2018年06月29日公開
2024年07月21日更新
ロシアンティーとはジャムを入れる紅茶?作り方や飲み方を解説!
紅茶の、ロシアンティーという飲み方を知っていますか?ロシアンティーとは、その名の通りロシア圏での紅茶の飲み方の事を指します。ロシアンティーという名前をきいたことがあっても、正しいロシアンティーの飲み方は知っているでしょうか?実はロシアンティーは日本では誤解されて覚えている方も多い飲み物なのです。今回の記事では、意外と誤解の多いロシアンティーについて、飲み方や作り方について紹介していきます!
目次
ロシアンティーとは?
皆さんは、ロシアンティーという名前を聞いたことがありますか?「ロシアン」というくらいですから、ロシアが関係しているという事は多くの方が気付くと思います。その名の通り、ロシアンティーとはロシア圏の一部でで楽しまれている紅茶の飲み方であり、日本でもロシアンティーを楽しむことのできる喫茶店などがあります。では、ロシアンティーとは一体どのような飲み方の事を指すのでしょうか?
実際に、日本の喫茶店でロシアンティーを飲んだことのある人や、自宅でロシアンティーを楽しんだことのある人がいて、ロシアンティーを飲んだことがある、という人もいるかもしれません。その中には、ロシアンティーとは「紅茶にジャムを入れたもの」と思っている人がいないでしょうか?実際、紅茶にジャムを入れるスタイルでお店で楽しんだことがあるという人もいるかと思います。
正しいロシアンティーとは?
日本では、ロシアンティーといえば紅茶にジャムを入れたものとして楽しまれる場合も多く、この紅茶にジャムを入れるというスタイルがロシアンティーだと思われている方も意外と多いのですが、実は、これはロシアンティーの正しい楽しみ方ではありません。美味しい紅茶を楽しむことが出来るのが一番ですが、せっかくならば正式なロシアンティーの方法で紅茶を楽しみたいものです。
確かにロシアンティーは紅茶とジャムの組み合わせを楽しむことのできる飲み方ですし、紅茶にジャムを入れてももちろん美味しいのですが正しいロシアンティーかどうか、と聞かれるとこれは不正解です。それでは、正しいロシアンティーとは一体どのような飲み方をするのでしょうか?知っているようで、意外と知らないロシアンティーについて詳しく見ていきましょう!
ロシアンティーの正しい飲み方
前述の通り、日本では、ロシアンティーとは紅茶にジャムを入れるスタイルとして定着しているのですが、実はロシアンティーの正しい飲み方は、紅茶の中にジャムを入れてしまうのではなく、ジャムをスプーンですくって、口に含んだ状態で紅茶を飲むという飲み方が正しいとされています。1人1人に紅茶とジャムの入った小さい容器が用意され、それを各自スプーンで楽しみながら紅茶を飲むという訳です。
紅茶も、かなり濃いめに作っておいたものをティーカップの半分程度注いでおき、それを「サモワール」と呼ばれる湯沸かし器で注いだ熱湯を加えて自分の好みの濃さに調節するのだそうです。出来上がった紅茶を薄めながら飲むとは、日本ではあまり馴染みの無い飲み方ですので驚きです。ジャムを直接舐めるという習慣もあまりないかもしれないので、初めて聞いたという方は驚かれるかもしれません。
紅茶にジャムを入れて飲まれている国も
日本ではすっかりおなじみとなっている飲み方である紅茶にジャムを入れるやり方はロシアンティーの正しい飲み方ではないと紹介しましたが、実はこの飲み方は、ウクライナやポーランドの方で楽しまれている飲み方だそうです。ウクライナやポーランドで楽しまれていても、ロシアで紅茶にジャムを入れてしまわない理由の一つは、紅茶の温度とロシアの低い気温が関係しているのだそうです。
紅茶にそのままジャムを入れてしまうと、せっかくの熱々の紅茶も少し冷めてしまいます。体を温めるために紅茶を楽しむという面もあると思うのですが、ロシアは寒いので、わざわざ紅茶の温度が下がってしまうような事はしないのではないか、と言われています。同じ飲み物で同じ食材を使用していても、国の気温などによって違った楽しみ方がされているというのは興味深いです。
ロシアンティーの正しい作り方
それでは、ロシアンティーの正しい飲み方を紹介したところで、続いてはロシアンティーの正しい作り方についてみていきましょう。日本の喫茶店などでも楽しむことが出来るロシアンティーですが、自宅でロシアンティーを作って楽しむことが出来るとお洒落なカフェタイムが過ごすことが出来そうです。是非お気に入りのお菓子と一緒に、ロシアンティーを味わってみてください。
