妊婦が牡蠣を食べるのは大丈夫?食べ方の注意点や食べることのメリットは?

妊婦は牡蠣を食べても大丈夫なのかについて解説してます。妊娠中は生牡蠣を食べるのはだめなのか、焼きなど加熱したものならいいのか、などについても調査しました。妊婦が牡蠣を食べる際のメリット・デメリットについてもあわせて紹介します。

妊婦が牡蠣を食べるのは大丈夫?食べ方の注意点や食べることのメリットは?のイメージ

目次

  1. 1妊婦は牡蠣を食べても大丈夫なのか詳しく解説!
  2. 2妊婦が牡蠣を食べることのメリット
  3. 3妊婦は牡蠣を食べない方が良い?生食は危険?
  4. 4妊婦におすすめの牡蠣の食べ方
  5. 5妊婦が牡蠣を食べるポイント
  6. 6妊婦の牡蠣の食べ方まとめ

妊婦は牡蠣を食べても大丈夫なのか詳しく解説!

お腹を抱えた妊婦

妊婦は牡蠣を食べないほうがいい、と古来言われてきました。それは本当なのでしょうか?医学が発達している現代、本当に妊婦にとって害となるのか?なぜ食べないほうがいいといわれてきたのか?などが判明しています。

牡蠣を妊婦が食べないほうがいいといわれていたのは、当時の食糧事情や流通事情が関係しています。本来、牡蠣は栄養豊富なので妊娠中に必要とされる栄養素がたっぷり詰まっています。

しかし昔は、流通事情の悪さなどが関係し新鮮な牡蠣を食べられない、汚染された海で育った牡蠣で食中毒などが発生。これらが妊婦は食べないほうがいい、といわれる所以となっているようです。記事では、妊婦は牡蠣を食べていいのか?をはじめ、栄養素・食べる際の注意点にいたるまでを説明していきます。

妊婦が牡蠣を食べることのメリット

海のミルクと呼ばれるほど、栄養が豊富な牡蠣。結論からいうと、妊娠中でも牡蠣を食べても問題ありません。ただし、妊婦は非妊娠中とは違って、体調の変化などがあります。そのため、食べ方や量などを考えなければいけません。まずは、妊婦が栄養豊富な牡蠣を食べることのメリットについて知っていきましょう。

妊婦が牡蠣を食べるメリット①鉄分

牡蠣には鉄分が豊富に含まれており、貧血予防に効果

妊婦の4分の1ほどの人は鉄分が足りなくなり、貧血症状が出るといわれています。もともと女性は鉄分が不足しがちですが、妊娠中、特に中期から後期にかけて赤ちゃんの成長に欠かせません。そのため、妊婦は多くの鉄分を摂取することが必要とされています。

15週目以降の妊婦に必要とされる鉄分は、1日に21.0mg。牡蠣100gあたりに含まれている鉄分は1.9mgです。これは鉄分が多いとされるウナギの約2倍の量。鉄分は野菜類にも含まれていますが、動物性食品のほうが吸収がいいとされているので、牡蠣が持つ鉄分は妊婦にとって有効です。

妊婦が牡蠣を食べるメリット②タウリン

蠣にはタウリンが多く含まれています。

牡蠣には、滋養強壮や肝機能を高めるといわれるタウリンも豊富に含まれています。タウリンに期待できる効果は、これだけではありません。妊婦にみられる妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、といった症状の改善に役立つ効果が期待できます。タウリンを摂取すると、血糖値や血圧の上昇を抑えてくれるためです。

また、妊婦の悩みでもある、むくみの予防や改善にも役立つとされています。タウリンは成人の場合、1日500mgの摂取が推奨されていて、妊婦の場合はその1.8倍とされる900mgが推奨値です。一般的な牡蠣の場合、3個食べると1000mgのタウリンが摂取できるとされています。

妊婦が牡蠣を食べるメリット③亜鉛

セックスミネラルと呼ばれる亜鉛もたっぷりです。

妊婦に必要な1日あたりの亜鉛量は11mgです。牡蠣は、100gあたり13.2mgも亜鉛を含んでいるとされています。これは一般的な牡蠣の大きさなら、2個~3個分に相当。妊娠中に亜鉛を摂取することで、低体重・低身長の赤ちゃんになるリスクを軽減できます。

