2019年04月18日公開
2024年09月12日更新
ざらめ(中双糖)とは?砂糖との違いは?種類や代用など紹介
ざらめというとどんな砂糖を思い浮かべますか?ざらめは琥珀色の結晶化された砂糖で、ざらめ煎餅や縁日で食べる綿あめの材料をイメージする人も多いのではないでしょうか?実は一般に「ざらめ」と呼んでいるあの砂糖は、砂糖の種類のなかでも「中双糖(ちゅうざらとう)」のことをさしています。今回の記事では中双糖、すなわち「ざらめ」の特徴や製法、一般的な上白糖との違いについてまとめています。また、ざらめを他の種類の砂糖の代用にできるかどうかについても調べていますのでチェックしてみましょう。
ざらめ(中双糖)とは?
ざらめというとどんなイメージがありますか?粒のような結晶化された茶色い砂糖を思い出す人が多いのではないでしょうか?あるいはざらめ煎餅にまぶしてある硬い食感の砂糖や、綿菓子の材料の砂糖という印象を持っている人もいるかもしれません。
ざらめは普通の種類の砂糖と比べ、どんなところが違うのでしょうか?今回はざらめについて一般的な砂糖との製法の違いや、特徴について調べてみました。上手に使えば料理がワンランクアップするざらめの使い方をチェックしてみましょう。
ざらめと砂糖の違い
そもそもざらめとはどんな種類の砂糖なのでしょうか?一般的な砂糖とは、材料や製法などに違いはあるのでしょうか?ここでは一般的な砂糖を上白糖として、ざらめとの材料・製法などの違いや、味や使い方の違いについて解説していきます。
原料の違い
ざらめと上白糖では原料は異なるのでしょうか?この点を解明するために、まずは流通している砂糖の原料について解説していきます。
現在私たちが手に入る砂糖の原料には大きくわけて、2通りしかありません。ひとつは「サトウキビ」から作られる砂糖の種類と、もう一つは原料を「てんさい」として作られる砂糖の種類です。
砂糖には上白糖のほかにも、三温糖、黒糖、グラニュー糖、ざらめ糖などさまざまな種類がありますが、そのどれもが「さとうきび」または「てんさい」からできているものです。ざらめはその製法においてカラメルを添加するため、この点では原料が上白糖とは異なりますが、基本的な材料は上白糖と変わらないと言えます。
製法の違い
ざらめと上白糖ではどんな製法の違いがみられるのでしょうか?製法の違いについて知るために、ここでもまずは一般的な上白糖の作り方について解説します。
砂糖の製法は収穫したサトウキビを絞り、絞り汁を煮詰めるところから始まります。絞り汁から不純物が取り除かれ原料糖ができあがると、さらに不純物を取り除かれ、遠心分離機にかけられます。
遠心分離機では結晶や糖蜜が分けられ、粗糖の糖度を上げていく作業がされます。こうして糖度を上げ精製されて作られるのが上白糖です。
そしてざらめは上白糖やグラニュー糖を精製する過程で残った糖液をさらに煮詰めて結晶化させ作られています。糖液としての加熱される時間が長く、また表面にカラメルを吹き付けられているため、ざらめは琥珀色をしているというわけです。
形状の違い
ざらめというと金平糖を小さくしたような大きな粒を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?ざらめと上白糖ではその形状に大きな違いがあります。
上白糖は細かい粒子に、しっとりとした触り心地が特徴です。ざらめは粒が大きく乾燥しおり、結晶化されているのが特徴です。また、透明な琥珀色をしているのも上白糖と比べたときの外観上の大きな違いでしょう。
味・糖度の違い
ざらめと上白糖では、味や糖度に違いがあるのでしょうか?ざらめと上白糖の製造方法について説明した際にも述べましたが、どちらも途中までは同じ製法であり、砂糖の分類でもざらめと上白糖は同じ「分蜜糖」です。
そのため糖度はほぼ同じであり、この点では上白糖を使う代わりにざらめを用いるなど、お互いに代用がきく種類です。
一方で、ざらめと上白糖ではその味や風味に少々違いがあります。上白糖はクセがない味であるのに対し、ざらめは独特の風味があります。ざらめの独特の風味は製造過程でカラメルを添加することで生まれ、料理に使うことでコクやまろやかさが加わります。
使い方の違い
