にんにくの効果・効能と栄養は?効果的な食べ方や適切な量を調査!
にんにくと聞くと何を思い浮かべますか?ドラキュラが嫌いなもの、キムチ、スタミナ付けたい時の焼き肉やパスタなど、人それぞれでしょう。あの食欲をそそる香りのにんにくの効果と、効能や栄養はどうなのか?また効果・効能と栄養を、効果的に食べるには何を気をつけたらいいのか?適量はどのくらい?適量より多く食べた方が効果があるのか?など、にんにくの適切な量や理由などを徹底的に調査したいと思います。
目次
- 1にんにくについて
- 2にんにくの名前の由来
- 3歴史から紐解くにんにくの栄養と効果
- 4にんにくの栄養と効果
- 5にんにくの栄養素の効果・効能
- 6にんにくの栄養素に期待できる効果:殺菌効果
- 7にんにくの栄養素に期待できる効果:解毒効果
- 8にんにくの栄養素に期待できる効果:糖質代謝
- 9にんにくの栄養素に期待できる効果:血栓予防
- 10にんにくの栄養素に期待できる効果:コレステロールの上昇を抑制する
- 11にんにくの栄養素に期待できる効果:活性酸素除去し免疫力アップ
- 12にんにくの栄養を上手に取り入れる食べ方
- 13にんにくの効果的な食べ方:免疫力を高めたい時
- 14にんにくの効果的な食べ方:抗菌・殺菌力を期待する時
- 15にんにくの効果的な食べ方:疲労回復させたい時
- 16にんにくの適量とは?
- 17にんにくの食べ過ぎ逆効果:胃腸の不良
- 18にんにくの食べ過ぎ逆効果:ビタミン生産を阻害
- 19にんにくの副作用の対策
- 20にんにくの匂い対策に効果的なこと
- 21にんにくの効果・効能を理解して効果的に食べよう!
にんにくについて
にんにくの収穫量日本一は?
にんにくの収穫量日本一は、青森県です。日本全体の約7割が青森県で生産されているのです。更に、青森県の中でも十和田市が最も多く栽培をしています。青森県の総生産量の3割くらいを十和田市で栽培しているのです。十和田市は、火山灰土の土質と降雪量の多さで冬の間にニンニクが栄養を蓄えるのに適した土地のようです。
では世界で一番、にんにくの生産量が多い国は何処でしょう?日本にも沢山輸入されていて、お馴染みの中国です。なんと、世界の8割近くを中国で栽培しているのです。2位はインドで、3位は韓国です。ちなみに日本の順位は、36位です。
にんにくは茎が肥大した鱗茎
にんにくとは、ユリ科の多年生の植物の、地下の部分である鱗茎(りんけい)です。また、鱗茎とは鱗のような多肉な葉を複数つけている、茎が肥大したものでなく、葉的器官が貯蔵物質を多く蓄えたものです。ユリや玉ねぎ、チューリップなどがこの鱗茎にあたります。これに似た、カトレヤやラン科に見られるのは、枝が肥大した偽鱗茎または、仮鱗茎にあたります。
にんにくは古来、香辛料や強壮剤として世界中で知られており、西洋の肉料理や、中国や韓国でも多く使われています。古代エジプトでもピラミッドを作る際に、作業員たちの滋養強壮剤として配給されていたそうです。日本には奈良時代には既に、中国から伝わったと考えられており、スタミナを付けたい時の料理にも使われています。
にんにくの主な種類としては、ジャンボにんにく、一片種にんにく、最上赤にんにくがあります。ジャンボにんには、正確にはリーキの一種でにんにくとは別種とされていますが、見た感じでは、にんにくそのもので香りはあまり強くありません。一片種にんにくは、分球しておらず一つの塊のにんにくです。
山形県最上地方の伝統野菜の一つである最上赤にんにくは、外側の皮が赤く、辛みの強いにんにくで、貯蔵性に優れており加熱すると甘味が出ることから、需要が増えつつあります。日本での、にんにくの旬は6月~8月の間で地域によって多少の差があります。
