しめじの賞味期限はいつまで?においや白いカビなど見分け方を紹介!
美味しくて健康にも良い「しめじ」。味に妙なクセもなく、和食はもちろん、中華や洋食にも使えるしめじは万能食品です。値段も比較的安定していますので家計を支える強い味方でもあります。ついつい安いときに多く買ってしまうこのしめじ、いったい賞味期限はいつごろまでなのでしょうか?また、しめじを保存する時には何に気をつけたらよいのでしょうか?しめじを美味しく活用するために大事な賞味期限と善し悪しの見分け方、そして正しい保存の方法を紹介します!
目次
まず最初に「しめじ」とは?
しめじはハラタケ類キシメジ科に属するキノコの総称です。ほとんどはキシメジ科のシメジ属ですが、中にはシロタモギタケ属であったり、ヒラタケ科ヒラタケ属に属するものでも「しめじ」と呼ぶことがあります。これは古来日本ではマツやサクラと同様に総合名としてしめじを使用してきたためです。そのため、キノコの和名の多くはこのようにしめじを総合名としてとらえ、その前に形態的・生態的特徴を加えたものが多いです。
しめじの語源・歴史
しめじは漢字で書くと「占地」や「湿地」となります。これらはシメイヅ(「沾出」「湿出」)の約転と考えられております。また、『本朝食鑑』には茅の多く生えた地にしめじが生じる事から標茅茸(シメヂタケ)の意であるとされています。しめじの由来は諸説ありますが確定には至っていません。なお、しめじは英語では Shimeji mushroom で通用します。
俗に「香りまつたけ味しめじ」と言われますが、『類聚雑要抄』巻一、宇治平等院御幸御膳(元永元(一一一八)年九月二十四日)には御汁物として「寒汁 松茸」「熱汁 志女知」としてマツタケと並んでしめじが賞味されていることが記録されています。この記録からしめじは遅くとも平安後期には食用キノコの一種として認知されていたことが判ります。
しめじの種類
シャカシメジ
— なまみそキノコ (@namamiso4) October 22, 2019
今年も生えてよかった pic.twitter.com/d6yMA46azs
しめじにはハラタケ類キシメジ科シメジ属としてハタケシメジ・オシロイシメジ・シャカシメジ・ホンシメジ・スミゾメシメジなどがあります。また、シロタモギタケ属としてはブナシメジが有名です。この中ではハタケシメジ・ホンシメジ・ブナシメジが小売店などで流通している主となるしめじです。シャカシメジなんかは高級料亭でよく使われます。
この3つ以外にはヒラタケ(しめじ)があります。これはしめじではなくヒラタケなのですが、過去において「しめじ」として販売されていました。昔のしめじの多くはこれですね。今現在はブナシメジなどが主流になりあまり見かけませんが、「味しめじ」などの名前で一部扱われています。味も良いのですが、最近の研究でダイエット効果が見つかりましたので、これからも注目されるしめじの少し遠い親戚です。
しめじには有毒のものもありますので、自分で採取するときはそのしめじが食べられるしめじか否かを十分に調べましょう。
賞味期限と消費期限の違いは?
しめじの賞味期限を語る前に賞味期限の定義、また消費期限との違いをまとめていきたいと思います。まずは賞味期限についてですが、農林水産省のホームページには「袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のこと」とされています。
対して消費期限ですが、「袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「安全に食べられる期限」のこと」と定義されています。
賞味期限と消費期限を比較したとき、賞味期限の方が期間が短く期間が過ぎてからの摂取には危険が伴うこと、消費期限は一定の目安であり、期限が過ぎたら即座に問題というわけではないということが見て取れます。消費者の見分け方が大事になってきます。なお容器包装に入れられた加工食品に関しては原材料・保存方法とともに賞味期限もしくは消費期限を明記することが義務づけられています。
野菜の賞味期限について
実はしめじを含む野菜などの加工されていない生鮮食料品にはこの期限が存在しません。生鮮食料品の状態は流通の段階でも生産者から市場や青果物卸問屋を経由して小売店に並び消費者の元に届けられるのか、それとも生産者から直接消費者が購入したかによってまったく異なります。また、どのような保存状態であったかによっても異なってきます。状態の見分け方が確定しない限り「賞味期限」というものを一概に設定しにくいのです。
各種しめじの賞味期限
状態によって異なる生鮮食料品の賞味期限ですが、私たち消費者は何らかの基準が欲しいですね。ここではしめじの賞味期限を考えるにあたって、比較的流通している3種類のしめじと参考例としてヒラタケ(しめじ)をあげて分析してみたいと思います。
ホンシメジについて
ほんしめじ。#きのこ pic.twitter.com/tIcTZuz4oA
— aiueo (@aiueo86963509) November 4, 2019
ホンシメジはカサが丸くてやや大きいしめじです。カサの色は薄茶色となっています。軸がかなり太いのが特徴で、全体の長さは10cmくらいです。本来はこのホンシメジがしめじを意味するキノコであり、先にあげた「香りまつたけ、味しめじ」のしめじはこのホンシメジを指します。
長らく栽培ができないしめじと呼ばれておりましたが21世紀になって栽培に成功、今現在は「大黒本しめじ」などという名前で流通しています。栽培ものではない、天然もののしめじは滅多に流通しません。厚みもあって歯ごたえも良く、非常に美味しいしめじです。網焼きや煮物に適しています。
ホンシメジの賞味期限は?