ロシアンティーの正しい作り方を紹介
それでは、ロシアンティーの作り方について説明していきます。まずは、ティーポットを用意しましょう。ティーポットは、あらかじめよく温めておきます。ティープットが温まったら、続いて好みの茶葉をティーポットに入れ、熱いお湯を注ぎ3分ほど蒸らしましょう。茶葉をティーポットで蒸らしている間にロシアンティーに欠かせないジャムの準備をしておきます。小皿に適量のジャムを取り分けておきましょう。
成人している場合でお酒が好きな方なら、ジャムをウォッカなどで伸ばして楽しむのもおすすめです。ウォッカでジャムを伸ばすと、お酒のアルコールによって体をより温めることが出来、本場のロシアンティーらしい味わいをより楽しむことが出来るでしょう。使用するお酒がウォッカであるところも、ロシアの飲み方らしいところです。ウォッカを使用したロシアンティーも、紅茶との相性が良く美味しく頂くことが出来ます。
茶葉が蒸らせたら、用意しておいたティーカップに紅茶を注ぎ、ジャムを紅茶に入れてしまうのではなく、ジャムを口に含ませながら紅茶をいただきましょう。ジャムを紅茶に入れてしまわないので、一度のロシアンティーで数種類のジャムを楽しめる点も楽しいです。
数種類一度に試してみて、気に入った組み合わせを探してみるのも楽しいでしょう。特殊な道具などは必要では無く、好きな紅茶の茶葉と、ジャムがあればすぐに実践できる楽しみ方ですので、気になった方は是非一度試してみてください。
ロシアンティーを作るのに向いている物はある?
紅茶の茶葉とジャムが用意出来たらすぐに実践できるロシアンティーという楽しみ方ですが、せっかくならよりおいしく飲めるように材料にもこだわりたいものです。自分の好みで選んだ茶葉やジャムでも美味しく頂けるかもしれませんが、よりロシアンティーに向いていると言われている茶葉やジャムで、ロシアンティーを本格的に楽しんでみるのはどうでしょうか?
ロシアンティーを作るのに向いている茶葉
まずは、ロシアンティーを作るのに向いていると言われている茶葉の紹介です。向いていると言われているのは、アッサム、ニルギリ、ディンブラ、ジャワなどのインド、スリランカ、インドネシア産の茶葉が向いているそうです。茶葉の種類の選択肢も多いので、この中に自分好みの茶葉を見つけることが出来る可能性は高そうです。それぞれ違った特徴を持った紅茶となっていますので、いくつか試してみて自分好みの茶葉を見つけてみましょう。
ロシアンティーと相性の良い茶葉は?
アッサムティーは北東インド地方で採れる茶葉の種類で、豊かな香りとコクを楽しめる種類です。濃厚な味わいの紅茶なのでロイヤルミルクティーに最適の紅茶だとされていますが、ロシアンティーは最初に濃いめに作って楽しむ紅茶の飲み方となっているため、濃厚な紅茶であるアッサムティーはロシアンティーにもぴったりとなっています。
ニルギリは、繊細な香りが楽しめる紅茶となっています。ニルギリというのは青い山という意味があるそうで、そのために紅茶のブルーマウンテンとも呼ばれているのだそうです。ディンブラという紅茶は香りが高く、コクがしっかりとしていて渋みも程よくある紅茶となっています。標高の高い場所で生産されるという特徴があります。
ロシアンティーを作るのに向いているジャム
続いては、ロシアンティーを作るのに向いているとされているジャムの紹介です。ロシアンティーを作るのに向いているのは、甘みと酸味とが感じられるジャムだそうでうす。例えばいちごジャムなどが良いそうで、甘みと酸味を感じられるジャムを使用した方がより、ロシアンティーらしい味わいを楽しむことが出来るそうです。
ロシアンティーにはベリー系のジャムがおすすめ
以上の事から、ロシアンティーに最も適しているとされているジャムは、ベリー系の甘みと酸味を感じることのできるジャムです。ストロベリーや、ブルーベリーなどのジャムが良いのではないでしょうか。甘さの濃厚な、マンゴージャムなどもロシアンティーとの相性は良いようです。色々なジャムを試してみて、自分が一番好きなロシアンティーの組み合わせを見つけてみるのも楽しいでしょう。
風味が強いという点では、ロシアンティーに合わせるのにはローズジャムも良いでしょう。本格的なローズジャムは風味がとても強く、紅茶にも勝るほどの風味を持ち合わせているようなので量は少量から、様子を見ながら試すようにしてみてください。ローズジャムはバラの華やかな香りが楽しめるジャムなので、少し優雅なティータイムを過ごすことが出来そうです。
