アロエベラの効果効能と食べ方を調査！育て方も詳しく解説！

アロエの種類はとても多く700種類以上あるともいわれています。その中でも日本で手に入りやすく、一般的に利用されているのはキダチアロエとアロエベラの2種類です。アロエベラは大きな葉が親株を中心に放射状に伸びます。キダチアロエよりも大きくて葉に厚みがあり、巨大なものになると1本で1～1.5kgもの重さになります。葉肉も大きく充実しているため、アロエベラは食用に適していると言われています。

アロエは有効成分によってもたらされる効果効能が多いことから「医者いらず」とも呼ばれています。日本でアロエというとキダチアロエを指すことが多いのですが、海外で一般的なのはアロエベラです。アロエベラとキダチアロエは含まれている有効成分の働きはほとんど同じですが、成分の種類や含有量に違いがあります。天然の健康食であると同時に医薬品としての一面も持っているアロエベラの代表的な効果効能について紹介します。

アロエベラやキダチアロエを含めたアロエの効果と言えばダイエット効果と便通促進です。アロエベラは葉肉100gあたりたったの3kcalしかありません。アロエベラはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル類のほか、ビタミン類も豊富に含んでおり、健康的なダイエットをしたいときに適した野菜と言われています。また、古来よりアロエは便秘薬として用いられてきました。この便通促進の効果はアロインという成分によるものです。

アロインは腸内において腸内細菌の助けによって活性化され、腸の蠕動運動を活発にします。また、アロインには全身の新陳代謝を活発にする働きがあるため、肥満の方の脂肪代謝が促され、健康的にダイエットすることができます。さらに肝機能を良くする効果により、血中のコレステロールを減少させて体重を減らす効果もあります。その他アロインには利尿作用もあるため、むくみの解消につながります。

アロインとともにアロエの独特な苦みのもととなっているのがアロエエモジンです。アロエエモジンはアロエベラの表皮や葉肉部分に含まれています。アロエエモジンには健胃作用や腸の働きを活発にする働きがあります。また、解毒作用があるとされていて、二日酔いの症状の改善にも効果が期待できます。

アロエはアラビア語で「苦い」という意味で、その苦味は強烈です。味覚という観点からみたアロエベラの効能はどのようなものなのでしょうか？食物の性質の一つに「五味」というものがあります。五味は酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(塩味)の五種類の味のことを指していて、その食物の実際の味覚を表すとともに効能を抽象的に表現してもいます。

苦味のもつ効能は、体内の熱や水分、体にとって余分なものを排出するというもので、高熱や便秘に有効とされています。アロエベラの苦味成分であるアロインには緩下作用や利尿作用があり、またアロエエモジンにも緩下作用があるため味覚の効能と一致しているといえます。アロエベラのアロインとアロエエモジンはいずれも医薬品に指定されている成分です。

アロエベラにはサポニンというキダチアロエにはない成分が含まれています。サポニンはアロエベラのえぐみの原因で、不快な味と感じる方もいるでしょう。サポニンの効能としては、動脈硬化予防やダイエット効果が期待されています。これはサポニンの抗酸化作用が、コレステロール値の上昇を抑制したり、ブドウ糖が中性脂肪として蓄積されるのを防ぐことによるものと考えられています。

サポニンには抗菌作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用もあると言われていて、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー疾患にも効果が期待できると考えられています。また、アロエベラを食べると糖尿病や糖尿病予備軍の方の血糖値が下がったという研究結果があり、その有効成分の一つとしてサポニンがあげられています。

アロエベラの葉を切断するとあふれるように出てくるねばねばとした液体は、ムコ多糖体です。ムコ多糖体はキダチアロエよりもアロエベラに豊富に含まれています。ムコ多糖体には、胃や十二指腸、気管支など様々な臓器の傷ついた粘膜をコーティングする作用があり、胃潰瘍にも効果があると言われています。また、ムコ多糖体は腸内の水分調節をする働きがあるため、下痢や便秘を和らげる整腸作用が期待されています。

シミやくすみは紫外線を浴びて作られるメラニン色素が黒く定着したものですが、アロエベラに含まれるアロエシンという成分はチロシナーゼ酵素を阻害することによってメラニン形成を阻害します。また、アロエベラに含まれるアミノ酸類によってもメラニン形成は阻害されるので、この両者によりシミやくすみが予防できます。また肌の新陳代謝も促進する作用があり、できてしまったシミやくすみにも効果的と言われています。

食べることによる効果ではないのですが、アロエベラには収れん作用があるため、化粧水やパックとして用いれば毛穴を引き締めてくれます。また、天然のヒアルロン酸とも呼ばれるほど優れた保湿効果があります。さらに抗菌作用も持つため、肌を清潔に保つことで過剰な皮脂の分泌を抑えます。キズや赤みなどの炎症を抑える効果もあり、吹き出物に早い段階で用いれば化膿を防ぐこともできるとされています。