もともと、亜鉛は成人女性が十分に摂取できていない栄養素のひとつ。妊娠中は胎児の成長を考える上で、必須です。

妊婦が牡蠣を食べるメリット④葉酸

魚介類の中で葉酸の量はトップクラス

葉酸は、特に妊娠初期に必要とされる重要な栄養素です。葉酸は脳や脊髄の基になる神経管などの形成に必要となる栄養素。そのため、不足すると先天異常の可能性が高くなるといわれています。牡蠣100gには40㎍含まれています。これは1日あたり妊婦に必要とされる400μgの1/10に相当、魚介類の中ではトップクラスで多く含まれている栄養素。

成人女性は、普通の食事で不足することはあまりありませんが、妊娠中は、胎児が葉酸を多く必要とします。胎児のすこやかな成長のためにも欠かせません。

妊婦は牡蠣を食べない方が良い?生食は危険?

続いては、牡蠣の食べ方について説明していきましょう。牡蠣といえば生食が美味しいのですが、妊婦にとってデメリットとなることも多いことがわかりました。なぜ生を避けたほうがいいのか?その理由について説明していきます。

牡蠣は栄養豊富だが妊娠中は避けた方が無難

妊婦に必要な栄養素が豊富に含まれている牡蠣ですが、妊娠中は避けたほうが無難です。牡蠣は生で食べることが多いことと、妊娠中は免疫力が低下しているので、食中毒になりやすいことが理由としてあげられます。そのため、生食は避け、加熱したほうが無難なのです。ここでは妊娠中に牡蠣を食べるリスクについて説明していきます。

妊婦が牡蠣を食べる時の注意点①ノロウィルスの潜伏期間

牡蠣でもっとも注意しなければいけないのが、ノロウィルスです。牡蠣を食べてあたったというケースはノロウィルスによるものが多く、これは高い濃度で、ノロウィルスを蓄積していていることが多ためといわれています。

免疫力やウイルスなどへの抵抗力が落ちている妊娠中だと、どうしても感染する可能性が高く、重症化の可能性が。ノロウィルスは感染後、24時間~48時間で症状が出るといわれています。

妊婦が牡蠣を食べる時の注意点②食中毒の主な症状

牡蠣の生食でもっとも大きなリスクは、食中毒です。食中毒がノロウィルスによるものと、腸炎ビブリオによるものに分けられます。ノロウィルスによる食中毒は激しい嘔吐や下痢・腹痛が症状として見られ、腸炎ビブリオの場合、頻繁な下痢や嘔吐、耐えられないような腹痛が主な症状です。

ノロウィルスは1月~2月のマガキの旬に多く、腸炎ビブリオは夏に旬を迎える岩ガキの時期に多く見られ、生で食べるとあたったりします。

妊婦が牡蠣を食べる時の注意点③生食は厳禁

ノロウィルスは、牡蠣を生食することで感染の可能性が高くなってしまいます。85度以上の熱で1分以上加熱することで、ノロウィルスは死滅するので、できるだけ加熱処理して食べるようにしましょう。基本的に、食中毒を起こさない牡蠣は無いという意識を持つことが必要です。

これは牡蠣が二枚貝であるため避けられません。二枚貝は、主に海中のプランクトンを海水ごと食す特性があり、このとき海中のウィルスも取り込んでしまいます。このウィルスが貝の体内で濃縮されてしまうという訳です。また、冬場はウィルスの排出が悪いとされています。

妊婦が牡蠣を食べる時の注意点④赤ちゃんへの影響

牡蠣を生食し食中毒などになった場合、胎児の成長に対する直接的な影響は無いとされていますが、激しい下痢で至急が収縮し流産する危険性を含んでいます。また、感染症による咳でお腹が張ることや、中には破水するケースも。さらに早産の可能性も含まれています。

ノロウィルスに感染しても特効薬は無いため、ウィルスが体外排出されるのを待つしかありません。免疫力が落ちている妊娠中の生食には十分な注意が必要です。

妊婦におすすめの牡蠣の食べ方

妊婦にとって生牡蠣は、避けたほうがいい食べ方ということがわかりました。では、どんな調理法なら妊娠中の体に悪影響を及ぼさず、食べていいのでしょうか?ズバリ、妊婦におすすめなのは、焼いたりやフライにしたりするなど加熱処理をした食べ方です。

