小松菜の栽培方法と育て方のコツは?栽培時期から種まき・害虫対策まで!

小松菜は葉っぱもの野菜としてほうれん草と並ぶ代表的な野菜です。小松菜は菜の花やカラシナ、キョウナ、野沢菜などの他のアブラナ科の葉物野菜に比べて、えぐみが少なく、スジっぽさもないので、いろいろな料理に使えて家庭野菜として人気があります。小松菜はもともと東京江戸川区の小松川地区で栽培されていたことからの呼び名ですが、今は全国で栽培されています。この小松菜の栽培時期から家庭菜園での畑の準備、種まき、病害虫対策などの栽培方法のコツを解説します。

小松菜の栽培方法と育て方のコツは?栽培時期から種まき・害虫対策まで!のイメージ

目次

  1. 1最も身近な家庭野菜の小松菜
  2. 2栽培しやすい小松菜
  3. 3小松菜の栽培:おすすめの小松菜の品種
  4. 4小松菜の栽培:土づくりの準備
  5. 5小松菜の栽培:プランター選び
  6. 6小松菜の栽培:種まき
  7. 7小松菜の栽培:間引きと追肥
  8. 8小松菜の栽培:収穫
  9. 9小松菜の栽培:病害虫の心配は?
  10. 10まとめ:初心者に打ってつけの小松菜栽培

最も身近な家庭野菜の小松菜

小松菜の名の由来

江戸時代の8代将軍の徳川吉宗が鷹狩りに小松川に来た折に、すまし汁に入った青菜を気に入り、地名にちなんで小松菜と命名したと言われています。もともと小松川付近で多く産していたからともいわれています。関東地方では正月のお雑煮に冬季に美味しい小松菜を入れる習慣があり、「小松菜がないと年が越せない」と言われるくらい親しまれている野菜です。

四季折々の食材の小松菜

小松菜は、えぐみやアクが少なく、風味が淡白なので、誰もが親しみやすい味です。使い方もいろいろ広範囲にわたっています。炒め物でも、お浸しにも、和え物、鍋物と、四季を問わず万能な家庭野菜として活躍しています。最近ではグリーンスムージーの材料としても注目されています。またフレンチレストランでは小松菜を使ったポタージュが人気です。

天然のマルチサプリと呼ばれる小松菜

緑黄色野菜としてのべーターカロテンはもとより豊富で、他にもビタミンC、ビタミンE、カルシウムや鉄分、カリウムなどのミネラル類、イソチオシアネート、食物繊維もいっぱいあり天然のマルチサプリと呼ばれています。特にカルシウムは野菜の中でトップクラスで100グラム中170ミリグラムです。

小松菜の具体的な栄養効果

こうした栄養素が体にどのような効果をもたらすのか少し詳しく紹介します。べーターカロテンやビタミンEは免疫力を高めてくれますが、油に溶けやすいので油炒めやオリーブと一緒に食べると吸収がアップされます。鉄分とビタミンCを多く含んでいるので貧血の予防と解消に役立ちます。

骨に必要なカルシウムをたくさん含んでいて、しかも骨の結成に必要なカリウムも含まれているので骨や歯を丈夫にします。またカルシウムはストレス解消に役立ちます。イソチオシアネードは免疫細胞を増やす作用がありべーターカロテンやビタミンEと一緒に摂ることで相乗効果がでます。ただイソチオシアネードはスムージーの調理のように小松菜をミキサーにかけて粉々にしないと効果が出ません。

栽培しやすい小松菜

小松菜の特徴

連作障害がないのでちょっと前に作ったばかりでも大丈夫です。厳寒期間を除けば一年中、栽培が可能です。同じプランターで一年の期間に何回でも種まきし収穫するを繰り返すことができます。小松菜の発芽適温は15~35度、生育適温20~25度で、栽培時期は品種にもよりますが一般的には3月から遅く11月まで種まきが可能です。種まきの時間差で1年の期間ずーと収穫を楽しめるのが小松菜栽培です。

小松菜の栽培:おすすめの小松菜の品種

育てやすい品種として「楽天」があります。夏場、冬場に強く、1年の期間を通して収量が多い一代交配種です。「東京黒水菜」は地元の在来・固定種で作りやすく、トウ立ちが遅く冬の寒さに強い品種です。「みずき」は土壌適応性があり作りやすいです。ほぼ1年の期間を通して作れる早生の多収品種で、一代交配種です。一代交配種は種を採取しても次は良いものができない一代限りの品種です。どれにするか迷いますね。

小松菜の栽培:土づくりの準備

プランターには簡単な培養土の利用

プランターの場合は容量が限られていますから、ホームセンターから培養土を購入して使うのが一番簡単な栽培方法です。培養土は野菜の栽培をしやすいように、山土以外に堆肥(たいひ)、腐葉土、赤玉土、バーミキュライトなどのいろいろな改良用土を使って水はけ、保水性や通気性をよくしています。また適切なPHになるように苦土石灰を加え、育つに必要な化学肥料を配合してある土で、そのまますぐに栽培することができます。

小松菜の栽培:自分で培養土を配合

プランターでいろいろな野菜を育てようと思っている人のために、簡単な野菜栽培用の培養土づくりの方法を紹介します。種をまく4週間前には準備を終えておきましょう。次の用土をホームセンターで購入してください。赤玉土(中粒または小粒で微塵は使いません)、腐葉土または堆肥(たいひ)、バーミキュライトは、いずれも保水性、通気性、保肥性に優れた改良用土です。それに化学肥料、苦土石灰も準備してください。

