イカの基本的な捌き方・下処理方法は?各部位ごとに紹介!
日本人にとってイカは非常に身近な食材です。イカが家庭で捌けるようになると、料理の幅も広がります。ここでは、イカの基本的な捌き方と下処理方法について詳しく紹介します。ゲソやわた、軟骨の取り除き方も含め部位ごとに説明しているので、初めて料理する方でも気軽に挑戦できるでしょう。ぜひイカの捌き方や下処理をマスターして、新鮮で美味しいイカ料理を家庭でも楽しみましょう。
イカの捌き方を覚えると料理の幅も広がる!
高たんぱくで低カロリーなイカは、丸ごと購入してゲソやわたなども美味しく調理したいものです。ここでは、イカの部位ごとの基本的な捌き方や下処理の方法などを詳しく紹介します。イカが家庭で捌けるようになると、料理の幅も広がるでしょう。わたや墨を使ったイカのレシピもあるので、美味しいイカ料理にぜひ挑戦してみてください。
イカの部位別基本的な捌き方
イカを捌くときに用意するもの
それでは、イカの部位ごとに基本的な捌き方の方法を紹介していきます。イカを捌くのに必要なものは、イカ、まな板、包丁、キッチンペーパー(さらし)です。捌き方のコツさえマスターすれば、自宅で簡単にイカを捌いて調理することができるようになります。
イカの胴からわたを取る方法
まずはじめにイカの胴からわたを抜き取ります。イカのわたは、目の上あたりについています。胴の中に親指を入れ、軟骨に沿って胴とワタを少しずつ引きはがしていきます。全てはがすのではなく、1.5cmほど軟骨からはがせばOKです。イカの上部についている三角状のエンペラを片手で持ち、もう片方でゲソをつかみます。両手でゆっくりと引っぱりながら、イカの胴とわたを引きはがしましょう。
イカのワタとゲソを切り分ける
続いて、イカから引っぱりだしたワタとゲソを包丁で切り分けていきます。ワタには黒い筋のようなものがあるのですが、それがイカの墨袋にあたります。墨袋を上にしてイカのワタがよく見えるよう根元をめくり、包丁でワタとゲソの境目の部位に包丁を入れて切り離します。
イカのくちばしと目をとる方法
仕上げに、イカのゲソからくちばしと目の部位を取り除く方法を説明します。基本的な捌き方は、ゲソの足を上向けに置いて行います。左右の目の近くの部位に切り込みを入れ、手で目をくり抜くように抜き取ります。イカのくちばしは足の付け根あたりにあります。ゲソを逆さに持ってくちばしの位置を確認し、指で押しながらつまみ取るようにしましょう。くちばしは固いので指で確認するとわかりやすいです。
イカの部位別の下処理方法
イカの胴から骨や薄皮を取り除く方法
次にイカの胴についた軟骨と薄皮を取り除く下処理を行っていきます。最初に胴から軟骨を抜き取ります。胴体の中に手を入れ、骨を指でつかんで引き抜くように取り除きます。続いて、エンペラを胴体からはがしましょう。エンペラの付け根の部位に指を入れ、胴からゆっくりはずします。
キッチンペーパーを片手に持ち、胴から薄皮をはがしていきます。同様にエンペラの部位もキッチンペーパーを使いながら薄皮をはがします。下処理が終わったら、胴を水洗いして汚れを取り除きます。胴の中に残ったわたも水で綺麗に洗い流しておきましょう。
ゲソの下処理方法
続いて、ゲソの基本的な下処理方法を説明します。下処理を行う前に、ゲソの長い足は他の部位の長さと合わせて切ります。切り取ったゲソの足は基本的に料理には使えないので処分して構いません。ゲソについた大きな吸盤は包丁でそぎ落としましょう。
ここまでゲソの下処理が済んだら、小さじ1杯強の塩をゲソにふりかけます。塩をゲソにまぶすようにしながら、1本ずつ足をしごきながら小さな吸盤をはずします。仕上げに水洗いしたら、ゲソの下処理は終了です。
イカの墨袋の取り方
捌き方で説明したワタから墨袋を外していきましょう。新鮮なイカの墨袋は料理に使うこともできます。ゲソの側から墨袋をつまみ、引っぱるようにはがします。墨袋がつぶれないようにゆっくりはがすのがポイントです。イカの基本的な捌き方と部位ごとの下処理方法の説明は以上です。わたや骨などもコツをつかめば簡単に取り除くことができます。捌き方や下処理方法をマスターして、美味しいイカ料理を堪能しましょう。
イカの選び方と美味しい食べ方レシピ
新鮮なイカの選び方は?
