2018年11月06日公開
2024年08月16日更新
フランスの食べ物まとめ!有名伝統料理からスイーツまでご紹介!
フランスで有名な食べ物といったら何を思い浮かべますか?フランス料理といえば、なんとなく高級で気取ったイメージがあるかもしれません。実際はどこの国の料理であっても、毎日食べる日常の食べ物であり、地方によって様々な特色があります。それは私たち日本人が毎日美しい会席料理を食べていないことや、北海道と沖縄では料理が異なるのと同じことでしょう。フレンチレストランで食べる時やお料理をする時のヒントになるように、今回はフランスの伝統料理からスイーツまでを紹介します。
目次
フランスの有名な食べ物を伝統料理からスイーツまで大紹介
フランスの有名な食べ物といったら何を思い浮かべますか?フランス料理というと、何となく高級で気取ったイメージがあるかもしれません。実際はどこの国の料理であっても、毎日食べる日常の料理であり地方により様々な特色があるのは言うまでもありません。日本でもフランスの料理が食べられますが、残念ながら日本ではあまり知られていない素朴な料理もあります。
日本の料理が北海道と沖縄では違うのと同じように、フランスの郷土料理も地方によってそれぞれ特色があります。一般的にはフランス北部は、バターを使ったホワイトソース系の料理が多いという傾向があります。それに対してフランス南部では、オリーブオイルをふんだんに使った料理になります。近辺の国であるイタリアやスペインと同じような傾向も感じさせる、地中海料理となります。
フランスは北部であっても南部であっても海に面していますので、魚介類もよく食べられます。肉は牛肉、豚肉、鶏肉、ラムはもちろんのこと、ジビエと呼ばれる狩猟した野生動物も好まれます。野ウサギ、鹿、カモ、ウズラなどです。野菜や果物の種類も多く、豊かな農作物に恵まれている国と言えます。和食のように料理に砂糖を加えることは少ないけれど、伝統的なスイーツはしっかり甘く、地方により多くの種類があります。
フランスの有名な伝統料理
ブルゴーニュ地方が有名「エスカルゴ」
「エスカルゴ」はフランス料理の中でも有名なもののひとつです。食べたことのない人にとっては、カタツムリが食べ物だなんて信じられないかもしれませんが、美味しく手軽な前菜です。最も一般的なと調理法としては、殻の中にエスカルゴバターといっしょに詰められたものをオーブンで焼いたものです。エスカルゴバターの材料は、バターにパセリとニンニク、エシャロットですので、前菜からワインがすすんでしまいます。
「エスカルゴ」は冷凍食品や缶詰もありますので、フランス国内はもちろんのこと日本でも手に入りやすい食べ物です。元々はブルゴーニュ地方の伝統的な料理で、いろいろなレシピがあります。そして用いるカタツムリの種類としては、「エスカルゴ・ド・ブルゴーニュ」と呼ばれている、ブルゴーニュの「エスカルゴ」が一番美味しいとされています。
日本でもデパートなどで、オーブンで焼くだけでOKの、殻に入った「エスカルゴ」が販売されています。「エスカルゴ」は内臓を取り除いて、加熱調理してからエスカルゴバターとともに殻に詰めてあります。つまり「エスカルゴ」はすでに火が通っていますので、生の部分が残っていないか心配は不要。熱々になって美味しい香りが漂ってきたら食べましょう。
フランス北西部の名物料理「ガレット」
最近では日本でもガレット専門店を見かけるようになりました。「ガレット」とは、フランス北西部の郷土料理で、最も一般的なのはそば粉で作られるブルターニュのガレットです。そば粉・水・塩などを混ぜて寝かせた生地を鉄板に注いで、薄い円形に伸ばして焼く食べ物です。具材としては、ハムやチーズ、卵、魚介類などを使います。元々は食事として作られるものでしたが、ジャムやリキュールを使ったデザートもあります。
フランス北部はブドウがうまく育たないため、リンゴを発酵させた「シードル」というお酒が有名です。田舎を旅行する時、ワインはあまり期待できない北部の地域でも、「シードル」と「ガレット」という美味しい組み合わせがあります。
家庭の定番料理「ポトフ」
