テキーラの飲み方でおすすめは?伝統的なショットからお洒落カクテルまで
テキーラといえば度数が高くて強く、お酒慣れしていないと中々手が出しづらいお酒のひとつです。またテキーラはショットで飲む飲み方が一般的と思われがちですが、じつは飲み方もさまざまで、ショットだけでなく、塩やライムを使ったロックやストレートなどテキーラそのものを味わう飲み方から、カクテルまで幅広く楽しめるお酒です。おすすめのテキーラをはじめ飲み方やテキーラの基礎知識について調べました。
目次
テキーラの飲み方は沢山ある!
バーをはじめ、家庭でもテキーラを楽しむときの多くは塩やライムを使ったショットやストレートという飲み方が多いでしょうが、度数が高くて強いお酒のテキーラはクセのないタイプもあり、これらのテキーラを使えばカクテルなどの飲み方を楽しむことができるお酒、強くてストレートで飲むお酒だから苦手というイメージが消えていきます。
テキーラについて
ここでは、テキーラの原産地や材料、味わいや度数などテキーラの基礎について説明していきます。またテキーラの呼称にもある決まりごとがあり、テキーラとは意外と奥が深いお酒であることがわかりました。
原産国や原料
テキーラの原産国は南米・メキシコです。中でもメキシコ中西部のハリスコ州のテキーラという地域でなんと1700年代から作られている蒸留酒の一種です。つまりテキーラには300年以上もの歴史があるのです。
そんな歴史のあるテキーラの原料はメキシコに多く自生しているサボテンかと思いきや、実は見た目はサボテンに似ている「アガヴェ」と呼ばれるリュウゼツランの一種です。メキシコでは古くから作られているアガヴェを使った「プルケ」というお酒があり、蒸留技術が発達したことでプルケを蒸留させ、現在のテキーラが出来上がりました。
味や度数
テキーラがテキーラと呼ぶには、アルコール度数に厳しい規定があります。まずアルコール度数が35~55度であることです。アルコール度数がかなり高く感じてしまいますが、世界4大蒸留酒のウオッカは40度前後で中には90度を超えるものがあり、ジンは40~50度、ラムは40度前後と特別アルコール度数が高いというわけではありません。
テキーラの味は、アガヴェのもつ植物性の青っぽさを少し感じますが、すっきりとしていて甘さを感じることができます。テキーラの種類によっては、熟成している樽のスモーキーさや、花のようなフルーティーさを感じるものもあります。種類によって違いがあるので、ストレートなどの飲み方で好みのものを見つけるのもいいかもしれません。
原産地呼称
テキーラはアガヴェから造られたお酒だからテキーラというわけではありません。テキーラには厳しい規定があり、メキシコ・ハリスコ州の政府機関CRTの規則では、ハリスコ州、グアナファート州、タマウリパス州、ナヤリ州、ミチョアカン州で生育されたブルーアガヴェを使用し、テキーラ村近郊で作られたものであることとなっています。
つまりテキーラとは原産地呼称なのです。また、テキーラの原料ブルーアガヴェを51%以上使用することなど細かく決まっていて、CRTに認められたテキーラのにはNOMという4桁の番号が割り当てられ、蒸留所ごとにこの番号が決まっています。テキーラのビンにはこの番号が記されています。
三つの種類
テキーラには主に、51%のアガヴェを使ったミックスと100%アガヴェで作ったプレミアムがあります。さらに樽での熟成期間に応じて主に3種類に分けられています。まず、樽熟成をしない、もしくは60日以内の樽熟成をしたものをブランコ、これは透明なテキーラです。そして、最低でも60日樽で熟成したものをレポサドと呼びます。
そして、最低でも1年樽熟成をしたものをアホネと呼びます。アホネは600ml以下の樽を使用することという決まりもあります。また熟成期間が長くなるほど、ゴールドのような色味がつき、甘みや香りが高くなります。アホネになると高いものでは1万円を超えるものもあります。
テキーラの飲み方【伝統的なショット】
テキーラの飲み方がいろいろありますが、中でも原産地のメキシコで伝統的な飲み方とされているのがショットです。ショットととストレートの違いはグラスです。ショットは小さなグラスにテキーラを注ぎ一気に飲むことを指しています。
カバジートというグラス
