2018年11月04日公開
2024年08月16日更新
食パンの賞味期限切れは食べられる?いつまでOK?安全な保存方法は?
近年、日本の朝の食卓には食パンが並ぶことが多くなっていますが意外と食パンの賞味期限は知られていません。すぐに消費してしまうので賞味期限を見て買う人は少ないかもしれませんが、実はほかの食品と違って食パンの賞味期限って、とっても大事なんです。ここでは食パンを美味しく食べるために大切な賞味期限がいつまでなのかと、冷蔵庫での保存方法に加えて、賞味期限が近くなってしまった場合の使い方、期限切れの食パンは食べれるのかなど詳しく紹介します。
目次
食パンは賞味期限が切れても食べられる?
朝からごはんはボリュームがありすぎる、かといって菓子パンは重いという人には食パンはソフトな味で食べやすいので朝ごはんにはちょうどいい食べ物です。焼かなくても食べられるという手軽さもあってたくさんの会社が数々の食パンを販売していますが、意外とすぐに賞味期限が切れてしまうことを知っていましたか?
賞味期限切れの食パン、どうしていますか?少しなら大丈夫と食べていますか?それとも1日でも過ぎていたら処分してしまいますか?食パンは賞味期限が切れてもぱっと見た感じ、賞味期限が切れる前と全く変わりません。なので気にせず食べる人も多いようですが、結論から言うと食パンは賞味期限が切れても食べることができます。ではいつまで食べられるのでしょうか?
食パンの賞味期限と消費期限について知っておこう
賞味期限と消費期限の違いについて
食パンについて話す前に、「賞味期限」と「消費期限」について知っておきましょう。食べ物には「賞味期限」と記載されたものと、「消費期限」と記載されたものがあります。賞味期限はその食べ物を「美味しく食べることができる期限」を表します。対して消費期限とはその食べ物を「安全に食べることができる期限」を表します。どちらも似たようにとれる文章ですが、美味しく食べることと安全に食べることは全く違います。
賞味期限は期限が過ぎたからといって食べられなくなるわけではありませんが、消費期限は過ぎると安全面に問題が生じる可能性が出てくるので、食べないほうがよいのです。消費期限が記載される食べ物はお弁当やお惣菜、生菓子などが挙げられますが、実はパンもその仲間なのです。
「賞味期限」と「消費期限」にはもうひとつポイントがあります。賞味期限は長期間保存ができる食品に記載されています。一方消費期限は品質の劣化が早い食品に記載されています。逆に考えると食パンは品質の劣化が早い食品という事なので、早く消費するのが好ましいことになります。安全面でも食べ物を無駄にしない面でも、食パンはいつまでにと考える前に早く食べた方がいい食品です。
食パンの賞味期限はどれくらい?
食パンはいつまで食べる事ができるのでしょうか?市販の食パンのパッケージをよく見てみると、実は食パンは「賞味期限」ではなく「消費期限」と記載されています。ここでは賞味期限として記載しますが、どんな食材も早めに食べるほうが風味を損なわず美味しいので、できるだけ早めに食べることを心がけながら読み進めてください。
さて食パンは、スーパーで手に入れる方法とパン屋で手に入れる方法の2通り入手方法がありますが、どちらで購入するかによっていつまで食べられるかは少し変わってきます。実は、食パンの賞味期限はスーパーで購入するほうがパン屋で購入するものより少し長いんです。どうしてだと思いますか?
スーパーで販売される食パンは、作られてから店頭に並ぶまでに時間があるので、添加物や防腐剤、保存料が入っています。日持ちするため、賞味期限はいつまでかというとだいたいが3~4日です。それに対してパン屋の食パンはお店の中で焼き上げられていることほとんどで、すぐに購入し食べる事ができます。そのため防腐剤や保存料を入れる必要がないので、いつまでもつかというと短めでだいたい2~3日くらいです。
未開封と開封後の賞味期限に違いはある?
それでは「未開封」と「開封後」の食パンでは、賞味期限に違いはあるのでしょうか?賞味期限の記載には「未開封、かつ、正しく表記通りに保存されていること」が前提なので、未開封の状態での賞味期限がパッケージに記載されています。つまり、開封してしまうと記載されている賞味期限はなかったことになってしまうわけです。食パンに限らずどんな食品でも、開封したら早めに食べる事が美味しい食べ方になります。
食パンの賞味期限切れはいつまで食べられるかを解説
せっかく買った食パンでも、長くても3~4日後には賞味期限が切れてしまいます。家族の人数が多い場合は賞味期限切れ前に食べてしまうことができますが、家族の人数が少なかったりひとり暮らしだと食べきることができないまま賞味期限がきてしまいます。そこで、食パンの賞味期限切れはいつまで食べられるか調べてみました。
食パンの賞味期限切れはもう食べられない?
