白ワインの代用は他のお酒で務まる?料理酒は?代用したレシピ例も紹介
白ワインの代用品として料理酒や赤ワインは利用できるかについて調査し、代用レシピを試した人の口コミをまとめました。また、白ワインを料理の下ごしらえに利用する理由を分かりやすく解説します。白ワインの代用品を使った洋食レシピも紹介します。
白ワインは他のお酒で代用できる?
料理を作る際、レシピ本やインターネットのレシピサイトを参考にする人が多いです。洋食では料理酒として白ワインが使われることがありますが、材料を揃えるのが大変という理由でその料理を作るのを諦めてしまう人がいます。
しかし、レシピ通りに白ワインを使用しなくても、代用品を使うことでおいしい料理が完成します。白ワインを料理酒として使用する理由や、白ワインの代用として利用できる料理酒を具体的に解説します。
白ワインの料理での役割
肉を柔らかくする
料理酒に含まれるアルコールには、網目状になった肉の筋繊維タンパク質組織内に入り込み、水分含有量を保つ性質があります。そのため、肉を加熱しても水分が蒸発しにくく、柔らかい状態をキープできます。肉料理で赤ワインよりも白ワインの方がよく使われる理由は、白ワインの方が肉を硬くする成分が少ないためです。
赤ワインにはタンニンという成分が多く含まれています。タンニンを加熱すると複合形成という現象を起こし、肉の表面を硬くしてしまいます。これは肉汁が流れ出ることを防ぐ役割を果たしますが、肉の柔らかさは失われてしまいます。
白ワインはタンニンの含有量が少なく、加熱をしても肉の硬化が起こりにくいため、料理酒としてよく使用されます。酒類やアルコールが含まれている調味料であれば、肉を柔らかくするする効果があり、白ワインの代用となります。
臭みを消す
アルコールには加熱すると気化しやすい性質があります。このときアルコールと一緒に、トリメチルアミンという肉や魚介類の臭み成分も蒸発するため、臭み消しに料理酒が使用されます。酒類の中でも白ワインは特に臭み消しの効果が強いです。
その理由は、白ワインにはクエン酸が多く含まれているからです。白ワインに含まれるクエン酸は酸性で、肉や魚介類などのタンパク質は弱アルカリ性です。酸性の物質は、アルカリ性の物質と混ざると中和して中性に近い状態になろうとします。
白ワインに含まれるクエン酸と混ざることで肉や魚介類のタンパク質が中性になるため、アルカリ性物質が持つ独特のにおいを打ち消すことができます。臭み消しを目的とした場合、白ワインの代用品として利用できるものは酒類やアルコールを含んだ調味料が挙げられます。
ワインの風味を足す
料理酒として白ワインを使用することで、ワインのフルーティな味わいや香りを足すことができます。また、ワインに含まれる糖分により料理が自然な甘さになります。フルーティな香りを足す場合は、他の果実酒でも代用できます。
先述した通り、アルコール類は気化しやすいため、十分に加熱をすれば子供や妊婦でも白ワインを使用した料理を食べても問題ありません。
料理用と飲む用の白ワインの違い
飲む用の白ワインは、基本的に栓を開けてすぐに飲み切ることを想定して作られています。そのため、多くの人の口に合うように糖類を多く含んだ果実を使って白ワインが作られています。一方、料理酒用の白ワインは、開栓してから数ヶ月間保存することを想定して作られています。
白ワインに糖類が多く含まれていると傷みやすいため、料理酒用の白ワインは糖分少なめにして販売されています。糖分を少なくすることで、料理の味を邪魔しないというメリットも生まれます。飲む用の白ワインを料理酒として代用することは可能ですが、糖分の含有量が多いことを念頭において味付けをすると良いでしょう。
白ワインの代用になるもの
白ワインの代用品①スパークリングワイン
スパークリングワインとは、ワインに炭酸を加えた酒類です。炭酸は放置したり加熱をすることで抜けるため、スパークリングワインを白ワインの代用品として使用しても問題ありません。むしろ、スパークリングワインを代用品として利用すると炭酸の効果で肉や魚がより柔らかくなります。
炭酸には肉や魚介類の筋繊維タンパク質を壊す作用があります。繊維が壊れると加熱をしたときに肉が縮みにくくなるため、より柔らかい仕上がりになります。
口コミ
鷹の爪と白ワインがなかったので、七味唐辛子とスパークリングワインで代用した…まあ問題はない
— あどみらる (@P_ad_miral) May 11, 2018
魚介のワイン蒸しを作ろうとしたら途中で白ワインがないことに気付く、しょうがないからスパークリングワインを代用したのだけど何とかなるみたい。むしろこっちの方が美味しいかも??
