全粒粉パスタは本当に体に悪い?小麦との違いや選び方についても紹介

全粒粉入りのパンやクッキー、パスタなどが好きという人も多いでしょう。しかし、「全粒粉は体に悪い」という情報があることも事実です。この記事では、全粒粉の特徴や本当に体に悪いのかを考えていきます。この記事を参考にして、上手に全粒粉や全粒粉パスタを選びましょう。

全粒粉パスタは本当に体に悪い?小麦との違いや選び方についても紹介のイメージ

目次

  1. 1全粒粉パスタは体に悪い?
  2. 2そもそも全粒粉とは?
  3. 3全粒粉が体に悪いと言われる理由
  4. 4全粒粉には健康面のメリットもある
  5. 5全粒粉の賢い選び方
  6. 6全粒粉パスタの選び方
  7. 7栄養価の高い全粒粉パスタを賢く選ぼう

「全粒粉はヘルシーでダイエットに良いの?」
「全粒粉は体に悪いって聞いたことがあるけど、本当?」
「全粒粉パスタは普通のパスタと比べて何が違うの?」
このように、全粒粉入りの食べ物について疑問や不安を持っている人も多いでしょう。中には、全粒粉パンやクッキーなどを好んで食べる人もいます。


この記事では、全粒粉の特徴や健康面でのメリット、選び方などを紹介します。また、全粒粉が体に悪いと言われる理由も解説するため、「全粒粉パスタは本当に体に悪いのか」という疑問も解消されるでしょう。


この記事を参考にして、全粒粉パスタの良い面、悪い面を理解しましょう。そして、全粒粉や全粒粉パスタを選ぶヒントにしてください。

全粒粉パスタは体に悪い?

全粒粉パスタは一般的なパスタに比べて健康や美容に良く、ダイエット効果が期待できると言われています。一方で、全粒粉パスタが体に悪いという話も聞きます。


全粒粉パスタは体に良いのか、悪いのか、その特徴についてひも解いていきます。

そもそも全粒粉とは?

パンやパスタ、ビスケットなどに使われる全粒粉は、小麦粉と同様、小麦から精製される粉ですが、一般的な小麦粉とは内容成分が異なります。


全粒粉パスタが人間の体に悪いかどうかを判断する前に、そもそも全粒粉が何か、その風味や味わいなどを見ていきましょう。

全粒粉って何?

一般的な小麦粉は小麦の表皮や胚芽を取り除いて胚乳だけを粉にしますが、全粒粉は小麦の表皮や胚芽、胚乳を含むすべてを粉にします。


全粒粉は小麦粉の一種であるものの、一般的な白色に近い小麦粉と異なり茶褐色をしています。

小麦粉との違い

全粒粉は小麦を丸ごと粉にしたため茶褐色で、粒径が大きくザラザラしています。かたや、小麦粉は白色に近くさらさらとした粉です。


また、全粒粉を使ったパンやクッキーは歯ごたえとずっしりとした食感があるのが特徴です。

全粒粉の味わいや香り

全粒粉には小麦粉にはない、香ばしい匂いと素朴な味わいがあります。また、全粒粉は小麦粉より粒径が大きいため、ボソボソとして口あたりが悪くなります。


そのため、全粒粉パスタや全粒粉パンなどは全粒粉だけで作るのではなく、小麦粉の一部を全粒粉で置き換えることが多いでしょう。

全粒粉が体に悪いと言われる理由

インターネットの記事などでは、全粒粉が体に良いと支持されている反面、体に悪いという情報も散見します。


全粒粉の害としては、残留農薬・カビ毒・フィチン酸などが取り上げられています。全粒粉が体に悪いと言われる理由を1つずつ詳しく見ていきましょう。

1:フィチン酸

フィチン酸は穀物に多く含まれ、体に有害なものを排出する働きを持っています。同時に、鉄や亜鉛、カルシウム、マグネシウムなどの吸収を妨げる性質もあるため、フィチン酸が含まれる全粒粉や玄米が体に悪いと言われることがあります。