妊婦におすすめの食べ方①焼き牡蠣

生食だと妊婦へのリスクが高い牡蠣ですが、焼きにすることで、食中毒などのリスク軽減につながります。厚生労働省によると、ノロウィルスは、中心部を85度以上の熱で1分以上加熱することで対策可能とされています。

焼き牡蠣にする場合は、しっかりと焼き、中まで火が通っているかどうか確かめることが必要です。食べる前に半分に切って確認するなどしましょう。

妊婦におすすめの食べ方②カキフライ

焼き牡蠣に続いておすすめなのが、カキフライです。油で揚げることで、中心部までしっかり火が通りやすくなるので、ノロウィルス対策がしやすくなります。家で作る場合は、しっかり揚げましょう。

ただし、惣菜として販売しているものや、レストランで提供されるものには注意が必要です。牡蠣がもつ食感をいかすため、中心部までしっかり火を通していないものがあります。このタイプだとウィルスが残っている可能性があるので、できるだけ避けましょう。

妊婦におすすめの食べ方③蒸し牡蠣

蒸し牡蠣も焼きやフライと同じようにおすすめの調理法です。蒸し料理なら、全体的に火が通るのでノロウィルスのリスク軽減につながります。冬場なら酒蒸しなどもおすすめの食べ方。酒蒸しにする場合は、しっかりアルコール分を飛ばしましょう。

ただし、蒸し時間が短いと中心部まで火が通っていないことがあるので、しっかりと蒸す・食べる前に切って確認することが必要です。

妊婦におすすめの食べ方④煮る

煮物だと、比較的長い時間火通しするので、食中毒のリスクが軽減されます。牡蠣がおいしい冬なら鍋料理の材料として、そのほかアヒージョなど煮物として調理するのがおすすめです。ただし、低い温度で長時間煮てもノロウィスルは死滅しないので、注意してください。

妊婦が牡蠣を食べるポイント

牡蠣を食べるのは、レストランや自宅など、シチュエーションは様々です。どんなシーンにおいても、妊婦が牡蠣を食べる際、注意しておくべきことがあります。体に悪影響を与えないためにも、食べる際のポイントを、しっかり抑えておきましょう。

新鮮な牡蠣を選ぶのが大切

免疫力などが落ちている妊娠中は、牡蠣のみならず、ほかの食材も新鮮なものを選ぶようにしましょう。そのためには、直売所などで購入するのがおすすめです。牡蠣を購入する場合、産地の自治体が安全性に関する情報を公開しています。これらを参考にし、新鮮なものを購入してください。

信頼できる店で購入・食事する

新鮮な牡蠣を購入する場合、なんといっても必要なのは販売している店が信頼できるかということです。基本的に、スーパーをはじめ販売されている牡蠣は貝毒検査が行われています。産地の漁協の直売店などをはじめ、信頼できる魚店などで購入するようにすることが、リスク軽減になることを忘れないでください。

食事の場合も同じです。魚介類の扱いに長けている、信頼性の高いレストランであれば、食中毒の可能性は低くなります。また、牡蠣小屋や食べ放題の店などは、それだけを食べることになるので避けてください。妊娠中はあらゆる面で、注意が必要です。

調理後は早めに食べる

牡蠣を含め、魚介類は購入後は早めに調理して食べてください。時間が経てばたつほど、雑菌やウィルスが繁殖してしまう可能性があり、痛んでしまいます。新鮮なものを早く加熱し、早く食べることが、食中毒などを防ぐポイント。

食べ切れなかったものは、もったいないですが処分してください。特に食中毒が発生しやすい梅雨や夏場は気をつけましょう。

保冷剤などを活用して保存する

購入した牡蠣は、すぐに冷蔵庫で保存してください。ただし、冷蔵庫に入れているから大丈夫と思うのは危険が伴います。冷蔵庫にはて胎児に感染し、流産や早産及び死産の原因となるリステリア菌が繁殖していることもあります。

購入したら、痛まないよう保冷バッグに保冷財を入れて冷やして持って帰り、冷蔵庫に入れ早めに調理してください。

妊婦の牡蠣の食べ方まとめ

牡蠣を持ち上げているところ

牡蠣の生食は食中毒の可能性が高いので、避けたほうが無難ですが、焼きやフライなど加熱することで、妊婦には有益であることがわかりました。妊婦に必要な栄養が豊富な牡蠣なので、購入場所や正しい保存方法と調理法を知って、日々の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか?

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