にんにくの名前の由来
日本での、にんにくの名前の由来として通説となっているのが、仏教用語の忍辱(にんにく)からとされるものです。匂いを耐え忍び食べて健康を維持するという意味のようです。他の有力説として、二ホヒニクム(匂憎・匂悪)がなまってにんにくになったとするものと、カニホヒニク(香匂憎)からという説とがあります。
歴史から紐解くにんにくの栄養と効果
古代から認められていたにんにくの栄養と効果
古事記には、にんにくの栄養としての効果ではなく、魔よけとしての効果ですが、日本武尊がにんにくをもって悪い神の化身である白鹿を打ち殺したという記述があります。平安時代には本草和名(ほんぞうわみょう)や、倭名類聚鈔(わみょうるいじゅしょう)に栽培の記録が残っています。また源氏物語にも、極熱の薬草という記述もあります。
エジプトのツタンカーメンの墓から発見されたのが最初とされており、古文書パピルスには、労働者ににんにくを与えていた記録も残っています。またクフ王が建造したピラミッドの壁画には、ニンニクを食べながら労働に耐えている労働者の絵が描かれています。また、肉や魚の保存や、毒蛇や害虫に噛まれた時の薬として効能があり、利用されていたようです。
古代ペルシャ王の毎日の食卓に、にんにくが出されていた記録も残っていたり、朝鮮最初の医学書である東医宝艦には、にんにくを勧める記述も残っています。日本で一番古いにんにくの利用が記されているのは、応神天皇時代の古事記です。また万葉集では、にんにくの美味しい食べ方が強調され、二杯酢におろしにんにくをいれて鯛の刺身を付ける食べ方が記されています。
研究によって解明されたにんにくの栄養と効果
更に、妊婦の体力回復とあかちゃんの健康に、にんにくが大変よい食べ物であることを記しているのが宇津保物語です。長い歴史の中で珍重され続けてきたにんにくは、近代になってもその栄養の高さや効果・効能を求めて広く利用されています。1940年ころにはアメリカとスイスの学者が共同でアリシンというにんにくのパワーの元となる成分を発見しました。
また、デザイナーフーズ計画というおおよそ20億円の予算を使って行われたフィトケミカルの研究の結果、約40種類の野菜と果物を、リスクを減らす重要順に区分したものをピラミッド型で発表されましたが、にんにくはそのピラミッドの頂点に分類されています。この計画は、アメリカの国立がん研究所を中心に行われたものです。
にんにくの栄養と効果
にんにくの栄養:アリイン
アリインとは、ねぎや特に、にんにくに多く含まれる栄養素で硫黄を含むアミノ酸です。アリインが分解され香りのある成分アリシンに変化します。抗酸化作用を持ち活性酸素を抑え、疲労回復を促します。また血液をサラサラにする効果もあります。にんにくのアリインは0.5%程ですが、にんにくの効能や香辛料としての効果に左右します。
アリインは抗菌・殺菌・抗血栓作用・抗酸化作用・疲労回復などの効能や効果が期待できます。あくまでもアリインはアリシンの前駆体という位置づけのようで、アリイン自体の効果・効能の研究はあまりされていないようです。
ニンニクの栄養:アリナーゼ
にんにくに含まれる栄養素アリナーゼは、アリインをアリシンに触媒する働きをします。通常アリナーゼは細胞の中で作用せず、存在しているだけですが、外敵から刺激を受けた瞬間に活動し効果効能を発揮する成分に変化させる酵素です。アリナーゼ自体の効能はありませんが、アリナーゼがなければにんにくの効果効能は発揮できないと言っても過言ではないでしょう。
にんにくの栄養:アリシン
