2018年05月14日公開
2024年07月11日更新
山芋のカロリーと糖質量!栄養やダイエット向きの「つなぎ」レシピも
健康長寿に良いとされている山芋。皆さんは山芋についてどのくらい知っていますか?普段何気なく目にしている野菜ですが、この低カロリーでヘルシーな山芋についてしく紹介していきます。新鮮で美味しい山芋を見分けるにはポイントがあります。今回は、山芋の栄養素やカロリー、体に嬉しい効能、おすすめのレシピや上手に保存するコツなども勉強して、美味しくヘルシーに山芋を食生活に取り入れていきましょう。
目次
山芋の種類は何種類?
長芋は文字通り長い棒状の山芋です。中国が原産で、流通量が多く、スーパーなどでも1番多く見かけるものです。山芋の中でも水分量が多く、もちろん粘り気はありますが比較的さらっとしているので、千切りにしてサラダにしても美味しく食べることができます。
大薯
大薯(だいしょ、またはだいじょ)は、アフリカからアジア、オセアニアなどの熱帯地域から亜熱帯地域で広く栽培されています。日本へは、台湾から沖縄を経て九州に広まったとされていて、台湾山芋や沖縄山芋とも呼ばれています。
九州地区ではつくね芋とよばれことがおおいです。大薯には白色と紫色のものがあり形は不規則で、大変大きく育つ場合もあります。長芋とは比べられないほと粘り気が強く、凝縮された濃厚な味わいが特徴です。
自然薯
自然薯は長芋と見た目が似ていますが別種になります。自然薯は日本が原産地で、文字通り昔は山に自生した天然のものを収穫していましたが、最近は盛んに栽培されるようになり、綺麗で整った形をした自然薯が多く見られるようになりました。
それでも自然薯の市場価値は大変高く、その価格は長芋の数倍から10倍ほどにもなります。山芋の中で最も粘り気がつよく、うまみも最も濃いとされており、山菜の王様とまで呼ばれているのです。
山芋の旬の時期は?
ここでは1番市場に多く出回っている長芋を山芋としてメインに紹介していきます。山芋の旬の時期ですが、年に2度、そのタイミングがあります。11月から12月にかけて収穫される秋掘りのものと、3月から4月にかけて収穫される春掘りのものがあり、秋掘りの山芋はみずみずしく皮も薄いので、ひげ根を取り除いて皮のまま炙って食べることもできます。春掘りの山芋はうまみや栄養もぎゅっとつまっていて濃厚な味わいになります。
新鮮な山芋の見分け方
新鮮で美味しい山芋はどうやって見分ければいいのでしょうか?山芋はカットされた状態のものとまるごと売っているものとあります。まるごと売っている山芋は、皮の色が肌色で張りとツヤがあり、太くまっすぐでずっしり重いものを選びましょう。
カットされた状態の山芋は、切り口に注目しましょう。白くてみずみずしく、できるだけ太いものを選ぶようにしましょう。どちらにせよ、変色していたり、キズが付いていたりするものは避けましょう。
山芋の栄養価
山芋には、私たちの体に嬉しい栄養素がたくさん詰まっています。山芋に含まれる栄養素は、消化酵素であるアミラーゼ、コリンというタンパク質、炭水化物、食物繊維、カリウム、ムチン、サポニン、糖質などです。普段皆さんが聞き慣れない栄養素もあるかと思いますので、効能も合わせて詳しく紹介していきます。
消化酵素のアミラーゼには、でんぷんを含む食材の消化を助けてくれる働きがあり、胃腸薬などにも配合されていたりします。胃もたれなどに効き、胃腸の回復に役立ちます。コリンは、動脈硬化や高血圧の予防に役立ちます。そして、サポニンには、脂質を溶かして血液をサラサラにしてくれる働きがあるので、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを抑えてくれます。
