大根おろしが辛い原因は?種類や部位による違いや辛味抜きの方法も紹介

辛い大根おろしには原因があります。「甘い大根おろし」になるか「辛い大根おろし」になるかは大根の種類や部位、調理方法によって変わります。好みの大根おろしになる部位がわかるとスーパーのカット大根を迷わずに購入することができます。大根の部位ごとに適した料理も紹介しますので、大根を丸ごと購入して料理のレパートリーを広げてみてはいかがでしょうか?辛くなってしまった大根おろしを甘くする方法も紹介します。

大根おろしが辛い原因は?種類や部位による違いや辛味抜きの方法も紹介のイメージ

目次

  1. 1野菜の王様「大根」
  2. 2辛い?甘い?大根は部位によって味が変わる
  3. 3大根はカラダにいい野菜なの?
  4. 4大根おろしが辛い原因はなに?
  5. 5辛い大根おろしを甘くする方法
  6. 6大根おろしに適した大根は?
  7. 7大根おろしを活用した料理は?
  8. 8大根おろしが辛い理由まとめ

野菜の王様「大根」

日本で摂取量が1番多い野菜は「大根」です。「煮物でもよし、漬物にしてもよし、生でもよし」という調理の幅の広さや栄養価の高さから「野菜の王様」と呼ばれています。寒い時期に甘さが増す「冬が旬」の野菜ですが、現在では1年を通して収穫されている品種もあります。

日本では、1月7日に「七草粥」を食べる習慣があります。七草は、春の初めに芽吹くため邪気を払うといわれ、無病息災を祈って江戸時代から続いている習慣ですが、この七草の一つ「すずしろ」とは大根のことです。このように古くから日本人になじみが深い大根でつくる「大根おろし」が辛くなる原因や、甘くする方法を紹介します。

辛い?甘い?大根は部位によって味が変わる

大根は部位によって味が違います。大根を「葉側」「中間」「根側」の3つの部位に分けて、味の特徴や適している料理を紹介していきます。

大根の部位①「葉側」

大根の葉に近い部分は、辛味が弱く甘みが強いので大根おろしには最適の部位です。「大根サラダ」や「浅漬け」など「生」で食べるのがおススメです。葉付きの大根を購入する時には、葉にみずみずしさがあり、変色していないものを選んでください。

大根の部位②「中間」

大根の中間部は、甘みと辛みの両方をバランスよく感じられる部位です。みずみずしいので「サラダ」にも適していますが、「風呂吹き大根」や「おでん」など火を通す料理に使っても美味しい部位です。

大根の部位③「根側」

根に近い部分は、とても辛みが強い部位です。大根おろしが辛い原因は、この「根側」を使っているからかもしれません。この部位は細かく切って、炒め物など火を通す料理をおススメします。購入する時は「ひげ根」が多くないものを選んでください。

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大根はカラダにいい野菜なの?

大根の根の栄養素

大根の「根」には、免疫力向上やコラーゲンを生成する「ビタミンC」、胃腸の調子を整える「アミラーゼ」、消化を助ける「ジアスターゼ」、便秘解消を促す「食物繊維」が含まれていますので、ダイエットにも適しています。また熱を冷やす効能もあるため、発熱やのぼせの改善にも効果があります。

大根の葉の栄養素

大根の「葉」には、免疫力を高める「ビタミンA」、骨を丈夫にする「カルシウム」、抗酸化作用をもつ「βカロテン」、むくみ予防や高血圧予防になる「カリウム」が含まれています。ついつい捨ててしまいがちな部位ですが、捨てずに活用することをおススメします。

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大根おろしが辛い原因はなに?

大根おろしの辛い原因はコレ!

大根おろしの辛さの原因は「イソチオシアネート」です。「イソチオシアネート」は、大根をすりおろすことで細胞が壊れて「グルコシノレート」と「ミロシナーゼ」という酵素同士が化学反応を起こすことで発生する辛み成分です。

大根おろしの辛い成分「イソチオシアネート」とは?

辛味の原因「イソチオシアネート」は大根の皮に多く含まれています。わさびにも含まれる成分で、鼻にツーンとくる辛さで敬遠されがちですが、昔から「大根おろしに医者いらず」と言われるほどカラダに良い効能がありますので、大根おろしは皮付のままがおススメです。一方で、大根おろしを甘くする方法は、葉側の部位の皮を厚めにむき、なるべく辛味の原因から遠い部分をおろすことです。

イソチオシアネートには殺菌作用、解毒作用、抗炎症作用があります。具体的には、食中毒や血栓の予防、発がんの抑制、消化の促進、抗酸化作用で美肌やアンチエイジングにも有効です。また、大根おろしの「おろし汁」でうがいをすると、口内炎、虫歯、歯肉炎などに効き、ハチミツを加えて飲むと咳止め、喉の痛み止め、二日酔いにも効きます。予防にも治療にも「大根おろし」を積極的に活用してみてはいかがでしょうか?