「ポトフ」は今では日本でも有名な料理ですが、元々はフランスの伝統的な家庭料理のひとつです。pot-au-feuのpotは鍋という意味で、feuは火です。牛肉やソーセージと、煮崩れないように大きく切ったニンジン、タマネギ、ジャガイモ、キャベツ、カブなどの野菜をコトコト煮込んだ料理です。香りづけとしては、セロリやパセリ、ローリエなどを使い、味付けは塩・胡椒を基本とする素朴な作り方です。
日本ではスープも具もいっしょに食べることがあるようですが、伝統的にはスープと具は別にしてサーブします。「ポトフ」のお肉は切り分けて、マスタードなどをつけて食べます。特に冬の寒い日に作ると、あたたまりますので嬉しい料理です。大きな鍋で一度にたくさん作った方が美味しいですし、翌日にも楽しむことができる食べ物です。
ロレーヌ地方が発祥の「キッシュ・ロレーヌ」
「キッシュ」は日本でもとても有名な食べ物です。フランスのロレーヌ地方が発祥なので「キッシュ・ロレーヌ」と呼んでいます。美味しいパイ生地をタルト型に敷いて、ベーコンとおろしたグリュイエールチーズを入れ、卵と生クリームをよく混ぜて、塩・胡椒、ナツメグで味つけした生地を流し込みます。このレシピは比較的簡単な上に、食材のバリエーションを楽しめるので人気です。
「キッシュ・ロレーヌ」はフレンチドレッシングで和えたグリーンサラダがよく合う食べ物です。「キッシュ・ロレーヌ」をアントレ(前菜)として選ぶと、思いのほか大きくてびっくりすることもあります。少食の人は注文前に大きさを確認するか、エビのように高価そうなアントレを選ぶと量が少ない傾向があります。「キッシュ」は家庭でもよく作られる食べ物ですし、サラダを一品加えるだけでも簡単なランチになります。
フランスの前菜やサラダ
シンプルだけどとっても美味「トマト・モザレラ」
「トマト・モザレラ」は料理と呼んでいいかわからないくらい簡単で、そして美味しい前菜になります。トマトとモッツァレラチーズを切って、交互に並べて塩・胡椒・バルサミコビネガー・オリーブオイル・バジルの葉を散らすとできあがりです。フランスはモッツァレラチーズが安いので、日本で作るよりさらに手軽な料理に感じられます。
こういったシンプルなレシピのコツは、良い材料をそろえることだけです。真夏のトマトやバジルが美味しい時期に作りましょう。上質の美味しいオリーブオイルを持っていることも大切かもしれません。お料理の腕が上がったかと錯覚できるほどです。
南仏の味わいが詰まった「サラダニソワーズ」
「サラダニソワーズ」とは、ニース風サラダのことで、南フランスのニース発祥の代表的な食べ物です。ボリューム満点で栄養のバランスも取れていますので、ランチを軽くすませたい時にはこのサラダだけでも大丈夫です。プロヴァンス地方では、ワインはロゼが多く生産されています。良く冷やしたロゼを、このサラダとあわせるのはおすすめです。
「サラダニソワーズ」の材料は、トマト、ジャガイモ、シーチキン、インゲン、アンチョビ、黒オリーブ、ゆで卵などです。緑の葉野菜は、サラダ菜など手に入るもので大丈夫です。ビネグレットソースは、白ワインビネガー、オリーブオイル、マスタード、ニンニク、塩・胡椒などで作ります。材料を見てのとおり、トマトや黒オリーブ、ニンニクを使った地中海料理らしい食べ物となっています。
食の都リヨンのサラダ「サラダリヨネーズ」
「サラダリヨネーズ」はリヨン風サラダとも言われているフランスの代表的なサラダです。リヨンはパリに次ぐフランス第2の都市で、美食の街として有名です。リヨンにはブションと呼ばれているカジュアルな家庭料理のお店が数多くあります。リヨンの伝統料理は、私たち日本人がイメージするおしゃれなフランス料理とは少し違うと感じるかもしれません。カワカマスのクネルや内臓料理など、素朴でそして「盛り」もいいです。
そんなリヨンのブションによくある定番の有名な前菜と言えば「サラダリヨネーズ」です。サラダに使われる食材は、お店や家庭によって様々ですが、リヨン風のサラダではラルドンと呼ばれるベーコンの小さい角切りを炒めたようなものが入っています。そしてポーチドエッグとクルトンも欠かせません。卵をつぶして黄身をからめながら食べましょう。
