アジの旬の時期はいつ?種類と選び方に臭みの取り方も紹介!
アジの旬の時期はいつであるかご存知ですか?一年中店頭に並ぶアジにもちゃんとした旬の時期があります。いつがアジの旬の時期なのかを紹介します。アジにはたくさんの種類がありますが、食卓に並ぶアジのほとんどはマアジです。同じマアジでも回遊するものと沿岸に住み着くものもいて奥深いのがアジの生態系です。アジを選ぶのであれば、鮮度が良いものがおすすめです。アジの選び方も紹介します。また、独特の臭み対策も紹介します。
目次
焼き魚の定番!アジの旬の時期と種類、選び方などを紹介
一年中が旬?実はアジにもちゃんとした旬が存在する
食卓の定番であるアジは、焼き魚や煮魚などいろいろな魚料理に利用されます。サンマや鮭は秋が旬、鱈や鰤は冬が旬であることは誰でも知っていますが、アジの旬はご存知ですか?一年中スーパーに同じような価格で販売されており、どの季節に購入しても脂がのっておいしいアジは旬の時期がない魚なのでは?と思われがちですが、アジにもきちんと旬があります。アジの種類や地域によって旬の時期が異なるだけなのです。
流通や物流が発展した現代においては、日本各地の新鮮な魚や肉、野菜をスーパーで簡単に購入することができます。そのため、その食材の旬の時期が分からなくなる傾向にある中、アジは常に旬の時期に獲れたものが店頭に並びます。そのため消費者としてはわかりにくいのですが、ちゃんとアジにも旬は存在します。アジの種類や旬の時期、アジの選び方と調理方法、そして魚独特の臭みの解消方法を紹介します。
食卓のお馴染み、アジとは?
アジの生態系
アジは熱帯や温帯の回水域に生息する魚でアジ科に属しています。主に食用に捕獲されることが多く、世界中で捕獲されています。体長は15センチほどのものから150センチを超えるような大型のものまで種類が豊富です。日本近海で捕獲されるアジはマアジがほとんどで北海道から南シナ海まで幅広い海域に生息しています。生息形態は様々で沿岸のサンゴ礁などに住み着くアジもいれば外洋を回遊するようなアジもいます。
アジの漁業方法は釣りや定置網、底引き網などの沿岸漁業のスタイルで捕獲されます。食用として捕獲されたアジは、生魚として出荷される他、缶詰などの加工用として出荷されるケースもあります。また昔から干物加工用としての用途もあり、アジの干物にするために利用されることもあるのが特徴です。様々な調理方法があり、寿司や刺身など生で食べる方法から焼き魚、煮魚、揚げ魚など豊富なレシピが存在するのもアジの特徴です。
旬のアジは栄養素も豊富
青魚の代表のアジですが、やはり気になるのは栄養素です。魚は全般的に豊富な栄養素を含んでいます。中でも青魚は子供の成長には欠かせないEPAやDHAが豊富に含まれています。EPAやDHAはサプリメントになるほど価値のある栄養素です。またビタミンやカリウム、カルシウムなども豊富に含まれており、健康だけでなく美容にも効果を及ぼします。脂質が控えめな魚なので、カロリーなどを気にする人におすすめです。
アジを食べることによっての健康効果は非常に高く、タウリンは高血圧の予防、コレステロールの抑止に大きな効果をもたらします。さらに血圧とコレステロールの効果に伴い動脈硬化を予防する働きもあります。またDHAはコレステロールの抑制や中性脂肪を減らします。EPAは血栓予防に効果があり、脳梗塞や心筋梗塞などの血管の病気を未然に予防します。生活習慣病が気になる人にはおすすめの魚がアジです。
脳の働きを活性化させるビタミンB12も豊富に含まれています。ビタミンB12は植物には含まれていない為、野菜からは摂取できません。魚を食べて補給することが望ましいのですが、アジにはビタミンB12が豊富です。ヘモグロビン生成を助長するビタミンB12は貧血予防に効果があるため、鉄分とともに摂取するのが効果的です。血液を丈夫にするために必要な成分ですので、子供にはぜひ摂取してほしい栄養素です。
二日酔いを予防する機能ももっています。酒のつまみにアジを食べると二日酔いを軽減させる効果があります。ナイアシンと呼ばれる栄養素はアルコールの代謝を促して分解してくれます。抗酸化作用を持つセレンはがん予防や老化予防に効果があります。子供から大人まで必要な栄養素がたくさん含まれているアジは人間の健康や美容にとても多くの効果をもたらす魚です。