上白糖とざらめは原料および、糖度も同じことからお互いに代用が可能な砂糖です。それでもやはりそれぞれの特徴を生かした使い方があるのも事実です。
たとえば、昔ながらのざらめ煎餅は煎餅の表面にざらめをまぶすことで作ります。煎餅の塩気に、ざらめのまろやかな甘みが相性がよく、またざらめのやや硬い結晶の食感がアクセントになり煎餅のおいしさを引き立てます。
また、ざらめは一般に醤油を使った煮物と相性が良いと言われています。おでんや和風の煮物などを作る際に上白糖のかわりにざらめを使えば、上品でまろやかな風味に仕上げることができます。
一方で、ざらめより上白糖を使うほうが良いケースは、コーヒーに入れる時など溶けやすさが気になる場合です。ざらめはその形状から溶けにくい性質があります。さっと溶ける必要がある飲料に使う時などは、上白糖やグラニュー糖など粒が細かいものがおすすめです。
ざらめ(中双糖)の種類と特徴
私たちが普段「ざらめ」と聞いて思い出すのは、琥珀色をした大きな結晶の砂糖ですが、これは正式な名称をざらめ糖の分類のなかでも「中双糖(ちゅうざらとう)」と呼ばれるものです。
それでは「ざらめ糖」という砂糖の分類には中双糖の他にどんな種類の砂糖があるのでしょうか?実は日常によく使われているグラニュー糖も、このざらめ糖の分類に入ります。本項ではざらめ(中双糖)と同じ種類の砂糖について解説しています。
白双糖の特徴
ざらめ糖の分類のなかで、中双糖(ちゅうざらとう)と似ている形状をもつのが「白双糖(しろざらとう)」です。ざらめと同じように大きめの結晶が特徴的で、粒のサイズは1mmから3mmくらいの大きさです。
中双糖(ざらめ)が透明の琥珀色であるのに対し、白双糖は無色透明です。匂いも少なく、甘みは淡白なのが特徴です。
砂糖の純度が極めて高く、砂糖の数ある種類のなかでは比較的高級な調味料として扱われています。繊細なお菓子やリキュールなどに使われています。
また、ざらめと言うと綿菓子に使われている印象を持つ人もいるのではないでしょうか?実は綿菓子に使われているざらめは琥珀色のざらめ(中双糖)ではなく、この白双糖です。白双糖は中双糖のように粘度が低いため、扱いやすいことがその理由です。
中双糖の特徴
次にざらめ糖の一種、中双糖(ちゅうざらとう)の特徴について説明しましょう。中双糖は基本的に白双糖と同じ製造方法で作られますが、精製の途中でカラメルを混入したり、仕上げにカラメルを吹き付けることで結晶がやや茶色に変化します。
白双糖と中双糖の糖度はあまり変わりませんが、風味が若干異なります。中双糖はカラメルを吹き付けている分、ややコクがあり、まろやかな味がするのが特徴です。中双糖は醤油と相性が良いと言われ、煮物や佃煮などを作る際に重宝されています。
また、中双糖の結晶の粒は1mmから3mm程度で、一般的な上白糖に比べ大きいのが特徴です。粒が大きいためコーヒーなどの飲料に入れれば溶けにくく、ゆっくりと甘みを味わうことができます。
グラニュー糖の特徴
コーヒーなどに入れるグラニュー糖もまた、砂糖の分類上はざらめ(中双糖)と同じざらめ糖の仲間です。ざらめ糖のなかではもっとも粒子が細かく、サラサラとしていて甘さの調整がしやすく、クセがない味わいが特徴です。
スティックシュガーとして販売されているのもこのグラニュー糖であり、グラニュー糖を固めたものは角砂糖として売られています。日本で砂糖というと上白糖を指しますが、アメリカやヨーロッパで砂糖と言うと通常、グラニュー糖を指し、世界でもっとも使用量の多い砂糖の種類です。
また、上白糖や三温糖、中双糖など、精製された砂糖はおおむねカロリーが同じですが、グラニュー糖は糖類のなかではもっとも高いことで知られています。グラニュー糖のカロリーは100gあたり387kcalです。
ざらめの代用とおすすめの用途
本項ではざらめの使い方についてさらに詳しく紹介しています。他の種類の砂糖との代用について、またおすすめの用途について提案していますのでチェックしてみましょう。
ざらめは製造する過程でカラメルを混入、及び表面に吹き付けて作ります。このため一般的な上白糖に比べ、その分コクが生まれまろやかな味わいを持つのが特徴です。ざらめの特徴を生かしながら料理に活用してはいかがでしょうか?