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辛い大根おろしを甘くする方法

辛い大根おろしを「おろし方」で甘くする方法

辛味の原因「イソチオシアネート」を多く含む皮を厚めに切り、大根の細胞を壊さないように「ゆっくり優しく」おろします。他にもフードプロセッサーに少量の水を加えておろすと、辛さを抑えたきめ細かい大根おろしができます。また、すぐに食べずに30分程置くことで、辛み成分が減り甘くなります。

辛い大根おろしを「切り方」で甘くする方法

甘い大根おろしをつくりたい時は、輪切りにした大根をおろすのではなく、「縦」に切った大根を「縦」におろすことで細胞の破壊を防ぐことができます。おろし方は、まず1本の大根を15センチほどの長さで切ります。それを縦に4等分にし、皮側ではなく切り口をおろし金に当てて縦におろします。

辛い大根おろしにちょっとした手間をかけて甘くする方法

辛味の原因「イソチオシアネート」は熱に弱い成分なので、大根おろしをレンジで温めると甘くなります。さらに「味の素」を3振りほどすることで、まろやかな大根おろしになります。

大根おろしに適した大根は?

大根の種類①青首大根

時期を問わずスーパーなどでよく見かける一般的な大根が青首(あおくび)大根です。葉側の色が青くなっているのが特徴です。「大根おろし」「サラダ」「浅漬け」など生食にも、「おでん」など煮物にも適している大根です。

大根の種類②三浦大根

神奈川県三浦半島で栽培されている三浦大根です。形状は、葉側が細く根側にかけて太くなっています。肉質がとても柔らかく、煮崩れしにくい特徴があり、煮物にすると甘みも増すことから「おでん」や「風呂吹き大根」に最適な大根です。

大根の種類③練馬大根

東京都練馬区で栽培されている練馬大根です。細く長いのが特徴です。長いものでは1メートルほどになるものもあります。関東の「たくあん漬」のほとんどに使用されている大根です。

大根の種類④亀戸大根

亀戸(かめいど)大根は東京亀戸で栽培されている大根です。亀戸は、荒川水系によってできた肥沃な粘土質で、大根作りにはとても適していました。明治時代には亀戸大根の栽培が盛んに行われていましたが、住宅の建設が増えるに従い栽培農家が減少し、現在では「幻の大根」と呼ばれています。小ぶりで、根側が細い円錐型をしていて、ビタミンCが通常の大根の2倍以上含まれているのが特徴の大根です。

大根の種類⑤守口大根

大阪の守口(もりぐち)が発祥ですが、現在では名古屋や岐阜の特産として栽培されている守口大根です。細くて長くゴボウのような形状をしています。繊維質が多く、辛味も強いのが特徴で、愛知の特産品として有名な「守口漬」に使われている大根です。

大根の種類⑦聖護院大根

京都の伝統野菜に指定されてる聖護院(しょうごいん)大根です。大きくてカブのような形状ですが、葉先で見分けることができます。カブの葉先が丸いのに対し、聖護院大根の葉先はギザギザしています。水分が多いので大根おろしには向いていませんが、柔らかいのに煮崩れしないので「田楽」や「風呂吹き大根」のように煮ることで美味しさが引き立ちます。辛味が少なく甘さがあるので、生で食べても美味しい大根です。

大根の種類⑧辛味大根

辛味大根は、小ぶりで辛味が強い特徴を持つ大根の総称です。水分が少ないため、大根おろしにしても水気がほとんどなく、蕎麦やうどんのつゆが薄まらないため、薬味として使われる大根です。長い根がある「ねずみ大根」や赤い「辛いね大根」、緑色の「カザフ辛味大根」などがあります。

大根おろしを活用した料理は?

雪見鍋

寒い時期の定番鍋料理「雪見鍋」です。「雪見」とは、大根おろしを降り積もる雪に見立てています。大根おろしを「みぞれ」に例える料理もたくさんありますが、これは大根おろしを降り掛かるみぞれに見立てているので「雪見」と「みぞれ」では「雪見」の方が大根おろしの量がたっぷり使われる料理です。

ネギハムチーズの大根もち

大根おろしを使った料理では「大根もち」も代表的です。中はモチモチでふわふわ、外はカリッとした食感の大根もちは中国の点心料理でも人気の料理です。ピザ風にアレンジした大根もちレシピを紹介します。

鶏肉の大根おろし煮

大根には肉を柔らかくする「酵素」が含まれているので、大根おろしと肉はとても相性が良い組み合わせです。大根おろしに肉を漬け込んだり、大根おろしと肉を一緒に煮込む料理はたくさんあります。

大根おろし納豆パスタ

ソースの種類が豊富なパスタの中でも、大根おろしを使ったパスタは代表格と言えます。加熱しない大根おろしパスタをつくるときは、辛味が強いと美味しくならないので、葉側の部位を使用したり「甘くする方法」を参考にしてみてはいかがでしょうか?

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大根おろしが辛い理由まとめ

大根にはカラダに良い成分が豊富に含まれています。生の大根おろしを食べたり料理に使うことで、効率よくカラダに良い成分を吸収できるので、時期を問わず積極的に毎日の食生活に取り入れていきたい食材です。大根おろしは、部位や種類、おろし方や調理方法で味が変わります。「辛いから苦手」と言う人や、せっかくつくった大根おろしが辛くなってしまった時は、ぜひ甘くなる方法をお試しください。

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