アジの種類について紹介
アジには種類がたくさんあります。しかしスーパーで販売されているアジのほとんどはマアジという種類です。その理由は日本近海の沿岸に生息したり回遊しているアジがマアジだからです。日本を取り囲むように生息している沿岸型の魚であるため、日本のどこでも漁獲することができます。普段食べているアジはマアジなのです。住み着き型のマアジは広い場所を回遊せずに沿岸部の岩礁などを好んで生息します。また水深が深いところを好む種類です。
マアジの中でもキアジと呼ばれる高級アジの種類もあります。大分や愛媛、長崎などで漁獲されることが多く、脂が一段と乗った美味しいのが特徴です。マアジと比較するとその数が少ない為、必然的に漁獲量は少なくなります。高級料亭などで使用されるアジです。同じマアジでも沿岸部に住み着くアジとは異なり外洋を回遊するマアジもいます。クロアジやノドグロといった名称です。広範囲を回遊するのが特徴です。
もちろん外洋の回遊の中に日本沿岸に近づく時期があります。日本列島の近くは春から夏にかけて北上します。さらに秋から冬にかけて南下します。細長いスマートな形をしているのが特徴の回遊型のマアジは日本近くを通過するときに旬を迎えますが、常に北上か南下しているため一年を通して漁獲量は多いのが特徴です。スーパーで見かけるアジは回遊型のクロアジがほとんどです。
マアジの他にもアジの種類はあります。マルアジは西日本から東シナ海を主な生息域として分布しています。一見クロアジに似ていますが、味はマアジに劣るため、市場では安く販売されています。群れで泳ぐのはマアジと変わらない為、間違われることも少なくありません。もう一つ有名なアジといえばシマアジです。体が縞模様になっているためシマアジと名付けられて説が一般的ですが、命名については諸説あります。
シマアジは世界中の熱帯や亜熱帯の海域に生息しており、日本海域でも沖縄や南西諸島などの近海で漁獲されることがあります。養殖も盛んで四国や九州などではシマアジの養殖がおこなわれています。そのためシマアジも日本の食卓に登場することがあります。シマアジは高級アジとして取り扱われるため、マアジと比較して価格が高く、料亭などの場で提供されることが多いアジです。
最後に紹介するアジはムロアジです。ムロアジは干物として活用されることが多いアジです。伊豆諸島で人気のくさやはムロアジを干して加工したものです。だしをとったりするのにも活用されます。新鮮な場合には刺身などでも食べることができますが、フライなどの揚げ物にするケースが一般的です。外洋に近い沿岸部に生息しており、マアジよりも外洋寄りで捕獲できます。潮の流れが良い場所を好みます。
アジの旬の時期はいつ?
種類によって異なるアジの旬
マアジでも沿岸部に生息する種類と回遊する種類の二種類があります。回遊する味の旬は日本近辺を大量に通過する際に旬を迎えます。北上していく頃が一番脂がのって食べ頃になります。一方沿岸部に生息するマアジは4月から7月頃に旬を迎えます。大きさが程よいことと、やはり脂の一番乗っている時期だからです。もちろんアジの脂がのる時期は個体により異なります。秋から冬にかけても旬を迎えるケースもあります。
漁獲する地域によって異なるアジの旬
回遊するアジはその流域によって旬が異なります。北上する回遊アジは、九州に3月頃到達し、九州ではこの時期旬を迎えます。さらに関西から駿河湾あたりを4月から5月にかけて北上し、この地域での旬を迎えます。房総沖には5月下旬ころ到達します。房総沖ではこの頃が旬の時期です。さらに東北地方を北上し、三陸沖では夏も過ぎた9月頃に通過します。東北地方での旬は秋になります。春から秋にかけて地域によって旬が異なります。
産卵時期によって異なるアジの旬
回遊しない沿岸部に生息するアジは回遊アジと比較して運動量が少なく肥えたアジに成長します。特に産卵期を迎える頃のマアジは一番脂がのっている時期です。豊富なプランクトンを餌場としてそこに住み着くため、常に栄養満点のアジに成長しているところが特徴です。産卵は、個体によって異なりますが、一年を通して行われます。そのため、産卵を控えた個体集団が旬のアジと言えます。
旬のアジの選び方のポイント
結論!脂が乗っているアジが一番の旬!