アリシンというにんにくの栄養素は、硫黄化合物の一種で、効果・効能の要となる栄養素です。また、にんにくの匂いの元もアリシンです。アリインの説明段階で、アリインはアリシンの前駆体という位置づけであると述べた通り、アリインが変化してアリシンに変化します。元々にんにくの害虫、細菌、動物などからの自己防衛機能です。
虫や細菌がにんにくを食べた時にアリシンが発生します。そしてアリシンの抗菌殺菌作用で害虫などが食べるのを止めたり、菌が死滅したりします。アリシンもアリインと同じく反応性が高く不安定で、環境や物質によって反応し変化しやすい成分です。また、アリシンにはタンパク質を分解する働きもあるので、肉の付け合せとして消化吸収を促進する効能があります。
しかし、アリシンの強力な効果効能は、抗菌と殺菌作用です。それ故にアリシンは副作用に気を付けなければいけません。食べ過ぎると腸内細菌の善玉菌までも殺してしまうので、適量を守った食べ方をしなければいけないことを、忘れてはいけません。
にんにくの栄養:ジアリルジスルフィド
ジアリルジスルフィドという栄養素は、にんにくの匂い成分の一つで、にんにくの効果効能に大きく左右します。脂溶性で揮発性がある有機イオウ化合物です。アリシンが化学反応を起こして分解してできたのがジアリルジスルフィドです。効能や効果は解毒作用で、肝機能の強化に効能があります。また大腸がんへの効能にも期待されています。
にんにくの栄養:アホヱン
アホヱンという栄養素もまた、にんにくのアリシンが変化したものです。医療用としても効能を発揮しており、抗血栓剤として心臓病や脳梗塞の予防薬にも使われています。また抗菌剤として、カンジダ症の予防、水虫の治療の効果もあります。これだけ効果効能のあるアホヱンは食用油に漬けて生成されるので、にんにくオイルという商品としても広く出回っています。
にんにくの栄養:アリチアミン
アリチアミンという栄養素は、にんにくのアリシンとビタミンB1が結合することで形成されます。ビタミンB1は、エネルギー発生の過程に必要な栄養素ですが、水溶性で消失しやすいが、アリシンとの結合により、脂溶性に変化し吸収されやすくなります。これをニンニクB1と呼ばれています。
にんにくの栄養:スコルジニン
スコルジニンは、1キロのニンニクにたったの3.9gしか無い栄養成分です。スコルジニンは窒素や硫黄を含んだ化合物で、生理活性物質です。この栄養素は日本の科学者によって発見され、命名されました。スコルジニンは、疲労回復や滋養強壮、食欲増進の効能があります。酸化還元作用により、酸化現象を防ぎ心筋の増強をし、毛細血管の拡張による効能は毒素の排出です。
またスコルジニンとビタミンB1を一緒に摂取することで血中にスコルジニンの滞在時間を延ばすことができるので、ホルモン系統の刺激により滋養強壮の効能強化ができます。
にんにくの栄養:ゲルマニウム
にんにくに含まれる栄養素の中にゲルマニウムというミネラルの一種があります。疲労回復やスタミナの増強効果があるゲルマニウムは、体内で酸素と結合し、肝臓から膵臓や脊髄に効率よく酸素を運びます。近年の研究では抗ガン作用に注目されており、サプリメントのゲルマニウムの副作用が問題になりましたが、にんにくのゲルマニウムは安全な効能で経済的でしょう。
にんにくの栄養:メチルアリルトリスルフィド
メチルアリルトリスルフィドという栄養素は、にんにくのアリシンが変化し生成されたものです。血小板凝集抑制効果があり、トロンポキサンA2という物質の発生を抑制し、血液の凝固を防止します。つまり、血栓症の予防に効果がある栄養素です。欧米で一般的にアスピリンとして使用されている薬と同じ効果があります。
ちょっと一休みにんにくの豆知識
