さんまの刺身のさばき方とコツまとめ!盛り付けや食べる際の注意点は?

さんまといえば秋の味覚、8月になると季節先取りで店頭に並ぶようになります。焼き魚で食べることが多いさんまですが、刺身で食べることもできます。自分でさんまをさばいて刺身にすることができたら格別に美味しく感じるのではないでしょうか。さんまのさばき方にはコツがあるのでしょうか?またせっかくなら綺麗に盛り付けをしたいですね。さばき方や盛り付け方を知って入れば、他の魚の刺身にも応用できます。そこでさばき方や盛り付け方のコツや刺身を食べる際の注意点があるかどうかも調べてみました。

さんまの刺身のさばき方とコツまとめ!盛り付けや食べる際の注意点は?のイメージ

目次

  1. 1さんまとはどんな魚?
  2. 2さんまの品種
  3. 3さんまの産地
  4. 4秋の味覚としてのさんま
  5. 5さんまの旬
  6. 6さんまの栄養
  7. 7さんまの選び方
  8. 8さんまのさばき方と注意点
  9. 9さんまの刺身の作り方
  10. 10さんまの刺身の盛り付け方
  11. 11さんまの刺身の薬味は?
  12. 12さんまの刺身を食べる際の注意点
  13. 13まとめ:生さんまを刺身にする

さんまとはどんな魚?

さんまは北太平洋に広く生息する魚で、日本の秋の味覚を代表するものの1つです。具体的には日本近海から、アメリカ大陸沿岸のアラスカおよびメキシコ付近までの海域に広く生息しています。さんまの鱗は小さい上にはがれやすく、漁獲され漁船から水揚げされる際にほとんどの鱗がはがれ落ちてしまい、場合によっては水揚げの直前に自分の鱗を呑み込んで内臓に溜めるものもいるそうです。

さんまの寿命は1年から2年と言われていて、5月から6月に産卵するそうですが、詳しくはわかっていません。体長は30cmから40cmくらいで群れをなして比較的海の表層近くを泳ぐそうです。

さんまの名前の由来

日本ではさんまと呼ばれていますが、その名前の由来は細長い魚という意味の「サマナ(狭真魚)」がサンマと変化したとされる説と、大きな群れを意味する「サワ(沢)」と魚を意味する「マ」からなる「サワンマ」が語源となったという説があります。秋刀魚という漢字表記が登場したのは大正時代で、秋刀魚の由来は秋に旬を迎える刀に似た形の魚という意味だそうです。

さんまの品種

さんまにはいくつか種類があり、普段私たち日本人が口にしているのは北太平洋に生息しているさんまですが、他にも世界中にさんまはいます。

ハシナガサンマは南太平洋・南大西洋・インド洋などに生息しています。ニシサンマは北大西洋に生息し、体長が大きいものは40cm以上になります。太平洋ミニサンマは東部太平洋の赤道海域近くに生息し、体長は数cm程度で、さんまの中でも小型の種類になります。大西洋ミニサンマは東部大西洋の赤道海域付近に生息し、体長は10数cm程度の小型なさんまになります。

さんまの産地

8月ごろ北海道で漁獲され始め、だんだんと三陸沖から銚子沖まで南下していきます。 10月下旬ころが脂の乗りはピークになり、最も美味しい時期になります。この後、沖縄の付近まで南下しますが、脂も落ちて美味しくなくなるので、捕獲することはなくなります。10月下旬以降のさんまは味が落ちる場合もあるので、さんまを選ぶ際の注意点の1つとなります。

秋の味覚としてのさんま

秋のさんまは秋の味覚を代表するものの1つです。脂が多くのっていて、塩焼きにして大根おろしやカボスを添えて食べられることが多い魚です。その他、蒲焼にされたり、缶詰の材料にされたりしています。

さんまの刺身

さんまが刺身として食べられるようになったのは近年だそうです。これは冷蔵輸送の技術が進歩したおかげとも言えます。刺身の場合は脂の乗り切らない初秋が食べ頃とされており、ネギや生姜などの薬味とともに食べたり、他の青魚と同様に酢じめにして押し寿司で食べることもあります。

さんまの旬

さんまは冷たい海流に住んでいますが、寒流が日本列島の南部まで張り出してくると、それとともに南下してきます。8月ごろ北海道で漁獲され始め、三陸沖から銚子沖までだんだん南下してきます。そうすると餌であるプランクトンも豊富になり、徐々に太って脂がのり、10月下旬には脂ののりはピークになります。

その後さんまは沖縄以南まで移動するのですが、あまり南下しすぎると海水温が温かくなってしまい、体にためた脂がなくなり痩せてしまい、旬の時期を過ぎてしまいます。痩せたさんまはあまり美味しくないので、さんまはいても漁は行いません。
 