一年中、日本のどこかで旬を迎えているアジは流通や物流の発展している現代では日本全国のスーパーの店頭にいつでもアジが並びます。旬のアジと旬でないアジが同時に同じ店頭に陳列されることも珍しくありません。スーパーや市場でアジを選ぶときにはできるだけ新鮮なアジを選びたいものです。見た目の雰囲気で選んだり、直感で決めたりしていたアジの正しい選び方を紹介します。
普段より味の良いアジの選び方は店頭に並んでいるアジをじっくり観察することが大事です。まず、アジの目を見ます。アジ選びの基本となるのが目ですが、一般的に知られていない方法です。目は魚の鮮度が落ちると濁ってきます。白く濁ったアジは鮮度が落ちている証拠です。そのため、目を見て澄んで透き通っているアジを探すのが正しい選び方です。
次に体のサイズによる選び方です。マアジは全体的に高さがある魚です。そのためマアジを見ただけで太っているように見えます。そのため、アジ単体を見る選び方ではなく、ほかのアジと比較するように観察するのが正しい選び方です。全体が丸みを帯びているアジが脂が詰まっている証拠です。高さや幅だけを見るのではなく、奥行きを見る選び方をします。
アジは大きければ脂がのっているというものではありません。次の選び方のポイントは重さです。中くらいの大きさでもずっしりと重いアジは実が詰まっている証拠です。見た目の大きさだけでの選び方は実がスカスカである可能性もあるのです。最後に傷の有無での選び方です。傷があると雑菌が繁殖しやすいなど鮮度を落とす要因になります。また漁獲の時に格闘した形跡でもあるため、魚のストレス度合いが大きい場合もあります。
アジを安売りしていると嬉しいものですが、傷がないものかどうかを確認します。必要以上に値引きしているアジは鮮度が落ちていたり、傷があるなど美味しさを損なっているケースがあります。アジを選ぶ時には全体をきちんと観察してから買うようにすることが大事です。特に刺身など生でアジを食べる場合には、鮮度第一での選び方が必要です。厳選した選び方でアジを買うようにしましょう。
旬のアジのおいしい食べ方!アジを生で食べる
旬のアジはいつでもスーパーで買えます。鮮度の良いアジを選んだら次は旬のアジの食べ方です。まずは刺身です。生魚のおいしい食べ方といえば刺身です。日本人ならではの食文化ですが、最近では外国人も刺身を口にするようになっています。青魚特有の風味がたまらなく甘みもあります。青魚のもう一つの生の食べ方がたたきです。香味野菜を加えてたたきにしてポン酢をかけると、ごはんがすすむおかずになります。
寿司もおすすめです。回転ずしでもアジをネタにした寿司があります。サバやサンマなどもありますが、アジも美味しい寿司ネタになります。生でアジを食べる場合には、生食可能と記載されたアジを買うことに注意が必要です。アジにも少なからず寄生虫が宿る場合があります。人間に危害を加える寄生虫もいるため、必ず生食可能と記載されたアジを購入することを心がけるようにしましょう。
アジに生息する寄生虫アニサキスは、とても厄介な寄生虫です。アジの腸に住み着きますが、アジが死ぬと他の宿主を探します。人間の腸の中でも生息することが可能で、腸の壁を食いちぎってしまうためひどい腹痛に悩ませられることになります。手術や内視鏡で取り除くことしかできない為、治療も大変です。アニサキスを間違って取り入れないようにするためには、検査された生食可能なアジを選ぶのが一番です。
旬のアジのおいしい食べ方!アジを焼いて食べる
次はいつでも定番の焼き魚です。食卓に焼き魚さえあれば、ほかのおかずは必要ないほどです。焼けばどれも同じではありません。旬なアジほど焼いた時に崩れずに実が引き締まっているのです。身離れが良く食べやすいと評判なのもアジの特徴です。塩焼きでレモンを絞って食べるのも良いのですが、ムニエルなどバターソテーにして洋風な焼き魚にすることもできます。
焼き魚を苦手としている人の中には小骨の存在をあげる人も少なくありません。旬であってもなくても小骨は存在します。焼き魚の食べ方で育ちを疑われてしまうこともあります。焼き魚のたべ方にはコツがあります。背骨に沿って箸を入れて外せば、きれいに食べることができます。小骨も一緒にとれるため、気にせず食べることができます。小骨が苦手と感じる方はぜひお試しください。
旬のアジのおいしい食べ方!アジを煮て食べる
