テキーラのショットでの飲み方!正しい・美味しい楽しみ方とは?
美味しいテキーラを味わったことがありますか?テキーラはアルコール度数が高いですが、ショットでの飲み方がストレートにうまみを感じられて美味しいと言われています。テキーラを初めて飲む人にもおすすめの飲み方や、テキーラをショットで飲んでいる人にも、おすすめのグラスなどをまとめました。テキーラの伝統的な飲み方だけでなく、より美味しいポイントを抑えられる正しい味わい方の参考にしてください。
目次
テキーラをショットで美味しく味わいたい!
ビール、ワイン、ハイボール、日本酒などいろいろなアルコールがある中、最近注目されている1つに「テキーラ」があります。カクテルで楽しむことができ、ストレートで香りや味を堪能することもできる、こだわりがいのある美味しいお酒の一つです。海外映画やドラマの中などで、ショットグラスで、一口でテキーラをのどに流し込むようなシーンをみかけたことはありませんか?ハリウッドでも人気の高いお酒がテキーラです。
テキーラの原料や製造方法
テキーラの原料は「アガベ」といわれる、アロエに似たような多肉植物です。200種近い種類があるなかで、糖分が高い「ブルーアガベ」という品種のみが、メキシコでは正しいテキーラに使用が許可されています。このブルーアガベの葉を落として大きなパイナップルのような形の茎部分を蒸して搾汁、発酵、蒸留してテキーラとなります。原料の51%以上がブルーアガベのものだけが正しい「テキーラ」であると決められもいます。
ただテキーラといっても、メキシコのお酒、アルコール度数が高いお酒、といった程度の認識はあっても、正しい飲み方たや詳しいことは知らないことも多いです。そこで、テキーラを知って、正しい飲み方、味わい方、おすすめのショットグラスやより美味しいテキーラを味わうための知識などを紹介していきます。
「テキーラ」の名前は、メキシコ中西部、ハリスコ州の地名「テキーラ村」から呼ばれるようになりました。この村では、ブルーアガベを使った良質な蒸留酒の評価が高く、シャンパンのように原産地を世界的に呼称としているまでに認められています。今でもメキシコの中でも5州のみで作られたものだけが正しい「テキーラ」と名乗ることができます。
テキーラをショットで味わう正しい伝統的な飲み方
原産国であるメキシコでの伝統的なテキーラの飲み方では、テキーラとあわせて、塩とライムを準備します。グラスはショットグラスでもよいですが、より正しい飲み方では「カバジート」という小さなストレート型のグラスを使い、8分目くらいまでテキーラを注ぎます。左手の親指の付け根あたりに、塩をのせておき、同じ左手の人差し指と親指でくし切りにしたライムをつまみます。
ここから正しい飲み方は、3つのリズムでテキーラを味わいます。1、ライムをかじるようにして舐める、2、テキーラを流し込む、3、塩を下でペロッと舐める、です。ライムをかじるのは、テキーラのにおいを和らげるためともいわれ、塩はテキーラの甘さを引き立たせるためといわれます。またこの2つが、のどをアルコールから守ってくれる役割ももっています。
ただこの伝統的には正しい飲み方は、今では行われていることが少なくなり、ソルティドッグのようにグラスの縁にライムの絞り汁をつけて、その上に塩をまぶして味わったり、テキーラだけを口にしたり、ということが増えています。これは、テキーラの製造技術が発達し、アガベ独特のくさみも減り、テキーラそのものの味をストレートに飲んだ方が美味しいという人が増えているからです。
テキーラをショットで味わうのは危険?飲み方に気をつけよう
ショットでテキーラを味わうだけが、正しい飲み方と思い込み、何杯もショットで飲むのは体への危険が生じます。テキーラはアルコール度数が40~50%前後のものが多く、ショットではこれをストレートで飲みます。ビールは5%、ワインや日本酒は15%ほどなので、アルコール度数が高いことがわかります。1杯の量はショットグラスで30mlと少ないですが、美味しい、正しい味わい方だといって一気に飲むことで、酔いも早くなります。
出典: https://buyee.jp
ほろ酔い程度ならよいのですが、美味しいテキーラをショットで一気に飲むことを繰り返してしまうと、急性アルコール中毒になる危険性も高くなります。アルコールには強いと自負している人でも、短時間で何杯もアルコール度数の高いテキーラをあおって味わうような飲み方は、危険なのでやめて、せめて2杯目からはゆっくりと美味しいテキーラを楽しむように味わってください。
テキーラを飲むグラス5選!
