ごぼうはアク抜きしないとどうなる?さらす時間は何分が適切?

食物繊維が豊富な野菜と言えば、ごぼうです。ごぼうはアクが出るのが特徴ですが、アク抜きしないとどうなる?そんな疑問やアク抜きをする意味などを詳しく説明しています。そして、アク抜きの際に、水にさらす時間は何分が適切?など、意外と知らない正しいアク抜き方法で、ごぼうを調理するコツを重点に置いて紹介しています。ごぼうの調理法を知っておくと、料理のバリエーションも幅広くなります。

ごぼうはアク抜きしないとどうなる?さらす時間は何分が適切?のイメージ

目次

  1. 1ごぼうの概要
  2. 2ごぼうの栄養と効能
  3. 3ごぼうの保存方法や下ごしらえの仕方
  4. 4ごぼうのアク抜きしない?時間は何分必要?:検証結果
  5. 5ごぼうのアク抜きはしない?時間は何分必要?:検証結果の理由
  6. 6ごぼうのアク抜きはしない?時間は何分必要?:検証結果の理由②
  7. 7ごぼうのアク抜きはしない?時間は何分必要?:えぐみがひどい時
  8. 8ごぼうのアク抜きはしない?時間は何分必要?:実は栄養素を失う
  9. 9ごぼうのアク抜きはしない?時間は何分必要?:ごぼうの風味失う
  10. 10ごぼうのアク抜きはしない?時間は何分必要?:酢水を使うのは
  11. 11ごぼうのアク抜きはしない?時間は何分必要?下処理の仕方
  12. 12ごぼうはアク抜きはしない?時間は何分必要?:アクについて
  13. 13ごぼうはアク抜きはしない?時間は何分必要?:ピーラーを使って
  14. 14ごぼうはアク抜きはしない?時間は何分必要?:包丁を使って
  15. 15ごぼうのアク抜きのまとめ

ごぼうの概要

ごぼうは、キク科のゴボウ属に分類される野菜の1種です。独特の香りと食感を持つ野菜で、平安時代から日本で栽培されていました。ごぼうを食べるのは世界でも日本と台湾だけと言われていましたが、健康ブームもあり、ヨーロッパでも食べられるようになりました。そうしたことから、ごぼうの主な原産地はヨーロッパからシベリア、中国東北部にかけてのユーラシア大陸北部の広い範囲とされています。

中国では、元々ごぼうは薬草として使用され、日本でも始めは薬草としていたそうです。そのことが分かるように、ごぼうには沢山の食物繊維や栄養成分を含み、毎日の食生活に積極的に摂りいれることで、健康維持が期待できます。現在ではきんぴらや煮物、ごぼうサラダやポタージュとして食したり、細く長く地中にしっかり根を張ることから縁起物として、節句のお祝い料理やおせち料理としても利用されています。

日本でのごぼうの主な産地は、青森、千葉、北海道、茨城県、宮崎です。一般的に出回っているのは滝野川ごぼうです。切り口の直径が2~3cmで、長さが1mほどの細長いごぼうで全国に栽培されています。新ごぼうは長さ30cmほどで、皮が薄く食感が柔らかいのが特徴です。主に九州地方で栽培されています。また、京野菜の堀川ごぼうは太いので有名で、直径が6~9cmで長さ50cmと太くて柔らかいです。大浦ごぼうも太くて有名です。

良質なごぼうの選び方は、できるだけひげ根が少なく、太すぎず、しわがない泥付きを選ぶのがポイントです。太すぎるごぼうは、スが入っている恐れがあるので、太さが均一で先端が細くすらっとしたものが良いでしょう。そして何より重要なのは、泥付きの方が水分の蒸発を防ぐため、日持ちします。また、旬は11月から1月で、新ごぼうは5月から6月に収穫されます。ごぼうを買う上での参考にして下さい。