しかし、全粒粉から摂取するフィチン酸はごくわずかであり、ミネラルが不足することは考えられません。過剰摂取さえしなければ心配する必要はないでしょう。

2:残留農薬が通常の小麦粉よりある可能性

多くの小麦は農薬を散布してから収穫されるうえ、保管中や輸送中に細菌・カビが発生しづらいように殺菌剤・防カビ剤が散布されます。


基本的にこれらは基準を満たしているので、我々の口に入れることができます。しかし、農薬がもっとも多く付着しているのは表皮であるため、表皮を含めて粉にしている全粒粉は通常の小麦粉よりも残留農薬や殺菌剤の含有量が高いと考えられるでしょう。

3:カビ毒の混入が通常の小麦粉よりある可能性

カビ毒は穀物やナッツ類に寄生するカビが生成する毒素で、輸入するには検査で基準値を満たす必要があります。


農薬と同様、カビ毒がもっとも多く付着しているのは表皮であり、皮ごと挽いて粉にしている全粒粉は、通常の小麦粉よりもカビ毒を摂る可能性が高いと言えるでしょう。


カビ毒の存在も、全粒粉が体に悪いと言われる理由の一つです。

4:添加物を使用している全粒粉のパンもある

前述したとおり、全粒粉は独特の歯ごたえがあり、パンにすると硬いボソボソとした食感になりがちです。


日本人は柔らかいパンを好む傾向にあるため、添加物を加えてふんわりとした口当たりになるようにしている場合もあります。

5:通常の小麦より消化に負担がかかる

全粒粉は小麦を丸ごと挽いているため、表皮を含んでいます。小麦の表皮は、消化吸収されにくいという性質があり、消化に時間がかかってしまいます。


そのため、全粒粉は通常の小麦粉よりも胃腸に負担をかけやすいと言えるでしょう。

全粒粉には健康面のメリットもある

全粒粉が体に悪いと言われる理由を説明してきましたが、逆に全粒粉は体に良いというイメージを持っている人も多いでしょう。


当然のことながら、全粒粉には健康面のメリットもあるため、日本食品標準成分表2020年版(八訂)をもとに見ていきましょう。

1:食物繊維が豊富


全粒粉(強力全粒粉)には、小麦粉(強力粉1等)の4倍以上である11.2g(100g中)の食物繊維が含まれています。日本人は食物繊維が不足している傾向にあるため、食物繊維が豊富に摂れる食材は貴重です。


なお、食物繊維の一日あたりの目標量は、男性21g以上、女性18g以上となっています。


出典:穀類/こむぎ/[小麦粉]/強力粉/全粒粉 - 01.一般成分表-無機質-ビタミン類|文部科学省
参照:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01023_7


出典:穀類/こむぎ/[小麦粉]/薄力粉/1等 - 01.一般成分表-無機質-ビタミン類|文部科学省
参照:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01015_7


出典:食物繊維の必要性と健康|e-ヘルスネット(厚生労働省)
参照:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html

2:ミネラルが豊富


全粒粉(強力全粒粉)に含まれるミネラル(灰分)の量は1.6g(100g中)と、小麦粉(薄力粉 1等)の約4倍です。不足しがちなカリウムやカルシウム、鉄、亜鉛が小麦粉より多く含まれています。


特筆すべきは、女性が不足しがちな鉄が小麦粉の約3倍摂取できることでしょう。


出典:穀類/こむぎ/[小麦粉]/強力粉/全粒粉 - 01.一般成分表-無機質-ビタミン類|文部科学省
参照:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01023_7


出典:穀類/こむぎ/[小麦粉]/薄力粉/1等 - 01.一般成分表-無機質-ビタミン類|文部科学省
参照:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01015_7

3:ビタミンB1群が含まれる


全粒粉(強力全粒粉)はビタミン類も含まれています。特に、ビタミンB1は小麦粉(強力粉1等)の約4倍の0.34mg(100g中)が含まれています。


ただし、全粒粉は特別ビタミン類が豊富に含まれている食材ではないため、ビタミン摂取を目的に全粒粉を摂ることは意味がないでしょう。


出典:穀類/こむぎ/[小麦粉]/強力粉/全粒粉 - 01.一般成分表-無機質-ビタミン類|文部科学省
参照:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01023_7


出典:穀類/こむぎ/[小麦粉]/薄力粉/1等 - 01.一般成分表-無機質-ビタミン類|文部科学省
参照:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01015_7