テキーラをショットでの飲み方をする場合、グラスにもこだわるのがおすすめです。メキシコでは「カバジート」と呼ばれるグラスを使用しています。カバジートとは縦長の小さなグラスでちょうど1ショットの量である30mlが入るくらいの大きさです。
また、カバジートは縦長で細いだけでなく上に向かうにしたがって広がりを見せているのが多いようです。テキーラはもともと水牛の角を使ったもので飲んでいましたが、テーブルに置けないためこのカバジートが生まれたといわれています。
塩とライムの役割
テキーラといえばはずせないのが塩とライムです。別に塩とライムがなくてもテキーラはそのままショットで飲めばいいのでは…と思われることもあるでしょう。しかし、塩とライムにはきちんと意味があります。
テキーラはもともと甘味のあるお酒ですが、塩のしょっぱさとライムの酸味を一緒に飲むことで、テキーラ本来の甘味を引き出す役割があるのです。テキーラをショットで飲む場合、塩とライムを使うことでより飲みやすくなるという効果があります。
飲み方
テキーラをショットで飲む場合の伝統的な飲み方は、まずライムで指先を潤わせ、それをグラスのふちにつけます。そしてそこに塩を乗せ、塩をなめながら一気に飲むという飲み方です。
ここでポイントなのが、テキーラが口の中に残っている間にライムをかじるということです。これでテキーラの甘味を存分に感じられ、ライムのさわやかさも感じることができます。そして飲み終わったら残っている塩を舐めてください。これが伝統的な飲み方ですが、先にライムをかじって、テキーラを飲んでもOKです。
テキーラの飲み方【ショットガン】
もともとは伝統的な塩とライムでの飲み方をしていたテキーラですが、最近ではさまざまな飲み方が増えてきています。その中のひとつが「ショットガン」と呼ばれる飲み方です。ショットガンと聞くと強烈ないイメージですが、意外なおいしさを発見できます。
炭酸と1:1で割る
ショットガンとはテキーラと炭酸を1:1で割ったいわゆるカクテルの一種です。炭酸で割っているので、テキーラの口当たりが良くなり飲みやすくなっています。しかし、その飲みやすさからついつい量を飲んでしまうと、気がつけば足をとられてしまいます。
実はショットガンはこういった「飲みやすいのに気がつくとショットガンに撃たれたように酔いが回る」ということから、この名前がつけられたといわれています。また炭酸ではなく、ジンジャーエールとテキーラを1:1で割ったものもショットガンと呼ばれています。
飲み方
ショットガンの飲み方はただテキーラと炭酸を割るだけではありません。割るときにグラスでテーブルをたたくようにして、炭酸の泡が全体にいきわたるようにしてください。こうするとテキーラと炭酸が程よく混ざり、炭酸のシュワっとした泡とのど越しを存分に味わうことができます。
またシュワシュワと泡が元気なときに飲むことで炭酸の泡の効果ですっきりと飲みやすくなっています。
テキーラの飲み方【ストレート・ロック】
ショットやショットガン以外の飲み方として台頭しているのがストレートやロックです。本来ショットで楽しむお酒なのにストレートやロックで飲むなんてと思われがちですが、ストレートやロックにはショットとは違う味わいがあります。また、お酒はじっくり飲みたいという人におすすめです。
ゆっくり味わう
一気に飲むショットと違い、ストレートやロックはじっくり時間をかけてテキーラを味わう飲み方です。テキーラは種類によって香りや味など違いがあり、じっくり時間をかけて飲むことで、その違いを味わうことができます。またキツいお酒のイメージがありますが、ショットで一気飲みすることがそう感じさせている原因のひとつです。
テキーラを味わうのなら、ストレートやロックなど時間をかけた飲み方のほうが、テキーラ本来の味や香りを楽しめ、テキーラの美味しさを発見することができます。テキーラをロックで飲む場合はロックグラスを、ストレートの場合は香りが広がるチューリップ型のグラスやワイングラスなどを使うことがおすすめです。
プレミアムテキーラがおすすめ
ストレートやロックといった飲み方をするならおすすめなのがプレミアムテキーラです。日本ではここ1~2年で有名になりましたが、実はアメリカのハリウッドでは数年前から飲むならプレミアムテキーラと言われているほど定番化しています。プレミアムテキーラはアガヴェ100%で作られていて、通常のテキーラとは味わいなどがまったく違います。
