トマトの旬の時期はいつ?最も美味しい季節は夏ではなかった!

夏野菜といえば、トマト。というほど夏野菜の代表的な野菜であるトマトですが、トマトの旬の季節は本当に夏なのでしょうか。一番美味しい時期はいつなのでしょうか。今回は、そんなトマトの旬の季節がいつなのか、について調べてみます。種類や歴史などの基本的なトマトの話、旬のトマトの気になる栄養や効能を解説します。さらに、ベストな旬の時期の美味しいトマトのおすすめレシピも紹介します。

トマトの旬の時期はいつ?最も美味しい季節は夏ではなかった!のイメージ

目次

  1. 1トマトとは?
  2. 2トマトの歴史
  3. 3トマトの嬉しい成分
  4. 4旬の捉え方の多様化
  5. 5トマトの旬は夏!?
  6. 6トマトの旬は春!?
  7. 7おいしさ長持ち、旬のトマトの保存方法
  8. 8旬のトマトを楽しむレシピ:グリルやマリネに!
  9. 9旬のトマトを楽しむレシピ:スムージーとソースに!
  10. 10旬のトマトを食べましょう!

トマトとは?

トマトは、古くからヨーロッパでは健康維持に役立つ野菜として親しまれ、「トマトが赤くなる季節になると医者が青くなる」と言われるほど栄養価の高い野菜。トマト(tomato)という呼び名は、ナワトル語で「膨らむ果実」という意味を持つトマトル(tomatl)が語源であるという説があります。イタリアでは「ポモドーロ(黄金のりんご)」、イギリスやフランスでは「愛のりんご」、ドイツでは「天使のりんご」という愛称があります。

トマト:種類・特徴

トマトは植物分類上、ナス科ナス属に分類される茄子(なす)の近縁種です。トマトの品種は世界全体で8,000種以上、日本だけでも100~150品種が登録されています。色は大きく分けるとレッド系・ピンク系・グリーン系。最近は品種改良が進み、黄色系や黒系のトマトも登場してきています。

欧米ではレッド系が主流です。レッド系のトマトは肉質が緻密で果汁が多く香りが強いことが特徴。果皮が固めで完熟になっても型崩れしにくく、トマト本来の濃厚な味わいを楽しめます。現在、日本では主にケチャップや加工用として使用されていて、イタリア南部で栽培される「サン・マルツァーノ」や「ローマ」などはホールトマト缶として多く日本に輸入され、普及しています。

日本ではピンク系トマトが主流です。ピンク系は、皮が薄く果肉が柔らかく、中が淡い色をしていて甘味が強くくせが少ないことが特徴で、多くの日本人に好まれています。最近スーパーで見かけるファーストトマトや桃太郎などの品種はピンク系に含まれ、生食に適しているトマトです。

トマトの実の大きさは、大きく分けて大玉・中玉(ミディ)・ミニの3つに分類されます。大玉トマトは150g以上のもので大きく身がずっしりつまっています。中玉トマトは、ミディトマトとも呼ばれ、大玉トマトとミニトマトをかけ合わせていくことで生み出され、重さは40g~150g前後。ミニトマト、は40g以下のものを指し、マイクロトマトと呼ばれる2gほどのミニトマトもあります。

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トマトの歴史

トマトは、南アメリカのアンデス山脈高原地帯が原産とされる緑黄色野菜で、10世紀頃にメキシコに伝えられ栽培されるようになり、16世紀前半にじゃがいもなどと一緒にヨーロッパに伝わります。当時のヨーロッパでは、トマトは猛毒のベラドンナに似ていたため「赤い実には毒がある」と考えられていたため、鑑賞用として用いられます。食用として使われるようになったのはいつからかと言うと、18世紀になってからです。

トマト(tomato)の語源は、メキシコ先住民のナワトル語で「膨らむ果実」を意味するtomatl(トマトル)に由来するといわれています。

日本のトマトの歴史

日本にトマトが伝わったのがいつかというと、17世紀頃の江戸時代。ヨーロッパと同じように鑑賞用として広まります。当時は「蕃茄(ばんか)」「唐柿(からがき)」「小金瓜(こがうり)」などと呼ばれていたようです。色や形、どこから伝わったかによって漢字が変わっています。

日本で食用として浸透し始める時期は、明治に入ってからです。文明開化とともに洋食の文化が日本に根付き始めたことがきっかけですが、本格的に国内に流通するようになるのは20世紀になってからです。日本人の好むトマトがアメリカから導入されたためといわれています。

今や「好きな野菜は?」というアンケートの上位に常にランクインするトマト。日本国内のトマトの生産は、県別で熊本県が1位。北海道、茨木県と続きます。熊本では温暖な気候とハウス栽培を利用した生産がさかんで生産量は10万トンにも上ります。

トマトの嬉しい成分

トマトには栄養・効能がいっぱい

トマトには「リコピン」が豊富に含まれています。トマトの8~9割を占めるともいわれています。「リコピン」は、動植物に含まれる赤や黄色の色素であるカロテノイドの1つ。カロテノイドには他にも「βカロテン」が知られています。βカロテンはほうれんそうや人参、最近注目の食材パクチーにも多く含まれています。

近年、これらのカロテノイドには強い抗酸化作用があることが認められていて、特にリコピンはカロテノイドの中でも強い抗酸化作用があると知られてきています。

リコピンパワーがすごい!