カリウムは、体内に蓄積された余計な塩分(ナトリウム)を排出する働きがあり、むくみを防止します。ムチンは、血糖値が上昇するのを抑えてくれる働きがあり、ダイエットをサポートしてくれる成分でもあります。生活習慣病の予防に効果がある栄養素がたくさん詰まった山芋、積極的に取り入れたい食材です。
山芋のカロリー
山芋には炭水化物も含まれており、気になるのはそのカロリーです。山芋は長芋、大薯、自然薯の3種類に大きく分類され、カロリーもそれぞれ違います。大薯は100gあたり約109キロカロリー、自然薯が100gあたり約121キロカロリー、長芋であれば100gあたり約65kcalとなって、山芋の中では長芋が一番低カロリーということになります。スーパーなどで食材を選んでカロリー計算する際の参考にしてみてください。
山芋の糖質量
炭水化物が含まれていて腹持ちはいいけれど、嬉しいことに低カロリーな山芋。それでも糖質が高いのは困ります。そもそも糖質とはいったいどんなものでしょうか?家庭科の授業でお教わったことを覚えている人もいるかもしれませんが、三大栄養素である炭水化物、脂質、たんぱく質の中で、炭水化物には、人間がエネルギーとして直接利用することのできる糖質と、エネルギーとして直接利用することのできない食物繊維とがあります。
このように、糖質は体にとって重要なエネルギー源なのです。吸収されて血液と全身を巡り、体内でエネルギーに変わります。特に脳内では、血液中の糖質(ブドウ糖)は大事なエネルギー源になるので、極端に糖質が不足すると意識障害などを引き起こしてしまう恐れが出てきます。ですが、糖質は摂取し過ぎると肥満や生活習慣病を招く恐れもあり、その一方で糖質不足が続いてしまうと体力低下や疲労蓄積しやすくなってしまうのです。
低カロリーな山芋、その気になる糖質量はというと、100gあたり約12.9gです。これは他の食材のなかでも比較的低い方で、ダイエット中の人でも安心して食べることができそうです。ただ、とろろなどにするとついご飯が進んでしまうので、そもそもの食事の量は、きちんとコントロールできるように計算しましょう。ダイエットはやり方を間違ったまま続けるのはとても危険です。くれぐれもバランス良く、を心がけましょう。
山芋の3つの食べ方
生で食べる
体に嬉しい栄養がたくさん詰まった山芋、色んな食べ方で楽しむことができます。まずは生で食べる方法。短冊切りにしてサラダや和え物にするのが定番です。自分の好みの山芋のお供を探してみるのもおすすめです。生で食べる場合は、酢水で一度浸けると色落ちせずに食べることができます。同じようにネバネバ系の食材と混ぜわせるとボリュームのあるおかずになります。
焼く
山芋を輪切りにして両面をきつね色に焼き、醤油、みりんで甘辛く炒めても大変美味しく食べることができます。また、小型の鉄板プレートなどにとろろを敷きつめて、お好み焼きのように仕上げるとお酒に合う良いおつまみにもなります。とろろだと山芋の繊維質がさらに引き立ち、調味料の味もさらに馴染みやすく、料理しやすくなります。
揚げる
山芋はフライや天ぷらなどの揚げ物にもピッタリな食材です。また、とろろに他の野菜などを入れ、つなぎのようにして落とし揚げしても美味しいです。カロリーや糖質をあまり気にしなくて済むので、ダイエット中でも罪悪感なく揚げ物が食べられます。ですが、前述した通り、あくまでカロリー計算は食事全体のバランスを鑑みて計算するようにしましょう。美味しいおかずにご飯が進み、炭水化物を取り過ぎていては本末転倒です。
山芋を「とろろ」にした時のカロリー
ここで気になるのが、山芋って調理の仕方でカロリーが変わってしまうことがあるのかどうか、ということです。山芋をとろろにすると、それ以外の方法で食べるよりもお腹にたまるような気がしていまいます。とろろにした時はカロリーは増えてしまうのでしょうか?答えはノーです。むしろ山芋は熱に弱いとされている食材で、加熱するとダイエットに良いとされる成分は少なからず壊れてしまいます。