賞味期限切れの食パンはもう食べられないのでしょうか?賞味期限切れがどういうことかを知るとなかなか手を出しにくくなりますが、賞味期限が切れたからといってただちに食べられなくなるわけではありません。食パンはほかの食品ほど期限が切れてもいつまでも食べられるわけではありません。賞味期限が切れた食パンがいつまで食べられるかは、どうやって判断したら良いのでしょうか?
賞味期限切れの場合は見た目と匂いで判断しよう
食パンの賞味期限はくわしくは後述しますが、季節によっても変化します。賞味期限が切れてしまった食パンを食べる場合、見てわかる劣化と見てわからない劣化があります。賞味期限が切れた食パンにはカビが発生し始め、匂いに変化があります。簡単な判断方法としては、目で見て鼻で匂いを嗅いで、大丈夫だったら食べる事ができます。この場合いつまで食べられるかは、個人の判断になります。
見えにくい白カビが発生しているもあり!
しかし、ここで注意すべきことがあります。目で見て大丈夫だからといってすべてが安全というわけではありません。「白カビ」を知っていますか?私たちが普段目にするカビは青カビといって、青い色をしています。白カビとの違いは胞子が持っている色が違うだけで、青カビ・白カビの発生条件は同じなので、青カビが発生するという事は白カビが発生していてもおかしくはありません。
食パンは白いので、ぱっと見た感じ白カビは見えにくいという難点があります。食パンは例外を除いてはほとんどの場合期限切れを食べても問題はありませんが、カビには注意したいものです。青カビを知りながら食パンを食べる人はいないでしょうが、初期の青カビや白カビは知らず知らずの間に口にしてしまうことがあるので気を付けましょう。カビには毒性があり、長期的に体内に入ると発がんやその他の病気の危険性があります。
カビは高温多湿を好みます。ですので、温度と湿度が低いところに保存すると繁殖を防ぐことができるのです。温度と湿度が低いところといえば冷蔵庫が思いつく人が多いですが、冷蔵庫は常温保存と違って極端に温度と湿度が低いため、カビを防ぐことができても食パンにほかの症状が出てしまいます。そのため冷蔵庫での保存は適しているとは言えません。食パンの保存は常温の範囲で高温多湿を避けるとカビの繁殖が防げます。
賞味期限切れの食パンの変化
賞味期限が切れたばかりだと見た目や味の変化は分かりにくいですが、賞味期限が切れると風味が落ちるだけでなく、乾燥して硬くもなります。また、食パンは約40パーセントの水分を含んでいる食べ物で、保存が長くなるに従って水分が蒸発してパサパサした食感になります。パン屋で売っている食パンは防腐剤や保存料が入っていないことが多いため、これらの劣化はスーパーで買ったものよりかなり早くなります。
美味しく食べるには賞味期限内がベター!
となるとおいしく食べることも含め、食パンはやはり賞味期限切れの前に食べたいものです。食パンはアレンジ方法がたくさんあるので、たとえ賞味期限切れの食パンを食べてもパサパサしているのには気づきにくいかもしれませんが、様々な劣化を考えるといつまでに食べたらいいかなと考えずに賞味期限内に食べるのがベターです。
食パンが美味しく食べられる安全な保存方法とは?
それでは食パンが期限切れする前に美味しく食べられる安全な保存方法とはどんな方法なのでしょうか?保存をするなら、同じ賞味期限内でも美味しく食べたいので、保存方法を調べてみました。
食パンは常温での保存が基本
食パンは常温での保存が基本になります。温度と湿度が低い冷蔵庫が適しているように感じますが、どうして冷蔵庫ではいけないのでしょうか?詳しいことは後述しますが、食パンは直射日光が当たる場所はもちろん、高温や湿度が高い場所、それから温度変化の激しい場所の保存はNGです。キッチンやダイニングで保存する人が多いですが、その中でもコンロや電子レンジ周りは避けましょう。
最近では食パン専用のパンボックスが販売されています。木製、ホーロー、プラスチック、いろいろなタイプがありますが、これらは食パン保存に特化しているので常温でも劣化がしにくいというメリットがあります。またおしゃれなものもあるのでインテリアにこだわりがある人にはお勧めの保存容器です。これらの保存容器は密閉できるものがおすすめです。
季節によっても賞味期限は変化する
先に少し書きましたが、食パンの賞味期限は季節によっても変化します。食パンが劣化しやすい季節は夏場、梅雨時期です。夏は高温になるため、そして梅雨時期は湿度が高いため、期限切れを気にせずに早めに食べることがおすすめです。いくらエアコンを使用していてもキッチンは温度が高めですし、期限を守っているつもりでも食パンの劣化スピードは夏場や梅雨時期以外よりは早めになります。
では、冬場は日持ちするのでは?と思う人もいるでしょうが、日本の冬は乾燥しているため、食パンも水分が奪われやすくなります。賞味期限が短くなるわけではありませんが、美味しく食べたい人はやはり早めに食べるようにしましょう。もちろん高温よりは低温で保存する方がよいのですが、湿度もが低すぎてもいけないので、食パンをアレンジせずにトーストなどで美味しく食べるためには大切なことです。
食パンは冷蔵庫での保存は不向き!