ショットグラス
テキーラだけでなく、ウィスキーなどを「ショットで」とオーダーすると、小さなグラスに注がれてアルコールが提供されます。この時に使っている、手のひらで包み込めてしまえるくらいのサイズのグラスを「ショットグラス」と言います。容量は35~50ml程で、1オンス約30mlを注ぐのが一般的です。30mlというと、大さじ2杯ほどなので少なく感じるかもしれませんが、アルコール度数が高いものを味わうためのグラスです。
容量は同じくらいでも、デザインは豊富にあって、日本酒があうようなすっきりとしたものや、底面が分厚くなって重量感のあるもの、装飾を施したものなどがあります。美味しいテキーラを飲むためには、ガラス製で、口に当たる部分が薄めのものの方が、熟成されたテキーラの色も楽しめ、口に入る時の舌触りもよくなります。
ショットグラスでテキーラを味わうなら、熟成期間が違うものや原料のアガベの割合の違うものを2~3種類オーダーするという飲み方も、テキーラの美味しいところを知ることができ、より楽しめます。色の違いだけでなく、舌触り、口元へ運んだ時の香りなど、少しずつ下にのせるようにして飲み比べをしてみてください。ショットだからこそ、自分の好みに合うお気に入りのテキーラを見つけることができます。
テキーラ専用グラス
ワインを味わうためには、赤ワイン用、白ワイン用、ロゼ用などそれぞれに専用のグラスがあります。ウィスキーやブランデーを味わうためにも、それぞれの味をより魅力的に感じさせてくれる専用グラスがあります。テキーラにも、ショットグラスではなく、ワイングラスを小さくしたような形の専用のものがあります。
テキーラ規制委員会から公認グラスとして認められているものが、オーストリアの老舗グラスメーカーのリーデル社の「オヴァチュア テキーラ」です。リーデル社製の中では、カジュアルにワインを楽しむためのものでもありますが、リーデル社がテキーラ生産者と共同開発したものです。12種類ものテキーラを用意し、生産者とさまざまなグラスで比較し、最終的に選ばれたのがこの「テキーラ」専用グラスでした。
この専用グラスは、度数の高いアルコールにある刺激的なにおいを和らげて、テキーラがもつ独特の香りを引き出し、熟成したまろやかな口当たりを、ゆっくりと味わえるデザインになっています。まさに美味しいテキーラの正しい味わい方、飲み方のためのグラスといえます。高さ21㎝、容量190mlですが、ショットと同じくらいの1/3くらいテキーラを注ぎ、ワインのように香りとまろやかさを堪能してください。
スニフター
ブランデーグラスとも言われ、丸いボディで口が小さくすぼまった「スニフター」も、テキーラの香りをひきだしてくれるグラスです。長期間熟成されたテキーラを味わうのにおすすめのグラスで、ブランデーグラスを持ってアルコールを回して、香りをたたせて楽しむようにテキーラも味わいます。ウィスキー、ブランデー、ラムなど蒸留酒が好きな人への贈り物としてもおすすめのグラスの一つです。
カバジート
ショットグラスと似ていますが、より細長くストレートなデザインで、口部分にむけて少し広がっているものを「カバシート」と呼びます。メキシコでのテキーラの伝統的で正しい飲み方として、このカバジートが使われます。
グラスがまだなかったころ、水牛の角でテキーラを飲んでいました。「クエルニート」といわれて、角の中が空洞で丈夫さもあるので、テキーラを飲むのに使われていましたが、先がとがっているので、テーブルに置くことができず、一気にあおるようにテキーラを飲んでいたようです。そこから底が安定した、カバジートがテキーラを味わう時に使われるようになっていきました。
クエルニートでテキーラを味わえるお店は少ないと思いますが、メキシコのお土産などとして手に入れることもできます。テキーラの味をたっぷりと伝統的に味わってみたいという人には、クエルニート一度は試して欲しいグラスです。ただ、ショットグラスかカバジートか迷ったら、カバジートの方がより正しい飲み方になります。
コニャックグラス
スニフターよりも足が長く、ボディはふくらみ、口部分にくびれのあるリキュールグラスです。コニャックを味わうことが多いので「コニャック」と呼ばれますが、このグラスの形もテキーラの飲み方にあうものです。ふくらみの部分が小さいために、空気と触れ合う部分が少ないので、少しずつアロマが開花していく段階も堪能できます。
口部分がストレートなもだと、口元に運んだときに、鼻の下にグラスの縁がきて、香りが弱く感じます。なのでグラスの口部分が少し広がったものの方が、香りを感じやすくなります。くびれが大きなものは、見た目にはおしゃれですが、飲む時の角度調整が難しく、一気に傾けてしまってむせてしまうこともあるので、テキーラの味をゆっくり味わうには、ゆるやかなくびれのあるコニャックグラスがおすすめです。
テキーラの飲み方「ショットガン」とは?
