2019年01月14日公開
2024年08月27日更新
なつめの効能と食べ方を紹介!女性に嬉しい美容・健康効果とは?
世界三大美人のひとり、楊貴妃も食べていたと言い伝えられている果実がなつめです。中国では昔から親しまれており、薬膳料理や宮廷料理でも使われてきました。しかし、日本ではあまり見かけないためなつめにはどんな効能があるか知っている人は少ないと思います。なつめには女性に嬉しい美容・健康に対する効能がたっぷり詰まっています。なつめについて、味や栄養素、その効果や食べ方について紹介します。
なつめとはどんな食べもの?
なつめは楊貴妃も食べていた
なつめとはクロウメモドキ科の落葉樹の果実で、原産地は中国から西アジアにかけてです。中国には一日食三棗、終生不顕老、一日3個のなつめを食べれば老いないという意味の言葉があり、世界三大美人の一人楊貴妃も好んで食べていたと言われています。なつめには女性に嬉しい健康・美容に効果がある効能がたっぷりつまっています。なつめについて、味や食べ方、栄養や健康・美容に良い効能などについて紹介します。
なつめは日本でも歴史が古い
なつめは日本のスーパーなどであまり見かけません。意外にも、なつめは日本でも歴史が古いのです。奈良時代にはすでに日本に伝来し、親しまれていたと言われています。世紀後半から8世紀後半に編まれた万葉集や延喜式になつめの名が登場しています。平安時代の薬学書の本草和名にもなつめの記述があり、薬用として利用されていたことがわかっています。あの子はだあれという童謡にもなつめの花が登場しています。
なつめは栄養価が高い
古来から薬用として使われていたように、なつめは栄養価が非常に高い果物です。主になつめにはカルシウム・カリウム・鉄・マグネシウムなどのミネラル、葉酸・パントテン酸・ナイアシンなどのビタミン類、そして食物繊維など豊富な栄養成分が含まれています。最近ではなつめ特有のフルクピラノサイドという糖の一種がアレルギーを引き起こす抗体の生成をブロックする作用があることがわかり、注目されています。
なつめの栄養素は美容や健康に大変効果があります。その効能は、貧血予防・改善、精神安定、不眠解消、冷えの改善、抗アレルギー作用、便秘・むくみ解消、アンチエイジング、美肌、更年期症状の緩和などがあげられます。女性によくある悩みに効果があることがよく分かると思います。なつめはその多くの効能から、実際に生薬として漢方にも利用されています。漢方では大棗(たいそう)という名前で有名です。
なつめは薬膳で使われるスーパーフード
薬膳料理とは、薬用効果のある生薬などの食材を組み合わせて作られた中国の伝統的な健康料理です。なつめも薬膳料理に使われてきました。中医学でなつめは、気と血を補い、滋養強壮の作用・胃腸の調子をととのえる健胃作用や、精神安定の作用があるといわれています。中国の古い薬物書神農本草経の中では栗、桃、李(すもも)、杏、棗(なつめ)の5つの果実を五果といい、五臓を養う働きがある大切な果実だと記載されています。
このことから、中国では古くからなつめが親しまれてきたことがわかります。なつめは血を増やすことから、中国では薬膳以外にも女性の結婚や出産のお祝いなどに送られることもあります。なつめの深い紅色は祝宴にも使われ、宮廷料理にもかかせない素材です。
なつめはどんな味?
なつめはどんな味でしょう?なつめにはいくつか種類があり、形や大きさも様々です。日本では生で食べることはほとんどありませんが、生で食べるとりんごや梨のようなサクサクシャッキリした食感です。味はほんのり甘く酸味があり、さっぱりした後味です。実が熟して赤黒くなったなつめはさらに甘みが増した味になります。乾燥したなつめは生のなつめより甘みが強い味になります。乾燥したなつめもそのまま食べることが可能です。
なつめはデーツとは違う?
なつめは英語で書くとJujubeとかChinese-dateと表記します。なつめが中国のデーツと表記されているのを見ると、果実のデーツと同じ種類かと思われがちですが、デーツはなつめとは全く違う果実です。デーツ自体棗椰子(なつめやし)という木の果実なため、余計ややこしく感じますがデーツとなつめは別物です。デーツは中東から北アフリカの主要食品でもあります。乾燥したときの見た目も似ているため勘違いしやすいです。
なつめはどこで買える?