先に食パンの保存は冷蔵庫はよくないと書きましたがその理由を説明します。ラップをせずに食品を冷蔵庫に入れて乾燥してしまった経験がある人は割といると思いますが、それは冷蔵庫の中が乾燥しているからです。なぜ乾燥しているのかといえば、温度が低いからです。温度・湿度が低いと食品の水分が蒸発しやすいため、食パンの冷蔵庫保存は不向きになります。
どうしても冷蔵保存したいという人は、密閉すると冷蔵保存が可能になります。カビを発生させないことを第一に考えると冷蔵庫での保存は適しています。しかし冷蔵保存をしていても食パンに含まれるでんぷんが食パンの劣化を早めてしまうので美味しく食べるという点では少々問題が残ります。そこで、冷蔵庫で保存しながら食べきるのであれば、もっと美味しく食べる方法があるのでそれを紹介します。
安全な保存方法は冷凍保存
食パンの安全な保存方法は「冷凍保存」になります。しかしいつまでももつわけではありません。冷凍保存でいつまでもつのかというと、約2週間~1カ月間もつので、安全かつおいしく食べるには冷凍保存がおすすめです。なぜ冷凍保存がいいのかというと、冷蔵庫の温度では食パンの劣化が進みますが冷凍までの温度に下げるとほぼ劣化しないためです。
食パンの冷凍保存の方法
それでは食パンの美味しさを保ち続ける冷凍保存の方法を紹介します。食パンは1枚ずつサランラップかアルミホイルに包んで、ジップロックに入れて冷凍庫に入れます。これだけで鮮度が保たれます。サランラップとアルミホイルどちらを選んでもいいのですが、アルミホイルは熱伝導率がいいので冷凍までの時間が短くなります。冷凍にかける時間は短い方が美味しさを凝縮できるので、どちらかというとアルミホイルがおすすめです。
しかしサランラップではいけないということではありません。大切なのは「空気を入れずに包む」ことです。空気が入ったまま冷凍すると、その空気が冷やされて凍って霜になります。霜になると食パンが冷凍やけを起こしたり、食パンの劣化につながるので冷凍する際は必ず空気を抜いて包むように心がけてください。これで鮮度も保たれ、他の食品の匂い移りも心配なく冷凍できます。
でも、1枚1枚なんて面倒くさいなという時もあります。そんな時はスーパーで買った食パンの袋そのまま冷凍することができます。しかしこれは未開封の状態でしか冷凍庫に入れてはいけません。スーパーで販売されている食パンは特殊な方法で包装されているので、そのまま冷凍することができるのです。開封してしまったら1枚ずつサランラップに包んで冷凍しましょう。
また、パン屋の食パンが入っている袋は持ち帰り用の袋になるのでもともと密閉でも何でもありません。パン屋で買ったパンを冷凍する際は、1枚ずつサランラップに包む必要があります。特にパン屋の食パンは日持ちしない場合が多いので、早めに冷凍することが長持ちするコツです。
冷凍した食パンの食べ方
それでは冷凍したパンは、どのように解凍するとおいしく食べられるでしょうか。いくつかポイントがあるので紹介します。冷凍した食パンを焼いて失敗した人は多からずいると思います。失敗例が多いのは自然解凍したり、トースターで焼いた場合です。まず、冷凍した食パンの解凍は、自然解凍は絶対にしてはいけません。凍っていた水分が溶けだし、べちゃべちゃになってしまうためです。
また、解凍に時間をかけることはほかの食品も同様、おすすめしません。冷凍と解凍にかける時間はできるだけ短いほうが美味しく食べることができます。時々冷凍した食パンをそのままトースターで焼いて食べる人もいますが、確かにトースターで焼いて食べる事は雑誌などでもすすめられていたりするのですが、トースターは外側から熱を加えて焼く電化製品なので、中まで温まらないまま外側が焦げてしまうことがあります。
こういった事態を避けるためには、食パンをラップのまま電子レンジで数十秒温めてからトースターで焼くことをおすすめします。ラップの中に水蒸気がこもり、食パンをフワフワに解凍することができます。アルミホイルで冷凍していた場合はサランラップに包み直してください。アルミホイルのまま電子レンジで加熱すると火花が飛ぶので注意してください。
食パンを食べきるアレンジを紹介
食パンを美味しく食べきるアレンジを活用してみよう