テキーラをストレートではなく、ショットグラスで味わう飲み方として、「ショットガン」というカクテルがあります。スリムなデザインのショットグラスに、テキーラとジンジャエールを1:1の割合で注ぎ入れ、片手でグラスを覆うようにして握ったら、テーブルやカウンターにグラスの底面を打ち付けるようにして置きます。刺激により、爆発したように一気に泡が噴出してしまうということから、「テキーラボンバー」ともいわれます。
叩きつけた瞬間に溢れ出す泡をこぼさないように勢いよく口に入れるというのが、ショットガン独特の正しい飲み方になります。次々に泡が飛び出すことからショットガンと呼び名がつきました。演出として面白いものでもあり、パーティーなどでは盛り上がる飲み方ですが、ジンジャーエールで割ってあるとはいえ、それでも度数はワイン以上あるので、飲み過ぎと人に強制して飲ませることはやめてください。
より深くテキーラをショットで味わう飲み方と選び方
テキーラの原料はアガベということは紹介しましたが、その原料の比率と熟成させた期間によって、呼び名が変わります。美味しいものと、テキーラに似たよく目にするものをまとめます。
プレミアムテキーラ(アガベ)
原料であるアガベのみを使用して造られている、アガベ100%のテキーラのことを「プレミアムテキーラ」または原料そのものの「アガベ」といいます。安いテキーラの場合は、アガベの他に糖分として蜜などを混ぜていますが、アガベ100%のテキーラは、単一の原料のため雑味が少なく、味わいも深いものです。香りや甘みなど混ざった美味しいテキーラなので、丸みのあるスニフターのようグラスでの飲み方がおすすめです。
テキーラブランコ
「ブランコ」と言われるものは、熟成させていないものか60日以内という短期間熟成させたものです。色は透明で、別名「シルバー」と呼ばれることもあります。熟成させていない分、比較的安い価格で販売されていて、原料のアガベの味を楽しめます。
熟成期間によって、2か月から1年のものを「レポサド」別名では「ゴールド」、1年以上オーク樽で熟成させたテキーラを「アホネ」、最低3年以上熟成させたものを「エクストラ・アホネ」と呼びます。熟成させることで、フレッシュなブランコのようなキレは少なくなりますが、まろやかさがでて樽の香りも加わり、深い味わいのテキーラになります。先ずはバランスを楽しめるレポサドから試すのもおすすめです。
テキーラのようなメスカル
「メスカル」と呼ばれるアルコールも、テキーラと同じアガベを原料とした蒸留酒です。ただ、テキーラのようにこれが正しいという規定はなく、ブルーアガベではなくても、どのアガベを使ってもよく、原料の割合が51%以下でもよく、さらにはどこのエリアで作られたものでも、「メスカル」です。
メスカルというと、イモムシがボトルに入っているお酒として認識している人もいるかと思います。必ずしもイモムシをいれなければならいのではなく、昔は醸造する時に原料のアガベに住んでいるイモムシが一緒に入ってしまったということから、伝統的なお酒であることを示すためや、イモムシが腐っていないことでアルコール度数が高いことを示すため、とも言われています。
テキーラのショットにおすすめの塩やチェイサーなど
おすすめの塩
メキシコでテキーラを味わう時の塩は、岩塩が多いようです。伝統的で正しい飲み方であった昔は、原料のアガベに住んでいるイモムシを乾燥させた赤い粉を塩とブレンドした塩を舐めていたようですが、現在はチリパウダーと塩をブレンドしたものや、ピンク色の岩塩を使っています。
メキシコ料理は、辛みを効かせたスパイシーなものが多く、テキーラとよく合います。塩にもチリパウダーをあわせるのも、辛みを加えるためでもありますが、あわせる料理をスパイシーで辛味のあるものにするのもおすすめです。カレーや餃子といったものも、日本らしい食べ物ですが、テキーラとの相性もよいです。
ライムは必要?
