イカの種類ってどのくらい?旬・美味しい食べ方を紹介!
世界でも日本でもたくさんの種類があるイカについて紹介します。それぞれのイカの旬の時期や味や値段はもちろんのこと、イカの種類に合った美味しい食べ方もみていきます。イカは生のままでいただく刺身だけでなくゆでたり焼いたりしても美味しい食材です。また食用イカは下処理が必要な食材ですが、捌き方・皮の剥き方・墨袋の取り方も紹介しているので是非参考にしてみてください。
イカの種類は様々!
イカは全世界で約500種類もいる
イカは全世界で約500種類おり、日本近海では約130種類ほどです。そしてイカは「コウイカ目」と「ツツイカ目」に分けることができます。コウイカ目は石炭質の甲を持つイカを指し、ツツイカ目は薄い甲で紐状・木の葉状の軟骨を持っています。そしてイカの種類によって獲れる時期や量は異なるので、それにともなって値段も変わってきます。
日本人は世界で最も食用でイカを食べている
日本人は1年で1人当たり1.2kgのイカを食べているといわれています。この数値は1年間の消費量でみてみるとサケやマグロと同量です。日本近海において日本漁師がイカを獲っている量は約30~35万トンです。その中でもスルメイカを獲っている量が最も多いです。
スルメイカは生のまま食べるだけでなく、するめや塩辛やさきいかなどの加工食品としても食べられています。イカは日本以外にも中国・韓国・ベトナム・タイ・インドネシアなどで好まれています。また欧米でも食べられていてイカ墨入りの料理などが有名です。
イカの代表的な種類・旬・味を紹介
イカには様々な種類があることが分かったところで、続いては代表的な食用イカの種類を写真と共に紹介します。それぞれの食用イカの特徴はもちろんのこと、旬の時期や味や選び方や値段などもみていきますので是非参考にしてください。
夏が旬の「スルメイカ」
食用であるスルメイカは胴のが25cm前後で細長く、体の中に軟甲(見た目は透明なプラスティックのようなもの)があるのが特徴です。旬の時期は夏ですが基本的に一年中漁獲されています。味は一年中美味しくいただくことができます。程よい硬さの身ですが生のままだと旨味・甘味は少ないです。焼くと締まって旨味・甘味が増します。
美味しい食用スルメイカの選び方は白くなく出来るだけ透明に近いものを選ぶことです。値段は漁獲量も多いので安めです。スルメイカは生のままでも焼いても煮ても美味しくいただくことができます。細切りにしていかそうめんにしたり、ゆでて酢の物にするのもおすすめです。
冷凍でもいい値段「アオリイカ」
出典: https://hyoki.jp
食用であるアオリイカは外套膜(軟体動物にある器官)の長さが40cmを超えるのが特徴です。アオリイカは白イカ型とアカイカ型とクワイカ型の3種類に分けることができます。旬の時期は夏と言われることが多いですが、地域によって異なり秋から初夏、秋から冬が旬のところもあります。
甘味成分はイカの中でも特にアオリイカに沢山含まれています。身は鮮度が良いと硬く皮は剥きにくいです。美味しい食用アオリイカの選び方は張りのあるものを選ぶことです。値段はイカの中でも高価で、大きくなるほど値段が上がり、寿司屋や高級料理店で使われていることもあります。また冷凍でも値段は高めです。甘味があるので刺身にしたり天ぷらにするのもおすすめです。
春を感じる「ホタルイカ」
食用であるホタルイカは外套膜(軟体動物にある器官)の長さが7cm前後で、発光器が目のまわり・第4腕先端・腹側にあるのが特徴です。旬の時期は春です。ゆでると味は身の部分が程よい甘さでワタに旨味があります。柔らかいです。
美味しいホタルイカの選び方は生の場合は透明感があるもの、ゆでイカの場合は表面がつやっとしていて膨らみがあるものを選ぶことです。値段はやや高価で、ホタルイカの中でも活けが特に高価です。甘辛く煮るとご飯との相性も抜群なのでおすすめです。
様々な料理に合う「ヤリイカ」
食用であるヤリイカは外套膜(軟体動物にある器官)の長さが40cm前後で細長く足が小さいのが特徴です。旬の時期は秋から冬と春です。特に冬には活けの入荷もあるので、市場ではヤリイカが冬の風物詩にもなっています。味は身は控えめな甘さで、熱を通しても硬く締まりません。また皮は剥きやすく墨袋は小さめです。
美味しいヤリイカの選び方は時間が経つにつれて茶色・白になるので、透明なものを選ぶことです。値段は綺麗で味が良いので高めです。ヤリイカのマリネやみりん・醤油などに漬けて焼く漬け焼きがおすすめです。