培養土のブレンド割合は育てる植物にもよりますが、基本は赤玉5割、腐葉土または堆肥4割、バーミキュライト1割です。大きめビニール袋に、まず軽い腐葉土または堆肥にバーミキュライト1割を入れ、苦土石灰(10リットルに対し10グラム程度)と元肥となる化学肥料(10リットルに30グラムでリン酸分の多い緩効性のもの)を加えて混ぜます。最後に赤玉4割とを入れて全体を混ぜ合わせます。雨の当たらない所で保管します。

 

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小松菜の栽培:プランター選び

小松菜は根を長く張りませんし、25センチくらいの葉長です。葉が込み合う前に間引きしながら収穫していきますからプランターは深くなくてだいじょうぶです。ただ幅や奥行きがあった方が、条まきして時間差で種をまいて収穫していく方法には便利です。「しゅうかく菜」560型プランター(56×35×高さ15.5センチ)20L税込み590円が楽天市場でありました。お近くのホームセンターでお探しください。

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小松菜の栽培:種まき

栽培のコツ:10日おきの時間差種まき

プランターに軽石を敷いて上縁から2センチ余して腐葉土を入れます。小松菜は種をまいてから収穫するまで約1か月と短期間にできます。そこで時間差で3~4回にわたって種をまくことで収穫を長く楽しめます。成長した小松菜の陰にならないように手前の1条目に最初に種をまきます。その10日後に2条目、そのまた10日後に3条目に種をまきます。それを繰り返す方法で収穫を繰り返すのです。
 

栽培のコツ:まく間隔

1条の種まく溝は深さ1センチほどです。この溝に1センチ間隔で種をまきます。種をまいたら溝の両脇の土をつまんで種にかけて手で軽くおさえてあげます。そのあとに底から水が出るくらいたっぷりあげます。発芽するまでは土の表面が乾く前に水をあげてください。種をまいて3~4日で発芽します。

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小松菜の栽培:間引きと追肥

栽培のコツ:1回目の間引き

種まきから3~4日で発芽して双葉が開いたら最初の間引をきします。2~3センチ間隔になるように育ちの悪い芽を抜いていきます。抜いたら指で軽く残った芽の根元に土寄せしてあげます。間引き後は土の表面が乾いたら一日1回は水を上げます。暑い熱帯夜は、まだ芽が出たばかりで弱いので乾燥に気を付けて水やりをします。

栽培のコツ:1回目の追肥

間引きして1週間ぐらい経ったら、発芽以降の生育には、もともと培養土に含まれていた肥料(元肥)だけでは足りないので追肥(新たな肥料を追加して与える)をします。化学肥料を10グラムほどプランター全体にまきます。それから株の根元に土寄せをして、たっぷり水やりをします。この方法で2週間ごとに10グラムの追肥をしてください。

栽培のコツ:二回目の間引き

小松菜は間引きしながら育てるといいますが、葉が7~8枚になったら2回目の間引きです。間引きした小松菜は柔らかく美味しくいただけます。だいぶ大きくなっているので抜かずに1本おきにハサミで切ります。間引きした後は追肥をして、土寄せして水をあげます。

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小松菜の栽培:収穫

およそ1か月で草丈が20~25cmになります。そうなったら収穫です。最初の間引きと二度目の間引きで株間が空いてますから食べる分の収穫はハサミで切り取るだけでなく、他の株をやさしく押さえながら挽き抜いても大丈夫です。大株になると硬くなり美味しくないのでせいぜい30センチ以内に収穫しましょう。

小松菜の栽培:病害虫の心配は?

栽培のコツ:病気対策

短期間に生育して収穫するので病気は少ないですが、いくつかあります。「しらさぎ病」は葉の表面や茎に乳白色の斑点ができます。症状が激しいと枯れ死します。見つけた葉は切り取って処分します。しらさぎ病はアルカリ性に弱いので見つけたら石灰をまくと広がりを押さられます。他に、葉の片側が網状に黄色くなり枯れる「萎黄病」(いおうびょう)、「炭疽病」(たんそびょう)、「べと病」等がありますが、多くありません。

栽培のコツ:害虫対策

害虫では緑色のアオムシ(モンシロチョウの幼虫)が害虫として比較的に多く見かけます。この害虫は葉を食い散らします。アブラナ科の葉の裏側に産卵して孵化した幼虫から食害します。葉の裏側にいるのでめくって駆除します。有機農業でも認められている天然成分の殺虫剤「STゼンターリ顆粒水和剤」が有効です。他の害虫として「カブラハバチ」、「キスジノミハムシ」、「コナガ」という害虫がいますが、見つけたら葉を摘み取り処分します。

まとめ:初心者に打ってつけの小松菜栽培

いかがだったでしょうか?今回は小松菜の栽培方法や栽培できる期間について紹介しました。小松菜の栽培ほど簡単でやさしい野菜作りはありません。しかも1年を通じて何回も種まき、間引き、追肥、土寄せ、収穫を体験できます。

もしも一度目に失敗したとしても、その体験を生かして二度目、三度目と再挑戦ができるのです。普通、ほとんどの野菜は一度挑戦したら二度目は半年後か一年後ですが、小松菜は一年に何度もチャレンジできるのです。その点でも小松菜栽培は家庭菜園の初心者に打ってつけの栽培です。

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