこするとキレイに処理できます。頭と内臓を処理したら、流水で手早く流し、キッチンペーパーなどで水気を取りましょう。
アイナメのさばき方(3)3枚におろす
アイナメのさばき方3として3枚おろしのやり方を紹介します。まずアイナメの背びれに沿って、背びれと平行に中骨の部分にまで切れ込みを入れます。この時包丁を持たない手をアイナメの身体にしっかり添えると簡単です。次にアイナメを返して、腹側から同じように中骨に当たるように切れ込みを入れます。これで背側、腹側から切れ込みが入りました。
次に尾びれの付け根部分から包丁を中骨に沿わすように頭方向に身を切り取っていきます。先程、腹側と背側に切れ込みを入れているので、中骨についている真ん中の部分のみを外していく要領です。ここまでできたらアイナメを返し、逆側も同様に処理します。すると右半身、左半身、中骨周辺の3つのパーツになります。これが3枚おろしです。このさばき方はアイナメ以外でも使えるので覚えておくと良いでしょう。
アイナメのさばき方(4)骨を除く
アイナメのさばき方4は刺身にする場合の骨の除去です。右半身、左半身の腹の部分に骨が密集しています。この部分を包丁でこそげ取ります。その後、小骨を除去します。ピンセットのような骨抜きが100円均一でも簡単に購入できます。丁寧に身から骨を抜き取りましょう。この時に少し身を湾曲させながら指でなぞると骨に気付きやすいです。
小骨を抜くのではなく、ハモなどのように骨切りすることもあります。その場合はまな板に皮部分をしっかり当てて、皮に当たる部分まで数ミリ単位で切れ込みを入れていきます。骨の除去ができたら皮を取ります。尾びれの方から少し皮を剥き、その皮を持って皮と身の間に包丁をすべりこませると皮は簡単にはがすことができます。
アイナメのさばき方(5)刺身にする
骨と皮の処理が終わると、刺身サイズに切り分けてお皿に盛れば刺身の完成です。身が柔らかく、傷みのスピードも早い魚なので、できるだけ素早く処理をすること、流水にさらす時間を短くすること、水気をしっかり取り除くことが美味しいアイナメのさばき方のポイントです。
アイナメの刺身は寝かせることで熟成して食べると旨味が増します。また薬味を工夫して食べることもおすすめです。白身魚で脂の旨味を持っているアイナメならではのレパートリーです。
アイナメの刺身のうまい食べ方
アイナメの刺身は美味しいと紹介してきましたが、では、アイナメの刺身をもっと美味しい刺身にする方法はあるのでしょうか?寝かせることでおきる熟成をアイナメにも生かせるのでしょうか?またすし店でもよく出てくるような炙りや昆布締めをアイナメに生かす方法を調べました。
アイナメは寝かせるとうまい!?
アイナメは熟成のため寝かせると美味しいと聞いたことがあります。そこでその熟成のため寝かせる方法についてリサーチしました。先程のさばき方に要領でアイナメを刺身状にし、身を見てみると青白いような白身の魚です。このまま食べても食感が良い美味しい刺身ですが、では熟成させるため寝かせるとどうなるのでしょう?キッチンペーパーに包み冷蔵庫で数時間寝かせると、身は熟成しキレイなピンク色になります。
熟成しキレイなピンク色になったアイナメの刺身は食感も残って、さらに熟成により旨味もアップします。この5~6時間程度寝かせるという熟成度合が良く、これ以上寝かせると今度は熟成を過ぎて鮮度が落ちた劣化状態になります。冷蔵庫の冷え方にもよりますので、きれいなピンク色、というものを目安にしてみてください。
このアイナメを寝かせることでおきる熟成ですが、これは死んだアイナメの身にあるアデノシン三リン酸という成分が死後にイノシン酸に変化するためです。つまり鮮度のよいアイナメをさばいてすぐにはこの成分変化が起きていないのです。寝かせることでおきる熟成をうまく利用すると旨味アップにつながります。
アイナメの刺身にはわさび醤油の他にもみじおろしとポン酢という組み合わせもおすすめです。他にも刺身ですぐに食べられる状態のアイナメを細かくし、青ネギ、みそ、生姜、みょうがなどの薬味を一緒に細かくたたくとアイナメのなめろうになります。白身魚でなめろうとは意外な組み合わせですが、アイナメの美味しい身だとなめろうにしてもしっかり旨味が生きています。
アイナメの刺身は炙るとうまい!?