新鮮なイカは色で見分けることができます。鮮度のよいものは、ハリがありツヤがかった白色をしています。スーパーでイカを丸ごと購入するのであれば目や胴をチェックするのもおすすめです。基本的に、目が飛び出し、胴に丸みがあるものは新鮮なイカといえます。もし、生イカが売られていて元の色が残っていたら、それは新鮮な証拠です。捌き方や下処理方法を参考に、わたや墨を使った料理も楽しむのもよいでしょう。
イカの旨味をたっぷりと味わえる「イカの炊き込みご飯」
スルメイカを贅沢に1杯使った炊き込みご飯を紹介します。基本的に皮はむかずにそのまま使い、イカの綺麗な色を出しています。イカの旨みがたっぷりしみ込んだご飯は、よい香りで食欲をそそる1品です。ここでは、イカのわたや墨は使わないので、新鮮なイカであれば他の料理に使いまわすとよいでしょう。しょうががアクセントになりイカの旨みをアップさせています。4人分のレシピは下記の通りです。
- スルメイカ1杯
- 米2合
- しょうが2片
- みりん大さじ2
- 醤油大さじ2
- 刻みネギ2本分
- イカの捌き方と下処理は上記を参考にし、わたや骨を取り除いておきます。胴は1cm幅、ゲソは3cmの長さにカットします。しょうがは千切りにしておきましょう。
- 米を洗い炊飯釜に入れます。しょうが、みりん、醤油を加え、水を2合の目盛まで入れてから軽く混ぜます。上にイカをのせ通常通りに炊飯します。炊き上がったら混ぜ合わせて茶碗に盛り、刻みネギをふったら完成です。
柔くてサクッと食感が美味しい「イカフライ」
サクッと美味しいイカフライのレシピを紹介します。イカフライを家庭で作ると油ハネを心配する方もいるかもしれません。イカの油ハネを防ぐには下処理の際に皮をむいておくのがポイントです。また、イカの表面についた水分をしっかり薄力粉に吸わせるのも大切です。イカのゲソは水分や空気を含みやすいので、イカフライには適していません。わたなどと一緒に炒め物などにして美味しくいただきましょう。2人分のレシピは下記の通りです。
- イカ(胴のみ)180g
- 顆粒コンソメの素小さじ1
- 塩こしょう少々
- 薄力粉30g
- 卵1個
- パン粉20g
- 揚げ油適量
- イカは上記の捌き方や下処理を参考に、わた、骨などを取り除いておきます。同時に薄皮もはがしておきましょう。イカの胴は1cm幅にカットし、顆粒コンソメ、塩こしょうをふってしっかり揉み込みます。
- 1を薄力粉、溶き卵、パン粉の順につけ、イカフライの下準備をします。
- 揚げ油を170℃に熱し、2をカラッと揚げます。全体がキツネ色になったら取り出し、皿に盛りつけましょう。好みでケチャップを添えたら完成です。
ボリューム抜群!「イカわたとじゃがいものバター炒め」
イカのわたを1杯丸ごと使った炒め物を紹介します。じゃがいもをプラスしているので、食べごたえのある仕上がりになっています。お酒にもよく合う味つけですが、ご飯のおかずにしても美味しくいただけるでしょう。じゃがいもは別に茹でておき、イカに熱が入りすぎないように手早く仕上げるのがポイントです。わたとバターの濃厚なソースが、淡白なイカとじゃがいもによく絡みクセになるような味わいです。2人分のレシピは下記の通りです。
- 生イカ1/2杯
- いかわた1杯分
- じゃがいも1個
- 酒大さじ1
- 有塩バター5g
- 醤油小さじ1
- イカは、上記の捌き方と下処理を参考に骨を取り除き、サッと水洗いしておきます。ここでは皮はむかずに使用します。下処理が終わったら、食べやすいサイズにカットしておきましょう。
- じゃがいもはひと口大にカットし、別に茹でておきます。ボウルにイカのわたを絞り出し、酒と一緒に合わせます。
- フライパンにバターを熱し、イカを炒めます。じゃがいもを加えて炒め、焼き目がついたら2の酒とわたを加えます。全体によく絡ませるように炒め合わせたら完成です。
バター醤油の香ばしさが広がる「イカスミパスタ」
にんにくの風味とバター醤油の香ばしさが楽しめるイカスミパスタを紹介します。レシピではイカスミを1杯分としていますが、お店で食べるような真っ黒なパスタを作るのであれば2~3杯分のイカスミを使うとよいでしょう。その際は酒の量を増やして調理するようにしてください。イカスミの生臭さは、酒と合わせることで取り除けます。上の捌き方と下処理をマスターして美味しいイカスミパスタを作りましょう。1人分のレシピは下記の通りです。
- イカスミ1杯分
- イカゲソ1杯分
- エンペラ1杯分
- にんにく1片
- パスタ1束
- 酒大さじ1
- オリーブ油適量
- 有塩バター10g
- 醤油適量
- 塩こしょう少々