— くまこ (@kumakopan) June 14, 2010
白ワインの代用品②赤ワイン
赤ワインとは、ぶどうの果汁、果皮、果肉、種子の混合物を発酵させた酒類です。白ワインはぶどうの果皮や果肉、種子を取り除き、果汁だけを発酵させた酒類です。赤ワインと白ワインは製法が違うため、色や風味の変化が起こります。しかし、同じアルコール類であるため、肉の臭みを消す効果や香りをつける効果は大きく違いません。
そのため、赤ワインを白ワインの代用品として使用することは可能です。しかし、赤ワインを料理に使用すると色がつくので、チーズフォンデュやホワイトソースなどの料理で代用品として使用することは避けましょう。
口コミ
調理用白ワインが無かったから適当にただの赤ワインで代用してトマトソース作ったけど美味しい。お菓子作りは粉砂糖と白砂糖間違えただけで爆発並みの失敗するってのに…
— ころもちゃん (@nicogasuki25) February 26, 2018
今日はベックオフっていう洋風肉じゃが作った🍴
— 海月未歩(miy*) (@miy_1205) December 29, 2018
レシピにないけど消費の為に大根としらたきとしめじ追加して、白ワイン無いから赤ワインで代用したけど普通に美味しく出来た🙌✨ pic.twitter.com/X6OhxNmSCI
白ワインの代用品③料理酒とレモン汁
魚介類を使う料理レシピに「白ワイン」とあったら、「料理酒」+「レモン汁」で代用しています。レモン汁の量は好みでオッケー!魚介の生臭さも取れます。
料理酒とは日本酒に塩などの添加物を加えた酒類です。料理酒は開栓後、保存することを想定して作られているため、殺菌効果のある塩を加えています。塩を加えてもアルコール成分はそのままのため、肉を柔らかくする効果や臭み消しの効果は白ワインと変わりません。そのため、日本酒は白ワインの代用品として使用することは可能です。
料理酒のみでも代用可能ですが、レモン汁を足すことで、白ワインのフルーティな風味を再現できます。レモン汁は筋繊維タンパク質を壊す効果があるため、料理酒に足すことで肉や魚がより柔らかくなります。
口コミ
ヒルナンデスでやってた引き算グラタンどちゃクソ簡単だったし美味~😍15分かからないでできた😍
— めそ (@oshirukocarupis) October 11, 2019
ワインも料理酒とレモン汁で代用したけど全然平気
またひとつ賢くなった pic.twitter.com/7xbdUeHfuG
料理酒+レモン汁 (1:5)で白ワイン
— た (@tatsu5312) May 9, 2015
白ワインの代用品④日本酒・焼酎
白ワインがない時は、日本酒を使っています。特に洋風のジャムや煮込みの場合は、あえて使っています。白ワインよりツンとした感じや苦味が少なくまろやかにできますよ。
日本酒と焼酎は米や芋などの穀物を発酵させた酒類のことです。白ワインのようにフルーティな香り付けはできませんが、アルコール度数が高いため肉を柔らかくする効果や臭み消しの効果は強いです。そのため、日本酒と焼酎は白ワインの代用品として利用できます。
日本酒や焼酎は、日本人に馴染み深い米や芋類といった食材を発酵させた酒であるため、白ワインよりもこれらを使う方が口に合うという人もいます。
口コミ
昭和40年代の家庭の洋食レシピだと、ワインよりシェリーとか、洋食でも日本酒で代用したりとかしてますよね。ブランデーの代わりに肉の下処理にウイスキー使うとか。
— TN (@lapin_1978) June 16, 2014
チキンクリーム煮を作ってる最中
— ふじー (@fujii119) December 25, 2018
ほんとは白ワインを入れたかったのだが
なかったので日本酒で代用。 pic.twitter.com/nBt3iU9a1i
白ワインの代用品⑤みりん
みりんとは米を発酵させた酒類の一種です。米が原料のため、口にするとほんのりと甘みがあり、和食では煮物や照り焼きで使用されることが多いです。知らないという人が多いですが、みりんはアルコール度数14%以上あり、他の酒類と同じように肉を柔らかくする効果や臭みを消す効果があります。
そのため、みりんは白ワインの代用品として使用可能です。しかし、みりん風調味料はアルコール度数が1%未満のため、白ワインの代用にはなりません。みりんを白ワインの代用品として利用する場合は、商品表示に「本みりん」と記載されたものを使用しましょう。
口コミ
OneDishでも、時々レシピに白ワイン、て出て来るけど。
— たまこ (@m0724j1118) December 15, 2018
ないことの方が多いじゃないですか。
そんな時は、味醂と酢で代用出来ます、て事をこっそり教えてあげたかったの!あなただけに!