ですので、生のままやとろろにして食べる分にはカロリーや栄養価が変わってしまうことはなく、でも気を付けなければならないのは、食事としての他の食材とのバランスです。何度も説明しますが、低カロリーで低糖質だからとそもそもの食事の摂取量が増えてしまっては、ダイエットを頑張りたい時や食事内容を見直したい時など本末転倒になってしまいます。気を付けたい時こそ、全体的にカロリー計算などするように気を付けましょう。
山芋を「つなぎ」に使った低カロリーレシピ
山芋はつなぎに最適
ダイエットをこれから考えている人や、今まさにダイエットを頑張っている人に、山芋を上手に使ってカロリーを抑えた料理をおすすめします。満足感も得られて、ダイエットの辛い我慢が和らぎます。山芋は繊維質でそもそもが食べ応えのある食材です。カロリー計算しながら他の食材と上手く組み合わせれば、カロリーは抑えられる上に栄養バランスは理想的な食事内容にすることができるのです。
山芋はとろろにした状態でいろんな料理の「つなぎ」としても使えます。餃子の具やハンバーグ、かき揚げやお好み焼きなど、つなぎをとろろにすることでヘルシーに、ふっくらと美味しく料理を変身させることができます。ですがくれぐれも、美味しいおかずにご飯が進んで炭水化物を取り過ぎてしまわないように、カロリー計算には注意しましょう。糖質の過剰摂取にも注意が必要なので、栄養価もバランスよく計算しましょう。
お好み焼き
炭水化物の取り過ぎは避けたいけれど、さすがに山芋サラダは何だか物足りない、と感じてしまう人におすすめなのが、レンコンと山芋を使ったお好み焼きです。お好み焼きなら、ご飯も我慢しやすいし、食事自体のカロリー計算や糖質計算もしやすくなります。普段のお好み焼きの具材をレンコンやキャベツでボリュームアップさせて、つなぎに山芋を使えば、十分食べ応えのある料理になります。
山芋の正しい保存方法
山芋を購入した際、皆さんは使い切らなかった山芋をどのように保存していますか?山芋にはさまざまな保存方法があります。山芋をまるごと保存したい場合は、おがくずと一緒に箱に入っている物はそのままで、むきだしの物は新聞紙やクッキングペーパーなどでくるんで風通しのよい冷暗所に置くようにしましょう。保存期間は1カ月程度を目安にしてください。ただし、気温が25度以上の暑い時期はその状態で冷蔵庫で保存しましょう。
カットされた山芋を保存したい場合は、山芋の切り口が空気に触れ続けてしまうと乾燥して酸化してしまうので、空気がなるべく入らないようにラップでぴったりと包んでから冷蔵庫で保存するようにしましょう。保存期間の目安は1週間~10日程度になります。いつから保存したかメモしておくようにすると安心です。
冷凍保存
山芋は冷凍保存も可能です。その場合は山芋をとろろ状にし、保存用のポリ袋に入れ、薄い板状にして冷凍する方法があります。または、製氷皿に小分けに入れてそのまま冷凍することもできます。料理する時に必要な分だけ使えるので便利です。その際は自然解凍してください。山芋は皮を剥いて丸のまま冷凍する方法もあり、食べる時に凍った状態の山芋をおろし器ですりおろし、残りはそのまままた冷凍することができます。
低カロリーでヘルシーな山芋を美味しく食べよう!
山芋料理自体をシンプルにして楽しむのもよし、山芋料理自体をボリュームアップさせて炭水化物の量をコントロールするもよし、要望に合わせて山芋を上手に取り入れていきましょう。炭水化物抜き、糖質制限など、ある一つにしか目を向けないものよりも、使う食材の特徴や栄養のことなど、バランス感覚を大事に全体像をイメージして食生活も見直してみましょう。山芋はそんな時にきっと頼もしい味方になってくれます。