ロシアンティーに使うジャムを作ってみよう
せっかくロシアンティーをこだわっていただくのですから、ロシアンティーに使用するジャムを自作してみるのはいかがでしょうか?今回は、ロシアンティーに使用するのにおすすめなストロベリージャムと、ローズジャムの作り方を紹介します。
自分で作ったジャムを使用したロシアンティーはさらにおいしくいただけると思いますので、是非自作のジャムづくりにもチャレンジしてみてください。それでは、まずはストロベリージャムの作り方からです。
いちごジャムの作り方
それでは、いちごジャムの作り方をチェックしていきましょう。まずは、材料の確認からです。材料:いちごのへたをとっておいたもの500g、グラニュー糖300g、レモン汁1/2個となっています。使用する器具は、お鍋1つ、木べら、穴杓子、保存しておくための瓶などです。まずは、美味しいイチゴジャムを作るための準備をしておきましょう。まずはいちごを良く洗い、水気を取っておきましょう。
ロシアンティーに合ういちごジャムの作り方
グラニュー糖300gをまぶしたら、半日上置いておきます。いちごから水分が出てきたら、下準備は完成です。それでは、いちごジャムを作っていきましょう。まずいちごの入った鍋を強火にかけ、美味しいイチゴジャムを作るために灰汁をしっかりと取っていきます。灰汁が少なくなってきたら、火の強さを強火から中火に変えてそのまま加熱しましょう。
しばらく加熱したら、冷たいお皿に少し取って固さを確認しましょう。お皿を傾けても流れなくなったら、固さはそれでオーケーです。レモン汁1/2個を加えて、火を止めましょう。20分ほど置いたら完成です。保存しておく場合は、温かいうちに瓶の口いっぱいまでジャムを入れて、ふたを閉めてから冷まして、冷蔵庫に入れておけば大丈夫です。
長期保存をする方法もあり、このやり方で保存しておけば蓋を開けずにいれば、冷蔵庫で1カ月近く保存しておくことも可能です。そのやり方とは、たっぷりお湯を入れた鍋の中に瓶と蓋を入れて、5分以上沸騰させるという事です。その後、しっかりと乾燥させておきましょう。熱湯消毒させることで、長期保存をすることが可能になるという訳です。
ローズジャムの作り方
それでは、続いてバラジャムの作り方をチェックしていきましょう。華やかなバラジャムを自作することが出来ると、気分も華やかになりそうです。まずは材料の確認です。材料は、バラの花びら200g、砂糖200g、レモン1個分、水100㏄となっています。バラの花びらはそのままジャムに使用するので、出来れば自分で育てている無農薬の物が好ましいです。
ロシアンティーに合うローズジャムの作り方
それでは、続いて作り方をチェックしてみましょう。まず、摘んだばかりのバラの花びらの、ほこりやごみなどを取り除いておきましょう。続いてサッと洗ったらザルに上げておきましょう。すりこぎで軽くバラの花びらを軽く潰したら、レモン汁1個をかけて揉み、水分が出てきたところで花びらを鍋に移して砂糖200gをいれ、火にかけましょう。
灰汁をしっかり取り除きながら、煮詰めていきほどよいとろみがついてきたら火から鍋を下ろし、出来上がったジャムを瓶に詰めて冷めたら冷蔵庫に入れて完成です。ジャムは冷めると固くなるという性質を持っていますので、好みの固さよりも少し柔らかいくらいで加熱を止めるのが好みの固さのジャムを楽しむコツです。お手製の香り高いローズジャムで、華やかなロシアンティーを楽しんでみてください。
ロシアンティーに使用する道具「サモワール」
先ほど、ロシアンティーの正しい飲み方の所で「サモワール」という道具について少しだけ説明しましたので、詳しく見ていきましょう。前述した通り、サモワールというのはロシアの湯沸かし器の事です。昔からあるクラシックなタイプのサモワールは、内部に筒の様になっている部分があり、その筒のような部分に炭を入れてお湯を沸かすというスタイルになっていましたが、現在では電動の物がほとんどのようです。
ロシアンティーで使用するサモワールとは?
サモワールは、濃いめに作った紅茶を自分好みの薄さに薄めるために使用する道具です。まず小さめのポットに茶葉を入れたら、茶葉と同じ量ほどの熱いお湯を注ぎ、濃い紅茶を作ります。出来上がった濃い紅茶をティーカップに注いだら、いよいよサモワールの出番です。かなり濃い濃さになっているティーカップの中の紅茶にサモワールでお湯を注ぎ、自分好みの濃さに調節していきましょう。
ヴァレーニエとは?