高級イカの一種「剣先イカ」
食用である剣先イカは外套膜(軟体動物の器官)が40cm前後で胴は細長いのが特徴です。旬の時期は地域によって異なります。身に厚みがあって熱を通しても硬く締まりません。表皮はしっかりしているので取りやすいです。
美味しい剣先イカの選び方は張りがあり赤いものを選ぶことです。獲ってすぐは白く透明でだんだん赤くなり、時間が経つと白くなります。値段は高めです。また暖かくなるほど入荷が増えます。なめろうや一夜干しにするのがおすすめです。
身が厚い「モンゴウイカ」
食用であるモンゴウイカは胴の長さが約30cmほどの大型イカで、胴に紋があるのがが特徴です。旬の時期は冬から初夏です。味は甘味があります。身はとても分厚くやや硬いです。また皮も厚く墨を多く含みます。
美味しいモンゴウイカの選び方は張りがあり、紋がくっきりしているイカを選ぶことです。西日本で入荷量が多く値段はお手頃価格のことが多いです。天ぷらや中華炒め、刺身などがおすすめです。
旨味が強い「甲イカ」
食用である甲イカはが外套背長が20cm前後で、水深10m~100mの砂泥の底の近くに生息しているのが特徴です。旬の時期は冬から春です。味は甘味があり肉厚で熱を通してもあまり硬くなりません。柔らかく旨味・甘味があることから寿司に使われることもあります。そして良質なたんぱく質を含んでいます。
美味しい甲イカの選び方は表面が白くなく褐色なイカを選ぶことです。値段は新イカは特に関東でとても高くなります。寿司はもちろんのこと、塩茹でやかき揚げ刺身がおすすめです。様々な種類のイカを紹介しましたが、見た目や味や値段は種類によって異なることが分かりました。続いては美味しい食べ方を紹介します。
種類豊富なイカの美味しい食べ方
低脂肪・低カロリー・高タンパク質のイカには様々な栄養素が含まれています。イカに含まれるタウリンやEPA・DHAは成人病を予防する効果があります。続いてはそんな栄養素を含むイカの美味しい食べ方を紹介します。がっつり食べれるおかずからお酒と相性の良いおつまみまで、幅広く紹介するので是非参考にしてみてください。
新鮮なイカなら「刺し身」
獲ってからまだあまり時間が経っていない新鮮なイカは、生のままで食べるのもおすすめです。(イカの種類によっては調理した方が良いものもある)普通の醤油につけて食べるのももちろん美味しいですが、わさび醤油やしょうが醤油・肝醤油などにつけていただくのも良いでしょう。
刺身は生のイカを切るだけだと思われがちですが、切り方や盛り付け方によって様々なイカの刺身をいただくことができます。例えば細造りという調理法はイカを縦半分に切って2枚にし、皮を剥いて1枚ずつ横向きに置きます。そして垂直に包丁を入れ細切りにしていく方法です。他にも唐草や鳴門造りなどの切り方があるので是非挑戦してみてください。
冷めても美味しい「煮物」
生で食べても美味しいイカもたくさんありますが、ゆでて煮物にするのもおすすめです。煮物にする時には熱を通しても硬くならないイカの種類を選びましょう。醤油・みりん・酒・砂糖などで甘辛く煮るのも良いですし、生姜や出汁の素を使っても美味しいです。イカの煮物は大根や里芋と相性が良いです。また食べ応えがあってご飯にも合い冷めても美味しいのが嬉しいポイントです。
ガッツリ食べたい「イカめし」
イカをメインの料理としていただきたい時にはイカめしがおすすめです。ご飯を醤油・みりん・砂糖・酒などで味付けして、捌いて下ごしらえしたイカに詰めていきます。そして鍋に入れて煮込んだら完成です。お好みで生姜などを加えるとより美味しくなります。見た目もインパクトがあり食べ応えもあります。
パーティにもぴったり「イカのマリネ」
短時間でお洒落な彩りのあるイカ料理を作りたい方には。イカのマリネがおすすめです。まず輪切りにしてゆでたイカと食べやすくカットした玉ねぎ・人参・胡瓜などを混ぜます。そしてオリーブオイル・塩・酢・砂糖・粒マスタードなどを混ぜたソースをあえたら完成です。輪切りにしてゆでたイカはサラダにのせても良いでしょう。またサーモンやパプリカと合わせると食卓がより華やかになるのでおすすめです。
ワインにも合う「バター炒め」