日本ではあまり見かけないなつめですが、どこで買えるのでしょう。日本では生のなつめの入手は難しく、乾燥なつめが手に入ります。乾燥したなつめはスーパーにある中華食材のコーナーや、製菓材売り場に置いてあります。生のなつめは一般のスーパーではほとんど販売していません。ネット通販で購入できるところがいくつかありますので紹介します。
チャザンヌと楽天市場店・自然堂本舗です。チャザンヌでは、秋田県の農家で無農薬の自然栽培された生なつめが購入できます。時期によっては購入できないので確認して下さい。楽天市場店・自然堂本舗では沖縄県で栽培されているなつめが手に入ります。こちらも毎年出荷していますが、少量のためなかなか手に入りづらいです。購入する際には要確認が必要です。
なつめの健康と美容の効果・効能
なつめは栄養素たっぷりで栄養価が高い果実です。中国では古くから薬膳料理に使われてきたことは先ほど説明したとおりです。そんななつめの女性に嬉しい健康・美容効果について、さらに詳しく紹介していきます。
なつめの効果・効能①「腸内環境を整える」
なつめには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が含まれています。水溶性食物繊維には、腸内に乳酸菌やビフィズス菌を増やして、 腸内環境を整える効能があります。不溶性食物繊維には、腸内で食物繊維が水を吸収して膨れることで便のかさを増やし、 お通じがスムーズになる効能があります。腸内環境が整うと、食事から取った栄養が腸から吸収されやすくなります。腸は第2の脳とも呼ばれ、健康と美容にはとても大事な内臓器官です。
なつめの効果・効能②「疲労回復」
カリウム不足は健康の大敵です。カリウムが不足すると脱力感 、 食欲不振 、 低血圧などが起こりやすくなります。なつめにはカリウムが豊富に含まれています。糖質・脂質・タンパク質をエネルギーに変え、疲労回復に役立つビタミンB1、B2や、傷ついた筋肉の修復作用があるナイアシンも含まれています。これらは栄養補給や疲労回復には欠かせない栄養素です。なつめは味も食べやすく、疲労回復には良い食材です。
なつめの効果・効能③「貧血の予防や改善」
女性には鉄分が欠かせません。なつめには鉄分が豊富なことで有名なプルーンやレーズンに匹敵する鉄分が含まれています。その上葉酸が含まれています。葉酸は、水溶性ビタミンの1つで血液を作るのに大事な栄養素です。造血ビタミンと呼ばれ、赤血球のもとになる細胞を作るときに必要です。鉄分の吸収を良くしてくれます。胎児の発育にも欠かせない栄養素でもあります。中国で結婚・出産祝いでなつめが送られるのも納得の効能です。
なつめの効果・効能④「代謝アップ」
なつめには、食べ物から得た栄養からエネルギーを取り出して体内で消費する代謝に必要な栄養素が含まれています。代謝がスムーズに行えれば、糖質や脂質を溜め込まない体づくりに期待ができます。なつめに含まれるパテントン酸は糖質、脂質の代謝に必要な成分です。さらに、ビタミンB1は糖質を代謝し、ビタミンB2は脂肪を燃焼するときに多く必要になるビタミンです。
ビタミンB6は脂肪の代謝を促進して、内臓に脂肪がたまるのを防ぐ働きも期待できます。ナイアシンは糖質・脂質・タンパク質を代謝するために欠かせないビタミンです。カルシウムはたくさん摂ると、 体重や体脂肪の増加を防げる可能性があります。食物繊維は老廃物が溜まるのを防ぐ効果があります。代謝が高まるということは、消費エネルギー量が増えるということです。ダイエット効果も期待でき、女性には嬉しい効能です。
なつめの効果・効能⑤「美肌効果」
美容効果を期待するには老化防止です。なつめに含まれているサボニンには脂肪の吸収を抑制して、蓄積を抑える働きがあります。過酸化脂質(酸化した脂質で老化や動脈硬化を引き起こす)が作られるのを押さえる働きもあり、美肌を保つのに最適な栄養素です。他にも、カリウムにより血行不良の改善、肌の健康に必要なビタミンB6、肌のカサつきや肌荒れを防ぐβ-カロテンなどが含まれており、美容効果に期待ができる食品です。
なつめの効果・効能⑥「心が安定する」
なつめにはパテントン酸という水溶性ビタミンが含まれています。ビタミンB群と同様、脂質・糖質・たんぱく質からエネルギーを作りかえる効能を持っています。それと同時に、ストレスに対抗するホルモンを作るサポートをする働きがあります。人間の体は、副腎というところで副腎皮質ホルモンを分泌してストレスに対抗するようにできており、そのホルモンがちゃんと分泌されるように、手助けしてくれるのがパントテン酸です。
なつめの効果・効能⑦「免疫力アップ」
