2019年06月12日公開
2024年10月15日更新
寒天とはどんな食品?栄養成分・食べ方・レシピなどについて紹介
普段何気なく食べている寒天が、何から作られているのか知っていますか?この記事では、寒天とはどのような食べ物なのか、種類や栄養など様々な切口から紹介しています。寒天について詳しく知りたい方、料理に使ってみたい方はチェックしてみてください。
「寒天はどのようにして作られている?」
「寒天って栄養あるの?」
「ところてんと寒天は違う食べ物?」
このように、寒天という食べ物についてよく知らないまま食べている方は多いのではないでしょうか。
本記事では、種類別の特徴や栄養素とその効能、調理に使う前と調理時の扱い方、上手にダイエットへ活用する方法、寒天の保存や食べ方の注意点を解説しています。
また、同じような使い方をするゼラチンや、よく似た食べ物のところてんとの栄養面などの違いや、寒天を使ったおすすめレシピも併せて紹介しています。
記事を読んでおくと、寒天の上手な使い方や食べることで期待できる栄養成分などについて知ることができ、食事や間食作りに役立てられるでしょう。
寒天に興味のある方や、寒天を上手に利用する方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
寒天とはどんな食品?
寒天は、テングサ類の海藻を原料とし作られるもので、食品をはじめ様々な分野で活用されています。使用する海藻を煮沸して凝固成分を取り出してから冷やし、脱水、乾燥させながら作ります。
栄養価は高くありませんが、低カロリーで身体に有用な働きをする栄養素を含んでいる寒天は、健康や美容を気遣う現代人に適した食材と言えるでしょう。
寒天の種類
今日のおやつ🤍
— りりり (@riri_ri_nya) October 4, 2022
いづも寒天工房
雪ふわり
いちご🍓 巨峰🍇 珈琲☕️
寒天と真っ白なメレンゲの中に
寒天ゼリーがちりばめられてます🍵
私はいちごを食べました🍓✨
不思議な食感✨️(๑• •๑)🤍#今日のおやつ pic.twitter.com/upmZAH1ZTr
市販されている寒天には、四角いものや粉状のものなどいくつか種類があり、形状によって料理に使うときの戻し方や溶かし方が違います。
ここでは寒天の種類と特徴を紹介していきます。どのタイプの寒天が扱いやすいか、チェックしてみましょう。
糸寒天
細寒天とも呼ばれる糸寒天は、麺のように細長い形をしています。日本国内では、岐阜県恵那市の日中と夜間の寒暖差が大きい地域で多く生産されている寒天です。
15分程度水で戻せば、サラダ、和え物、汁物などへそのまま利用できます。煮溶かすときは、長めに水へひたしてから加熱します。
角寒天
角寒天は棒寒天とも呼ばれる長い棒状の寒天です。自然の寒気を利用した昔ながらの製法で作られる天然角寒天は、主に長野県の諏訪地域で生産されています。
角寒天は水にひたしてやわらかくした状態で料理へ使うか、水やだしなどに入れて煮溶かしてから固めます。
粉寒天
粉寒天は工場内で製造されている、サラサラとした粉末状の寒天です。そのままお湯で溶かせるタイプと煮溶かして使うタイプがあります。
水でふやかす必要がない分、糸寒天や角寒天ほど手間がかからず、手軽に利用できます。使い勝手の良い粉寒天は、寒天を初めて使う方にもおすすめです。
寒天の栄養成分
寒天には、ミネラルと食物繊維が含まれています。人間の持つ酵素で消化できない食物繊維は第6の栄養素と言われる成分で、体に必須な栄養とは考えられていませんが、腸内環境を整える効果、生活習慣病の予防効果を期待できます。
18~24歳の男性で21g以上、女性は18g以上が1日あたりの食物繊維摂取目標です。成分表から寒天100gで1.5gの食物繊維を摂取できることが分かります。
出典・参照:食物繊維の必要性と健康|厚生労働省
出典・参照: 食物繊維|e-ヘルスネット(厚生労働省)
出典・参照:寒天‐カロリー/栄養成分/計算 |カロリーSlism
栄養成分 他 | 100gあたりの量 |
---|---|
エネルギー | 3kcal |
たんぱく質 | 0g |
脂質 | 0g |
炭水化物 | 1.5g |
食物繊維 | 1.65g |
寒天の食べ方について
本日は夏恒例の、果物どっさり寒天を作りました。
— いづな (@izuizu_z) June 15, 2019
少し緩くなってしまいましたので、盛りの方は敢えて崩してみました。
この方が食べやすいですな。 pic.twitter.com/cPFHsYwcgw