今や日本でもポピュラーになったニンニク料理の代表選手アヒージョですが、実はスペイン料理のタパスの一つで、アヒージョの名前はスペイン語でニンニクのことを、Ajo(アホ)と言うところから、アヒージョ(ahillo)ニンニク風味のソースという意味であり、料理名ではないのです。にんにくがスペインに行くと、アホという呼び名とは、すぐに覚えられそうです。
にんにくの栄養素の効果・効能
にんにくに期待できる効能は、殺菌・抗菌・解毒の効能と、ビタミンB1が糖質代謝を高める効能と、血栓ができにくくなる効能と、活性酸素を取り除く効能、更に疲労回復の効能やコレステロールの上昇を抑える効能など、栄養素のアリシンにより免疫力を高める効能があります。
更に、にんにくの効果効能を細かくあげると、疲労回復、インフルエンザ・風邪予防効果、コレステロール値の抑制効果、血流促進効果、高血圧の予防・改善効果、動脈硬化の予防・改善効果、栄養素のアリインによる、冷え性改善効果などの血液循環の改善によるとみられる効果があります。
また食欲増進・食欲不振改善効果、消化促進・消化不良改善効果、便秘・下痢予防・改善効果、胃潰瘍・十二指腸潰瘍予防効果などの消化器官の改善による効果もあり、食中毒予防効果、肝機能強化二日酔い予防・改善効果、癌予防・抑制効果、アンチエイジング効果、糖尿病予防・改善効果などの栄養素のアリシンによる抗菌・抗酸化の効能による効果があります。
この様に様々な効果効能があり、正に万能薬のようなにんにくの効果について、もっと詳しく説明していきたいと思います。
にんにくの栄養素に期待できる効果:殺菌効果
抗菌、殺菌、解毒を行う効果があります。にんにくの殺菌効果は医学にも利用されているほど優れています。近年、胃がんの原因の一つとして認識されているピロリ菌の退治は、抗生物質とにんにくのアリシンの併用によって治療を行われていますが、アリシンのピロリ菌退治の効果は70%を90%にまで引き上げました。
更ににんにくから抽出されたアリシンの水抽出液によって、黄色ブドウ球菌は100ミリリットル、大腸菌では560ミリリットルで作用した実験結果があります。抗生物質の強力な殺菌作用には及びませんが、食品成分としてはかなり高い効き目です。にんにく1片を磨り潰し10ミリリットルの水に溶かせば、大腸菌を殺す溶液が簡単に得られるということです。
そして抗生物質は耐性菌をつくりやすというデメリットがありますが、にんにくのアリシンは、耐性菌をつくりにくいというメリットがあります。ただし、にんにくのアリシンは消化管吸収後、血液に現れるまでに分解してしまうというデミリットがあります。つまり、黄色ぶどう球菌の感染患者が、にんにくを食べても殺菌効果は得られないそうです。
しかし、動物実験の段階ではありますが、植物酵素アイリナーゼをガン動物の皮下注射と腹腔注射したところ、体内を巡りアイリナーゼのある細胞上でアイシンに変化し、がん細胞の97%を死滅させませた。そして他の正常な細胞には影響がなかったそうです。アリシンの効果は、今後も医学的に注目の高いものとなっています。
にんにくの栄養素に期待できる効果:解毒効果
人間の解毒の役割を担ってくれるのは肝臓です。肝臓は、体内に栄養となるもの意外の菌や異物などを、分解処理して血液中に排泄してくれます。肝臓には、クッパー細胞と呼ばれる有害物質を処理する細胞があります。このクッパー細胞は細菌を取り込んで、消化する働きを持っています。この肝臓の解毒のサポートを、にんにくの成分がしてくれるのです。
にんにくの栄養素に期待できる効果:糖質代謝
