じゃがいもが黒や紫に変色しても食べられる?変色する理由と防ぐ方法を解説

じゃがいもが変色しても食べられるのかどうかを解説します。黒と紫、ピンク、緑色に変色してしまう理由と、変色しても食べられるのかどうかを、色ごとに調べました。また、じゃがいもの変色を防ぐ方法と上手な食べ方についても紹介します。

じゃがいもが黒や紫に変色しても食べられる?変色する理由と防ぐ方法を解説のイメージ

目次

  1. 1じゃがいもが変色したら食べられない?
  2. 2じゃがいもが変色する原因と色の見分け方
  3. 3じゃがいもの変色を防ぐ方法
  4. 4じゃがいもの変色は色で食べられるか見分けよう

じゃがいもが変色したら食べられない?

じゃがいもは和食はもちろん、洋食・中華・アジアン料理など、どんな料理にも使えて便利な食材です。身近な食材だからこそ手に取る機会も多く、じゃがいもが調理中に黒く変色してしまうのを、見たことがあるかもしれません。

この記事では、じゃがいもが変色する理由と、変色しても食べられるのかどうかを、色ごとに解説します。また、少しの工夫でじゃがいもの変色を防ぐことができるので、おすすめの予防方法を紹介します。

じゃがいもが変色する原因と色の見分け方

ポリフェノールの褐変反応

じゃがいもを切った断面が黒っぽく変色するのは、じゃがいもに含まれるポリフェノールの褐色反応が原因だといわれています。りんごやゴボウ、桃、アボカドなどの野菜・フルーツが時間とともに黒ずんでしまうのも、同じ理由です。

褐色反応は、野菜や果物に含まれるチロシンという成分が、空気に触れることで酸化する現象です。この科学反応によりメラニンが生成されるため、空気に触れる切断面が黒ずんで見えます。メラニンは日焼けでおなじみの黒色の色素です。

見た目は悪くなってしまいますが、味には影響ありません。また、一度色が変わってしまうと、加熱したり水に浸けたりしても、元の色には戻らないようです。

紫やピンク色は食べても問題ない

じゃがいもの変色は、時間経過によって色が変化します。よく目にするのは黒色ですが、実はピンク色から褐色の赤、紫、黒色と段々と色が濃くなっていくようです。どの色の場合も上記の褐色反応によるものなので、食べることは可能です。

稀にじゃがいもの内側がピンクがかった色をしていることがあります。これは、じゃがいもの成育中に外気温が異常に低い時期があったか、冷蔵庫内で不適切に保存したために起こる低温障害です。原因となる赤色の色素は、りんごやイチゴを赤くする色素と同じで、食べても問題はありません。

また、部分的、もしくは全体的にピンク〜赤色をした品種もあります。「ノーザンルビー」や「アンデスレッド」という品種が有名です。ブルーベリーなどに含まれる色素(アントシアニン)を多く含むために赤く発色します。もちろん食べることは可能なので、気になる場合は商品名をチェックしてみてください。

茹でて黒くなるのは水煮異変

じゃがいもを茹でた時に表面が黒っぽくなることがあります。加熱により、じゃがいもに含まれるジフェノールという成分と鉄分が結合することで起きる現象で、水煮異変とよばれます。ジフェノールと鉄分の含有量が多いじゃがいもを加熱した場合に、初めて発生する現象です。

断面が黒っぽくなり見た目が悪いので、レストランなどで提供されることはありませんが、食べることは可能です。味にも影響はないようです。出荷時や購入時に、黒く変色する可能性があるじゃがいもを、目視で判断することはできません。

緑色になったら食べない

じゃがいもの表面や、芽の部分が緑色になったものを見たことがあるかもしれません。これは、じゃがいもに含まれるソラニンやチャコニンといった成分の働きによるもので、有毒です。具体的には腹痛、めまい、嘔吐などの食中毒症状を引き起こすといわれています。

加熱しても毒性は変わらないので、緑色に変色している場合は皮を厚く剥いて、しっかりと緑色の部分を取り除きます。ただし、中まで緑色に変色している場合は食べない方が安全です。一般に市場流通しているものは収穫後に特別な処理をしているので、普通に食べて食中毒になる事は、まずありません。