フランスのレストランで食事をする時には、前菜、メイン、チーズやデザートの順で食べるのがよくある流れですが、フランス人だって毎回そんなにきちんと食事をしているわけではありません。きちんとした食事は時間がかかりますし、カロリーだって取り過ぎてしまいます。格式高いレストランならともかく、地元のカジュアルなお店ではボリュームたっぷりのサラダとパンでも十分です。
手軽に作れて日持ちもする「キャロット・ラぺ」
「キャロット・ラぺ」は、夏場によく作られるフランスの家庭料理です。どこの家でも必ず作られるようなニンジンのサラダで、手軽な前菜になります。
作り方は簡単です。ニンジンをスライサーなどで薄く切り、ビネガー、オイル、マスタード、塩・胡椒などを混ぜて作るドレッシングで和えるだけです。お好みによってはレーズン、クルミ、オレンジなどを入れるなど家庭によって様々なレシピがあります。ニンジンはとても安いことがあるので、大量に作り置きしておくと冷蔵庫で1週間くらい日持ちするのでおすすめです。
フランスの有名なスープ
鮮やかな色が決め手「ガスパチョ・ア・ラ・トマト」
「ガスパチョ・ア・ラ・トマト」はトマトのガスパチョです。ガスパチョは元々はフランスではなくスペインのアンダルシア地方の食べ物で、暑い時に好まれる冷製スープです。飲むサラダとも言われていて、食欲がない時でもしっかり野菜がとれます。ミキサーに野菜、パン、オイル、ビネガーなどを入れて作るので簡単です。作ってから少し置いた方が味が馴染んで美味しく感じられます。
ガスパチョの材料はそれぞれの家庭によって違いますが、野菜はトマト、キュウリ、タマネギ、パプリカ、ニンニクなどを使います。材料のうちのトマトを前面に押し出したのが「ガスパチョ・ア・ラ・トマト」です。まれに緑色のガスパチョも見かけますが、たいていはトマトをベースとした赤いガスパチョです。
「ガスパチョ」は冷たくて口当たりがいい食べ物ですが、生のニンニクが入っています。もちろんレシピにもよりますが、意外とたくさん入っている場合もありますので、胃が心配な方は食べ過ぎないようにした方がいいかもしれません。
フランスのシンプルなスープ「オニオンスープ」
「オニオングラタンスープ」は日本でもかなり知られているスープなので、お店で食べたことがある人も多いことでしょう。元々はフランスのリヨンでよく食べられていた「オニオンスープ」ですが、パリでグラタンとして提供されるようになったのでパリの郷土食とされています。タマネギの甘味を感じるスープを含むバゲットと、熱々チーズのハーモニーがたまりません。これだけで心も体もあったまる食べ物です。
「オニオングラタンスープ」の作り方はとてもシンプルです。ですが、タマネギをじっくりあめ色になるまで炒めるので、時間はかかります。簡単な料理ですが、このスープの美味しさの決め手はあめ色の玉ねぎのコクと甘さになります。そこにブイヨンを加えるのですが、先ほど紹介したポトフのスープを使うのもおすすめです。カリッと焼いたバゲットとグリュイエールチーズをのせてオーブンで焼きましょう。
家庭で簡単に作る場合には、時間をかけてタマネギを炒めるかわりに電子レンジにかける方法もあります。あるいは、あめ色に炒めるまでを時間がある時にすませておくこともできます。チーズもグリュイエールチーズのかわりに、ピザ用のチーズなどあるもので代用できます。そうすると難しい材料は何も必要ありませんので、寒い日にぜひ作ってみてください。
フランスの人気肉料理
ビーフシチューの元となる料理「牛肉の赤ワイン煮込み」
「牛肉の赤ワイン煮込み」は「ブッフ・ブルギィニョン」と言って、フランスのブルゴーニュ風の牛肉という意味の伝統的な家庭料理です。煮込み料理もそれぞれの家庭やレストランのレシピがあって、肉を前日からワインでマリネする方法もありますが、その手間はかけない場合もあります。
一般的に料理で使うワインは、その土地のワインが使われています。ブルゴーニュのこの煮込み料理も、ブルゴーニュ地方の赤ワインが使われます。家庭で作る時もピノノワール、あるいはカベルネソーヴィニヨンなどであってもある程度タンニンがしっかりした物を使った方が美味しいようです。軽くて酸味が強いワインを使ったり、ワインの煮詰め方が足りないと、出来上がりに酸味が出てしまいます。
