長芋の栄養素と効果を解説!種類ごとの特徴やおすすめレシピも紹介
山芋を選ぶ際、その選び方や保存方法についてご存知でしょうか。この記事では、山芋の基礎知識から、おいしい山芋の選び方、常温や冷蔵、または冷凍による保存方法、生の山芋を使ったおすすめのレシピなどについて紹介します。気になる方は、ぜひチェックしてみて下さい。
目次
「山芋にはどんな栄養成分や効果があるの?」
「山芋の種類や特徴とは?」
「山芋を生で食べる際の調理方法について知りたい」
このように、山芋の種類や含まれている栄養成分について知りたい方にはたくさんの疑問があるのではないでしょうか。
この記事では、山芋がどのような食材なのか、その種類や特徴などに加え、栄養成分や効果などについても紹介します。
この記事を読むことで、山芋に関する知識や食べ方について把握できます。その知識をもとに生で食べる際の調理方法を選択できたり、料理のバリエーションが増えることで山芋を一層おいしく楽しめるようになるでしょう。
山芋の種類や含まれている栄養成分について知りたいと思っている方は、ぜひこの記事を参考にしてみて下さい。
山芋はどのような食材?
山芋とは、ヤマノイモ科ヤマノイモ属に分類される芋の類の一種です。山芋にもいくつか種類があり、自然薯といって山に自生しているものや畑で栽培されているものを山芋と言います。
山芋自体はもともと野生に自生して育ったものを掘っていたのですが、長く伸びたものを折らずに掘り出すのは一苦労のため、今は収穫しやすいように工夫して栽培されているようです。山芋と間違えられやすいのが長芋ですが、種類や原産地が変わってきます。
山芋は「ヤマノイモ科」の芋類の総称
山芋は、じつは「山芋」という品種があるわけではなく、長芋や自然薯、いちょう芋などの芋類を総称した呼び方です。
山芋は、自然薯以外は長芋種で、見た目の形によってナガイモ群、ツクネイモ群、イチョウイモ群に分類されます。旬の時期は10~12月で、市場に出回っているのは主に長芋、大和芋、いちょう芋の3種類です。
山芋はなぜ生で食べられる?
山芋は、すりおろして食べることが多いと思いますが、他の芋の種類は加熱してから食べます。なぜ、山芋と長芋は生で食べられるのでしょうか。
それは、山芋の成分の中にジアスターゼという消化酵素を含んでいるからで、ジアスターゼによってでんぷんの一部が分解され、生で食べても胃もたれを起こすことなく食べられるようになります。
山芋の粘り気の食感を楽しむために、生で食べる場合にはすりおろしてから食べるのがおすすめです。とろろにだし汁を加えて、とろろ汁にするとご飯との相性は抜群です。
また、長芋は水分量が多いのですりおろしてとろろにできますが、千切りにしてサラダや梅酢などにつけて漬物にするとサクサクとした食感を楽しめます。
山芋の種類と特徴
山芋の種類は形によって、ナガイモ群、ツクネイモ群、イチョウイモ群の3種類に分類でき、それぞれ産地も異なります。
栄養成分が豊富に含まれている山芋は、切ったり、すりおろしたりして生のまま食べてもおいしく、また、加熱するとホクホクもちもちの食感が楽しめる食材でもあります。
ここでは、山芋の種類と特徴について紹介します。
1:長芋
スーパーなどに出回っている長芋の見た目は細長い円筒形をしていて、水気が多く粘り気も少なめで、たんぱくな味わいが特徴です。
消化酵素のジアスターゼを含んでいるため、生で食べても胃にもたれません。そのため、生のまま千切りにしたり、短冊切りにしたり、すりおろしたり、切り方によってさまざまな食感が楽しめます。
2:自然薯
日本各地の山野に自生している植物で、ウネウネと波打つような見た目をした円柱形が特徴的です。長芋よりも細長く成長します。
栄養成分や品質に優れていて、以前は栽培が困難とされたものが、パイプ栽培の開発・採用によって真っ直ぐな自然薯が市場に出回るようになりました。
3:いちょう芋
いちょう芋は、芋を平らに潰したような形状で下部が扇状に広がり、見た目が三味線のバチに似ていることから「バチ芋」と呼ばれることもあります。
また、関東では「大和芋」と呼ぶ地域もあり、ナガイモ群とツクネイモ群の中間ぐらいの粘りがあることから、すりおろしたり、とろろ汁にして食べたりするのがおすすめです。
4:つくね芋
つくね芋は丸い塊をした芋で、重さは300グラム前後、大きいものは500グラム以上にもなる特徴があります。
水分が少ない代わりに粘りが強く、とろろにして食べる以外にも和菓子の材料として使ったりします。山芋の中では保存性に優れた種類で、保存方法が適切であれば収穫後1年ほど保存できることも大きな特徴です。
5:大薯
大薯(だいじょ)にはアントシアニンの影響で表皮が紫色になっているものがあり、中には内側まで紫色がかっているものもあって、形は不規則でつくね芋のようにごろっとしています。
すりおろすと強烈な粘りが出る特徴があり、味は長芋などと比較して濃いとされています。
山芋の種類ごとの栄養価に違いはある?