ロシアンティーに使用する材料の中で、「ヴァレーニエ」という物が登場するレシピが存在します。実は、本格的なロシアンティーで楽しまれているジャムは、ヴァレーニエと呼ばれるジャムとは少しだけ違ったものになっています。そんなヴァレーニエについても説明していきましょう。
ヴァレーニエとは、ロシアで昔から作られている果実の砂糖煮の事なのだそうです。果実の砂糖煮と聞くと普通のジャムと変わらないように聞こえてしまいますが、普通のジャムと異なる点は果実を細かくしたり潰したりする工程がなく、果実をそのまま煮て作るという点でしょう。
ジャムと違って潰したりする工程が無いために「ただ煮るだけだから簡単に作れるのかな」と思ってしまうと、それは少し間違いです。今回は本格的なロシアンティーを楽しむために、ヴァレーニエを手造りする方法も紹介していきます。ヴァレーニエを使用してロシアンティーを楽しむと、更に本格的なロシアンティーを楽しむことが出来そうです。
ヴァレーニエの作り方
それでは、本格的なロシアンティーを楽しむために必要なヴァレーニエの作り方をチェックしていきましょう。ヴァレーニエを作るには少し手間がかかるのですが、材料はとてもシンプルとなっておりヴァレーニエに使いたい果実と、砂糖だけです。ヴァレーニエに使用する果実なのですが、これはお好きな物で構いません。初めて作る方は、ストロベリーやサクランボなどの、ベリー系のフルーツが良いでしょう。
砂糖の量もお好みで構いませんので、お好みで増減してください。それでは、ヴァレーニエに作り方を見ていきましょう。まず、ヴァレーニエにしたい果物のヘタなどを取り除き、良く洗っておきましょう。果物をきれいに洗ったら、鍋に果物を入れ、用意しておいた使用分の砂糖を上からすべてふりかけます。そのまま一晩おいておきましょう。
鍋を一晩おいた後、果物から果汁が出ていたら、いよいよ鍋を火にかけていきます。焦げ付いてしまわないように、火は弱火にしてゆっくりとかき混ぜながら作っていきます。美味しいヴァレーニエにするため、ここで出る灰汁はしっかりと取り除いておきましょう。材料を加熱して、泡が出て沸騰してきたらいったん火を止めて冷ましておきましょう。
鍋の中身の材料がしっかりと冷めたら、再び過熱して弱火でかき混ぜながら、あくを取り除いていきます。そしてまた鍋をしっかりと冷めして、といった工程を繰り返していきます。フレッシュ感のあるヴァレーニエを楽しみたいのなら、この工程は少な目にしておきましょう。また、出来上がったヴァレーニエを長期間保存しておく予定でしたら、この工程を多めに繰り返しておき、保存がきくようにしてください。
ヴァレーニエの用途に応じて数回上記の工程を繰り返したら、ヴァレーニエの完成です。一晩お鍋を置いておいたり、加熱と冷ましておくという工程を何度も繰り返さないといけなかったり、と時間も手間もものすごくかかるヴァレーニエづくりですが、ジャムとは全く違う味わいが楽しめます。
手間も時間もかかるものですが、その分美味しいヴァレーニエが楽しめますので興味のある方は是非一度ヴァレーニエづくりに挑戦してみてください!手間をかけた美味しいヴァレーニエを作ることが出来れば、ヴァレーニエを使用したロシアンティーのおいしさはより格別なものになるでしょう。
本格的な作り方でロシアンティーを楽しんでみよう
いかがでしたでしょうか?ロシアンティーは日本でもカフェなどで楽しまれている飲み方ですが、意外と誤解されて楽しまれている場合が多い飲み方でもあります。紅茶にジャムを入れる方法でも美味しくいただくことが出来るのですが、せっかくならば本格的なロシアンティーの方法でいただきたいものです。
ロシアンティーに合う紅茶の種類やジャムを、色々試してみて自分の好きな組み合わせを探してみるというのもおすすめの楽しみ方です。ロシアンティーに使用するジャムを自作してみることで、更に特別感のあるロシアンティーを楽しむことも出来るでしょう。機会があれば、ロシアンティーの専用の器具であるサモワールを使用して頂いてみたいものです。
本場のロシアンティーなら一度でいくつものジャムを楽しむことが出来、紅茶にジャムを入れるスタイルとはまた違った美味しさを楽しむことが出来ます。また、ジャムではなくヴァレーニエを使用することで、更に本格的なロシアンティーを楽しむことが出来ます。正しいロシアンティーの飲み方をチェックして、本格的なロシアンティーを楽しんでみましょう!