にんにくの成分アリシンが、栄養素ビタミンB1と結合することでアリチアミンに変質し、糖質をエネルギーに変える働きを補助してくれます。更に、アリシンとビタミンB1は結び付くと、脂溶性のアリチアミンという物質に変化し、ビタミンB1が体外へ排出されにくくなる為に、ビタミンB1の効果が持続し、代謝が高まるのです。
更に、にんにくはノルアドレナリンという物質の分泌を盛んにするため、ノルアドレナリンの酵素であるリパーゼを活性化し、体内の脂肪を分解してくれます。
にんにくの栄養素に期待できる効果:血栓予防
血液は体中に酸素や栄養素を常に運ぶ大事な役割を担っています。血液は液体でなりっていると思われがちですが、45%が血球であり有形の細胞成分なのです。赤血球と白血球と血小板がこの有形の細胞にあたります。残り55%が液体成分のです。この血液が何らかの状態で止まってしまい、脳に酸素が5分供給されなくなると、死んでしまいます。
通常ケガをした際に出血をしますが、傷口に血小板が集まって栓を作ることにより固まって血がとまります。これは自然治癒の機能が働いた結果です。ただし、この機能が血管の内側で作用して血管内にかさぶたが出来たらどうでしょう?コレステロールの多い食事で、酸化した悪玉コレステロールが血管壁にたまり、血管が圧迫され傷がつきます。
血管内であろうと、できた傷を修復しようとするのが人間の自然治癒力です。血管内の傷口に血小板が集まり、栓をつくり固めてかさぶたをつくろうとします。これが血栓なのです。動脈硬化が進んでいる人は、血管内に傷がつきやすいので、脳梗塞や心筋梗塞などの死に直結する病気になりやすくなっています。
本来なら、血管内に出来た血栓を溶かす作用が自然に働くのですが、喫煙や運動不足やストレスによって、血栓が固まりやすく溶けにくい体質になってしまいます。血栓を防ぐには、禁煙をして運動するのが良いですし、また血小板が凝集する機能を抑えることです。にんにくには、硫黄化合物が含まれており、血小板を強力に固まらせない力を発揮します。
にんにくの血小板凝集抑制効果がある成分は、メチルアリルトリスルフィドという物質で、日本の研究室でニンニクオイルからの分離が成功しました。この成分は心筋梗塞や脳梗塞の原因となる血栓を防いでくれつつ、傷口を修復するために必要なほどの血栓は、ちゃんと残してくれる優秀な成分です。5gのにんにくを食べた後48時間、血小板凝集抑制効果が持続しました。
にんにくの栄養素に期待できる効果:コレステロールの上昇を抑制する
コレステロールには、善玉コレステロールと悪玉コレステロールとがあります。悪玉コレステロールは増えてしまうと、動脈壁に張り付き動脈硬化を進めてしまいますし、血液をドロドロにして流れの悪い血液となり、血管内に傷がつきやすくなります。にんにくのジアリルジスルフィドとジアリルトリスルフィドという成分がコレステロールの合成を抑えてくれます。
アメリカのロマンダ大学医学部の研究結果で、4~6か月にんにくを食べると悪玉コレステロールの酸化物が30%減少したという結果を発表しています。元々、コレステロールの値が高い人でも2か月にんにくを食べた結果、数値が3分の2に減りました。また、食べるのを止めたら数か月後に元の高い数値に戻ったそうです。
にんにくの栄養素に期待できる効果:活性酸素除去し免疫力アップ
活性酸素とは、呼吸をして取り入れている酸素が、食べたものをエネルギーに変換してくれる際に生まれる副産物です。本来ならば人間の役に立つ活性酸素が、人体に侵入した細菌やウィルスを退治する免疫機能として作用してくれます。しかし、活性酸素が多く生産されたり、体長不良により、活性酸素を分解する力が上手く働かないと、体内で余ってしまいます。
