山椒は葉も実も楽しめる!種類・選び方や簡単レシピも紹介

「山椒は小粒でピリッと辛い」と言われるように、山椒の実は辛味があって、料理レシピでも登場することがあります。この山椒は、実だけでなく、葉や花も香りや辛みがあって料理などに使われます。山椒そのものも種類があって、体に嬉しい栄養もあります、出回ることの多い葉と実の選び方と保存方法をまとめています。中華料理でよくつかわれる花椒との違いと、山椒の簡単レシピもあわせて紹介しています。

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目次

  1. 1山椒とは?種類や栄養について
  2. 2山椒の選び方と保存方法
  3. 3山椒を使った簡単レシピ
  4. 4山椒の種類やレシピを知って美味しく食べよう!

山椒とは?種類や栄養について

山椒は葉も実も花も楽しめる

乾燥した山椒をミルなどで細かくしたものを、うなぎや焼き鳥にふりかけて味わうことの多いスパイスの「山椒」ですが、あの実でけではなく、葉や花もハーブとして味わうことができます。昔は「ハジカミ」とよばれていたようですが、生姜がハジカミとなり、山椒は胡椒に近く、ジャパニーズ・ペッパーとしても今では言われることもあります。

山椒の木は、山になっているものもありますが、苗木を買って露地栽培することもできます。適度な湿気のある所で育てていくと、3月から4月くらいに新芽がでて、これが「木の芽」として竹の子の煮物や木の芽味噌として味わうことができます。その後短期間、花が咲き、その後雌の株には、実がなります。雄株は花も咲きますが実のような形で、実にはなりません。

夏になると花を咲かせた雌株は、実がふくらみ、青い山椒の実がなります。そのまま秋へ向かうと、実は赤く色づき、これは乾燥させて粉山椒として楽しむことができます。山椒は、若葉、花、実、そして皮なども活用できる和のハーブとも言えます。

山椒の栄養

山椒は、さわやかな香りや、ピリッとした辛みが特徴的ですが、栄養もあります。独特な香りは、食欲増進や消化促進の成分で、食材の臭みを消してくれるのにも役立ちます。サンショールと言われる辛味成分は、血流の流れをよくして、肩こりや神経痛、保湿に効果がある栄養分とされます。カリウムビタミンAが多く含まれていて、血圧を正常に保ち、疲れ目や免疫力のアップに効果が期待できます。

山椒は唐辛子と同じように、冷え性改善や食欲を増進する効果がある栄養成分ですが、食べ過ぎると胃腸を痛めることにもなります。またデトックス効果も山椒にはあって、体にたまった老廃物や毒素を、体外に排出しやすくしてくれるので、むくみやすい人にもおすすめです。さらに、山椒を食べた時に、舌が痺れるような感覚になる成分が、神経痛などの痛みを緩和してくれるとして、生薬の材料としても山椒は使われています。

朝倉山椒(あさくらさんしょう)

家庭でも育てやすい山椒としても知られている種類が「朝倉山椒」です。山に自生する山椒には、トゲがありますが、朝倉山椒にはトゲがなく、兵庫県で多く栽培されています。実の粒がしっかりしていて、さわやかな香り、辛みはマイルド、実は鮮やかな緑色といった特徴があります。兵庫県養父市にある朝倉という地域が、朝倉山椒の発祥の地であることから、朝倉山椒と名付けられています。

葡萄山椒(ぶどうさんしょう)

葡萄山椒は、名前の通り、ブドウの房のように実がなる種類です。実は大きく肉厚で「緑のダイヤ」と呼ばれることもあるほどの、山椒の中の高級品種で、和歌山の特産品でもあります。葉や茎に鋭いトゲがあるので、収穫するのには手間がかかることでも知られています。収穫されるものの多くは、天日干しされて、香辛料メーカーに出荷され、一部は生薬の材料として薬品会社にも、葡萄山椒の実が出荷されるものがあります。

山朝倉山椒(やまあさくらさんしょう)