ごぼうの栄養と効能

ごぼうに含まれている栄養素は、食物繊維です。水溶性、不溶性共に豊富に含んでいます。それ以外にはイヌリンと呼ばれる水溶性の食物繊維に含まれる炭水化物やカリウム、カルシウムに、マグネシウムなどのミネラルが豊富です。イヌリンとカリウムには、利尿作用があります。そのため、体内の不要な水分や老廃物を排出するのを手助けしてくれるので必要な栄養素です。

昔からごぼうには疲労回復効果があると言われています。その理由は、ごぼうにはアルギニンが豊富に含まれているからです。アルギニンは、必須アミノ酸の一種です。運動した時に血中に分泌されるアンモニアの増加を抑える働きがあると言われています。そのため、栄養ドリンクで疲労回復などとして配合されています。また、体内で作り出せる量は少ないため、足りない分は食事から補う必要があります。

ごぼうの食物繊維の量は100g中、5.7gと他の野菜に比べて群を抜いて豊富に含まれています。特に水溶性の食物繊維は便の量を増やして腸壁を刺激します。さらに、善玉菌が好物とされるビフィズス菌の働きを助け、悪玉菌を抑制する働きがあります。そのため、体外へ老廃物や有害物質を排出するのを助けてくれます。よって、ごぼうは便秘解消の強い味方です。

実はごぼうの皮には、多くの栄養素が含まれているので、栄養素をしっかり摂りたいなら、皮まで一緒に食べましょう。そして、ごぼうに含まれているカリウムは水に溶けだすため、煮物などにして煮汁ごと食べることで、水に溶けだしたカリウムもしっかり摂ることができます。食物繊維は油と一緒に食べることで、便の滑りを良くします。そのため、便秘気味の人はきんぴらや煮物を作る時はごぼうを油で炒めると良いでしょう。

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ごぼうの保存方法や下ごしらえの仕方

ごぼうは水分が抜けて乾燥すると味が落ちます。そのため、保存する時は乾燥させないようにするのがポイントです。土がついている時は、新聞紙に包んで冷暗所で保管しましょう。洗ったごぼうは湿った新聞紙に包んで冷蔵庫で保存します。どちらも長くて1週間程度が目安です。長期保存したい場合は、ささがきにした後さっと洗い、すぐに冷凍保存すると良いでしょう。お味噌汁やきんぴらなど、作りたい時にさっと使えて便利です。

ごぼうは皮の部分に栄養素が多く含まれているため、気にならない方はきれいに洗えばむかなくても良いでしょう。皮をむく場合は、ピーラーや包丁も良いですが、たわしやアルミホイルで軽くこすると土汚れが簡単に取れます。流水で土を流した後、たわしで軽くこすります。たわしは野菜を洗う専用を1つ用意しておきましょう。たわしがない場合は、アルミホイルを20~30cmくらいにカットして丸めたもので代用できます。

ごぼうのアク抜きしない?時間は何分必要?:検証結果

ごぼうのアク抜きは必須として、これまで料理本などでも必ず酢水につけてアク抜きをしましょうと明記しています。実は「ごぼうはアク抜きはしない方が良い」ことが判明しました。また、アク抜きをしてしまうと、ごぼうに含まれている栄養素が半減してしまうことも判明しています。では、アク抜きによって失われてしまう栄養素って何なのか?ごぼうの正しい下処理とは、どのようにすれば良いのかを紹介していきます。

ごぼうのアク抜きはしない?時間は何分必要?:検証結果の理由

料理をする時、ごぼうはアクが強い野菜なので、アク抜き必須というのが常識でした。その理由は体に有害な物質を取り除くことや、苦みや臭みを取り除くことです。しかし、実はごぼうのアクには「有害物質も雑味も含まれていない」のです。むしろアク抜きをすると「貴重な栄養素が失われれる」「ごぼうの風味が失われる」というデメリットがあります。どうしても水でアク抜きしたい場合は1、2分つける程度にしましょう。

