玉ねぎはスライス方法で辛くなくなる?上手な切り方から人気スライサーまで
玉ねぎは色々な料理に使える万能野菜です。そんな玉ねぎは健康にもいい成分が多く含まれています。玉ねぎの成分を生かすには生で食べるといいのですが、それには玉ねぎをスライスして食べることをおすすめします。ですが、玉ねぎスライスは辛いイメージがありますが、スライスの方法次第で辛くないものになります。玉ねぎの繊維の方向を考えた切り方をすれば食感や辛みも変わり、料理にも生かせます。今回は、玉ねぎの栄養成分や、上手な切り方、保存方法も調査しました。ぜひ参考にしてください。
目次
玉ねぎは美味しい!
玉ねぎはいつの季節も安定してスーパーにある野菜です。価格も安く、自宅でも長期保存もしやすい使い勝手のいい野菜なので食卓に欠かせません。しっかり加熱すれば甘みが出て美味しいですし、生で食べるとシャキシャキの歯ごたえが美味しい野菜です。透明になる程度に加熱すれば、歯ごたえも残りどちらの美味しさも味わえます。
特に、新玉ねぎは柔らかく生で食べるのにはおすすめです。基本的には3~4月が旬ですが、色々な品種があり、生産地も日本全国にあるため、多少前後しても新玉ねぎは販売している場合もあります。柔らかい新玉ねぎは加熱すると、とろりした触感になるので短い時間の加熱だけでも美味しく食べることができます。新玉ねぎは水分が多くそれが美味しさの源でもありますが、傷みやすくもなるので早めに消費しましょう。
玉ねぎスライスは万能!
丸ごとの玉ねぎをスープで煮込んだり、くし形切りにして炒め物に使ったりと色々使い道はありますが、玉ねぎはスライスして使うことも多いでしょう。玉ねぎを薄くスライスすると生でサラダにも使えます。サンドイッチやハンバーガーに挟むといいアクセントになります。薄いスライスならサッと火が通るのでスープやお味噌汁などに使えば、あっという間に出来あがり時間もかからず便利です。
玉ねぎスライスは辛い?
玉ねぎスライスを生で食べると辛いということはよくあります。玉ねぎには硫化アリルという辛み成分があり、切る事で細胞の中にあった硫化アリルが出てくるために辛みを感じます。加熱すると辛みがあまりないのは、硫化アリルが熱によって変化し甘くなるからです。もともと糖分が多い野菜なので、辛みが抑えられると甘さを感じやすくなります。
玉ねぎスライスは切り方や処理方法で味が変わる
玉ねぎスライスでも辛くないものもあります。お店で買ってきたサンドイッチなどに入っているスライス玉ねぎなどは辛くないものの方が多いようです。きちんと辛みを取る方法で処理した状態で使っているので辛くないスライスとなっています。業務用には玉ねぎのスライスだけを販売もしているので食べやすい辛みで均一な味になっています。
辛くない玉ねぎスライス
辛み成分は水溶性のため、水に玉ねぎスライスをさらすと、辛み成分が水の中に溶け出るために辛くない玉ねぎスライスになります。玉ねぎスライスを水の中でもむと、いっそう辛み成分は抜け出し辛くなくなります。更に辛み成分は気化しやすいので、切った断面が空気に触れていれば辛さが抜けていきます。ざるなどの上に広げて置いておけば切った断面から辛み成分が出るので、辛くない玉ねぎスライスになります。
玉ねぎスライスを空気に触れさせて辛みを取る方法の時は、常温で行いましょう。冷蔵庫に入れると温度が下がり、辛み成分が揮散しにくくなります。ただ、その間は周辺に辛み成分や刺激臭が揮散するので台所が玉ねぎの臭いで満ちてしまいます。換気扇を回したり、窓を開けたりしてちゃんと換気しておきましょう。1時間程度、玉ねぎを広げておけば辛くない玉ねぎスライスになっています。
玉ねぎの繊維に沿った方向で切ればシャキシャキとした食感になります。特に辛くないスライスを作りたいなら、繊維に直角方向に刃を入れる切り方をすれば、繊維に沿った方向に切るよりも辛みが抑えられます。細胞を断ち切る切り方なので、辛み成分が抜け出しやすくなります。繊維と垂直方向に切る切り方は柔らかい食感になるので食感の好みや、使う方法に合わせて切り方の方向を変えると、玉ねぎの食感や味を楽しめます。
簡単に早く辛みを取りたいなら、電子レンジを利用する方法もあります。1個分の玉ねぎをスライスし、平皿に広げて500wで30秒ほど電子レンジにかけます。この方法なら加熱時間も短いので柔らかくなりにくいですが、加熱後にしんなりとしていれば、流水でさらすと水分を吸ってシャキッとします。水にさらした後は、水分をキッチンペーパーなどで切ってから使いましょう。
玉ねぎをスライスすると涙が出る?