私たちの体の細胞が酸化されることによって引き起こされるのが、がんや動脈硬化などの生活習慣病です。リコピンの持つ抗酸化作用は、私たちの細胞の酸化を抑制してくれるとして注目されています。リコピンの持つ抗酸化作用は、βカロテンの2倍、ビタミンEの100倍ともいわれています。

リコピンの強い抗酸化作用は、シミやシワの予防などの肌ケアにも効果が期待されています。また、リコピンには身体に脂肪が蓄積することを防ぐ効果もあるといわれ、ダイエット効果もあるようです。

ビタミンCなどの栄養も豊富

トマトには、リコピンの他にもビタミンC、カリウム、ルチンなどの栄養成分がたっぷり詰まっています。ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、カリウムは余分な塩分を排出して血圧を下げる作用があります。また、トマトの酸味のもとになっているクエン酸には、食欲を増進させ、疲労物質である乳酸の代謝を促進する働きが知られています。

さらに、トマトにはうまみ成分である「グルタミン酸」が含まれています。グルタミン酸とは、アミノ酸の一種で、肉や魚介に多く含まれるイノシン酸と相性がよいとされ、肉や魚介の旨みをさらにひき出す効果があるといわれています。
 

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旬の捉え方の多様化

旬ってなに?

“旬”とはいつのことを指すのでしょうか。日本には四季があり、季節ごとに食べごろを迎える食材があります。この「食べごろ」の時期のことを“旬”と呼びます。食材によって旬の季節がいつかは異なりますが、旬の食材は新鮮で栄養価が高く、味がよいことはもちろん、たくさん出回っているので安価で手に入りやすい時期です。加えて、その季節に起こりやすい体の不調をカバーする効能が期待される成分が多く含まれています。

旬の捉え方が変わってきている?!?

最近は、ハウス栽培や品種改良の技術、輸送や冷蔵・冷凍技術の進歩によって季節を問わず一年を通して簡単に手に入る食材も増えているため、“旬”の時期を意識しない人も増えているようです。それにともない「食材の旬」の季節に対する考え方も様々になってきています。

例えば、イチゴの本来の旬といわれている時期は、4月~5月。しかし出荷量では12月~1月の時期がピークで、そういう意味ではイチゴの旬は冬と捉えてもおかしくありません。出荷量、食材の味など何を基準にするかによって旬の季節の捉え方が変わってくるのです。

トマトの旬は夏!?

トマトの旬の季節は夏のイメージですが

「夏野菜といえばトマト!」とすぐに名前があがるほどトマトは代表的な夏野菜です。他にも夏野菜にはキュウリ、ナス、オクラ、ピーマンなどがあります。「枝にぶらさがっていて、種まで食べられるもの」が夏野菜の特徴。夏の時期になると暑さで体に熱がこもったり、疲れがとれにくく食欲が落ちたりします。夏野菜は、この夏バテを解消する栄養や効能を持っています。

例えば、キュウリは利尿作用のあるカリウムを豊富に含み、尿とともに体にこもった熱を排出する効果が期待され、ナスは抗酸化ポリフェノールを含み血液をサラサラにするといわれています。また、ピーマンは抗酸化作用の強いカロテンやビタミンCを多く含み、オクラはビタミンB1・B2、ビタミンC・E、鉄分を含み非常に栄養価の高い夏の季節野菜として知られています。

トマトの量の旬は夏!

現在では季節の区別なく一年中収穫されているトマトは「夏が旬の時期」というのが一般的です。それはトマトの出荷量が多いため。あくまで「量の旬」ということになります。夏のトマトは実は生育が早く、糖度が上がるまえに収穫するため、比較的みずみずしく味が薄いという特徴があります。水気が多いので、熱い夏の時期に合うトマトであるといえます。

トマトの旬は春!?

トマトが本当に美味しい旬の季節は春!?

