2018年06月07日公開
2024年07月16日更新
「ままかり」とは?ご飯によく合う岡山の郷土料理の食べ方を紹介
ままかりと言う魚の名前を聞いたことはあるでしょうか?岡山県では親しみのある魚で郷土料理としても食べられているそうです。実は他の地方でも呼び名が違ってきますが、市場に出回っている魚なのです。今回『「ままかり」とは?ご飯によく合う岡山の郷土料理の食べ方を紹介』ど題しまして紹介します。ままかりとはどんな魚なのか、どんな料理に活用できるのかなど詳しく伝えていきます。
ままかりは食べられる?美味しい?
ままかりとは岡山県では郷土料理として親しみがあるほどの魚です。小骨が多く淡白な味なので、塩焼き、から揚げ、酢漬け、刺身などにして食べることができます。中でも、酢漬けはご飯をおかわりしてしまうほど、食が進むぐらいおいしいといわれていて、岡山県で呼ばれているままかりと言う呼び名の名前の由来の1つでもあります。
ままかりはどんな魚?
ままかりとはどんな魚なのでしょうか?コノシロと近縁でよく似ています。ニシン科の魚で汽水域に生息する魚です。関東地方ではサッパとも呼ばれているままかりは、食する地域が少なく、主に瀬戸内海沿岸や有明海沿岸を中心とした西日本で食べられることが多いです。関東では獲れても雑魚として使います。
ままかりの特徴や旬
ままかりの大きさは全長10cmから20mほどです。体は木の葉のように左右に平たく背中から腹が下に出ています。体の色は背中側が青緑色で体側から腹側までが銀白色です。ニシン科の中で鱗が硬く発達していて鱗が落ちにくいのが特徴です。見た目がコノシロによく似ていてコノシロと区別をするには、体の側面に黒い点線がなく、背鰭も最後の軟条が長く伸びないところで違いを見ましょう。コノシロ以外にもヒラも似ています。
群れを作って生息する魚で、大規模な回遊はせず、生息地域を一生通して大きく変えることはありません。繁殖期は初夏です。冬は少し深場に移します。良く獲れる漁獲期は4月から11月でその中で最も美味しい時期は5月から7月の夏の時期と10月から12月の秋の時期です。夏の時期のままかりは骨や皮が柔らかく、秋の時期のままかりは脂がのっていて美味しいです。
関東ではサッパと呼ばれる
関東ではサッパと呼ばれていますが、名前の由来はサッパとはコノシロととても似ている魚というところからきています。食してみると、コノシロよりも味が「さっぱり」していることからサッパと言う名前になったそうです。また、地方によって呼び名が変わり、佐賀県では「ハラダ」と呼ばれていて体の表面にハラダのある魚なのでそこから名前の由来が来ているようです。
広島県では「ワチ」と呼ばれていて、獣害を防ぐための田んぼや畑の囲いを「ワチ」と言いまして、沿海に囲いのように張った定置網で漁獲することからこの呼び名になりました。関西では「ハラカタ」と呼ばれていて、腹の部分の鱗が硬く発達しているのが名前の由来となります。その地域によって呼び名が変わる魚です。
ままかりの名前の由来
岡山県ではままかりと呼ばれています。ままかりの名前の由来とはままかりを漢字で書くと「飯借」と書きます。ままかりのままは「まんま」と同じで「飯」のことを言うそうです。昔の人の食べ方は酒のさかなにして食べていました。
ままかりの代表的な料理として、酢漬けがありますが、酢漬けにしたところ魚がおいしくて、昔の人は酒のつまみだけで食べていましたがそれではもったいないほどの味と言うことで、食べ方を変え、ご飯のおかずとして食べたところ、まま(飯)がなくなってしまい、隣の家からまま(飯)を借りてきて食べたというところから、飯借=ままかりと言う名前の由来になったそうです。
ままかりは岡山の郷土料理
ままかりは岡山県の特産の一つです。関東では漁獲後は雑魚として扱いますが、岡山県では酢漬けや塩焼きなどにして食べる郷土料理なのです。あまりのおいしさにご飯が足りなくなってしまうほどの魚で、岡山県の南部では波の静かな天気の良い日に、祭りや家族のお祝いごとなどのある時には、海へ行ってままかりを釣ってきて、ままかり寿司を作るのが習わしのようです。
ままかりの釣り方は?
お祝い事の時には海へ出かけ釣ってくるままかりの釣り方とはどういう方法なのでしょうか?一般的にはサビキ釣りという方法で釣るそうです。防波堤から釣る方法で、竿は穂先のしなやかなものを使いましょう。磯竿や渓流竿がおすすめです。撒き餌でままかりと寄せ付けて釣りますが、餌は冷凍のアミエビがおすすめです。時間帯は日中もしくは朝夕などに釣りやすくなっています。これを参考にお祝いの時など釣ってみましょう。
ままかりは岡山の郷土料理!美味しい食べ方は?