山椒は自然に生育している野山椒といわれる種もあって、鳥などによってタネが運ばれて自然発生するものもあります。その中で朝倉山椒に近いもので、野生の種が「山朝倉山椒」として分類されるものもあります。短めのトゲがあるのが特徴です。野生の山椒は、実に悪臭があるものもあって、食用としては使われないものもあります。山朝倉山椒は、接ぎ木として使われることもあるようです。

竜神山椒(りゅうじんさんしょう)

和歌山県竜神地方で栽培される山椒が「竜神山椒」です。卵のような形の葉が特徴で、朝倉山椒に比べて葉の数が少なく、食用としても使われます。4月くらいに黄色い花をたっぷりと咲かせるので、花山椒として収穫されて、実よりは香りが強くなく、噛んだときにほのかな香りを活かして、料理のあしらいとして使われることが多いです。

高原山椒(たかはらさんしょう)

岐阜県高山市で栽培されている「高原山椒」は、江戸時代から飛騨の特産品として知られている山椒の種類です。朝倉山椒、葡萄山椒に比べて実は小さいですが、深い緑色の実がなります。とても香がよく、しびれすような辛味が、鰻料理のお店などで好まれて使われています。長期保存も可能で、収穫から1年経っても香りが衰えないとも言われ、高原川流域で育つものでないと、香りが弱くなってしまいます。

山椒と花椒の違いは?

中華料理でよく使われるスパイスに、「花椒(かしょう)」があります。痺れるような辛さが魅力で、料理レシピにも登場することもありますが、山椒も同じように痺れるような感覚や辛みがあります。この2つは、植物の分類上は同じものですが、産地と種類が違います。花椒の木は、中国が産地のミカン科サンショウ属の華北山椒、山椒は日本が産地で、ミカン科サンショウ属山椒です。

山椒は、若葉、花、実などを使いますが、花椒は実の皮部分を乾燥させて使うものです。山椒の花は花山椒として和の料理に使われるので、混同されやすいので、花椒のことは「中国山椒」「四川山椒」といったり「ホワジャオ」と呼び区別しているスパイスメーカーもあります。

料理に使う時には、その産地通りに、中華料理に使われるのが花椒で、麻婆豆腐、担々麺などの辛さが特徴の四川料理に欠かせない調味料です。塩とあわせた花椒塩をから揚げにつけたり、五香粉という中華スパイスには花椒が含まれています。口の中が痺れるような感覚もある辛さと鼻にぬけるような香りが特徴で、山椒は日本料理で使われ、花椒に比べて、柑橘系の香りが広がり軽いしびれとマイルドな辛みです。

Thumb山椒の葉の旬と保存方法は?サラダなどの簡単レシピもあり! | お食事ウェブマガジン「グルメノート」

山椒の選び方と保存方法

山椒の葉の旬と選び方

山椒の葉の旬は、春になり芽吹く3月頃です。若葉は木の芽として、料理に添えて、味というよりも香りを楽しむものです。春の若葉を過ぎて、花が咲き、実をつけるころの、山椒の葉も山椒味噌にして味わうこともできます。販売されているもので木の芽を選ぶ時には、葉が薄い緑色のものがおすすめの選び方です。茎が茶色くなっていたり、葉が厚かったり、濃い色のものは硬くなっています。

山椒の実の旬と選び方

山椒の実は、4月から5月に花が咲いた後、6月くらいから青い実をつけ始めます。初夏6月から7月くらいに、栄養を蓄え実を膨らませ旬を迎えます。鮮やかな緑色になり、小さくてもふっくらとした状態になったら、実山椒としての旬です。売られているものでは、小さな枝が枯れていずに、緑色が鮮やかなものがおすすめの選び方です。実にはりのないものは、時間が経っているものなので、香りも落ちますので、避ける方が無難です。

山椒の葉の保存方法

山椒の葉は、傷みやすいものなので、洗ったら、水にひたしたキッチンペーパーではさむようにして、ラップで包むようにして、乾燥しないようにした保存方法がおすすめです。料理店では、薄い木の入れ物に並んだものに、霧吹きで水を与えて、新鮮さを保持しています。サッと下茹でして、しっかりと水気を取ったものを、小分けにして、ラップで包み、冷凍した保存方法もあります。