使う牛肉の部位は、バラ肉、すね肉、ほほ肉などお好みのものをお使いください。「牛肉の赤ワイン煮込み」はビーフシチューの元となっているとされていますが、大きな違いは具材と液体のバランスです。「牛肉の赤ワイン煮込み」では、牛肉の塊がしっかり盛られてニンジンなどが添えられていて、液体は思いのほか少ないです。シチューと言うよりは、ソースがかかった濃厚な牛肉と野菜の煮込みを食べるイメージかもしれません。
老若男女問わずに大人気「ローストチキン」
次に紹介する「ローストチキン」は、フランスの料理というほどではありませんが、多くの人に人気がある食べ物です。香辛料や付け合わせの野菜にこそ違いはありますが、チキンをオーブンで焼く料理は多くの国で食べられています。フランスを旅行していて、メニューに書いてあるフランス語がよくわからず何か注文しなければならない時に、このpoulet rôtiを覚えておくと便利です。大きなハズレはありません。
特に子供連れのフランス旅行の場合、自分の食べ物を選んで、さらに子供が食べられる物を探すのは大変だったりします。わけのわからない内臓料理が出てきたら困ります。そんな時には、子供の食べ物はこのpoulet rôtiかsteak haché(ハンバーグのようなもの)が安全です。
フランスでは家庭のオーブンで焼く場合もありますが、焼けたのを買って帰る場合もあります。そのあたりは日本と同じです。フランスではマルシェ(朝の市場)でも、この「ローストチキン」の屋台をよく見かけます。パリッと焼けた皮が美味しそうです。丸ごとが大き過ぎる場合には、半分でも購入できます。いっしょに付け合わせのジャガイモやニンジンがあったら、いっしょに入れてもらうことをおすすめします。
パリに行ったら一度は食べたい「鴨のコンフィ」
「コンフィ(confit)」は主に南西フランスで用いられるフランス料理の伝統的な調理法です。confitはフランス語の動詞confire(保存する)を語源とします。つまり何かに浸して食べ物の保存性を上げる方法と言えます。「鴨のコンフィ」の場合は、塩とハーブを鴨のもも肉にまぶして油脂の中で低温加熱します。加熱後はそのまま冷やして固まった油脂の中で保存します。
「鴨のコンフィ」はフランスのビストロでもよくある人気のメニューです。あらかじめ準備しておくことができますので、注文を受けてからフライパンで仕上げることができます。よくある付け合わせは、ニンニクとパセリが入ったジャガイモのソテーです。待っている間に美味しそうな香りが漂ってきて、たまりません。フランスに行ったら一度は試してもらいたい食べ物です。皮はパリッと香ばしく、お肉は柔らかくて美味しいです。
美味しくておすすめの「鴨のコンフィ」ですが、困ったことにはとても高カロリーです。缶詰も売っていますが、鴨を漬け込んである固まった油脂がいい味を出しています。ダイエット中であれば動物性油脂は取り除くのが基本ですが、この鴨の味の油を捨てないでジャガイモを調理するとそれがまた美味しい!健康に注意しながら楽しんで欲しい、悪魔的な食べ物と言えそうです。
フランスの魚介料理
日本でも大人気「ブイヤベース」
魚介類を使った料理として最初に紹介するのは「ブイヤベース」です。「ブイヤベース」は魚介類を香味野菜で煮込む食べ物です。日本でも、魚介を加えたらすぐできるブイヤベースのブイヨンが販売されているので、かなり知られている料理と言えそうです。南フランスの料理でマルセイユが本場ですが、元々は漁から戻って市場で売り物にならなかった魚介類を使って作られました。
マルセイユには「ブイヤベース憲章」というものがあって、「ブイヤベース」に入れる材料が定められています。カサゴを含む最低4種類の岩礁魚などを使う、その他の野菜や香料としては、タマネギ・ジャガイモ・トマト・胡椒・サフラン・ガーリック・パセリ・フェンネル・塩・オリーブオイルを使う、タイ、ヒラメ、オマール海老、ムール貝類、タコ、イカは入れないなどと細かい規定があります。
「ブイヤベース」をサーブする時には、ルイユを添えます。ルイユソースとは、ニンニクと赤トウガラシの粉末を卵黄とオリーブオイルとともに混ぜたピリッと辛いソースです。卵黄とオリーブオイルを乳化させて作るので、見かけはマヨネーズのような形状です。「スープ・ド・ポワソン(魚のスープ)」にも合います。