ざらめ糖と中双糖は代用できる
まずはざらめの代用について解説しましょう。ざらめは他の砂糖の代用として使えるのでしょうか?すでに別の項で紹介したとおり、私たちが一般的に指すざらめとは「中双糖」のことですが、中双糖は砂糖の種類のなかでも「ざらめ糖」の一種です。
そのため、レシピに「ざらめ糖」と書いてあるものは、中双糖(ざらめ)で代用することが可能です。ただし中双糖で代用する場合、カラメルが添加されているためその分の風味が足されることがあります。料理によってはコクと風味が加わり美味しくなりますが、素材の味を生かしたい場合などは代用する際に注意が必要です。
同様に上白糖を使う代用として中双糖(ざらめ)を使うのも可能です。特にざらめは煮物料理との相性が良いので、普段上白糖を使って煮物を作っている人には是非一度ざらめで代用してみるのをおすすめします。普段の煮物よりも奥深い味わいに仕上がり驚くことでしょう。
煮物料理
ざらめを料理に使う際にもっとも相性が良いのは、和風の煮物料理です。ざらめを煮物料理に使うと、まろやかな甘みとコクが加わります。レシピで指定されている砂糖の分量と同じ分量のざらめを使うだけですから、代用の方法も簡単です。根菜の和風煮物や、角煮など醤油を使った煮物料理にざらめを試してみてはいかがでしょうか?
おでん
寒い冬に食べたくなるおでん、調味料を揃えて下ごしらえをしたら材料をコトコト煮込むだけで美味しく仕上がる簡単レシピです。いつものおでんを格上げしたい時に、砂糖の代わりにざらめを使ってみるのはいかがでしょうか?
ざらめ入りのおでんはじんわりと深い甘みが具に染みわたり絶品です。おでんの有名店でも仕込みのときにざらめを使うほどで、その効果はお墨付きです。
奈良漬け・福神漬け
奈良漬けや福神漬けは、お茶請けやおかずのアクセントにおいしい漬物ですが、ざらめを使えば家庭でも作ることができます。
奈良漬けの場合は、酒粕と白ウリ、粗塩とざらめを使って漬け込みます。ざらめのカラメル成分がまろやかな風味とコクを生み、美味しい奈良漬けづくりに一役かいます。
ざらめと砂糖のカロリー・栄養の違い
ざらめ(中双糖)と一般的な白砂糖ではカロリーや栄養の違いがあるのでしょうか?ここでは一般的な白砂糖の種類を上白糖として、ざらめ(中双糖)と比較し、カロリー・栄養の違いについて解説しています。
カロリーの違い
結晶が細かくしっとりしている上白糖と、結晶の粒が大きく独特の風味とコクがあるざらめ(中双糖)ではどちらがカロリーが高いのでしょうか?
上白糖のカロリーは100gあたり384kcalであるのに対し、ざらめ(中双糖)のカロリーは100gあたり386kcalと、やや中双糖のほうが高いですがあまり変わりはありません。なお、中双糖と同じ「ざらめ糖」の種類であるグラニュー糖では100gあたり387kcalです。
GI値の違い
では次に、ざらめ(中双糖)と上白糖のGI値の違いについて見てみましょう。GI値は食品ごとの血糖値の上昇度合いを値にしたもので、グリセミック指数とも呼ばれています。GI値が大きいほど食後の血糖値が急激にあがりやすいため、糖尿病の発症リスクを抑えることができるなど健康上のメリットのため、近年低GI食品が注目されています。
実はざらめ(中双糖)やグラニュー糖などのざらめ糖の種類であっても、それに三温糖など色がついた砂糖であっても上白糖と同じ精製された砂糖であるため、GI値はあまり変わりないことが分かっています。上白糖のGI値は109です。低GIの砂糖が必要な場合は、精製されていない砂糖の種類、例えば黒砂糖やてんさい糖などをチョイスしましょう。
ミネラルの違い
黒砂糖やてんさい糖など、精製されていない砂糖の種類には、不純物を除く製法で作られる上白糖と違いミネラルが豊富に含まれています。
ざらめ(中双糖)は上白糖と同じく精製の過程がありますが、上白糖よりも少しミネラルが含まれていると言われています。
ざらめは砂糖の一種だった
琥珀色の結晶が美しい「ざらめ」は、一般的な上白糖に比べ結晶が大きく、独特の豊かな風味が特徴の砂糖の種類です。
今回はよく知られてる「ざらめ」、すなわち中双糖の特徴や製法について他の種類の砂糖と比較しながらその違いをまとめてみました。煮込み料理に入れるとコクが増しより美味しくなるざらめを料理に活用してみてはいかがでしょうか?