なつめにはフルクトピラノサイトという糖の一種が含まれています。なつめの栄養価について紹介したときに少し触れましたが、フルクトピラノサイドはアレルギーを起こす血液中の抗体を作りにくくする作用があることが、近年の研究でわかっています。花粉症やアレルギーになりにくくなるのです。また、パテントン酸にも免疫力を高める作用があります。
なつめはこんな症状に困っている女性におすすめ
冷え性で手足が冷たい
これまで紹介してきたように、なつめには様々な効能があります。中医学の考えから、なつめは主に気や血を補う温性の薬効を持つと言われ、血と水を作りコントロールすることで、冷えの解消・貧血の改善・免疫力アップの効果が期待できるとされています。栄養素からみてもその通りと言えます。冷え性の人はなつめを食べることで改善される期待が持てます。
むくみが気になる
冷え性が改善されることは血行が良くなると言うことです。血行が良くなる要因に、むくみの解消があります。むくみは体内の塩分とカリウムのバランスが崩れることで起きます。なつめには現代社会で摂取しづらいカリウムが含まれているため、むくみをとる効能が期待できるのです。カリウムは体の中の塩分濃度を調節するのにも必要なミネラルです。体の中の余分なナトリウムを排出する働きがあり、むくみの解消につながります。
その他のこんな症状のとき
他にも貧血・疲労回復・便秘・ダイエットや美肌などの美容効果・免疫力アップなどさまざまな効果があることはなつめの健康と美容の効果・効能の項目でよくわかったと思います。他にも、精神安定の作用から不眠の改善やPMSの緩和などの効果も期待できます。なつめは女性特有の悩みに強い食材です。気持ちが落ち込んでいる、イライラしている、眠れない、食欲がない、心身共に疲れているときなどなつめをぜひ食べてみて下さい。
なつめのおすすめな食べ方
健康に良く、特に女性に嬉しい健康・美容効果があるなつめですが、日本ではなかなか食べ慣れないものです。なつめはどんな食べ方がおすすめなのか、お茶や薬膳などの食べ方を紹介します。
乾燥なつめはお茶や水と一緒に食べる
日本でなつめを生で食べることはほぼありません。乾燥なつめをそのまま食べても良いですが、皮が硬く口の中に残る感覚があります。咀嚼回数が増えるので空腹時には良いですが、乾燥なつめを食べるなら水やお茶と食べる食べ方がおすすめです。食物繊維は水と一緒に取ることで効果が増加します。乾燥したなつめはもともと入っていたビタミンCがなくなっています。新鮮なフルーツジュースと一緒に摂取する食べ方もおすすめです。
なつめ茶で楽しむ
乾燥なつめの食べ方で、なつめ茶はとくにおすすめです。この食べ方は、乾燥したなつめを刻んで煮詰めるだけです。ショウガやはちみつを入れて飲む食べ方だとさらに冷え性が改善され、精神安定にも良く寝付きが良くなるといわれています。煮詰めたなつめを漉してペーストにすると見た目も良くなつめを食べやすい食べ方です。市販されているティーパックやペーストもあるので、簡単になつめを楽しめる食べ方で非常におすすめです。
なつめを甘く煮る
ほんのり甘くて美味しい味がするなつめは、シロップを作り、なつめを軽く煮て甘煮にする食べ方もおすすめです。薬膳にも使われるなつめですから、シロップごとお茶にいれたり、料理に応用することもできます。なつめの甘煮の材料と作り方(2~4人分)を紹介します。
なつめを70g、水を400cc、蜂蜜を大さじ2、きび糖を大さじ3用意します。なつめはヘタを取って洗います。次に小鍋に水・蜂蜜・きび糖を入れて煮溶かし、なつめを入れます。アクを取りながら弱火でなつめがやわらかくなるまで煮たら完成です。
なつめの効果を高める組み合わせ食材
漢方や薬膳料理に使われるなつめですので、さらになつめの効果を高める組み合わせ食材もよく知られています。薬膳料理におけるなつめの位置づけは、体を温めて、生命エネルギーと血の巡りを良くして、体の不調を取り除く作用のある食べ物です。薬膳では、食材の組み合わせによって効果が上がったり強すぎる効果を抑えたりすることができると言われており、組み合わせはとても重要な要素になります。
なつめ茶について説明したとおり、ショウガやはちみつとの組み合わせは冷えの改善・風邪や花粉症の予防に良いです。米(もち米)を組み合わせると消化吸収を助けてくれるので胃の調子の悪いときにおすすめです。鶏肉は薬膳ではなつめと似た立ち位置におり、組み合わせると体が温まって元気が出る滋養強壮の効果が期待できます。焼酎になつめを漬け込んだなつめ酒は、血行をよくし、体を温める効果があるので寒い日に良いです。
なつめは女性に嬉しい効能がたくさん!
中国・日本で昔から親しなまれてきたなつめは、薬膳や漢方にも使われるすてきな食材です。なつめの効果は冷え性や貧血などの女性特有の悩みに特に効果があります。なつめを食べて、ぜひ健康で美しい身体を目指してください。