フランスでは定番中の定番「舌平目のムニエル」
「ムニエル」は日本でも知られている調理法で、シャケの「ムニエル」を食べたことがある人は多いでしょう。舌平目は、フランス料理で最も調理されることの多い、高級な魚のひとつと言えます。「ムニエル」という料理名は、小麦粉を作る職人「ムニエ」という言葉に由来します。魚に小麦粉をまぶして焼くことから、こう呼ばれるようになりました。
「舌平目のムニエル」は、ブールノワゼットソースという焦がしバターのソースで仕上げます。バターを香ばしく焦がして刻んだパセリを加えたフランス料理ではよく使われるソースです。乾燥パセリではなくて生のパセリの方が香りよく仕上がります。この料理は、素朴な家庭料理というよりは、特別な日やおもてなしにも使えるメニューです。良い舌平目を使ったムニエルは、フランスのレストランでもそれなりのお値段がします。
北フランスで大人気の「ムール貝とポテト」
「ムール貝とポテト(Moules-frites)」は、ムール貝とフライドポテトをセットにした食べ物で、ベルギー発祥の料理として有名です。フランスに限らないことですが、食べ物は隣接する国の影響を大きく受けます。アルザス地方には隣国ドイツの影響を受けたシュークルートという食べ物がありますし、南フランスはイタリア・スペイン料理の影響を受けています。「ムール貝とポテト」は北フランスで大人気の食べ物です。
ムール貝の白ワイン蒸しに、カリッと揚がったポテトを添えた料理は、キリッと冷えた白ワインやビールとよく合います。ムール貝は、英仏海峡や北海が主な産地で、日本よりずっと安価です。1人前がバケツ1杯分くらいありますが、けっこう食べられてしまうものです。この料理はカジュアルなお店で気取らずに食べる料理ですので、フランスひとり旅であっても気軽に楽しめる食べ物です。
フランスの人気のスイーツ
ここからは、フランスで人気のスイーツを紹介します。フランス料理では和食のようには砂糖を使わないけれど、その分スイーツはとても甘いことがあります。見た目も可愛くて魅力的なフランスのスイーツを見ていきましょう。
フランスが発祥の有名菓子「マカロン」
最初に紹介するスイーツ「マカロン」は、日本でもブームになりました。よく知られている通り、フランスの伝統的な洋菓子です。卵白と砂糖とアーモンドを使っていますが、砂糖を多く含んでいるのでとても甘いです。表面が乾燥しているので日持ちしそうに見えますが、保存はあまり効きません。賞味期限は5日ほどのことが多いようです。お土産にもらったら可愛いので大切にしたくなりますが、早めに食べてしまいましょう。
「マカロン」には様々な種類がありますが、通常はかたく泡立てた卵白に砂糖とアーモンドプードルなどを加えて焼き上げます。焼き上がった2枚の生地の間には、上の写真のようにクリームやジャムがはさんであります。このようなパリ風のマカロンは、パリの「ラデュレ」という菓子店の経営者であるピエール・デフォンテーヌという人が売り出したのが始まりだと言われています。
「マカロン」発祥のお店「ラデュレ」は、フランスだけではなく日本にも店舗があります。銀座、青山、新宿、日本橋、横浜、羽田空港にありますので、フランスのスイーツがお好きな方は立ち寄ってみてください。
シンプルな素材で作る伝統菓子「マドレーヌ」
「マドレーヌ」は日本でもほとんどの人が知っている有名な焼き菓子ですが、元々はフランス発祥の伝統菓子です。材料は、無塩バター、小麦粉、卵、砂糖、ベーキングパウダー、アーモンドパウダー、香料、ブランデーなどで、貝殻型の焼き型に入れて焼くのが一般的です。「マドレーヌ」という名称は、それを初めて作った女性の名にちなんでつけられたと言われています。
洋菓子屋さんでは、「フィナンシェ」というよく似た焼き菓子を見かけることがあります。「マドレーヌ」は全卵を使うのに対して、「フィナンシェ」は卵白のみを使うのが違いです。「マドレーヌ」はシンプルな材料で作られていて、誕生から200年以上たっているフランスの伝統的な焼き菓子と言えます。
タルト生地をかぶせて焼いたリンゴのタルト「タルト・タタン」