山椒の実の保存方法

山椒の実は、小さな枝が付いた状態で売られていることが多いです。この枝から実を外して、水道水で良く洗い、鍋にたっぷりの湯を沸かして、塩を一つかみいれて、30秒ほど茹でで、ザルに上げます。その後水にさらしておきます。1時間ほどさらすと、辛みも残りますが、4時間くらい水にさらしておくと、辛みが和らぎます。その後、水気をしっかりときってキッチンペーパーで拭いたら、小分けにして冷凍する保存方法もあります。

山椒を使った簡単レシピ

山椒の香りで一気に本格的「黒ごま麻婆豆腐」

仕上げに山椒をふって、本格的な香りのする麻婆豆腐のレシピです。山椒の代わりに、花椒を使うのもおすすめです。花椒であれば、細かく砕いたものを炒めるときにも少し加えると、痺れるような辛さがぐっと増します。

  • 絹豆腐1丁
  • 豚ひき肉100g
  • トマト1個
  • 長ネギ1/2本
  • にんにく、しょうがのみじん切り各1片分
  • 黒すりごま大さじ2
  • 酒、しょうゆ、トマトケチャップ、ごま油各大さじ1
  • 砂糖、オイスターソース各大さじ1/2
  • 豆板醤小さじ1
  • 水100cc
  • 片栗粉、山椒

  1. 豆腐はさいのめに切って、厚手のクッキングシートに包むようにして、レンジで2分加熱して、水切りします。
  2. トマトはさいの目にして、長ネギはみじん切りにします。
  3. フライパンにごま油をいれて、にんにくとしょうがのみじん、豆板醤を加えて熱して、香りがしてきたら、豚肉、トマトを入れて炒め、トマトの水分をとばします。
  4. 黒すりごま、酒、しょうゆ、砂糖、オイスターソース、水を加えて全体を混ぜて、豆腐を加えます。
  5. フツフツと煮立ってきたら、水で溶いた片栗粉を加えて、とろみがついたら火を止めます。
  6. 山椒をふってできあがりです。

ピリッとさわやかな大人の味「ちりめん山椒」

山椒の実を丸ごと使って、栄養も香りも、さわやかな辛さも活かした定番料理が、ちりめん山椒です。お土産として、山椒やちりめんの産地で売っているものもありますが、山椒の旬の時期であれば、手作りするのもおすすめです。山椒の花、葉を加えてアレンジレシピもできます。

  • ちりめんじゃこ70g
  • 実山椒(下茹でし水につけてアク抜きしたもの)大さじ3
  • 酒100cc
  • しょうゆ大さじ2
  • みりん大さじ1
  • 砂糖大さじ1/2

  1. 鍋に、調味料を全ていれて、火にかけます。
  2. 沸いてきたら火を弱めてちりめんじゃこを加えて、味を似含めるように2分ほど加熱します。
  3. そこに実山椒を加えて、弱火のまま煮汁が亡くなるまで、5~6分炊けばできあがりです。
  4. 冷めたら保存容器にいれて、冷蔵庫で1週間くらい保存できます。
  5. 花山椒を加えるときには、良く洗って水けを切ったものを仕上げに加えて、サッと火を通して、山椒の葉を加えるときには、山椒の実とあわせて、小さく刻んだものを合わせて炒めます。

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山椒の種類やレシピを知って美味しく食べよう!

山椒は、朝倉山椒、葡萄山椒など種類もありますが、スーパーなどで並ぶ時期であれば、選び方に気をつけて、山椒の実であれば、ふっくらとした色のよいものを選んで、ちりめん山椒などにすれば、ご飯にあう常備菜になります。山椒の葉も、香りを楽しめる食材として、紹介した保存方法で冷凍庫で常備しておくと、和食のアクセントになります。山椒の実、葉、花を料理に活用して美味しく食べてください。

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