ままかりには、カルシウム、ビタミンなどを多く含み栄養価も高いです。酢との相性もとっても良く、酢漬けや塩焼き、お寿司、南蛮漬け、マリネなどいろいろな料理に活用することができます。今回はままかりのいろいろな料理の食べ方を紹介します。
万能に使えるままかりの酢漬け
岡山県では人気メニューのままかりの酢漬けの作り方を紹介します。材料はままかり20匹、塩適量、酢適量、砂糖適量、砂糖、酢です。まずはじめに、ままかりの鱗や頭、内臓を取って下ごしらえします。下ごしらえしたままかりに塩をたっぷりだいたい3つかみほどの塩を振って約2時間ほど置きましょう。
2時間ほど置いたままかりに酢をひたひた入れて1昼夜置いておきます。浸しておいた酢でままかりについている塩を洗い流しながら捨てます。もう一度ひたひたに酢を入れて2時間ほど置きましょう。2時間後更に浸しておいた酢を捨てて、砂糖90g、を入れます。そこに酢を180cc入れて、3時間から1日漬けて完成です。食べ方としてお好みの時間で漬けた物を取り出して食べましょう。
焼いたままかりの三杯酢漬け
生のまま酢漬けすする場合と焼いたままかりを酢漬けにする場合とがあります。焼いたままかりの三杯酢漬けを紹介します。材料が、ままかり10匹、砂糖大さじ1、酢180cc、濃い口しょう油60ccです。作り方は、まずはじめに、ままかりを軽く洗います。洗ってからグリスで両面焼きます。熱いうちに酢に漬けます。常温のまま2時間ほど置きましょう。2時間ほど置いたらままかりを取り出します。
取り出したあと、酢の中に砂糖、濃い口しょう油を入れて良く混ぜて砂糖を溶かしましょう。合わせた調味料の三杯酢の所に、ままかりを戻して、冷蔵庫で一晩寝かせます。そしたら完成です。一番美味しい食べ方として、よく漬け込んだ物を食べましょう。ポイントとして、ままかりは脂ののったものを使うようにしましょう。
お祝い事や丸ごと食べようままかり寿司
ままかりの郷土料理の中で酢漬けの次に人気なのがままかり寿司です。鮮度のよいままかりを一匹そのままのっている姿寿司などは秋のお祭りでは定番の料理です。またお祝い事の日は漁に出てままかりを獲り、食卓へお寿司として飾ったりもします。ままかりのすっきりとした脂が酢飯ととっても相性がよいです。お寿司のお土産としても喜ばれます。
自宅でも作れるままかり寿司の作り方を紹介します。材料はすし飯1合、ままかりの酢漬け(開いてあるもの)10匹、わさびです。ままかりの酢漬けを作る際に開きで作ります。すし飯を握りわさびを付けてままかりをのせて握ります。ままかり寿司の完成です。ポイントとして、ままかり自体を酢漬けにしているので、すし飯の酢は薄くしましょう。ままかりについている酢は良く切ってから握るようにしましょう。
骨まで丸ごと食べようままかり南蛮漬け
酢漬け以外にも色々な料理に活用できるままかり、南蛮漬けもおすすめの一品です。南蛮漬けの材料は、ままかり20匹、酢100cc、みりん100cc、砂糖大さじ1、鷹の爪適量、昆布適量、玉ねぎお好みの量、にんじんお好みの量、小麦粉適量、揚げ油適量です。
ままかりはしっぽの方から鱗を落とし頭を取り内臓を出し流水でしっかり洗いましょう。にんじんや玉ねぎは細く千切りにしておきましょう。ボールに酢、みりん、砂糖、鷹の爪、昆布を合わせておきます。ままかりの水分をキッチンペーパーなどでしっかり取り、小麦粉を漬け160度でしっかり上げましょう。油を切って熱いうちにボールに合わせておいた調味料に漬けましょう。一晩以上冷蔵庫で寝かしたら出来上がりです。
ポイントとして、ままかりは揚げてすぐの熱いうちに調味料に漬けましょう。揚げることと酢で骨が柔らかくなります。漬ければ漬けるほど、骨と野菜も柔らかくなります。食べ方として、やはりよく漬け込んだ物を食べましょう。
洋風でおしゃれなままかりマリネ
ままかりの酢漬けを使うことで簡単にマリネを作ることができます。簡単なでおしゃれなマリネの作り方を紹介します。材料はままかりの酢漬け、新玉ねぎ、塩、レモン、パプリカ、すし酢です。まずはじめにパプリカのマリネを作ります。パプリカを薄切りにしてすし酢でひたひたにしてつけましょう。新玉ねぎを塩もみして、出てきた水分を絞ります。酢漬けにしたパプリカに新玉ねぎを加えましょう。
