2022年08月17日公開
2024年05月25日更新
あん肝の栄養成分とは?カロリー・糖質量や効果効能・注意点を解説
あん肝のカロリーや栄養成分、食べるうえで気を付けるべきことについて気になっている人もいるでしょう。この記事では、あん肝の旬や味、栄養成分、効果効能から食べるときの注意点まで紹介しています。あん肝について詳しく知りたい方はぜひチェックしてみてください。
「あん肝のカロリーは?」
「あん肝の栄養成分って?」
「あん肝を食べるときの注意点ってある?」
このように高級食材であるあん肝のカロリーや栄養成分、あん肝を食べるときの注意点などについて知りたい方もいるのではないでしょうか。
この記事では、あん肝のカロリーや栄養成分、効果効能、食べるときの注意点を紹介しています。
あん肝を食べたときの効果効能や、食べるときの注意点を知れば、安心しておいしくあん肝を食べることができます。
あん肝について知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
あん肝とは?
あん肝とはあんこうの肝臓のことです。
あんこうは、グロテスクな見た目をしている深海魚で、高級魚としても有名です。あんこうのは、骨以外の部分をすべて食べられるといわれており、あんこうの肝臓も食べることができます。また、あんこうの身もおいしく、あんこう鍋などの食べ方が有名でしょう。
あん肝は、珍味とされており、その味や食感から海のフォアグラと呼ばれることもあります。栄養豊富な部位で、あん肝ポン酢やあん肝煮などの食べ方があります。
あん肝の旬
あん肝の旬は冬です。あんこうは、春の産卵期に向けて栄養を蓄えるため、身に脂がのり、肝も大きくなる12月~2月がおいしいとされています。
あんこうの身の旬は、肝と違って11月~3月の晩秋~初春とされています。
また、あんこうの有名な産地は、山口県下関や福島県いわき市小名浜、茨城県大洗町などです。
あん肝の味
あん肝は、濃厚でまろやかな味わいで、なめらかでクリーミーな食感をしています。海のフォアグラと呼ばれるように、まるでフォアグラかのような味わいの珍味です。
あんこうの肝臓は、捌いてすぐであれば生でも食べることができます。プロの料理店では、新鮮なあん肝を使ってあん肝醤油を作り、あんこうのお刺身に付けて食べることもできるようです。
しかし、あんこうの肝臓には、寄生虫であるアニサキスが存在している可能性があるため、ご家庭での生食はおすすめできません。
あん肝は、先ほども紹介したあん肝ポン酢やあん肝煮という食べ方のほかに、あん肝鍋、あん肝の西京焼きなどの食べ方があります。
あん肝のカロリー・糖質量
ここまで、あん肝の旬や味について紹介してきました。いろいろな食べ方をみてきたところで、食べたいとなった時に気になるのがカロリーや糖質量ではないでしょうか。
それでは、あん肝のカロリーと糖質量についてみていきましょう。
あんこうの身とあん肝のカロリー・糖質量を比較
あんこうの身とあん肝の100gあたりのカロリーと糖質量について比較してみました。
あんこうの身とあん肝を比較してみると、100gあたりのカロリーで身が58kcalに対し、あん肝が445kcalと約8倍の差があります。
糖質量についても、単体の項目はりませんでしたが、糖質と食物繊維を足した「炭水化物」の項目では、身が0.3gに対して、あん肝が2.2gと約7倍含まれていることがわかります。
出典:第2章魚介類(正誤表11反映1222)|文部科学省
参照:https://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/12/20/1365343_1-0210r11.pdf
100gあたり | カロリー(kcal) | 糖質量(g) |
---|---|---|
あんこうの身 | 58 | 0.3 |
あん肝 | 445 | 2.2 |
あん肝と他の肝のカロリー・糖質量を比較
あんこうの肝であるあん肝と、ガチョウやカモなどの肝であるフォアグラの100gあたりのカロリーや糖質量について比較してみましょう。
あん肝とフォアグラを比較してみると、100gあたりのカロリーはフォアグラの方が高く、糖質量はあん肝の方が高いことがわかります。
出典:第2章魚介類(正誤表11反映1222)|文部科学省
参照:https://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/12/20/1365343_1-0210r11.pdf
100gあたり | カロリー(kcal) | 糖質量(g) |
---|---|---|
あん肝 | 445 | 2.2 |
フォアグラ | 510 | 1.5 |