山芋には長芋だけではなく大和芋や自然薯などがあります。それらの芋全体の総称を「山芋」として呼びますが、それぞれの栄養価に違いはほとんどありません。
味や粘りの感じには種類によって特徴が異なるため、それらの中から自分好みの山芋を選ぶと良いでしょう。
山芋の栄養素と効果
山芋は脂質が少なく、含まれている炭水化物の割合が高い特徴があり、特筆すべき栄養成分にはカリウムがあります。
山芋の中でも長芋は主に生で食べられていて、その理由はレジスタントスターチやジアスターゼといった熱に弱い栄養素が含まれていることから、生のまま食べた方が効率的に栄養が摂れるからです。
ここでは、長芋の栄養素と効果について紹介します。
栄養素 | 効果 |
---|---|
ビタミンC | コラーゲンの生成、毛細血管・歯・軟骨などを正常に保つ、日焼けを防ぐ、ストレスやかぜなどの病気に対する抵抗力を強める |
食物繊維 | 整腸効果、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下 |
カリウム | 細胞内液の浸透圧を調節する、体液のpHバランスを保つ、塩分の摂り過ぎを調節する |
ビタミンB1 | 糖質代謝を助ける、皮膚や粘膜の健康維持を助ける |
ビタミンB6 | 免疫機能の正常な働きの維持、皮膚の抵抗力の増進、赤血球のヘモグロビンの合成、神経伝達物質の合成などの生理作用、脂質の代謝に関与 |
ビタミンC
人間はビタミンCの合成に必要な酵素がないため、食事から摂らなければなりません。骨や腱のもととなるコラーゲンの生成に必要な栄養成分でもあるビタミンCは、不足してしまうと血管がもろくなることも分かっています。
長芋720gに含まれるビタミンCは43.2mgです。
出典:長芋:M1個 720gの栄養成分|カロリーSlism
参照:https://calorie.slism.jp/102023/
食物繊維
食物繊維は、整腸効果のみではなく血糖値上昇を抑制したり、血液中のコレステロールを低下させたりといった効果が期待できる食品成分です。
たんぱく質や炭水化物といった栄養成分は分解・吸収されますが、食物繊維は消化・吸収されずに大腸まで達する特徴があります。
長芋720gに含まれる食物繊維の総量は7.2gです。
出典:長芋:M1個 720gの栄養成分|カロリーSlism
参照:https://calorie.slism.jp/102023/
カリウム
山芋にはバランスよくミネラルが含まれていて、その中でもカリウムを多く含みます。ナトリウムを多く摂りすぎると体内の水分をため込んでしまいますが、それが原因でむくみや冷えにつながりやすくなるので、カリウムを摂ることで余分な水分を排出してくれる効果があります。
長芋720gに含まれるカリウムは3,096mgです。
出典:長芋:M1個 720gの栄養成分|カロリーSlism
参照:https://calorie.slism.jp/102023/
ビタミンB1
ビタミンB1は、ブドウ糖をエネルギーに変換する役割を持つ水溶性ビタミンの仲間です。糖質を多く摂ったり、よく運動したりする人は、多くのエネルギーが必要になるため、そういった人にとってビタミンB1は必須のビタミンでしょう。
長芋720gに含まれるビタミンB1は0.72mgです。
出典:長芋:M1個 720gの栄養成分|カロリーSlism
参照:https://calorie.slism.jp/102023/
ビタミンB6
ビタミンB6は、酵素の働きを助ける成分として、アミノ酸の代謝をサポートする役割があります。免疫機能の働きを正常にしたり、皮膚の抵抗力を増進したりといった効果に加え、脂質の代謝にも関係しています。
長芋720gに含まれるビタミンB6は0.65mgです。
山芋の食べ方
栄養豊富で体に良い山芋ですが、その山芋に含まれている栄養成分には熱に弱いものもあるため、生で食べられたら効果的でしょう。山芋を生でおいしく楽しむには、どのような食べ方があるのでしょうか。
ここでは、栄養効果の高い食材である山芋の食べ方について紹介します。
栄養をそのまま摂りたい時は生で
山芋には生で食べても胃にもたれない成分が含まれているため、栄養をそのまま摂りたい場合には、切り方や調理方法によって色々なバリエーションが楽しめます。
代表的なものは「とろろ」で、おろし金ですりおろした山芋を山かけにしたり、出汁を加えてとろろ汁にしたりと、おなじみの味が楽しめます。