いつまで持つかな、と考えながら食パンを食べるよりは、賞味期限が切れる前に美味しく食べてしまいたいものです。そこで、食パンをトーストするだけでなく、いろいろなアレンジを加えてバリエーション豊かに調理をすれば飽きずに美味しく食べることができるので、いくつか食パンのアレンジを紹介します。
冷凍した食パンはパン粉にしやすい
揚げ物で使うパン粉、これはパンを小さく削ったものです。冷凍した食パンはパン粉にしやすいことを知っていますか?作り方は簡単です、冷凍した食パンをおろし金ですりおろすだけです。フードプロセッサーがあれば楽にパン粉を作ることができます。手作りのパン粉は市販のものと違ってサクサクで美味しいので一度試してみてください。
余った食パンでクルトンを作ってみよう
余った食パン、特に食パンの耳はクルトンにアレンジするとサクサクで美味しいです。クルトンは乾燥しているので、あえてキッチンペーパーに広げて乾燥させてから調理すると上手に作れます。1センチ四方に切った食パンを乾燥させて、フライパンで乾煎りすると出来上がります。自家製クルトンをサラダやスープにいれると手作り感や風味がアップしていつもよりリッチな一品に仕上がります。
おやつにもおすすめのフレンチトースト
フレンチトーストは卵液に浸して作るので、少々水分が飛んだ食パンでも美味しく食べる事ができます。
- 食パン1枚
- 卵1個
- 砂糖大さじ1
- 牛乳50ml
- バター10g
- 卵、砂糖、牛乳を混ぜ合わせ卵液を作り、2つに裂いたパンを浸しておきます。
- 熱したフライパンにバターを溶かし中火で卵液に浸したパンを両面焼きます。
- 200℃に温めておいたオーブンで7~8分程焼いたらできあがりです。
味をよく染み込ませる場合は一晩冷蔵庫で卵液に浸すことでさらに美味しく仕上がります。オーブンを使わない場合はフライパンでじっくり焼き目をつけてください。フレンチトーストは手軽に作れて人気も高い料理です。
食パンでカリカリスティックラスク
食パンがカリカリのおやつに変身します。6枚切りの食パン3~4枚を6~7等分に長細く切って、150℃に熱したオーブンでじっくり15分焼きます。高温で焼くと焦げるので注意してください、あくまで低温で水分を飛ばしながら焼くことでカリカリに仕上がります。焼きあがったらミルクココア30gを湯大さじ2で溶いて直接回しかけたら出来上がりです。
甘さがやみつきになるメロンパン風食パン
まるでメロンパンのような味わいが口いっぱいにひろがる食パンのアレンジです。見た目もメロンパンのようにして作ってみましょう。
- 食パン1枚
- バター(マーガリン可)大さじ1
- 砂糖大さじ1
- 小麦粉大さじ1
- バニラエッセンス1~2滴
- 食パンに格子状の切込みを入れます。
- バターをレンジで約40秒加熱し、小麦粉、砂糖、バニラエッセンスを加えて滑らかになるまで混ぜます。
- 食パンに塗って焼き上げます。
食パンでアメリカンドック風のランチ
- 食パン(8枚切り)8枚
- 卵1個
- 牛乳大さじ2
- ソーセージ8本
- 粒マスタード小さじ4
- スライスチーズ4枚
- ケチャップ適量
- 食パンは巻きやすいようにめん棒で薄く延ばして、耳を切り落とします。
- 巻き終わりに粒マスタードを塗り、スライスチーズ、ソーセージをのせてくるくる巻きます。
- 卵、牛乳をよく混ぜて2をからめます。
- 巻き終わりを下にして中火で熱したフライパンに入れ、3~4分転がしながら焼きます。
- 斜めにカットしてケチャップを添えてできあがりです。
食パンの賞味期限切れに注意して最後まで美味しく食べきろう!
食パンはうっかりしているとあっという間に賞味期限が切れてしまいます。賞味期限が切れると食べることに躊躇してしまいますが、正しいラッピングをして冷蔵庫や冷凍庫で保管することでとても長持ちします。これまで冷蔵庫を使ったことがなかった人は是非冷蔵庫を活用して食パンを美味しく食べることを目指してみてください。
また余ってしまいそうな食パンも、食パンはアレンジの方法がたくさんあります。食パンは優しい味の食べ物なのでスイーツにも、おかずにも変身することができるありがたい食品でもあります。賞味期限を切らして処分することがないように、好みのアレンジ方法をみつけて自分の食べ方を研究してください。