先ほど紹介したイカの煮物は甘辛な味なのでおかずにおすすめの料理法ですが、炒め物にするとお酒にもぴったりなおつまみになります。特にバター炒めは香りも良く食欲をそそります。作り方は簡単で食べやすい大きさに切ったイカをバター・醤油・塩コショウなどで炒めるだけです。短時間で調理したい方にも最適です。
お好みでニンニクやネギ、明太子などを入れて炒めるのもおすすめです。またバターを使って炒めた後にポン酢をかけてもお酒にぴったりな一品になります。そしてマヨネーズを使うと居酒屋で出てきそうなおつまみになります。使う調味料や調理法によって色々なイカ料理が楽しめます。続いてはイカを上手にさばく方法を紹介します。
種類豊富なイカの上手なさばき方
イカをさばく方法
続いてはイカの捌き方、皮の取り方、墨袋の取り方を紹介します。イカは生のままでいただく場合も調理する時も下処理が必要になります。冷蔵・冷凍保存をする際も下処理を行ってから密封袋に入れるのでこの方法を是非参考にしてみてください。
まずはワタと胴がくっついている部分(イカの目の上あたり)に親指を入れてワタを胴から抜き取ります。この時軟骨にそって引きはがすのがポイントです。足とエンペラ(イカの耳のヒレ部分)を手でしっかりと握りながら引き離すと胴とワタが分かれます。胴の中には内臓が残っていることもあるので、中に水を入れながら洗うと良いでしょう。
イカのワタとげそを切り分けます。ワタの墨袋(黒い筋が見えます)があるほうを上にし、身をめくってワタの根元を見つけたらワタとげそを包丁で切り分けます。げそを上にしてまな板に置き、目を取り出すために目より少し中央の部分に左右一本ずつ切り込みを入れます。そうすることで手で取れるようになります。次に足を下にしてまな板に置き、開いて足の付け根部分にあるくちばしを裏から親指で押して取ります。
イカのげその足を揃えて置き、長い足は他の足の長さに揃えるように切ります。基本的に足の先端部分は料理には向きません。次にげそに小さめのスプーン1杯の塩をかけ、指で1本ずつげそをしごいて小さい吸盤を取ります。その後水で洗います。
イカの皮を剥く方法
エンペラ(イカの耳のヒレ部分)と胴がつながっている部分に人差し指と親指を入れます。そしてそのままエンペラの先に向かって動かして胴の先を取ります。エンペラを持って胴の元部分に向かって皮を剥がします。残った皮はキッチンペーパーやさらしなどを使うと剥がしやすいです。
次に先ほどとは反対側の胴の先端部分の皮を持って、胴の元部分に向かって剥がします。軟骨があったところに包丁を入れて胴の身を開いていきます。胴の内側にある汚れや内臓を取り除きます。キッチンペーパーを使ったり包丁でしごくと取り除きやすいです。これで下ごしらえは終了です。
イカの墨袋を取る方法
次にイカの墨袋を取ります。イカのげその方から手でつまんで引っ張ると墨袋を取り除くことができます。イカの塩辛など、イカのワタ部分を料理に使う時このような方法で墨袋を取り除くことがあります。
種類豊富なイカの保存方法
イカは種類によって異なりますが甘味があるので刺身で食べても美味しいです。またゆでたり焼いたりと色々な調理法を使うこともできる食材ですが、一度に購入したイカを全て使い切れない時もあります。まず保存するにあたって重要なのは「捌いて下処理をしてから保存すること」です。海産物なのでどうしても鮮度が落ち傷んでしまうからです。
冷蔵保存する場合は捌いて下処理をしたイカの水気を取ってから部位ごとにラップで包み密封袋に入れます。もちろん購入したその日にいただくことをおすすめしますが、刺身でいただく場合は保存期間は約1日ほどです。加熱する場合は約3日が目安です。
冷凍保存する場合は、冷蔵保存と同様に捌いて下処理し水気を除いたイカを部位ごとにラップで包み密封袋に入れます。冷凍の場合は冷凍専用の密封袋を使う事をおすすめします。またあらかじめイカの調理方法が決まっている場合は、この時点で切っておくと調理する時に便利です。
冷凍保存の場合の保存期間は約2~3週間です。解凍する際は冷蔵庫に移したり流水解凍するのがおすすめです。鮮度の良いイカをいただくのがベストですが、どうしても保存したい場合は保存期間や調理法を考えてから冷蔵保存・冷凍保存を選びましょう。
イカの種類を楽しみながら美味しくいただこう!
それぞれのイカの旬の時期や値段、美味しい食べ方などの特徴を紹介しました。もちろん種類によって見た目も異なりますが、味や値段も大きく異なることが分かりました。おすすめの調理法もあるのでイカの捌き方を参考にしてイカ料理を作ってみてはいかがでしょうか。