硫化アリルは食べた時に辛みを感じるだけでなく、刺激臭もあるので切ったときに目や鼻に刺激を感じ涙が出てしまう事があります。特に、切った断面のところから成分がどんどん出てくるので、切り始めて時間が経てば刺激臭を感じやすくなります。ゆっくりと切っていると感じやすいのはそのせいです。切った玉ねぎを触った手で、目や鼻を触ってしまうと直接刺激が来るので、更に涙が出てしまうので注意してください。
玉ねぎをスライスするときに細胞を潰している
細胞の中にある硫化アリルが切ることによって、飛び出てそれが揮散するので涙が出るのですが、玉ねぎを切るときに、包丁の刃がこぼれていたりしてスパッと切れない時には、細胞を潰してしまう切り方になっています。きちんと手入れのされた鋭利な包丁で切るとスパッと細胞も切れるので細胞も壊れにくく、硫化アリルが放出する量が少なくなり、涙が出ることは少なくなるでしょう。
玉ねぎの温度が高いとスライスした時に、切った細胞から硫化アリルが放出されやすくなります。切る直前まで冷蔵庫に入れて冷やしておけば、切ったときに涙が出るのを抑えることができます。玉ねぎを切り始めたらどんどん硫化アリルが放出されていくので、周辺に成分が立ち上ります。できるだけ換気を良くしておくと涙が出にくくなります。少し体をずらして真上に顔を持ってこないような切り方をしても効果的です。
包丁で玉ねぎスライス
やはり、よく切れる包丁で切ると断面もきれいに切れ、厚ささも揃えることができます。まず、皮をむいて半割にします。上と下の部分は固いので切り落としましょう。根っこの部分は芯と繋がっているので、左右斜め方向からに包丁を入れて取っておくとすぐにほぐれます。半割の断面を下にして滑らないように、スライスしていきます。丸く滑りやすいので気を付けましょう。
スライサーで玉ねぎスライス
出典: https://dime.jp
サラダなど生で食べる場合は、できるだけ薄くスライスする切り方の方が食感もよくなりいいですが、包丁で均一に薄く切るのは難しい場合も多いです。野菜を切るスライサーを使えば、一定の方向から切ることができるので均一に薄くスライスすることができます。均一の厚さにスライスできていると、広げた時にも均等に辛みが抜けていくので、ちゃんと辛くない玉ねぎスライスができます。
玉ねぎをスライスしやすいスライサー
包丁で切るのが苦手な人には、野菜を切るスライサーを使いましょう。色々な野菜を切ることができて、とても便利です。スライサーは刃の部分が本体の斜め方向についている物が多く、角度が付いた状態で切ることができるので切れ味が鋭くスパッと切れます。細胞も壊れにくいので、涙も出にくくなります。使い終わったら、特に刃の部分をきれいに洗いましょう。汚れや水分が付いているとサビやすく切れ味が落ちます。
スライサーにも様々な種類があります。幅が狭いものだと玉ねぎの幅が入りきらず、4つ割りにしたり、玉ねぎの方向を考えてスライスしなければならないことも出てくるので、できれば幅広のものを使うといいでしょう。スライサーは濡れていたりすると滑りやすいものなので滑り止めが付いている物を使うか、できるだけ濡れたまま使わず、更に塗れ布巾を敷いた状態で容器を置いて使うと滑らずにいいでしょう。
スライサーは便利なものですが、ついついギリギリまでスライスしていると指までスライスしてしまう事にもなりかねません。安全ホルダーを使う方法なら安心です。ホルダーにはピンのようなものが付いていて野菜に刺さって動かないようになる形状がほとんどです。玉ねぎは丸いので特に滑りやすいので、ホルダーをきちんと差し込んでから使いましょう。斜め方向からスライスすると滑るので真上にホルダーを持ちましょう。
玉ねぎのスライス以外の切り方
炒め物などに使う場合には縦横どちらもの方向に包丁を入れて、一口大に切るのがいいでしょう。高温でさっと加熱するので型崩れもしにくく、味が絡まりやすいです。煮物などに利用する時にはくし形切りにする事をおすすめします。くし形切りとは繊維に沿った方向にまず半分に切り、半分に切った玉ねぎの芯の部分に向かって放射線状に包丁を入れます。サイズも均等になり歯ごたえのいい触感の切り方です。