通常のテキーラに感じるアガヴェの青味はなく、アルコール感に柔らかさが出てきます。また、アガヴェが持っている甘さなども十分に引き出されているので、ミックスと呼ばれる一般的なテキーラより優しく味わい深くなっています。プレミアムテキーラはストレートやロックでゆっくり味わうのがおすすめの飲み方です。
テキーラの飲み方【カクテル】
テキーラはショートカクテルからロングカクテルまで、幅広くレシピが存在しているので、さまざまな味を楽しんだ飲み方をすることができます。テキーラを使った代表的なカクテルを紹介します。
マルガリータ
テキーラを使った代表的なカクテルといえば「マルガリータ」です。マルガリータはカクテルグラスのふちに塩をつけたスノースタイルで、テキーラとホワイトキュラソー、ライムジュースをシェイクしたもので、すっきりとしたドライな飲み口のカクテルです。
「マルガリータ」はアメリカ・LAのレストランのバーテンダーによって生み出されたカクテルで、マルガリータとはそのバーテンダーの亡き恋人の名前です。マルガリータの様なショートカクテルはその名前のごとく「短い時間」で飲むカクテルなので、出来上がってから3~10分程度で飲むのがおすすめの飲み方です。
テキーラ・サンライズ
テキーラサンライズは、ロンググラスに氷とテキーラ、オレンジジュース、グレナデンシロップでステアして作られるロングカクテルです。オレンジジュースとグレナデンシロップを使っているので甘酸っぱく、とても飲みやすいカクテルですが、テキーラベースなので、お酒が弱い人が調子に乗って飲むと、いつの間にか酔っ払ってしまいます。
実はこのテキーラサンライズは、世界的なロックバンド・ローリングストーンズのボーカリスト、ミック・ジャガーお気に入りのカクテルということと、イーグルスがテキーラサンライズという名の曲を作ったことで有名になったカクテルです。テキーラサンライズはロングカクテルなので、時間をかける飲み方がおすすめです。
ストローハット
麦藁帽子という名のテキーラを使ったロングカクテル「ストローハット」はテキーラとトマトジュースをステアして造るロングカクテルです。簡単にいうとウォッカとトマトジュースを割ったブラディマリーのテキーラバージョンと思って貰えればわかりやすいでしょう。
ストローハットはトマトジュースがテキーラの青味などを消してくれるので、青味が苦手な人でも飲みやすいカクテルです。さっぱりしているので暑い日などにぴったりです。
テキーラの飲み方の注意点
奥が深く、味わい深いお酒のテキーラですが、度数が高いため飲み方にはいくつか注意したほうがよい点があります。家庭で楽しむ時でも、バーなどで楽しむ時でも、主に以下のことを意識した飲み方をしたほうがよさそうです。
度数に注意
テキーラは度数が35~55度とほかの酒類と比べアルコール度数の高いお酒です。どれくらい高いかというと、一般的なビールのアルコール度数で5%程度、日本酒やワインは15%程度、焼酎で25%です。テキーラとほぼ同じくらいのアルコール度数のお酒はラムやウイスキーなど、強くてアルコール度数が高いものばかりです。
テキーラのアルコール度数は開きはあるものの、40度のものが一般的です。テキーラを購入するときは、このアルコール度数に気をつけないと、55度などアルコール度数の高いものを購入することになります。
ショットは飲むペースに注意
個人差があるものの、テキーラをショットで飲むと酔いが回りやすくなります。「健康日本21」によると、「節度ある適度な飲酒量」は、1日平均純アルコールで約20g程度といわれていて、テキーラを1ショット飲むことで摂取されるアルコール量は10g弱となるため、2杯飲むと1日の適量近くになってしまいます。
また個人差はあるもののテキーラ1杯当たり体重60kgの人の場合アルコールを消化するために必要なのは1時間半なので、テキーラのショットを飲むときは、家庭なら3~5杯程度に抑えておかないと翌日に響いてしまう可能性が出てきます。
テキーラの飲み方を沢山覚えて好みの味を見つけよう!
ミックスといわれる一般的なテキーラのほか、プレミアムテキーラがあり、さらに細かな熟成期間が決まっているなど、色々と奥深いテキーラは、蒸留所はもちろん、熟成期間などによって大きく味が変わってきます。好みのテキーラを見つけるとともに、さまざまな飲み方にトライして自分好みの物を見つけるのも楽しそうです。