続いて旬なアジを煮魚にします。煮魚は作り置きしておき、食べたいときにいつでも食べることができます。アジを煮魚にするとダシがきいてとても良い香りや風味を出してくれます。脂がのった旬のアジであればあるほどダシの効果は大きくなります。味噌汁の具材としても使用できます。だしとして利用する事に割り切れば、いつでも使えるように頭などを冷凍保存しておくと重宝します。
旬のアジのおいしい食べ方!アジを揚げて食べる
アジフライは子供にも人気の料理です。ただしアジフライは三枚にアジをおろすところから始まります。魚料理が苦手な人は三枚におろすところでギブアップしてしまう傾向にあります。そのため、三枚におろしたアジを買ってきてから作るケースも少なくないのですが、せっかくですので旬なアジを利用するのがおすすめです。鮮度が良いと外はサクサク、中はふわふわの食感を味わえます。アジはおろしやすい魚でもあります。
アジの天ぷらもあります。あっさりとしてアジの味をそのまま楽しめるのが天ぷらの魅力です。お酒のつまみとしても人気のレシピです。フライ以上に脂ののった鮮度が大事な天ぷらですので厳選して選んだアジを利用するようにします。フライや天ぷらだけではいつも同じバリエーションと悩む人には、しそや梅などを一緒に絡めるとより一層大人の風味の揚げ物になります。
旬のアジのおいしい食べ方!アジを干して食べる
アジは様々な調理方法がありますが、最後は干し物です。アジを干して保存食とするのは昔ながらの調理方法の一つです。くさやもその一つです。干物になったアジを焼いたら香ばしい香りが漂います。子供のおやつとしていつも利用している人もいます。おいしいに栄養満点がつくため、スナックを食べるより健康的です。伊豆ではくさやが名物になっています。
アジの匂いが気になる!臭みの原因とは?
魚を調理するときにはいつも臭みが嫌という人も少なくありません。アジは魚の中でも独特のにおいを持っています。手を洗っても臭いが簡単に消えない為、魚の調理を敬遠する人もいます。魚の臭いは魚の体臭です。なくすことは根本的にできません。動物全般的に言えることですが、魚も死んでから販売されます。そのため腐敗とともに発生する臭いが主な要因です。内臓や血液などの生ものの部分は特に臭みを発生させます。
アジの匂いが気になる!臭みが少ない選び方は?
アジの臭いが気になる人はスーパーなどで販売しているラップに包まれたパッケージングされたアジを買うことをおすすめします。使用するときまでラップを外さなければ臭いを漏らすことはありません。そのまま冷凍すれば臭いを閉じ込めることもできます。市場で買うときにはとにかく新鮮なアジを買うことです。氷漬けされたアジを買うなど冷やすことで臭いを最小限にすることができます。選び方である程度解消できます。
アジの匂いが気になる!臭みを取る方法
無臭の魚を探しても見つかりません。どんなに新鮮なアジでも臭いは発生します。でもそれを少なくする方法は工夫次第であります。とにかく新鮮なアジを選ぶことです。目の色を観察したり傷を見たりして新鮮なアジを選び、すぐに調理を開始すれば、臭いは最小限に済みます。次に水洗いをしっかりと行うことです。においをすべて洗い流すことはできませんが、血などにおいの元となる要因を洗い流すことでそれ以上の発生を抑制します。
いつも水に浸しておくことが必ずしも良いとは限りません。水気は臭いを発生させる要因でもあります。水洗いした後は水分をふき取ってあげることも大事なポイントです。はらわたなどの内臓を最初にとってしまうことも必要です。ごみ箱から悪臭が立ちのぼらないように密封して捨てる工夫も必要です。調理をすぐにしない場合には、冷凍して置くのもおすすめです。冷蔵では他の食品に臭いが移ってしまう可能性もあります。
臭いを防止する裏技として塩を利用する方法があります。塩は腐らせないために利用する最も効果的な方法です。均一に塩を行き渡せるために塩水を利用するのが効果的です。塩水は海水より少し濃いめにする程度の濃度がベストです。アジを開いたあとに塩水に30秒ほど浸します。キッチンペーパーで水気をしっかりとふき取ると臭いを防止できます。アジに塩気を含ませることで料理するとさらにおいしくなる副次的効果もあります。
どんな調理でもおいしいアジは旬の時期に食べよう!
いつでもどこかで旬のアジは、いつも新鮮なとれたての旬の味を食卓に並べることができます。アジは刺身や焼き魚、フライなどいつも同じバリエーションということがなく様々な料理としてレシピも豊富です。季節や時期で旬を見極めておくと、普段のスーパーで買っても脂ののった美味しいアジを賞味できます。臭みが唯一の欠点ですが、塩水を利用すれば、気になる臭いにも悩まずアジを料理できます。