テキーラの多くはアガベ以外のものを混ぜていて、お手頃価格ですが、雑味を感じたり、独特のにおいが気になることもあります。そのために、ライムをあわせてすっきりと飲めるようにしているのですが、アガベ100%プレミアムテキーラなら、ライムも塩も使わずに、ショットで味わうのが正しい飲み方といえます。プレミアムテキーラを造っているメーカーからは、ライムも塩も使わないで欲しいと表記しているものもあるほどです。
ライムが手に入らないときには、レモンでも代用できます。ビタミンCを口にすることで、のどをアルコールから保護する役割もあるので、香りだけでなく柑橘系のものをテキーラと合わせた飲み方を探ってみる楽しみもあります。メキシコでは、アガベの比率が少ないメスカルは、オレンジにかぶりついてから、メスカルを少しずつ味わっています。
テキーラに合わせたいチェイサー
強いアルコールだけでなく、悪酔いしにくいように、水や烏龍茶などをチェイサーとして飲みながら、アルコールを飲む楽しみ方も増えています。テキーラもショットで味わうなら、チェイサーは欲しいものですが、メキシコでは伝統的な、テキーラ用のチェイサーがあります。「チェイサー・サングリータ」といって、基本はトマトジュースとオレンジジュースを1:1でグラスに注ぎ、そこにライムを絞って冷やしたものです。
テキーラと同様にショットグラスなど小さなグラスに注がれることが多いです。チェイサー・サングリータに、お好みで、タバスコ、すりおろしの玉ねぎやこしょうなどのスパイスを加えることもあります。塩とライムの組み合わせ以上に、スパイシーでビタミンもたっぷりなチェイサーです。
トマトジュースを使ったノンアルコールのカクテルで「クラマト」も美味しいチェイサーです。ハマグリのエキスのクラムとトマトジュースを合わせたもので、肝臓にも優しい飲み物です。テキーラをクラマトで割れば「ストローハット」というカクテルになりタバスコでスパイシーさも加えられます。何かと混ぜ合わせる手間をなくして、トマトジュースに塩を加えたくらいのものを、テキーラのチェイサーとするのもおすすめです。
アレンジしたテキーラショットの飲み方
暑い時にショットで味わうテキーラは一瞬の清涼感で、涼しさも感じられます。メキシコやハリウッドでは、よく冷やしたテキーラを味わいますが、ショットグラスなどを凍らせておいたり、冷やしたものを使うと清涼感も一段と感じられます。ショットグラスの型に水をいれて、凍ればショットグラスになるというものも、市販されています。
ショットでの飲み方とあわせて、オンザロックでテキーラを味わうのも、おすすめです。上質なテキーラであれば、ショットと同じ容量でも、グラスにいれてゆっくりと時間をかけて味わうことができ、冷えた美味しい状態をキープできます。最初の一口の強さと、時間がたったときの奥深い美味しさなどを、ロックで堪能してみてください。
美味しいテキーラは安心の飲み方と美しいショットグラスで
メキシコ原産のテキーラは、伝統的に正しい飲み方のショットでこそ美味しさを感じられる部分もあります。ただ、ショットでストレートでの味わい方にこだわらず、ロックや炭酸、ビタミンたっぷりなジュースなどとあわせる楽しみ方もあります。素敵なショットグラスをみつけて、テキーラをゆっくりと堪能してみてください。