ただし、人からもらった場合や家庭栽培の場合は、毒性に対しての知識が不十分なまま取り扱っている可能性もあるので、注意が必要です。小学校で栽培したじゃがいもを調理実習で食べたところ、食中毒が発生したというニュースが後を絶ちません。緑色に変色したじゃがいもには、くれぐれも気をつけてください。

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じゃがいもの変色を防ぐ方法

水につける

料理本に紹介されることも多い、昔からあるアク抜きの方法です。じゃがいもは空気に触れることで切断面が黒色に変色してしまうので、水の中に入れて変色を防ぎます。

やり方は簡単で、ボールなどの容器にじゃがいもと、浸かるくらいの水を入れるだけです。水が白く濁ったら取り換えて、10分程度浸したところで、しっかりと水気をふき取り調理に使います。

また、水にさらすことで、じゃがいもの中のデンプンが抜けるので、煮崩れを防ぐ効果もあります。じゃがいもを煮物やスープに使う場合は、一度水にさらしてから使うのがおすすめです。

酢水につける

酸の力で、変色に関わる酵素の働きを止めることができます。ごぼうなどのアク抜きに使われる方法と同じです。やり方は、少量の酢を入れた酢水に、切ったじゃがいもを入れるだけです。使う酢の量は少量なので、料理の味には影響しません。

水につける方法と比較すると、酢水の場合は酵素の働きが止まるため、水煮異変による変色も防ぐ効果があります。

皮をむいたらすぐに調理に使用する

水につける場合も、酢水につける場合も、じゃがいもに含まれるビタミン類が時間とともに流出してしまうため、浸す時間は10~15分の短時間に留めます。水に浸けるのは変色を止めるためと、煮崩れを防ぐのが主な目的です。炒め物や揚げ物などに使用する場合は、皮をむいた後すぐに調理に使用するのがおすすめです。

冷凍保存をする

冷凍保存することで変色を防ぐ方法もあります。ただし、じゃがいもを丸ごと冷凍すると、解凍時に水分が抜けて食感が悪くなるので、工夫が必要です。この記事では、おすすめの保存方法を2種類紹介します。

まず、調理してから冷凍保存する方法です。茹でたり、蒸したじゃがいもをマッシュポテトの状態にして冷凍します。通常、マッシュポテトは生クリームや牛乳・塩コショウなどで味を付けますが、この方法ではじゃがいもだけを使います。

使う時は冷蔵庫でゆっくり解凍するか、電子レンジの低温モードで解凍します。解凍後は好みで味を付けて、ポテトサラダやコロッケに使ったり、牛乳などで伸ばしてポタージュにしたりすると美味しく食べられます。

次に、生のまま保存する方法です。じゃがいもの皮をむいて細切りにし、水気を切った後にフリーザーバッグに入れて生のまま冷凍保存します。この時、フリーザーバックの中のじゃがいもが重ならないように並べると、パラパラと使いやすい形状に冷凍できます。

どちらの方法も、調理したジャガイモは数日しか保存できませんが、冷凍すれば1ヶ月程度保存が可能なので、冷凍庫に常備しておくのが、おすすめです。また、小分けで冷凍しておくと少量から使えるので、離乳食にも活用できます。

冷凍状態で調理に使用する

生のまま冷凍したじゃがいもは解凍する時に水分が抜けてしまうので、冷凍のまま調理に使用します。短時間で調理できるように、炒め物に使うのがおすすめです。細切りにして冷凍したじゃがいもと、小麦粉・チーズを合わせてガレットにしたり、ピーマンや細切り肉と一緒に炒めて中華風炒め物にすると、美味しく食べられます。

冷凍したじゃがいもは、生のじゃがいもと同じ使い方ができますが、他の食材よりも先に炒め始めて長めにする加熱すると安心です。ただし、冷凍のじゃがいもを煮物やスープに使うと、ブヨブヨとした食感になってしまいます。この場合は、生のじゃがいもを使うのが良いようです。

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じゃがいもの変色は色で食べられるか見分けよう

じゃがいもが変色してしまう理由と、変色しても食べられるのかどうかを紹介しました。黒色や紫・ピンク色の場合は、見た目が悪いだけで食べることは可能です。少しの工夫で変色を防ぐことができるので、紹介した予防方法を活用してください。

じゃがいもは年中通して手に入りやすく栄養も豊富なので、積極的に日々の料理に取り入れたい食材です。紹介した予防方法を活用して美味しくじゃがいもを食べましょう。

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