- イカは上記の捌き方と下処理方法を参考に捌いてイカスミ、ゲソ、エンペラを準備します。ゲソ、エンペラは食べやすい大きさにカットします。墨袋から墨を取り出し、酒と混ぜ合わせておきます。にんにくは薄くスライスしましょう。
- 湯1,000mlを沸かし、塩大さじ1(分量外)をを入れてパスタを好みの硬さにに茹でます。
- フライパンにオリーブ油を弱火で熱し、にんにくを入れて香りが立つまで炒めます。中火にしてにんにくがカリっとして綺麗な色がついたら取り出します。
- イカを入れて炒め、火が通ったら1のイカスミ、酒、バターを入れます。茹でたパスタを加え、全体にイカスミをなじませます。フライパンのフチから醤油をまわし入れ、塩こしょうで味をととのえたら皿に盛りつけます。好みでパセリをふったら完成です。
懐かしい屋台の味を再現「イカ焼き」
夏祭りで食べたような懐かしい味のイカ焼きを紹介します。ふっくら焼き上げたイカに、香ばしい醤油が絡んだ至極の1品です。家庭でもフライパンを使って簡単に作れるため、イカが手に入ったらぜひ挑戦してみてください。お店のように串に刺すと、さらに雰囲気が出て子供も楽しめるでしょう。好みで七味マヨネーズにつけると、屋台とひと味違うお酒のつまみにもなります。2人分のレシピは下記の通りです。
- スルメイカ2杯
- サラダ油大さじ1/2
- 酒大さじ1
- 醤油大さじ1と1/2~
- 酒(調味料用)大さじ1
- 砂糖大さじ1と1/2~
- みりん大さじ1
- しょうがのすりおろし大さじ1/2
- イカは上の捌き方と下処理を参考にしてわたを取り、軟骨を抜きます。1cm幅に切れ目を入れ、ゲソは開いておきましょう。
- フライパンにサラダ油を熱し、イカの切れ目が入っていない側を下にして入れます。1分ほど焼いたところで裏返し、酒をふってさらに1分焼きます。
- 醤油、砂糖、みりん、しょうがを加え、水分が半分になるまで煮詰めたら完成です。
ふんわり食感で美味しい「イカ団子」
ふわふわの食感で食べやすいイカ団子を紹介します。ミキサーで作るため時短で簡単に調理できるのがメリットです。イカの旨みと玉ねぎの甘みが合わさったイカ団子は、冷めても美味しいため弁当のおかずにもぴったりです。多めに作って中華スープや丼の具材に使ってリメイクに挑戦してもよいでしょう。2人分のレシピは下記の通りです。
- イカ1杯
- A玉ねぎ1/4個
- A片栗粉大さじ2
- A卵1個
- A醤油小さじ1
- Aマヨネーズ大さじ1
- Aしょうが適量
- 揚げ油適量
- イカは、上記の捌き方と下処理方法を参考に捌き、皮を取って水洗いします。水気もしっかり拭き取っておきましょう。玉ねぎはざく切りにします。
- 材料を全て合わせてミキサーもしくはフードプロセッサーにかけます。イカの食感が残るよう粗めに刻むのもおすすめです。
- 揚げ油を熱し、スプーンで生地を入れて揚げたら完成です。好みで塩をつけていただきましょう。
旨みがしみ込んだ優しい味つけ「里芋とイカの煮物」
里芋のとろりとした食感がクセになる煮物のレシピです。イカの旨みを出してから里芋を煮こむので、だしがたっぷりしみ込んだ煮物を作ることができます。イカは加熱したあと一旦取り出しておくのがポイントです。柔らかい食感のイカと里芋の煮物は、和食の定番ともいえるおかずです。新鮮なイカが手に入ったら献立のメイン料理にしてもよいでしょう。2人分のレシピは下記の通りです。
- イカ1杯
- 里芋10個
- しょうがの千切り薄切り2枚分
- 醤油大さじ2
- みりん大さじ1
- 酒大さじ1/2
- 砂糖大さじ1
- 出汁400cc
- イカは、上記の捌き方と下処理方法を参考にわたや軟骨を取り除き、水洗いします。ゲソは下処理したあと1本ずつ切り離します。胴は1cm幅に輪切りしましょう。里芋は皮をむき、大きいものは食べやすい大きさにカットします。
- 鍋にしょうが、醤油、みりん、酒、砂糖、出汁50ccを入れて煮立てます。煮立ったところでイカを入れて2分ほど炒め煮にしてから一旦皿に取り出します。
- 2の鍋に里芋、残りの出汁を入れて強火にかけます。煮立ったら中火にして落し蓋をしながら里芋が柔らかくなるまで10分ほど煮たら完成です。
イカの捌き方や下処理をマスターして美味しく食べよう!
イカは、疲労回復や滋養強壮の効果が期待できる食材です。高たんぱくで低脂質のため、健康が気になる方も意識的に食卓に取り入れるとよいでしょう。基本的なイカの捌き方と下処理をマスターしたら、いろんな料理を作ることができるようになります。わたや墨を使ってお酒に合うレシピに挑戦するのもよいでしょう。新鮮なイカを見分けるポイントも押さえて、ぜひ美味しいイカ料理に挑戦してみてください。