実はトマトは、冷涼で強い日差しを好み、あまり暑さに強い野菜ではありません。この性質から考えると、夏の野菜とは言えません。トマトの旬が夏とされたのはいつなのか。それは、日本で栽培が始まったころといわれています。当時はハウス栽培など設備が不十分で、「春に種まきしたものは、夏に実がなる」ということで「トマトの旬=夏」という考えが一般化したようです。

春のトマトが美味しい理由

では、本当の旬はいつなのでしょうか。トマトは生育の最低温度が高めで冬の間はハウス栽培のみとなります。3月頃になるとハウス栽培はトマトにとって好条件が整ってきます。それは、トマトが南米の高原地帯が原産であることに関係します。トマトが好む昼夜の寒暖差があって乾燥している気候条件を3月のハウス栽培が作りだすことができます。

加えて、この時季のトマトは春の穏やかな日差しを浴びながらゆっくりと生長します。トマトが美味しくなるためには日光が必要で、日差しは強いけれど気温はそれほど高くない春のハウス栽培で育ったトマトが、味の面から考えると“旬”ということになります。そのため、春~初夏が一番トマトのおいしい時期といえるのです。

おいしさ長持ち、旬のトマトの保存方法

冷凍保存で無駄なく保存!

美味しい旬の時期にたくさん購入しても、家庭栽培で収穫したトマトも全部食食べることができず無駄にしてしまうことがしばしば。常温保存では2~3日、冷蔵保存では1~2週間と言われているトマトの保存期間ですが、冷凍すると2ヶ月と飛躍的に保存期間をのばすことができます。

冷凍トマトは栄養価が高い!?

では、いつのタイミングで冷凍するとよいのでしょうか。収穫直後に冷凍保存すると、獲れたての栄養を失うことなく保存できるので、常温保存のものよりもビタミン類や抗酸化物質を多く摂取することができるようです。

トマトの冷凍保存の手順

トマトの冷凍はシンプルで簡単です。まずトマトをきれいに洗い、水気をよく拭きます。ヘタは取り除いておいたほうが、後の調理が楽になります。次にトマトを切らずに丸ごとジッパー付きのストックバックに入れて、空気を抜いて密封します。そして冷凍庫に入れるだけです。使う際は、いつもそのまま使用するとよいようです。

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旬のトマトを楽しむレシピ:グリルやマリネに!

トマトの栄養を吸収し美味しく食べるためには、①油と一緒に食べる②加熱する③イノシン酸豊富な食材と一緒に食べる④レモンや酢を加えることが大切だといわれています。トマトの主要成分であるリコピンは油に溶けやすい性質があるので、油と一緒に食べることで吸収されやすくなります。また加熱するとリコピンをさらに摂取しやすくなる効果が期待できます。

トマトの抗疲労効果を高めるためには、クエン酸や酢酸を含むレモンや酢と一緒に摂取するとよいといわれています。体内で糖分がエネルギーに変わる「クエン酸回路」を活性化させることができるからです。さらに、トマトのうまみ成分「グルタミン酸」の効果を高めるためには、他のうまみ成分であるイノシン酸やグアニル酸と一緒に摂取するのも効果的。イノシン酸はカツオ節、グアニル酸はキノコ類に豊富に含まれるとされます。

フレッシュマリネ

トマトのマリネは簡単に作れ、作りおきできるので、いつでも常備のおかずにすることができます。レモンやはちみつを加えることで体をリフレッシュしてくれる効果も期待できます。また、鰆などの春に美味しい魚と合わせると旬の美味しいさを味わうことができるので、おすすめです。

トマトのカプレーゼ

カプレーゼとは、「カプリ島のサラダ」という意味。基本的にはトマト、モッツアレラ、バジル、オリーブオイル、塩こしょうを使ったシンプルなサラダです。トマトに豊富に含まれている「リコピン」は油に溶けやすい性質を持っているので、オリーブオイルと一緒に食べるカプレーゼはリコピンの吸収に非常に効果的です。

中国ではポピュラーなトマトスープ

中国のスープでよく見かけるのが、とろみのついた片栗粉の入ったもの。とろみをつけることで、スープを飲む時に飲みやすくなり、保温効果が期待できるようです。中華スープにはたくさんの種類がありますが、その中でも人気があるのが、トマトと卵のスープ。基本はシンプルな中華味ですが、トマトの甘味と酸味が卵との相性抜群です。春先の少し肌寒い時期におすすめのレシピです。

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旬のトマトを楽しむレシピ:スムージーとソースに!

トマトスムージーで美肌に!

美肌効果を高めるためにトマトと牛乳を合わせたレッドスムージーが人気。スムージーは食材が細かく刻まれているため、栄養の吸収がよく内臓に負担をかけないといわれています。さらに、リコピンは牛乳と合わせて摂取することで吸収率が高まります。いつもの朝食にプラスしてはいかがでしょうか。

保存できる絶品トマトソース

鍋もフライパンも不要で使うのはボールのみ。材料をレンジでチンして、混ぜるだけで作れる楽々トマトソースです。パスタにかければ簡単にトマトパスタを作ることができます。オムレツにかけたり、リゾットに使ったりと色々なアレンジにいつでも使うことができます。

旬のトマトを食べましょう!

食材の旬についての考え方も時代とともに多様化しています。夏が旬と思われているトマトですが、トマトの本来の栄養を味わうことができる春から初夏にかけて、トマトを毎日の食卓に活躍させましょう。

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