ごぼうのアク抜きはしない?時間は何分必要?:検証結果の理由②

「日経ヘルス」では、水にさらしたごぼうと、さらしていないごぼうで作ったきんぴらを10人が食べ比べるという実験が過去に行われました。その結果、10人全員が「水にさらしていないきんぴらが美味しい」と答えました。水にさらさなかった方は「ゴボウの香りがする」「味がしっかりして旨味がある」との感想が聞かれたそうです。きんぴらごぼうはしょうゆで味付けをするので、アク抜きしなくても見た目にも大差はないでしょう。

ごぼうのアク抜きはしない?時間は何分必要?:えぐみがひどい時

水にさらさない方が美味しく仕上がることは分かりましたが、ごぼうを切ってすぐに切り口が黒くなるような場合は、アクが強すぎてえぐみを感じるかもしれないので、そんな時は水にさらしてアク抜きする時間を5~10秒だけにして、すぐにざるに上げましょう。これなら風味を逃さずアク抜きができます。また、ごぼうは切ったらなるべく早く熱を加えるなど調理するのが望ましいので、段取りよく作りましょう。

ごぼうのアク抜きはしない?時間は何分必要?:実は栄養素を失う

ごぼうは食物繊維が豊富な野菜ですが、その食物繊維には水溶性と水に溶けない不溶性の食物繊維があります。実はアク抜きをしてしまうと水溶性食物繊維が溶けだしてしまいます。ごぼうに含まれている水溶性食物繊維の主な成分は紹介にあった「イヌリン」という物質です。イヌリンには腸の中の善玉菌を増やして腸内環境を改善する効果があります。腸の中の善玉菌が増えると、大腸の中は酸性になります。

酸性の環境では悪玉菌は生きていけないので、大腸の中の悪玉菌もどんどん減っていきます。こうして腸の環境が改善すると、大腸が刺激されて排便が促され、便秘が改善します。このように便秘改善には、不溶性食物繊維だけでなく、イヌリンのような水溶性食物繊維の働きも重要です。しかし、水溶性食物繊維は既に説明の通り、水に溶けだして失われてしまい、便秘改善効果が半減しまうのでは勿体ないです。

ごぼうのアク抜きはしない?時間は何分必要?:ごぼうの風味失う

ごぼうの魅力にはあの土臭いような独特な香りがあります。しかし、アク抜きし過ぎることで、ごぼうの風味が失なわれてしまいます。かれいの煮物にごぼうを加えると、あの土臭さがスパイスのような働きをします。その結果、魚の臭みを消してくれるので、あの圡臭さはとても重要な香りです。他の煮物とごぼうを合わせる時も、アク抜きはし過ぎないことが美味しさの秘訣になります。

ごぼうのアク抜きはしない?時間は何分必要?:酢水を使うのは

ごぼうを切ったらすぐ黒く変色するアクの強いものは、水でアク抜きを紹介しましたが、その他に酢水につけるアク抜きもあります。ごぼう1本に対し、水に酢大さじ1を加えます。しかし、こちらもあまり長時間つけると、ごぼうが硬くなってしまうので、アク抜きする時間は1、2分にします。すぐに火を使って調理する場合は5~10秒で大丈夫です。酢にひたすことでごぼうが白くなるので、サラダを作る時に利用すると良いでしょう。

ごぼうのアク抜きはしない?時間は何分必要?下処理の仕方

ごぼうは泥だらけの野菜なので、下処理は必須です。しかし、あまりしっかりやり過ぎると大切なイヌリンが失われてしまいます。そこで、見た目も良く、栄養素も失わない下処理の仕方を紹介します。まず、たわしなどで軽く泥を落とします。次に、包丁の背でこぼうの皮をこそげ落とします。その後ささがきや千切り、乱切りなど、料理に合わせた切り方をします。水を入れたボウルに切ったごぼうを入れざっと混ぜたら水を捨てます。