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バーベキューなどで焼いたり、オニオンフライなどにする場合は繊維方向に垂直に包丁を入れる輪切りがいいでしょう。加熱すると甘みも感じやすく、見た目の形もいい切り方です。あまり薄い輪切りだと割れてしまう事もあるので2cm程度の厚さの輪切りがおすすめです。厚めの輪切りならくしに刺して焼く方法もでき、バーベキューにはぴったりです。
玉ねぎのみじん切りは難しく感じる人も多いですが、根の方を残した状態で、繊維に沿って縦に薄切りして行き、更に横方向からも2~3か所切りこみを入れます。次に繊維に対して直角方向に切って行くと、そのまま使えるみじん切りになります。みじん切りは色々な料理に使える切り方です。簡単なみじん切り方法を知っておくと便利です。
玉ねぎの栄養
玉ねぎの辛みや刺激の成分は硫化アリルというものですが、血液が固まるのを遅らせる働きがあります。玉ねぎは血液をサラサラにする効果がある、とよく聞きますが、この硫化アリルが作用して血液の流れを良くします。ですが、この硫化アリルは水に溶けやすい性質をもっているので、水にさらすとどんどん抜け出てい行きます。玉ねぎスライスが辛いからと言って、長く水にさらすと栄養が少なくなってしまいます。
硫化アリルにはビタミンB1の働きを助ける効果があります。ビタミンB1には疲労回復効果や新陳代謝を良くする効果があります。更に硫化アリルはビタミンB1と結合してアリチアミンという物質に変化し血液内に長く留まるようになるので長い間効果が続きます。ビタミンB1は豚肉に多く含まれています。豚肉に玉ねぎスライスをで食べると吸収が良くおすすめです。
硫化アリルは、加熱すると硫化アリルは甘みに変化して美味しさがが増しますが、身体にいい成分が少なくなってしまいます。ですので、できるだけ生の状態で食べることをおすすめします。もし、加熱する際には切ってから15分程度置いておき、その後加熱調理すると硫化アリルの成分が壊れるのが多少抑えられます。
玉ねぎにはケルセチンという栄養素もあります。ポリフェノールの一種で、抗酸化作用があります。更にケルセチンにも血管を丈夫にし血流を良くしたり、血糖値の上昇を緩やかにする働きもあるので、硫化アリルに加えて血管の健康を増進できます。ケルセチンにはコレステロール値を下げる効果もあります。
生で食べる玉ねぎスライスが栄養的にもおすすめ
玉ねぎは生で食べる方が、健康的にもいいことが分かります。玉ねぎをスライスするなら辛みも抜けやすくなり、辛くない生の玉ねぎを食べることができます。玉ねぎのスライスは便利で美味しいだけではなく、健康の事を考えてもおすすめです。
水にさらしたり、電子レンジで加熱すると早く辛くない玉ねぎスライスになりますが、栄養の観点で言えば避ける方がいいでしょう。空気にさらした方が栄養価は残ります。ですが、すぐに料理したい場合などケースバイケースで利用してください。
玉ねぎスライスを美味しく食べる
玉ねぎの栄養をしっかり生かして、美味しく食べましょう。血液サラサラ効果を期待できる硫化アリルは、生で食べる方がいいでしょう。水にさらすと流出してしまうので、切った後30分から1時間程度広げて空気にさらしておくと成分を残したまま、辛みを減らせますので、料理を始める前に先に玉ねぎをスライスしておくか、調理を始めたら一番にスライスしておけば空気に触れる時間が取れます。
もちろん、玉ねぎの辛みが好きな人はすぐに食べてもいいですし、辛みを生かした料理にするのもおすすめです。薬味のように使う方法なら辛みを生かせます。豚肉の冷しゃぶサラダの上に、玉ねぎスライスとカイワレ大根を乗せて食べるならピリッとした辛みで食欲が増します。具だくさんの豚汁に、薬味として玉ねぎスライスと七味唐辛子を乗せても美味しいです。甘い玉ねぎと辛い玉ねぎをどちらも味わえ、絶妙な味になります。
玉ねぎスライスを使ったレシピ
料理に欠かす事の出来ない野菜の玉ねぎですが、切り方も色々あります。玉ねぎをスライスして使うのは汎用性が高くとても使い勝手がいいです。玉ねぎスライスのイメージはサラダに入れて食べるのがまず浮かぶと思いますが、それ以外にも色々なレシピがあります。今回紹介した料理もぜひお試しください。
生の玉ねぎスライスの食感を生かしたレシピ