さんまの栄養

さんまの栄養素の中で特筆すべきことはまず、必須アミノ酸のバランスが良く消化吸収のよい良質のたんぱく質が豊富なことです。また、 青魚の中でも特にEPAとDHAが豊富に含まれ、他にも、ビタミンやカルシウム、鉄分なども豊富で、特にビタミンB2については他の魚の3倍以上も含まれています。

また、さんまには骨や歯の健康に欠かせないカルシウムと、その吸収を助けるビタミンDも多く含まれており、成長期の子供や高齢者の方は、積極的に摂りたい魚です。またさんまの薬効はおもに脂や肝にあり、脂を落とさずに内臓も一緒に食べることにより、より効果が得られます。

EPAの効能・効果

EPAはエイコサペンタエン酸といって、血液をサラサラにし血栓を予防する作用があり、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞、血圧降下、高脂血症、中性脂肪を下げるなど、生活習慣病の予防に効果があると言われています。

DHAの効能・効果

DHAはドコサヘキサエン酸と言って体内の悪玉コレステロールを減らす作用があると言われています。その他、痴呆症やがん抑制、抗炎症、脳細胞の活性化、視力改善など嬉しい効果がたくさんあります。

ビタミンB2の効能・効果

ビタミンB2は精神を安定させたり、血液の循環をよくしたり、貧血を予防したりする効果が期待される栄養素です。

ビタミンAの効能・効果

ビタミンAは目の健康を保つことが期待されます。また、粘膜や肌の新陳代謝を促す効果に加え、老化を防ぎ、肌を若返らせる働きも持っていると言われています。

さんまの選び方

さんまの鮮度を見分けるコツ

鮮度のいいさんまは表面が銀色に輝いて照りがあります。また、目が透き通っているものを選んでください。鮮度が落ちた魚の目は、赤く濁っています。そして、さんまの肛門がしまっているかも確かめてください。鮮度が落ちるにつれ、肛門は緩んで開き、肛門の周りの色が濁ってきます。最後にさんまのお腹が硬いものを探してください。魚は内臓から悪くなるので、お腹が硬いものの方が新鮮です。このコツを参考にしてみてください。

脂がのっているかどうか見分けるコツ

大きくて背中が盛り上がり、丸々とお腹も太っていて厚みのあるものが体に脂がついているさんまの証です。そして、くちばしが黄色く大きくはっきりしているものも脂がのっていると言われています。
 

さんまのさばき方と注意点

さんまの下処理と注意点

さんまを美味しく食べるコツは下処理にあります。注意点としては、さんまを入手して帰宅したら、そのまま冷蔵庫に入れておいてはいけません。すぐに真水で洗い汚れを取ってから内臓をとってしまいます。これは内臓をいつまでもさんまの中に入れておくと鮮度がどんどん落ちてしまうからです。

そして水分をよくふきとり、軽く塩をして30分ほど置いておきます。この処理によって臭みが抜けて身が引き締まり保存性もよく味わいもよくなります。そして再度水分をよくふきとってから塩焼きならここで塩をして焼きます。すぐに調理をしない場合は、塩がなじんだら冷蔵庫へ入れてください。1日から2日は持ちます。それ以上保存したい時は冷凍してください。約1ヶ月は持ちます。

さんまのさばき方のコツ

さんまのさばき方はまず、さんまの内臓を取り除くため、首の付け根に包丁を入れます。さんまの首の付け根から尻尾の近くまで、包丁を入れで内臓を切り落とします。次にさんまの背骨を手前にし、首の部分をポキっと折ります。そしてさんまの皮をそのまま尻尾の方までゆっくり剥いでいきます。注意点は皮が薄いので無理に剥がそうとするとボロボロになってしまいます。焦らずやってみましょう。

最後にさんまを三枚におろします。秋刀魚を寝かせ、包丁を中骨に添ってゆっくり入れて行きます。もう片方のさんまの身もおろします。そして腹骨を綺麗に取ったら完成です。さんまは小さい魚なので、さばき方は比較的簡単です。

さんまの刺身の作り方

さばいたさんまの半身をそぎ切りに斜めに幅広く切ります。切り方は背を手前、頭のあった方を左にし、斜めに薄くスライスします。残った半身は2cmくらいの幅で切ります。切り方は腹を手前、頭があった方を左にし、2cmくらいの幅でまっすぐ縦に切ります。切ったさんまを重ね、包丁で半分に切ります。これを器に写してから開くと木の葉のようになります。

さんまの刺身の盛り付け方

皿につまと大葉を盛り付け、そこに先ほどのそぎ切りにしたさんまを盛り付けます。その横にまた大葉を置き、そこに木の葉の形に切ったさんまを盛り付けます。飾りに食用菊や穂紫蘇、赤ダテなどを盛り付けるとさらにきれいになります。

きれいに刺身を盛り付けるコツ

刺身の盛り付けはツマや薬味を使いながら、向こう側を高く手前を低く盛り付けるのが基本です。その他、流し盛りと言って同じ形、同じ大きさに揃えた刺身を並べ、傾けて平面を見せる手法もあります。傾きは左正面にするのが基本で、右に傾けて並べます。他には放射盛りと言って、皿に目視で十字線を引き、その中心を器の中央として、線の先端4箇所に同じ大きさの刺身を配置します。そして残りの空間を埋めるのがコツです。