「タルト・タタン」は、リンゴのタルトです。普通のアップルパイとは違います。バターと砂糖で炒めたリンゴを型に敷き詰めて、その上からタルト生地をかぶせて焼きます。焼き上がったら、ひっくり返してリンゴの部分を上にして食べます。リンゴ、バター、砂糖、生地といった本来の味わいを大切にする食べ物でしたが、最近のカフェなどではバニラアイスクリームや生クリームを添えてあるのを見かけます。
フランスの伝統的なスイーツ「タルト・タタン」の発祥の地は、フランスのソローニュ地方のホテル・タタンと言われています。そのホテルを経営していたのが、ステファニーとカロリーというタタン姉妹。調理を主に担当していたステファニーが、リンゴとバターと砂糖に火を入れ始めて、すでにキャラメルの香りが立ち込めてからあわてて少量の生地を伸ばしてリンゴの上にのせて焼いたという説があります。
ステファニーは大皿を型の上のかぶせて、焼き上がったタルトを丸ごとひっくり返して皆に出したら評判がとても良かったということです。他にもいろいろな説がありますが、いずれにしても偶然のように出来上がった食べ物から伝統的なスイーツが生れたということになります。
ボルドーの修道院が発祥の「カヌレ」
次に紹介するスイーツ「カヌレ」は、フランスのボルドー地方の伝統的なお菓子です。ボルドー女子修道院というところで古くから作られていました。「カヌレ」は下の写真のように、独特の形をした「カヌレ型」で焼かれます。外はこんがりと焼かれ、レシピによっては黒めの焼き色に仕上がったものもあります。中はラム酒が効いていてしっとりと濃厚な甘さが印象的なスイーツです。
フランスのボルドー地方はワインの産地として世界的に有名ですが、ワインの製造過程において澱を取り除くために卵白を使用していました。そのため大量の卵黄が余るので、それを利用するために考案された食べ物だと言われています。
日本では「カヌレ」は1990年代にブームになったスイーツです。1990年と言えば、あのティラミスやクレーム・ブリュレといったスイーツが流行した頃です。「カヌレ」はその数年あとに話題になりました。本来、スイーツは流行とは関係なく、自分が好きであれば美味しく味わいたいものです。東京の深大寺には「ル・カナール」という「カヌレ」の専門店もあります。
「ル・カナール」は金曜土曜のみ営業の隠れ家的なお店です。上の写真のように可愛いお店ですので、気になる方は出かけてみてください。
切り口まで可愛いサクランボの「クラフティ」
最後に紹介するスイーツは「クラフティ」です。「クラフティ」はフランスのリムーザン地方発祥の食べ物で、その後にフランス全土に広がり今では有名な伝統菓子です。よくあるのはブラックチェリーの「クラフティ」です。タルト型にタルト生地を敷いて、その中にサクランボを並べます。そして、卵、牛乳、生クリーム、砂糖、小麦粉を混ぜた生地を入れて焼き上げます。食感としてはプディングのような食べ物です。
サクランボの「クラフティ」を作る時には、キルシュというサクランボから作られたお酒を蒸留して作るブランデーを使う場合があります。キルシュは香りがとても良くて、大人のスイーツになります。「クラフティ」は、サクランボ以外にクランベリーやリンゴを使うこともできます。本場リムーザン地方では、ブラックチェリー以外の果物を用いると「フロニャルド」と呼んで、別の食べ物となっています。
「クラフティ」は家庭で作る場合には、上の写真のようにタルト生地なしで作ることもできます。サクランボの種を取り除く調理器具を持っていると、ますます手軽に作ることができます。混ぜて焼くだけですので、サクランボがたくさん手に入った時にでもお試しください。
フランスの有名な食べ物を知っておこう!
今回はフランスの有名な食べ物を、「伝統料理」「前菜やサラダ」「スープ」「肉料理」「魚介料理」「スイーツ」の順に紹介しました。いかがでしたでしょうか?その国の食べ物について調べると、その国の人々の生活そのものを感じることができて興味深いものです。それぞれの食べ物の発祥の話も、少しだけですが触れてみました。
フランスの食べ物を知っておくと、フランス料理のレストランで食べる時やお料理をする時のヒントになるかもしれません。あるいは、いつかフランスに行って美味しいものを食べる時の参考になるかもしれません。