ホンシメジの賞味期限はだいたい冷蔵庫で一週間ほどです。また、キノコにとって水分は大敵ですので注意しましょう。水分があると味が劣化し、保存もききません。
ブナシメジについて
スーパーやデパートで「しめじ」を探すときに一番選ばれるのがこのブナシメジではないでしょうか。しめじと言えばこれ!と言われるようなしめじです。ブナシメジのカサは茶色で軸は綺麗な白色。しめじのカサ上部に模様が付いています。
ホンシメジの栽培に成功するまでの間はこのブナシメジが「本しめじ」として販売されていた歴史があるため、ブナシメジとホンシメジを混同する場合があります。少し苦みがあるのが特徴で、天然もののしめじはこの苦味がやや強いです。
ブナシメジの特徴はそのしめじ特有の触感の良さにあります。しっかりとしたその歯触りは煮物や焼き物はもちろん、お鍋にも最適です。また品種改良した真っ白なブナシメジは「ブナピー」という名称で販売されています。
ブナシメジの賞味期限は?
ブナシメジは新鮮なものをすぐに冷蔵できるなら1週間から10日は日保ちします。そのあたりを賞味期限と見ましょう。ほかのしめじも同様ですが、触感が一番の魅力ですので、それが損なわれないうちに消費してしまいましょう。保存時には水分に触れないようにしてください。
ハタケシメジについて
ハタケシメジは畑地や人家の庭先、路地に発生するしめじです。名称はそこから取られました。形態はブナシメジに似ていますがハタケシメジの方が軸がやや細長いのが特徴です。カサの色は薄茶色でハタケシメジよりは少し大きいです。味は特に癖がなく、比較的ホンシメジに近く美味で知られています。
ホンシメジと同様に最近になって栽培が可能になったしめじで、「大粒丹波しめじ」などの名前で流通しています。炒め物や煮物、癖の無いところから炊き込みご飯やパスタにもよく使われます。バターでソテーにしても美味しいです。
ハタケシメジの賞味期限は?
このハタケシメジの賞味期限は冷蔵庫でおよそ3〜5日。しめじの中では少し期限が短いです。冷蔵庫で保存するならできるだけ早く使い切るようにしたほうが良いでしょう。ほかのしめじと同様、水分には注意です。
しめじの賞味期限と見分け方について
しめじは冷蔵庫で保存する場合、だいたい3日〜7日くらいは大丈夫ということができます。ただしこれらの日数はあくまでも目安です。季節によっても異なってきますし、冷蔵庫を頻繁に開け閉めしていては効果的ではありません。
また私たち消費者がどのような状態でしめじを購入したかによっても変わってきます。生産者から採れたてのしめじを購入していたら賞味期限も長くなります。結局は自分たちでしめじの見分け方を理解するのが大事です。
臭いで判る簡単なしめじの見分け方
しめじの賞味期限の見分け方に一番簡単な方法は臭いでもって確認することです。しめじには菌類特有の臭いやオガクズの臭いがありますが、それ以外に酸味のような臭いがしていたら黄信号です。そのような酸っぱい臭いのしめじを触ってみて、独特のヌメりがあれば赤信号。そのしめじは確実に腐敗しています。
この臭いでの見分け方は何よりも確認を頻繁にすることです。冷蔵庫に入っている日数が気になるしめじをお使いの場合はまず臭い確認してみてください。朝ご飯の準備の時に臭いをチェックする、お茶の時に臭いを確認する、などの様に臭いを確認する癖を身に付けましょう。臭いをチェックする見分け方は無駄を無くす一番の方法です。
賞味期限内のしめじに白いカビ状のもの
しめじの石突きの部分やカサの部分に白いカビのようなふわふわしたものが生じる時がたまにあります。一見白いカビのようなので気にされるかたも多いと思いますが、しめじに付いているふわふわのものは危険な白いカビではありません。
この白いカビみたいなものの正体は「気中菌糸(きちゅうきんし)」と言います。菌糸とはキノコ類の栄養体を構成する糸状の構造でキノコの一部なのです。私たちが見ることができるホンシメジやハタケシメジはこの菌糸の集合体と言えます。したがって、この白いカビのようなふわふわしたものはしめじと同じ構造を持つ存在と言えます。
この白いカビ状の気中菌糸を食べても全く問題ありません。これらの気中菌糸はしめじの収穫後、冷温環境に置かれたものが何らかの理由で温度が上昇したり湿度が高くなったりすると見られるようになります。白いカビみたいで気になるなら洗わずにキッチンペーパーで拭きとれば良いでしょう。