また、短冊切りや千切りにするとサクサクとした食感が楽しい、サラダや酢の物として味わえます。
食感を楽しむなら加熱して食べるのがおすすめ
生でもとっても美味しく食べることのできる山芋ですが、加熱するとどんな感じになるのでしょうか。山芋の主成分はでんぷんですが、でんぷんは熱が加わることで食感が変わり、味わいも増してきます。
すりおろしたものを加熱すると、ふわふわもちもちとした食感に変わり、グラタンなどに加えると柔らかい食感が主となります。ボリュームも増すので、お好み焼などに入れるのもおすすめです。
山芋を使ったおすすめレシピ
山芋は生で食べても、熱を加えてもおいしく食べられる食材です。また、味や香りに癖がないため、さまざまな食材や調味料との相性も良く、使いやすい食材といえるでしょう。山芋に含まれている栄養成分は夏バテ予防になるため、暑い夏の季節にぴったりです。
ここでは、山芋を使ったおすすめレシピを紹介します。
甘辛こってり!長いもの豚巻き
スティック状にカットした山芋を豚肉で巻き、甘辛いタレで味付けした主菜で栄養もあり、ご飯にもぴったりです。冷めてもおいしいので、お弁当のおかずにもおすすめの山芋を使ったレシピです。
長芋の太さや大きさによって焼く時間を調節する必要がありますが、長芋の粘りで焦げやすくなっているので、タレを絡める際には気をつけましょう。
【簡単おいしい!】ねばねば爆弾そうめん
食欲が落ちてくる暑い夏の季節にぴったりの山芋を使った簡単レシピです。栄養価の高い山芋、オクラ、納豆、まぐろ、卵黄にカリッとした歯ざわりのたくあんが良いアクセントになっています。
よく冷やしためんつゆをかけると、ひんやりおいしく食べられるのでおすすめです。
もっちり食感「豆腐と長芋のチーズ焼き」
割ったものをかけてチーズをふりかけてオーブントースターで
焼きました。
もう少し、ふんわり食感だと思ってたんですが、そうではありませんでした
でももっちり食感も悪くありません
ホワイトソースの代わりに、山芋をめんつゆで割ったものを使った栄養たっぷりのチーズグラタンです。山芋のもっちりした食感とピザ用チーズの塩気が相性ぴったりでおいしく食べられるおすすめのレシピです。
木綿豆腐と山芋を使っているので、さっぱりとした食べやすいグラタンになっています。
山芋の選び方
おいしい山芋の選び方として、山芋の皮が薄くてハリがあり、皮に斑点や傷がなくキレイなものを選ぶようにしましょう。山芋を手にした時に、ずっしりと重量感のあるものがおすすめです。
山芋の特徴の粘り気はひげ根やひげ根の跡が多いものの方が強いと言われています。表面に凸凹の少ないものを選ぶようにしましょう。店頭でカットされた状態で販売されている場合は、切り口がみずみずしいものが新鮮な証拠なので、そういうものを選びましょう。
山芋の保存方法
水分を多く含む山芋は乾燥しないように保存するだけでなく、光や水気を避けて保存し、なるべく早く使い切ることを意識しましょう。
買ってきたそのままの状態で保存する場合と、使い切れなかったものを保存する場合とでは保存方法が異なるため、山芋の状態によって保存方法を使い分けられるようにしましょう。
ここでは、山芋の保存方法について紹介します。
常温・冷蔵保存の方法
山芋を丸ごと、しかもまだ土がついたものなら、直射日光が当たらない涼しい場所での保存がおすすめです。山芋を新聞紙に包んで、ビニール袋に入れておけば1ヶ月ほど保存可能です。
カットしてある山芋の場合は、切り口をラップかキッチンペーパーで包み、輪ゴムで留めたものをビニール袋に入れて冷蔵庫(野菜室)で2~3日を目安に保存可能です。
冷凍保存の方法
山芋を冷凍保存すると1ヶ月ほど保存可能ですが、丸ごとやカットした状態のものは不向きなので、すりおろしての保存をおすすめします。
すりおろりた山芋を冷凍用保存袋に入れて、金属バットやトレーに乗せて冷凍します。冷凍用保存袋に入れた山芋は、できるだけ薄く平らに伸ばして保存することがポイントです。
山芋は栄養価が高く生でも加熱しても美味しい
今回は、山芋の栄養素と効果や種類ごとの特徴、おすすめレシピについて紹介しました。山芋にはたくさんの効能を持った栄養成分が含まれていて、生で食べる食感と加熱して食べる食感の好きな方を選択して楽しめます。
長生きする秘訣もたくさんあるので、栄養価の高い山芋を家族みんなで食べると良いでしょう。