アイナメの刺身は熟成の他に皮ごと炙ることで脂の旨味が引き立つ美味しい刺身になります。さばき方にあった皮を剥ぐ工程を除き、皮を残します。皮が厚いので、歯触りが気になる場合は皮を縞模様状に剥ぐことをおすすめします。その皮側をバーナーなどで炙ります。炙りすぎると身まで焼けてしまうので、皮に少し焼き目が付く程度で終わりにしましょう。炙ったアイナメをすぐに氷水に付け締めます。
水気をキッチンペーパーなどで摂ったらアイナメの焼き霜造りの完成です。アイナメは皮の部分に栄養も旨味もありますので、この食べ方で食べる刺身はアイナメのいいとこどりができていることになります。身だけの刺身に比べ、甘味とコクのある美味しい食べ方です。
アイナメの刺身は昆布で熟成させてるうまい!?
アイナメの刺身を作るときに3枚におろし、骨を除去した後に表面をよく拭いた状態の昆布でミルフィーユ状に挟みます。これを脱水シートでくるんで冷蔵庫で2~3日熟成させます。先程のアイナメの刺身自体の熟成とは違い、昆布の旨味がアイナメの刺身に移り、身は飴色になります。昆布は旨味の代表選手です。これを白身魚のアイナメに染み込ませることでアイナメの昆布締めは旨味が最上級になります。
アイナメの寄生虫には注意が必要!
最近話題の生で頂く魚の寄生虫問題ですが、アイナメには寄生虫がつくことがあるのでしょうか?あるならば、その寄生虫にはどういった対策が必要なのかリサーチしました。
アイナメに潜むアニサキスとは?
まずはテレビなどでも話題になった寄生虫のアニサキスです。寄生虫アニサキスはアイナメにもよく存在します。これは生息域や鮮度の落ち具合などが関係しているため、防ぎようがありません。鮮度が落ちているアイナメにはアニサキスがいる可能性が高いです。前述したようにできるだけ鮮度のよいアイナメを選択しましょう。
アイナメは美味しい魚で刺身もおすすめなので、生食で頂く以上、寄生虫アニサキス対策も必要です。アイナメは肝を頂くこともありますが、この場合は良く包丁でたたいて細かくする、または刺身を食べるときにもよく噛んで食べることが重要です。寄生虫アニサキスは物理的な攻撃に弱いので、これだけで寄生虫アニサキスによる激痛などの被害にあいにくくなります。
アイナメに潜むメタセルカリアとは?
アイナメの刺身には寄生虫であるアニサキス以外にもメタセルカリアという寄生虫がいることがよくあります。このメタセルカリアはアイナメの内臓の他、筋肉にもいることがあります。さばいているときに黒ゴマのような斑点を見つけた場合にはその部分を除去することをおすすめします。メタセルカリアは人間には寄生しないので、食べても害はないと言われています。
アイナメの刺身を買うと値段は?
アイナメは高級だと前述してきましたが、値段はどのくらいで販売されているのでしょうか?アイナメ自体の値段と刺身の値段を比較してみましょう。まず活き締めアイナメは1キロあたり2,000~3,000円程度で販売されています。刺身用に加工されたアイナメは1キロあたり3,000~4,000円程度で販売されています。やはりアイナメは高級魚です。
値段の高い高級魚アイナメですが、このアイナメは皮まで美味しく、料理方法もたくさんあります。そして何より美味しい魚です。スーパーなどでなかなか見かけることもなく、それでもアイナメの美味しさを知っている人なら飛びついてしまう魚です。
アイナメの刺身についてのまとめ
アイナメの刺身の特徴はまず何よりも美味しいことです。白身のきれいな身に程よく脂がのり、熟成させると旨味もアップしたキレイなピンク色の刺身です。これは是非食べてもらいたい刺身なのです。ほぼ一年中食べることができる魚なのですが、鮮度落ちの速さや値段が高いこともあり、食べたことが無い人も多いです。しかしアイナメに出会う機会があれば魚特有の臭みも少なく美味しいアイナメの刺身に是非チャレンジしてください。