前述のとおり、糸寒天や角寒天は煮溶かすまでの段階で少々手間がかかるほか、煮溶かし方や仕上がりをきれいにするためのコツもあります。食べる際も、量をたくさん摂れば良いわけではありません。
ここからは寒天を調理に使う前の準備、調理時のポイント、上手なダイエットへの取り入れ方、食べ方の注意点を見ていきましょう。
寒天を洗う場合
屋外で干して作る糸寒天や角寒天は、汚れが残っている場合があります。外で栽培している野菜と同じように、目に見えない汚れも落としてから使いましょう。
最初に流水で周りに付いている汚れを流水で洗い流し、水にひたして戻す段階で、さらにもみ洗いしましょう。
寒天を調理する場合
糸寒天や角寒天を煮溶かすときは、水または沸騰したお湯やだしなどにふやかした寒天をちぎって入れ、すべて溶けて透明になるまで加熱します。粉寒天は常温の水やだしが入った鍋に入れ、固まらないように混ぜながら中火で煮て、沸騰したら火を弱めましょう。
中の具は粗熱を取ってから入れると彩りよく仕上がります。また、果汁は寒天の量を多くし火を止めてから、牛乳などは軽く温めて入れるのがコツです。
寒天をダイエットとして活用する場合
寒天をダイエットに活用する場合は、栄養も考えて無理なく取り入れましょう。食事に寒天を使った料理を取り入れるだけでも、摂取カロリーは抑えられます。お米に混ぜて炊くのも効果的です。
また、食前に低カロリーの寒天ゼリーなどを食べておくと空腹感が和らぎ、食べ過ぎを防げます。間食を、ヘルシーな寒天スイーツに変えてみるのも良いでしょう。寒天を中心にした食事にすると、栄養が不足する可能性があるため注意しましょう。
寒天の注意点
やわらかくした糸寒天、角寒天をそのまま使うときは、しっかり水を絞ってから使いましょう。戻す前の寒天は常温保存できますが、ゼリーなどへ加工したものは日持ちしません。冷蔵庫で保存して、できるだけ早く食べ切ります。
サプリメントなどで食物繊維を摂取している方は、必要な栄養まで吸収しなくなるおそれがあるため、過剰摂取にならないよう気をつけましょう。
出典・参照:食物繊維|厚生労働省
寒天とゼラチンの違い
ゼラチンの原料は動物の骨や皮に含まれるコラーゲンです。寒天にはない、たんぱく質などの栄養素も含まれています。
煮溶かした寒天は、常温でそれほど時間をかけずに固まりますが、溶かしたゼラチンは冷蔵庫に入れて時間をかけなければ固まりません。固めた寒天は弾力があり崩れにくいですが、ゼラチンはやわらかく、口に入れるとすぐに溶けるといった違いがあります。
寒天とところてんの違い
どちらも海藻からできていますが、でき上がるまでの工程が違います。ところてんはテングサなどを煮て抽出した液を冷やし固め、細長い形にしたものです。寒天は、ところてんを繰り返し凍結、乾燥させて作ります。
栄養面を比べると、ところてんはミネラル分を多く含んでいますが、食物繊維の量は寒天よりも少なめです。
寒天のおすすめレシピ3選
独特の食感を楽しめる寒天を使って、いろいろなおかずやスイーツ作りに挑戦してみましょう。
ここからは、煮溶かしてから固める方法と、水でやわらかくしてそのまま食べる方法を用いたおすすめレシピをそれぞれ紹介します。
1:オクラとみょうがのそうめん寒天ゼリー
食物繊維たっぷりの寒天を使ったお総菜系のゼリーです。 さっぱりしていて食欲減退気味でもパクッと食べやすく。
いつものそうめんに飽きた時、そうめんアレンジとしても楽しめます。
パウンドケーキ型を使って作る暑い時期にも食べやすい1品です。凝った料理に見えますが、薄く切って加熱したオクラを型の底に入れ、麺つゆに粉寒天を入れて煮溶かしたものとみょうが、そうめんを入れて冷やすだけでできます。
オクラの形や色がアクセントになる涼しげな寒天寄せは、ちょっとしたおもてなしにもぴったりです。
2:中華風糸寒天サラダ
水で戻した糸寒天と下ごしらえしたカニカマ、ブロッコリースプラウトを合わせて作る、ゴマの香り豊かな中華風サラダです。春雨サラダとは少し違った食感を楽しめます。
また、余った冷やし中華の具材などを活かしても作れます。栄養価を考えて、ほかの材料とも組み合わせてみましょう。
3:いちごみるく羊羹
棒寒天を使った和菓子と洋菓子の良さを併せ持つ軽い食感の羊羹です。
あまり時間がないときは、粉寒天で作ってみましょう。ひなまつりなど春の行事にもちょうど良いスイーツです。
寒天のことについて知ろう
寒天は栄養たっぷりの食べ物とは言えませんが、カロリーを抑えながら第6の栄養と言われる食物繊維が摂れる優れた食材です。
おかずやお菓子作りに活用していくと、意識せずに食物繊維を摂取できます。寒天について理解を深め、ダイエットや生活習慣病対策に取り入れてみましょう。