余った活性酸素は、人間の体内を攻撃するという悪い作用をすることとなり、細胞や栄養素が破壊されたり、過酸化脂肪など害のある物質の生産に繋がります。さらに活性酸素はガンや脳卒中、認知症、心臓病、動脈硬化、白内障など大きな病気の原因となったり、シミやしわなど老化にも影響します。
にんにくには、この活性酸素を撃退する抗酸化作用があります。にんにくの抗酸化作用は、アリインという成分によるものです。アリインが分解されS- アリルシステインという成分に変化し、活性酸素を消去する強力な抗酸化作用を発揮します。抗酸化作用は年齢とともに減少し、免疫力が弱まりガンの発生とも関係しています。
にんにくの交感神経を刺激してノルアドレナリンを分泌させる効果で、血流が良くなり体温が上昇します。人の体温は1度あがると免疫力が5~6倍上がるそうです。
にんにくの栄養を上手に取り入れる食べ方
説明してきた通り、にんにくの栄養素はちょっとした刺激でいくつも変化することや、生か加熱するかの食べ方によっても、効果と効能が変わってきます。目的に応じた正しい食べ方をして、にんにくの効果や効能を最大限に引き出したいものです。にんにくの食べ方は大きく分けて、生ですりおろし・切って炒める・切って揚げる・丸ごと蒸す・オイルに浸けて使うなどです。
他にも熟成させた黒にんにくや、食べ方は沢山ありますので、全ては紹介しきれませんがいくつかを紹介したいと思います。
にんにくの効果的な食べ方:免疫力を高めたい時
免疫力を効果的に高めたい時のにんにくの食べ方は、アホヱンを引き出す調理方法で作ります。切ったにんにくを、2時間放置しておくとアホヱンが約3倍に増えるので、切ったあと2時間はおいてから使いましょう。これは、空気に触れたアリインがアリシンという成分に変化し強い臭いを発しますが、時間が経過すると臭いも減っていくので臭いが気になる人にもお勧めます。
また、アホヱンは低温で加熱することで効果的に引き出すことができます。低温の油でゆっくりと熱を入れるか、常温のオリーブオイルににんにくを入れて、湯せんで加熱し冷ますだけで、アホヱンの引き出された、効果的に栄養素を摂れるにんにくオイルができます。
にんにくの効果的な食べ方:抗菌・殺菌力を期待する時
にんにくの抗菌・殺菌効果は、加熱してしまうとアリシンが変化してしまうので、生で食べることが重要です。効果を出すには、生のにんにくをすりおろした食べ方で、最も強力な殺菌・抗菌効果が得られるでしょう。にんにくをすりおろすことで、繊維を破壊するのでアリシンの効能を増幅する効果的な食べ方です。にんにくの量は、適量を守ってこそ効能を得られます。
生での食べ方は、加熱したにんにくよりも刺激が強いので、効果効能が強く働きすぎることがあります。適量よりも控えめにした食べ方をしましょう。また、弱火の低温で加熱すれば、アリシンの効果も失われにくいので、にんにくを丸ごと加熱料理した食べ方や、低温の油でゆっくりと加熱し大豆や豚肉と一緒に調理する食べ方も効果的な食べ方です。
にんにくの効果的な食べ方:疲労回復させたい時
疲労回復に効果的な食べ方をしたい場合は、にんにくの蜂蜜漬けでの食べ方が、効果的な食べ方のようです。にんにくの蜂蜜漬けは作り置きし、常備しておけるので効率の良い食べ方です。作り方は、皮を剥いて1片ずつに分けたにんにくと蜂蜜を、適量瓶に入れて2~3か月置くだけです。時々瓶をゆすって混ぜます。
蜂蜜の量は、にんにくがしっかり浸かるくらいまで入れます。食べごろは、蜂蜜が茶色くなってきた時です。出来上がるのに、時間はかかりますが手間がかかりませんので、続けやすいにんにくの食べ方ではないでしょうか?継続して食べられることが、効果を得るには最も重要な食べ方と言えるでしょう。
にんにくの適量とは?