さんまの刺身を姿造りで盛り付ける

さんまの頭と中骨を残しておけば姿造りができます。上記のさばき方のコツの3枚おろしまでを行い、身を取った背骨部分を丸くつまようじで止めます。つまようじは円の中に隠してください。大根のツマを皿の真ん中に置き、そこに先ほど作った骨組みを置きます。骨の円の中にもツマを入れて置きます。さらに大葉を入れ、そこにさんまの刺身を盛り付けます。残りの身は手前にツマと大葉を置き、その上に盛り付けて完成です。

さんまの刺身の薬味は?

さんまの刺身の薬味は王道としては生姜と小ねぎを醤油やポン酢に合わせる方法です。鯵などもそうですが、さんまは青魚なので生姜の爽やかでさっぱりして合います。また、わさび醤油は赤身や白身の魚の刺身に合わせることが多いですが、これも、さんまに合わせる人がいるかもしれません。これ以外の薬味を紹介します。

さんまの刺身に合う薬味:生姜とネギのゴマポン酢

生姜とネギを細かく切って白ごまとポン酢を和えるだけのタレです。小さく刻んだ生姜とネギの食感と白ごまの食感が美味しく、食欲をそそる味です。さんまの刺身を軽くこの薬味タレにつけて丼にしても良さそうです。

さんまの刺身に合う薬味:柑橘塩ポン酢

脂ののったさんまのお刺身をさっぱりいただけるのがこの薬味たれです。お醤油が入っていないポン酢と塩に柑橘類の果汁を混ぜます。果汁はすだちやかぼす、レモンなどお好きなものにしてみてください。今までの刺身とは全く違った味わいになります。

さんまの刺身:もろ味噌たたき

さんまの刺身をたたきにしてなめろう風に味噌と合わせても美味しいです。長ネギを細かく切り、大葉はせん切り、みょうがは薄くせん切りにします。レモンの皮もせん切りにします。もろみ味噌に生姜、ニンニクを混ぜ、包丁で刻みます。そこにさんまの刺身と先ほどのレモンの皮以外の薬味類を混ぜ、一味唐辛子を少し入れます。上に白ごま、糸唐辛子、レモンの皮をちらしてさらに盛り付けて出来上がりです。ご飯が進むメニューです。

さんまの刺身を食べる際の注意点

さんまの刺身の鮮度

生食する時の注意点はまず、さんまの鮮度です。北海道から三陸沖に水揚げされる、8月末~10月中旬ごろまでものが生食用に適しているといわれています。水揚から数日以内のさんまであれば新鮮ですから、刺身として食べるには適しています。 しかし、スーパーでさんまを買う場合は、生食できますと明記していないものは生で食べるのはやめましょう。

また、すでに刺身になっているもの、さばいて内臓が除去されているものはいいですが、処理されていないさんまの場合は生食用と明記されていても鮮度が落ちやすいです。上記のさばき方のように、帰宅したらすぐに内臓を出して下処理しておきましょう。

さんまの寄生虫

魚を生で食べる時の注意点としては寄生虫が挙げられます。さんまの内臓には小さい赤いミミズのような虫が含まれていることがあります。これはラジノリンクスという寄生虫なのですが、人体には無害なので取り除けば問題ありません。問題なのはアニサキスと言う寄生虫です。内臓付近に寄生している場合があるので要注意です。アニサキスは目に見えますので、刺身で食べる場合はこれがいないかどうか確認してください。

アニサキスはもし体内に入ってしまうと激しい腹痛や嘔吐に見舞われ、入院が必要になることもあります。

さんまの刺身を安全に食べるためには

新鮮なさんまを購入したらまず、上記のさばき方の通りに速やかに内臓を取り除いて下さい。注意点は内臓に寄生虫がいることが多いので、生の内臓は決して食べないことです。鮮度が落ちてくると内臓だけでなく身の方まで寄生虫が進出してくるようです。内臓だけでなく、身の部分にも寄生虫がいないか目視でチェックしてください。それでも心配な人はさんまは生で食べず、加熱すれば寄生虫は死滅します。

まとめ:生さんまを刺身にする

さんまは生で刺身にして食べられる魚ですが、その場合の注意点としては新鮮なものを選ぶことと、寄生虫がいないかどうか確認することです。鮮度がすぐに落ちますので、さんまを入手してら、すぐに洗って内臓を出してください。さばき方は小さい魚なので簡単ですので一度挑戦してみてください。盛り付けのコツを参考にしつつ、工夫すればさんまの刺身もおもてなし料理にもなります。

秋の味覚のさんまは8月から店頭で見かけるようになります。さんまは刺身で焼さんまとはまた違った味を楽しんでみてください。

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