ポイントは、最後に水で2~3回洗い、すぐに水から出してしまうことです。時間にすると30秒前後が望ましいです。短い時間でも雑味や臭みも感じず、問題ありません。アク抜きというよりも、洗い流すというイメージです。これですぐに調理にかかるとなお良いでしょう。

ごぼうはアク抜きはしない?時間は何分必要?:アクについて

ごぼうは何故アク抜きした方が良いとされていたのかは、今までプロの料理家がそうしてきたからです。料理家は料理の見た目もきれいに仕上げることが重要です。ところが、ごぼうのアクが強いのに、アク抜きせずに調理してしまうと、色合いが悪くなってしまいます。この黒い色の原因は「クロロゲン酸」です。クロロゲン酸は、こぼうの中に元々含まれている酸化酵素によってどんどん酸化されて黒くなってしまいます。

これを防ぐには、酢水に浸す必要があるのです。酢を入れると水は弱酸性になるため、この酸化酵素の働きを止めることができます。また、クロロゲン酸自体も水に溶けだして量が減るため、黒くなることを防ぐことができます。このように、ごぼうを念入りにアク抜きするのは料理の見た目を良くすることが主な理由なので、家庭で食べる場合は、栄養を考えるとアク抜きしない方が良いでしょう。

ごぼうは、水や酢水に長時間アク抜きすると、ポリフェノールが逃げ出してしまいます。せっかくの栄養成分を逃さず摂取する方法で「電子レンジ」を使う方法があります。電子レンジを使った下ごしらえであれば、栄養成分が溶け出すのを抑えることができます。このポリフェノールは水にはすぐ溶けても、熱には強いのでおすすめです。ごぼうに付いている圡を落として洗い、2cmほどの長さにカットします。

次に、電子レンジで約2分加熱します。加熱するとごぼうが柔らかくなり、包丁も入りやすくなります。仕上がりの味にえぐみが目立たない天ぷらなどの料理であれば、電子レンジを使ったアク抜きで十分対応できます。もちろん、こちらもアクが強いごぼうの時にさっとアク抜きする要領で考え、アク抜きする必要がない場合は、無理にアク抜きするのは控えて、栄養そのものを体に吸収させましょう。

ごぼうはアク抜きはしない?時間は何分必要?:ピーラーを使って

ごぼうのささがきは、なかなか大変な作業です。そこでピーラーを使うと包丁よりも早く、均一にささがきにすることができます。ささがきする時にごぼうを縦に5~6本浅い切り込みを入れておくと、幅の細いささがきに仕上げることができます。アクが強い時は短い時間でアク抜きしましょう。すぐ調理するとアク抜き不要な場合もあるので、手際よく調理しましょう。

ごぼうはアク抜きはしない?時間は何分必要?:包丁を使って

包丁を使うと、料理に合わせて太くしたり、細くしたりと調整しやすいです。方法は、鉛筆を削る要領でまな板の上でごぼうを転がしながら削ります。この時、包丁を寝かしたり角度を少しつけることで、太さや厚さを調整することができます。薄くしたい時は、できるだけ包丁をまな板と平行に、太めにしたい時は包丁を斜めにします。アクが強い場合はアク抜きをしましょう。アク抜きは短い時間ですぐ調理しましょう。

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ごぼうのアク抜きのまとめ

今回は、ごぼうのアク抜きをしないとどうなる?の疑問を検証しました。結果、アク抜きをしなくても栄養素をそのままに、美味しく食べれることが分かりました。アクが強い場合のアク抜きで、水や酢水にさらす時間は長くて1~2分で大丈夫なことが分かりました。ごぼうの持つパワーを存分に体に摂りいれながら、積極的に料理使ったり、ここ近年ブームの「ごぼう茶」を飲んでみるなど、進んで摂り入れて下さい。

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