で、味醂と酢を白ワインの代わりに使って作ったのがこちら。
たまの今夜のOneDish、ロール白菜。
召し上がれ💙 pic.twitter.com/ma0SGWJVHx
白ワインの代用品⑥ブランデー
ブランデーとは果実を発酵させて作った蒸留酒の総称です。ブランデーは香りが強く、料理酒として使用するには合う料理と合わない料理があります。しかし、白ワインの代用品として使用することができます。
ブランデーを白ワインの代用品として使用するときは、主に香り付けが目的であることが多いです。肉を焼いているフライパンにブランデーを少量回しかけ、フランベすることで肉に独特の風味付けを行います。香り付け目的の場合は、ウイスキーでも代用可能です。
口コミ
今日の夕飯完成(^_^)v
— Mr.M_Oryoji (@M_Oryoji) October 19, 2019
牛肉肩ロースのステーキと
ポタージュスープにして見た(^_-)-☆
久しぶりにブランデーでフランベしたヽ(^。^)ノ pic.twitter.com/VRyI0Ff8jP
今日は新鮮な広島牡蠣が入ったので、牡蠣のバターソースパスタにしました。
— アキラ ファーフロムホーム (@AKIRAIHO) February 16, 2015
白ワインが無かったのでウイスキーで代用。
付け合わせはトマトとアボカドのサラダでおしゃんてぃーな感じに。
ただ、盛り付けが下手なので残念感溢れる見た目に。美味し! pic.twitter.com/B8DYTGwM9I
使う量が少量であれば水でも大丈夫
肉の水分含有量を増やす目的で白ワインを使用する際は、水でも代用可能です。調理後、パサつきやすい鶏むね肉や鶏ささみは、下ごしらえとして白ワインに漬け込んでから焼いたり揚げたりします。
しかし、肉を水につけた後に小麦粉や片栗粉をまぶす工夫をすれば、水分の蒸発が抑えられるため、パサつきは軽減します。肉を柔らかくしたい場合は、肉の筋を切ったり水にレモン汁を足すと良いでしょう。
白ワインを代用したレシピ
白ワインの代用レシピ:ムール貝の酒蒸し
【材料】(4人分)
- ムール貝 500g
- 料理酒 100cc
- すりおろしニンニク 少々
- オリーブオイル 少々
- 塩 少々
【作り方】
- ムール貝を洗い、殻についた汚れを落とします。
- ムール貝の殻についた水気を軽く切ります。
- フライパンにオリーブオイルとすりおろしニンニクを入れ、弱火にかけます。
- オリーブオイルが温まりニンニクの香りが強くなってきたら、強火にして料理酒をフライパンに入れます。
- 料理酒が沸騰したら中火にし、ムール貝をフライパンに入れます。
- フライパンの蓋をし、5分蒸し焼きにします。
- ムール貝の殻が開いてきたら塩を振り、味を調えたら完成です。
フライパンを火にかける前にオリーブオイルとニンニクを入れることで、ニンニクの焦げ付きを防止します。レシピでは料理酒を白ワインの代用品として利用していますが、日本酒や焼酎、スパークリングワインでも代用可能です。
白ワインの代用レシピ:ナポリタン
【材料】(2人分)
- パスタ 200g
- ソーセージ 4本
- 玉ねぎ 1/2個
- ピーマン 2個
- マッシュルーム 100g
- ニンニク 2片
- ケチャップ 140g
- 料理酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- しょうゆ 大さじ1
- パスタの茹で汁 70ml
- オリーブオイル 適量
- 塩 適量
- 粉チーズ 適量
【作り方】
- ソーセージは斜め切り、玉ねぎはくし切り、ピーマンは種を取り除き細切り、マッシュルームは薄切り、ニンニクはみじん切りにします。
- フライパンを中火にかけ、オリーブオイルを入れます。
- オリーブオイルが温まったら、ウインナー、ニンニク、ピーマン、玉ねぎ、マッシュルームの順でフライパンに具材を入れ、その都度適度に炒めます。