新玉ねぎのスライスなら、特別な調理をしなくてもスライスしたものだけで美味しい料理になります。新玉ねぎのスライスにカツオ節と醤油をかけるだけでも一品となります。新玉ねぎは甘さがあり、油と合わせると美味しいのでツナ缶と和えたり、わかめとごま油で和えるのもおすすめです。
サラダに使えば、シャキシャキとした玉ねぎスライスの良さを生かせます。スライスした後に一度サッと水で洗うと歯ごたえが良くなります。水っぽくなるのでキッチンペーパーでしっかり水気をふき取っておきます。その後ざるやキッチンペーパーを敷いた平皿に重ならないように広げ、30分から1時間ほど置いておきます。辛みが抜けて生でも美味しい玉ねぎスライスになります。さっぱりしたドレッシングがおすすめです。
カツオのたたきの上に、玉ねぎスライスを乗せるのも定番です。青じそやニンニクのスライスも一緒に乗せ、たたきのたれをかけ、全体を手で軽く叩きます。叩くことで味がなじみ美味しいカツオのたたきになります。春の上りカツオの時期なら、ちょうど旬の新玉ねぎを使えば柔らかく甘みもあるのでさっぱりしたカツオとよく合う美味しさです。
玉ねぎスライスはサラダだけじゃない
玉ねぎを少し厚めの切り方でスライスし、ピクルス液に漬けておけばあっという間に玉ねぎのピクルスができます。小玉ねぎを丸ごとピクルスにするのもいいですが、スライスした玉ねぎだと、ピクルス液が浸透するのも早く半日程度で出来上がります。夏の食欲が落ちるときにもぴったりです。ピクルスを刻んで、ドレッシングやソースに入れても美味しく味わえます。
玉ねぎをスライスして、あめ色になるまで炒めればオニオングラタンスープもできます。オニオングラタンスープはたくさんの玉ねぎを使って作ると、甘みやうま味の強いものができますが、炒めるのにどうしても時間が掛かります。薄いスライスなら加熱時間も短く早く甘みが出ます。更に時間短縮したいなら、電子レンジで事前に5分程度加熱してから炒めましょう。しんなりした状態から炒めるので早くあめ色になってきます。
ミートソーススパゲティに玉ねぎスライスを合わせると意外な美味しさです。茹で上がったスパゲティの上に、水気を切った玉ねぎスライスを乗せます。その上からミートソースをかけるとパスタやミートソースの余熱で程よく蒸されてシャキシャキ感は残しつつ、しっとりした食感になります。甘みも増えるので辛くないものになります。更にかさ増しにもなるので、パスタの量を少なくしても満腹感を味わえおすすめです。
玉ねぎスライスの保存方法
玉ねぎをスライスした後で、保存したい場合もあります。スライス後は空気に触れている面積が大きいので、保存時はずっと空気に触れないようにしましょう。ラップに薄く広げてぴったりと密着させておくか、チャック付きの保存バッグに入れる場合もできるだけ平らにして空気を抜いて密着した状態で保存しましょう。水分も出やすいので冷蔵庫保存で翌日ぐらいまでには使ってしまうことをおすすめします。
もう少し保存期間を長くしたい場合は、冷凍することもできます。冷蔵保存の時と同じように、冷凍用の保存用バッグに広げて空気に触れないように密着させた状態で封をします。薄くしている方が早く冷凍され、解凍する際も早く解凍できます。冷凍保存すると細胞が壊れるので、生のまま使うよりも辛み成分が減り甘みが増します。冷凍保存後は辛くなく味もしみ込みやすい状態なのでマリネなどに使うと味なじみが早く便利です。
健康にもいいと話題になった酢玉ねぎをご存知でしょうか?玉ねぎとお酢の健康成分を一度に摂れるということですが、保存にも便利です。玉ねぎのスライスを30分程度空気にさらして辛くない状態にしてから、お酢大さじ5、塩少々、はちみつ大さじ1~2を混ぜたものに漬けこみます。お酢は防腐効果も高く1週間程度は保存できます。漬けておいたお酢をドレッシングに利用してサラダにすると無駄なく栄養を生かせます。
日々の食事に玉ねぎスライスを使おう
玉ねぎはいつでも手に入り保存もしやすく、色々な料理に使え便利な野菜です。生で食べる玉ねぎスライスは辛みがあって子供などは苦手な場合もありますが、適切に処理すれば辛くない玉ねぎスライスになります。今回紹介した方法を取り入れて、日々の食事に玉ねぎスライスを利用してください。辛くない状態でも栄養成分がちゃんと残って血管や血液の健康を守る玉ねぎスライスになります。