にんにくの適量は、大人で一日生だと1片、加熱すると3片とされています。子供は大人の半分の量が良いとされていますが、体格や体質、習慣など個人差が大きいと思いますので、少しずつ量をみて、自分の適量を探ってみましょう。効果を得たい気持ちが大きいと、つい適量を超えてしまいますので、気を付けましょう。
また、にんにくを食べてから効果が現れるまでの時間は、男女で違うそうです。男性はにんにくを食べてから12時間後に効果が現れます。それに対して女性は、その半分の時間の6時間で効果が出ます。更に、にんにくを食べてから効果が持続する期間は2日間もあるという研究結果があるそうですので、毎日食べるのは適量ではないかもしれません。
にんにくの食べ過ぎ逆効果:胃腸の不良
にんにくには、本当に様々な栄養、効果と効能があることを説明してきました。そんなに身体にいいにんにくを沢山食べておけば、病気にならないだろうと食べ過ぎてしまうことに注意が必要です。適量以上に食べると、にんにくの効果の殺菌作用が強く働き過ぎ、腸内の善玉菌を殺してしまう可能性もあります。善玉菌の減少は消化不良や胃痛の原因になります。
また、にんにくの適量以上の摂取により、腹痛、下痢、胃もたれも起こします。にんにくのアリシンの効能が効きすぎて、消火器が刺激されて悪い症状を起こす可能性があるので、小さい子供や高齢の人は特に注意が必要です。対処としては、水に溶けやすい性質のアリシンは水分を多めにとって、胃腸からの排出を促しましょう。
にんにくの食べ過ぎ逆効果:ビタミン生産を阻害
更に、腸内ではビタミンを生産する働きがあり、腸内にいるビタミン生産菌という細菌による働きによって、ビタミンが生産されます。このビタミン生産に役立つ菌が殺されてしまうので、ビタミンの生産を阻害される為に、口角炎や皮膚炎、舌炎の原因にもなります。特にビタミンB2の不足は口腔周りの炎症の原因となります。
にんにくの副作用の対策
自分のにんにくの適量を知る
にんにくの食べ過ぎによる逆効果で副作用が出ない為の対策として、おおよそ大人の摂取量の目安は生にんにくで1片で、加熱したにんにくだと3片ですが、個人差もありますし、慣れるともう少し食べても大丈夫だったりと、人によって違うので自分の適量を覚えておくことで、極端な食べ方をしないことです。
食事前に牛乳を飲む
事前にタンパク質を少量、胃に入れておくことも効果的です。食欲増進の効果がある、にんにくですから、空腹時は一気に食べてしまいがちです。しかし、胃に何もない状態のところに、にんにくが入るとアリシンの刺激で胃酸が過多になりますので、食前に牛乳を飲むことで胃の粘膜を守る効果が期待できます。
食べ方を選ぶ
にんにくのアリシンは、ゆっくり加熱したり、時間が経過すると自然に消えていきます。一方、すりおろしたり、きったり、急な加熱などの刺激でアリシンが生じます。また、にんにくを油で揚げるとアリシンは分解されにくくなるので、胃腸の弱い人は、ガーリックオイルや揚げにんにくは避けましょう。生のおろしにんにくも避けたほうがよいでしょう。
にんにくの匂い対策に効果的なこと
沢山の効果・効能のあるにんにくを日常で継続的に食べたいのもですが、どうしても気になるのが、にんにく特有のあの臭いです。出来るだけ臭いは消したいものですから、いくつかにんにくのニオイ対策を紹介します。
カテキンやフラボノイドには協力な消臭効果を持つ成分が含まれているそうです。カテキンを含む食品と言えば、お茶です。緑茶、煎茶、番茶、ほうじ茶どれもカテキンが含まれています。特に緑茶が多く、光合成によってカテキンは増加するので、煎茶や番茶が多く含まれます。茶葉にも多くのカテキンが残ってしまうので、粉末のものが効果的に摂取できます。
また、梅干しもカテキンやフラボノイドが含まれていて消臭効果が期待できます。臭いの元がタンパク質と結合することを利用して、食後に牛乳を飲んだりするのも良いでしょう。その他には、ポリフェノールや酵素を含む野菜や果物を食べたり、チーズや卵、チョコレートを食べるのも効果があるそうです。あと歯磨きを忘れないようにしましょう。
にんにくの効果・効能を理解して効果的に食べよう!
小さなにんにくに、沢山の栄養素と効果・効能があることがわかりました。あまりに効果・効能が多すぎて、覚えきれないほどです。重要なことは適量を守って、自分に必要とする効果・効能がある食べ方をすることです。早く効果が欲しくて適量以上に食べたりしては逆効果のようです。薬に限らず用法・用量を守るのは大事なことです。
人は健康効果があると知ると、競って買いに行き適量や食べ方などほとんど聞かずに、ひたすら食べてみて効果があるどころか、体調が悪くなったと愚痴をこぼすのを良く聞きます。自然の食物からの効果が欲しければ、適量を持続して摂り続けることです。ネットの書き込みでも、効果なんてないと書いてあるのは、殆どが適量以上食べたか、食べ方を間違ったかでしょう。