- 鍋に湯を沸かし、塩を入れてパスタを表示時間通りに茹でます。
- 炒めた具材をフライパンの端に寄せ、空いたスペースにケチャップを入れます。
- フライパンの具材に料理酒、みりん、しょうゆ、パスタの茹で汁を回しかけます。
- ケチャップの水分と調味料の水分が適度に蒸発したら、具材とケチャップを混ぜ合わせます。
- パスタをフライパンに入れ、ソースと具材をよく絡めます。
- パスタを皿に盛り、粉チーズを適量かければ完成です。
具材をフライパンの端に寄せ、空いたスペースでケチャップのみを加熱することでケチャップに含まれたハーブの香りが引き立つようになります。レシピでは白ワインの代用品として料理酒を使用していますが、赤ワインやスパークリングワインでも代用可能です。
白ワインの代用レシピ:ローストビーフ
【材料】(4人分)
- 牛肉ブロック 400〜500g
- 玉ねぎ 1/2個
- ニンニク 2、3片
- しょうが 1片
- マッシュルーム 3個
- 赤ワイン 大さじ5
- しょうゆ 大さじ5
- ソース 大さじ1
- ケチャップ 大さじ1
- 砂糖 大さじ1/2
- 塩コショウ 適量
- オリーブオイル 小さじ1
【作り方】
- 牛肉ブロックに塩コショウを振り、肉にした味をつけます。
- 玉ねぎ、ニンニク、しょうが、マッシュルームをみじん切りにします。
- フライパンを強火にかけ、オリーブオイルを入れます。
- フライパンに牛肉ブロックを入れ、肉の表面に焼き色をつけます。
- 火加減を中火にし、フライパンに切った具材、赤ワイン、しょうゆ、ソース、ケチャップ、砂糖を加え一煮立ちさせます。
- 火を止め、フライパンの蓋をして1時間余熱で蒸らせば完成です。
牛肉ブロックは全面に焼き色をつけると肉汁の流出が防げるため、ジューシーな仕上がりになります。レシピでは白ワインの代用品として赤ワインを使用していますが、本みりんや日本酒でも代用可能です。
白ワインの代用レシピ:チキンソテー
【材料】(1人分)
- 鶏もも肉 1枚
- 塩麹 適量
- コショウ 適量
- 日本酒 適量
- オリーブオイル 適量
【作り方】
- 鶏もも肉を3つに切り、肉が分厚いところは半分の薄さになるようにスライスします。
- 包丁などで鶏もも肉全体に切れ込みを入れます。
- バットに鶏もも肉を入れ、日本酒を回しかけます。
- 鶏もも肉全体に塩麹を満遍なくまぶし、10分ほどおきます。
- フライパンを強火にかけ、オリーブオイルを入れます。
- オリーブオイルがよく温まったら中火にし、鶏もも肉を皮面から焼きます。
- 皮に焼き色がついたら肉をひっくり返します。
- フライパンに日本酒を入れ、蓋をして蒸し焼きにします。
- 鶏もも肉に火が通ったら、食べやすい大きさに切ります。
- チキンソテーを皿に盛り、コショウをお好みの量かければ完成です。
鶏もも肉を焼くとき瓶の底やフライ返しなどで肉を押さえながら焼くと肉が反り返らず、均等に火が通ります。塩麹は焦げやすいため、火加減や肉をひっくり返すタイミングを注意深く確認しながら調理しましょう。日本酒以外でも、焼酎や料理酒でも代用可能です。
白ワインの代用まとめ
白ワインを料理で使う目的は様々ですが、ない場合は家にあるアルコール類で代用が可能です。白ワインを切らしたり買い忘れたりしても、その料理の作成を諦める必要はありません。肉を柔らかくする、具材の臭みを消す、風味付けをするなどの使用目的によって代用品を選択すればおいしい料理が完成します。
また逆に、みりんや料理酒がない場合はそれを白ワインで代用することもできます。レシピ通りに調理をするとおいしい料理が完成しますが、アレンジを加えるとより自分の好みに合った料理になります。レシピにとらわれず、白ワインの代用レシピを色々と試しておいしい料理を作りましょう!