4:小麦粉よりGI値が低い


全粒粉は小麦粉よりもややGI値が低いという特徴があります。また、鉄分や食物繊維が豊富なことも、ダイエット向けの食材と言えるでしょう。


ただし、全粒粉は小麦粉よりもグルテンが多い点に注意が必要です。グルテンを控える食事法を採用している人は気をつけましょう。

5:ポリフェノールの効果


全粒粉は小麦粉よりもポリフェノールを多く含有しています。ポリフェノールは強い抗酸化作用を持ち、活性酸素などの有害物質を無害に変える作用があると言われています。


そのため、動脈硬化などの生活習慣病の予防にも役立つでしょう。

全粒粉の賢い選び方

全粒粉は栄養価が高く、風味豊かで香ばしいパンやお菓子は人気があります。全粒粉と一口に言っても製品ごとに違いがあります。


店舗によっては種類が少ないですが、それぞれの違いや特徴を知って、作りたいものに適した全粒粉を選びましょう。

生産地をチェック


世界に比べて日本での小麦の生産量は少なく、小麦粉の大半を外国産の小麦に頼っているのが現状です。外国産の小麦はグルテンの含有量が高く、国産の小麦よりもふっくらしたパンやコシのあるうどんになるでしょう。


また、農薬などが心配な場合は国産小麦を使った全粒粉を選ぶ人もいるでしょう。

種類を選ぶ


通常の小麦粉と同じように、全粒粉にも薄力と強力の2種類が存在します。作りたいものによって適した種類があるので、全粒粉を購入する前に確認しておくことが大切です。


薄力全粒粉と強力全粒粉、それぞれの特徴を見ていきましょう。

1:薄力全粒粉

薄力全粒粉はタンパク質量が約8.5%以下で、粒が分離しやすい軟質小麦から精製されています。グルテン量や水分の吸水率が高くないため、ふんわりした食感は期待できません。サクサクとしたクッキーやてんぷらの衣には適しているでしょう。

2:強力全粒粉

強力全粒粉は殻粒が硬い硬質小麦を原料としており、タンパク質が約12%以上の全粒粉です。グルテン量が多く水と混ぜると粘り気が強いため、パンや麺類を作るともっちりとした食感が得られます。

製法をチェック


全粒粉は挽き方によって「粗挽き」と「細挽き」に分かれます。それぞれ食感や風味、口当たりが異なります。食感や風味にこだわりたい人は、製法をチェックすると良いでしょう。


全粒粉の粗挽き、細引き、それぞれの特徴を見ていきましょう。

1:粗挽き

粗挽きの全粒粉は小麦を粗く挽いた粉です。粗挽きの全粒粉を料理に使うと粗い食感が残ります。また、どっしりとした食感のパンやクッキーなどを作るのにおすすめです。


たとえば、バゲットやカンパーニュなどハード系のパンを作る際に適しています。

2:細挽き

細挽きの全粒粉は小麦を細かく粉砕して挽いてあります。細挽きの全粒粉を使った料理は、食感が滑らかで口当たりが良いのが特徴です。


生地とよく馴染んで水と混ぜるとこねやすく、パン生地や麺を作る際に扱いやすいでしょう。柔らかいふんわりとしたパンを作る場合などにおすすめです。

有機JAS認証をチェック


前述したとおり、表皮を含む全粒粉は通常の小麦粉に比べて農薬やカビ毒を含有している可能性が高く、それが体に悪いと言われる原因にもなっています。


ただし、「有機JAS認証」マークが付いているものは生産・製造過程における厳しい検査基準をクリアしている商品です。そのため、この有機JASマークを確認するのも1つの選び方です。


出典:有機食品の検査認証制度について|農林水産省
参照:https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/attach/pdf/yuuki-202.pdf

全粒粉パスタの選び方

全粒粉パスタは小麦粉の一部を全粒粉に置き換えて作られたパスタです。パスタにはスパゲティやフェットチーネなどのロングパスタ、マカロニやペンネなどのショートパスタなどがあり、それぞれ全粒粉入りの商品が販売されています。


有機JASマークとともに、用途や好みに応じて選択しましょう。

栄養価の高い全粒粉パスタを賢く選ぼう


全粒粉は一般的な小麦粉に比べて残留農薬やカビ毒が付着している可能性が高いことから「体に悪い」と言われることもあります。しかし、全粒粉は栄養価に優れており、上手に使えば優れた食材です。


全粒粉に関する安全性や栄養素を知り、賢く選びましょう。

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