ままかりの酢漬けを1.5cm~2cm幅に切りましょう。パプリカと新玉ねぎの酢漬けに、カットしたままかりを加えレモンを絞ってから和えて出来上がりです。ポイントはパプリカの酢漬けは冷蔵庫保存で日持ちするので、冷蔵庫にストックしておくと、色々な野菜と組み合わせて、簡単にマリネを作ることができます。また、おすすめの食べ方として、マリネもよくつけてから食べるようにしましょう。
ままかりの焼きおにぎり
ご飯が止まらないほどのままかりを、おにぎりにして、さらに美味しくいただく料理です。材料は、ご飯200gままかり5匹、しょう油小さじ2です。作り方は、ままかりを焼き適当な大きさにほぐしましょう。ほぐしたままかりとご飯を混ぜます。混ぜたご飯をおにぎりにしましょう。おにぎりにはけを使ってしょう油を塗り、両面をフライパンで焼いたら出来上がりです。これを食べることでさらに食欲が止まらなくなります。
ままかりのみりん干し
おやつやお酒のつまみにもなるままかりのみりん干しの作り方です。材料はままかり20匹、塩適量、みりん100cc、しょう油50cc、酒大さじ3、砂糖大さじ1、ごまお好みの量です。作り方は、ままかりの鱗を包丁でとりましょう。この時、しっぽの方から指を沿わせても簡単に取れます。キッチンバサミで頭とお腹を切り、内臓を取り出し、塩水で洗い流しましょう。両側から骨に沿って切り開き骨を切ります。塩を振って1~2時間置く。
水気を切り、みりん、しょう油、酒、砂糖に漬け込みます。1日ぐらいでも大丈夫ですが、出来れば1週間ぐらい漬けるときれいな色になり味もしみこみます。ザルなどに干してお好みでゴマを振りかけましょう。焦げないように気を付けながら、炙って食べるようにしましょう。
ままかりの塩焼き
魚に欠かせない料理方法と言ったら、塩焼きです。ままかりの塩焼きの作り方を紹介します。材料はシンプルでままかり10匹、塩大さじ1です。作り方として、ままかりをよく流水で洗いぬめりをとりましょう。ぬめりが取れたら鱗を取ります。鱗がとり終わったら頭を落とし、内臓を取ります。内臓を取って良く洗い流し、塩を両面に振ります。グリルで、両面をこんがり焼いたら完成です。
ままかりおから
甘酢か聞いたさっぱりしたおからでご飯が進む一品です。材料は、おから200g、ままかりの酢漬け3匹、砂糖大さじ3、酢大さじ3です。ままかりの酢漬けをみじん切りにします。おからをフライパンで炒り、みじん切りにしたままかりとおからを混ぜ合わせ、砂糖と酢を加えて混ぜたら完成です。甘さはお好みで調整してみてください。
ままかりのおろし方とは?
色々なレシピを紹介してきましたが、ままかりをおろしてから使うことが多いので、おろし方についても紹介します。ままかりは鱗が小さく、数も多いです。さかな自体もあまり大きい魚ではないので三枚におろすのも難しく手間がかかる魚と思われます。でも、ままかりは皮ごと食べることが多い魚なので鱗さえしっかり取ることが一番のポイントとなります。鱗は包丁などで引っ掛けて尾から頭に向けて取りましょう。
続いて捌き方ですが、頭からヒレの後ろを通って少し斜めに頭を切り落としましょう。お腹の部分は肛門あたりまで大きく切り落とします。そうすることで、内臓の取り外しする作業もせずに済みます。三枚におろした場合もすくので、身が残せない部分は切ってしまいましょう。ままかりが小さめの物の場合は、キッチンバサミを使いましょう。頭を落とし、お腹も開いて内臓をきれいに洗い流し、指でお腹を開きましょう。
ままかりは生でも焼いても酢漬けが1番!
『ままかりとは?ごはんによく合う岡山の郷土料理の食べ方を紹介』について紹介しましたが役にたてたでしょうか?ままかりは地方によって呼び名は変わりますが、活用方法も地方によって異なります。岡山県では郷土料理になるほど、料理にたくさん活用されているままかり。料理のレパートリーもたくさんあり色々な食べ方があります。
ご飯がたりなくなって、隣のいえまで借りに行ってしまうほどおいしいままかりを旬の初夏から晩秋に西日本へ出かけた時には食べてみてはいかがでしょうか?ご飯がとまらなくなるかもしれません。