あん肝に含まれる栄養成分と効果効能
あん肝のカロリーや糖質量についてみてきました。次は、栄養豊富なあん肝に含まれる栄養成分と、その効果効能についてみていきましょう。
あん肝に含まれる栄養成分
あん肝に含まれる主な栄養成分は、ビタミン類や銅や鉄です。
それぞれの栄養素の100gあたりの量について下記表にまとめましたのでぜひ見てみましょう。
出典:第2章魚介類(正誤表11反映1222)|文部科学省
参照:https://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/12/20/1365343_1-0210r11.pdf
100gあたり | あん肝 |
---|---|
ビタミンA | 8300μg |
ビタミンD | 110.0μg |
ビタミンB2 | 0.35mg |
ビタミンB12 | 39.1μg |
ビタミンE | 13.9mg |
セレン | 200μg |
ビオチン | 13.4μg |
銅 | 1,00mg |
鉄分 | 1.2mg |
エネルギーの代謝を促進する
あん肝に含まれる栄養素であるビタミンはエネルギーの代謝を促進します。
あん肝に含まれている、ビタミンB2やビタミンB12、ビオチンなどのビタミンB群は体内の代謝やエネルギー生成に不可欠な栄養素です。
ビタミンB2は補酵素として脂質の代謝に関わり、健康維持を助ける働きもあります。
ビタミンB12は赤血球の生成に関わる栄養素です。
ビオチンは、タンパク質や炭水化物など、すべての代謝に関わる栄養素で、筋肉痛軽減などの働きもあります。
カルシウムの吸収を増進させる
あん肝に含まれている栄養素であるビタミンDは、カルシウムの吸収を増進させます。
カルシウムは骨の材料になりますが、カルシウムが不足すると骨粗しょう症になるなどさまざまな骨の異常を引き起こす可能性があります。
しかし、カルシウムは吸収率が低く、たとえカルシウムを摂取していてたとしても、ビタミンDが不足すると十分に吸収されません。
ビタミンDは、腸管からのカルシウムの吸収を増進させる働きがあり、骨の密度を維持するために必要な栄養素なのです。
貧血の予防改善効果
あん肝に含まれる鉄分や銅には、貧血の予防改善効果があります。
貧血とは、赤血球に含まれているヘモグロビンの濃度が低下した状態のことであり、鉄欠乏性貧血がもっとも多い貧血の種類です。
鉄欠乏性貧血の予防には、食事から栄養をとることが大事です。特に。ヘモグロビンを作るために必要な鉄分は、重要な栄養素となります。
あん肝に含まれている銅は、鉄からヘモグロビンを作るのを助ける働きがあります。
同じく、あん肝に含まれているビタミン12も、赤血球を作るのに必要なため、あん肝を食べれば貧血の予防に必要な栄養をとることができます。
あん肝を食べるときの注意点
栄養豊富でおいしいあん肝ですが、食べるときの注意点が2つあります。
あん肝を食べるときの注意点についてみていきましょう。
1:プリン体が多い
あん肝はプリン体を多く含んでおり、プリン体を多く摂取し続けると、さまざまな病気を引き起こす原因になることがあるため、注意が必要です。
プリン体は、肝臓で分解されて尿酸となります。通常は、そのまま体外に排出されるのですが、尿酸の量が多い場合や、排出能力を超えた場合などは、体内に蓄積されます。体内の尿酸の濃度が高い状態が続くと、痛風などを引き起こすことがあります。
2:妊婦はビタミンAの摂取量に要注意
妊婦はあん肝に含まれているビタミンAの摂取量に注意しなければいけません。
あん肝に含まれているビタミンAは、皮膚や粘膜の機能を正常に保つために欠かせない栄養素です。
しかし、ビタミンAの摂取量があまりに多いと、お腹の中の赤ちゃんに器官形成異常を引き起こす可能性があります。特に妊娠初期にビタミンAを過剰摂取すると器官形成異常が起こる可能性が高くなるため注意が必要です。
妊婦は、あん肝やレバー、うなぎなどのビタミンAが豊富な食品を続けてたくさん食べないように注意しましょう。
また、ビタミンAの過剰摂取は妊婦以外の大人にも影響を及ぼす可能性があります。
大人がビタミンAを過剰摂取すると、頭痛や腹痛、嘔吐を引き起こすことがあり、さらに過剰摂取が続くと、皮膚の乾燥や脱毛、食欲不振、体重減少などがおきるおそれがあります。
ビタミンAは不足しても良くないため、適切な量をとることが大事です。
あん肝は栄養価が高いが食べ過ぎに注意しよう
あんこうの肝臓であるあん肝は、珍味として重宝され、栄養も豊富です。しかし、カロリーや糖質量が高く、プリン体も含むため食べ過ぎには注意をしましょう。
また、あん肝に含まれるビタミンAの過剰摂取には、妊婦は要注意です。