実はカビもシステム的にはこの白いカビ状の菌糸と同じメカニズムで発生します。お正月の鏡餅に青カビが発生したとき、その表面の青い部分だけでなく、餅の中に菌糸が生じています。言わば此方が本体です。しめじの白いカビ状の菌糸は食べても大丈夫ですが、異なる色だった場合は注意が必要です。
冷蔵庫を利用したしめじの簡単な保存方法と賞味期限
キノコ類は水分があればダメになるのが早いです。菌類と水分は相性が悪いです。しめじを買ってそのまま冷蔵庫に入れておくとラップの内側に水滴がついていることがありませんか?その水滴からしめじがダメになってしまうのです。しめじを保存するには水分を遮断することが大事です。
3日ほどで購入したしめじを全て使い切る場合は野菜室でそのままの状態で保存すれば良いのですが、より長く保存したい場合は、しめじの石突きを残したままキッチンペーパーで包み、水分を吸収できるようにしてジップロックに入れて野菜室に保存しましょう。
少しの手間ですが、これで1週間は鮮度を保つことができます。何度も言いますが、しめじを含むキノコ類には水分は天敵です。パッケージからしめじを採り出して保存するときに水で洗ったりしないようにしてください。そして、冷蔵庫で保管していても、キッチンペーパーが湿気ていたら新しいものと交換してください。水分を抑えることで賞味期限まで美味しくしめじを食べることができます。
冷凍庫を利用してしめじを保存する場合と賞味期限
1回分ずつ冷凍しておけば保存もできる!!しかもきのこは冷凍した方が味が出るから、冷凍しめじをそのままみそ汁とかにしたら余計においしいんだよね!!うひょー!! pic.twitter.com/uZaBOYOnE1
— さみー2000 (@_sammy2000) July 7, 2018
冷凍保存する場合は石突きを切り落として1本ずつバラバラにしたしめじをジップロックに入れて冷凍庫に保存します。使用するときは解凍する必要はありませんので、しめじが凍ったまま鍋や煮物に投入してください。賞味期限は1カ月程度です。
よく、野菜を冷凍すると味が落ちると言ったりします。ジャガイモなんかはスカスカになってしまいます。(カレーを冷凍するときにジャガイモを外すのはそのためです)しかしながらキノコ類に関しては冷凍することで細胞壁が壊れ、キノコの持つ旨味が強くなります。触感は少し落ちますが、それ以上に美味しくなるのが冷凍保存です。しめじも冷凍保存して活用しましょう。
賞味期限が長いしめじを乾燥させる方法
しめじの場合は乾燥させて保存することもできます。冷凍保存と同じように石突きを切ってからバラバラにし、それを自宅で魚の干物を作るときに用いる天日ネットに入れて干します。風通しの良いところで雨に当たらないようにして干しましょう。風で吹き飛んだりしない環境であるなら梅干しを干すときに使うような大きな籠でも大丈夫です。湿気の強い夏場には向きませんが、3、4日ほどで乾燥します。
乾燥したしめじは容器に乾燥剤を入れて、暗所に常温で保存します。乾燥しめじの賞味期限は完全にカラカラの状態であれば1年ほどです。食べるときはしめじをぬるま湯に10分ほど浸しておきましょう。
冷凍しめじを使った料理
3種類あげた保存方法で一番楽で使い勝手がよいのが冷凍保存でしょう。冷凍保存したしめじは栄養価も高く、美味です。冷凍しめじは基本的には凍ったまま利用します。炒め物でもお鍋でも、凍ったままフライパンや鍋に投入してください。
一番のオススメはお味噌汁です。ちょっと具が足りないなぁというときに冷凍庫から出して鍋に入れるだけ、と簡単です。和洋中どの料理でも困らないしめじだからこその保存方法です。少しあまった時や小売店で安売りしていてちょっと多めにお求めになられたときにはぜひ活用してください。
しめじと賞味期限に関する総合まとめ
安くて美味しくて栄養もあるしめじ。冷凍しても干してももちろん生でも色々な使い方ができる万能食品です。ちょっとした事でご家庭の食卓を彩る名脇役とも言えます。そのしめじをより効果的に使うには保存が大事です。冷蔵庫で保存するときは臭いを確認し、少しでも気になる臭いであれば注意しましょう。そして水分には注意!水分があるとしめじはすぐにダメになってしまいます。
また白いカビ状のものがキノコと同じ構造のものであるということも学びました。そして白いカビ状のものは安全でも他の色のカビは危険ですので注意が必要です。菌類であるしめじはその状態の見分け方が非常に難しいですが、見分け方をマスターするのが美味しく安全に、そして無駄が無くて財布にも優しい手段です。善し悪しの見分け方を完全にマスターしましょう!今晩のおかずにしめじで何か一品作ってみませんか?