アロエベラに含まれる成分には医薬品指定されているものがあるため、食べ方には注意しなければなりません。通常、アロエベラジュースなどのアロエベラ製品には、強力な緩下作用があるため医薬品扱いとなっているアロインやアロエエモジンは含まれていません。アロインやアロエエモジンは、アロエベラの葉の表皮に多く含まれています。自分でアロエベラを調理して食べる場合は、最初に表皮を取り除きましょう。

表皮を取り除くことで苦味が軽減されます。キダチアロエと違いアロエベラは苦みが少ないと言われるのは、表皮を取り除く食べ方によるものです。表皮ほどではありませんが、アロエベラの葉肉にもアロインやアロエエモジンは含まれています。アロインによる効果を期待してアロエベラを摂取する場合、葉肉を食べることによっても緩やかな便通の改善などの効果が得られます。

アロエベラの成人の適量は一日60gとされています。年齢や体力、体格によっても適量は異なりますが、小学生の場合は大人の半分量を1日2～3回に分けて、幼児の場合は大人の1/5～1/4量を1日2回くらいに分けて食べさせるとよいでしょう。妊娠中の方が一度に大量に摂るような食べ方をした場合、子宮収縮作用による流産や早産の危険性があります。妊娠中はアロエベラを食べるのを控えるか、便通を整える程度の少量にとどめましょう。

アロエベラの食べ方としてよく知られているのは刺し身です。刺し身にする食べ方は、アロエベラの味を確かめるという意味で初めて食べる方にもおすすめです。刺し身にする際は、ポイントをおさえて作業するときれいに表皮を取り除くことができます。始めにアロエベラを使う分だけ切り、続いて葉の両側についたトゲを切り落とします。まな板にのせたときに上側にくる葉と葉肉部分の間に包丁を入れてそぐように切り取ります。

次に下側の葉も切り取るのですが、この時アロエベラをひっくり返して切ろうとすると、透明な葉肉部分から出た液体でまな板が汚れてアロエベラが滑り固定しにくくなるので切りにくいです。アロエベラは裏返さずに下側の葉と葉肉の間に包丁を滑らせるようにして切り取るとよいでしょう。葉肉部分は食べやすい大きさに切ります。余った表皮は捨てずにネット袋などに入れて湯船に入れると、美肌作用のある入浴剤としても利用できます。

アロエベラを刺し身にする食べ方の場合、味付けの定番にはわさび醤油があげられます。自分の好みに合わせていろいろな味付けを試してみるとよいでしょう。アロエベラの刺し身はクセが少なく淡白な味なので、味付けによっては前菜やデザートとしても美味しく食べられます。

ドレッシングをかけてサラダにしたり、ヨーグルトに混ぜたり、黒蜜ときな粉をかけても美味しいです。料理によって切り方を変えるとよいでしょう。刺し身にする場合は薄く切りますが、サラダやヨーグルトに混ぜる場合は一口大のサイコロ型に切ると美味しくいただけます。

アロエベラの葉肉をシャーベットにする食べ方です。凍らせることでさっぱりとしてとても食べやすくなります。アロエベラの粘液や味が苦手な人にもおすすめの食べ方です。作り方はとても簡単で、表皮を除いた葉肉をラップに包んで冷凍するだけです。凍ったらそのままもしくは軽く砕いて、はちみつやオリゴ糖をかけていただきます。アロエベラは水分が多くこわれやすいため、作ったその日に食べきるなど長期間の保存は避けましょう。

通常の寒天を作るとき、鍋で水と寒天を加熱して沸騰させた後に火を止めます。アロエベラの葉肉をジューサーにかけてできたジュースを寒天液が少し冷めた頃に加えて、バットで冷やし固めたらアロエベラ寒天の出来上がりです。アロエベラのジュースを加えるときにハチミツも一緒に入れると甘さが加わり、より美味しくなります。アロエベラと寒天の組み合わせにより、便秘の解消や食後の血糖値の上昇を抑える働きが期待できます。

アロエベラの葉肉はスープにしても美味しくいただけます。野菜と一緒にじっくり煮込んで作られたスープは栄養満点です。スープにすることで体内への栄養素の吸収もよくなります。スープに使用する野菜を玉ねぎや人参にすると、アロエベラの粘膜修復作用に玉ねぎのケルセチンと人参のβカロテンが加わり、目の疲れを癒す栄養素の詰まったスープになるそうです。目の疲れを感じたら、一度試してみてはいかがでしょうか？

自宅でアロエベラを育てたい、もしくは効果の高い生葉を使ってアロエベラ料理を作りたいという方は、園芸店や種苗店、花屋さんなどで鉢や苗を入手できます。アロエベラが店頭に出回るのは、春先から夏場にかけた時期です。アロエベラの育て方は比較的簡単なようです。アロエベラの基本的な知識や育て方、上手な育て方のポイントについても紹介します。

アロエベラはススキノキ科(旧分類ではユリ科に分類)アロエ属の多肉植物で、アラビア半島南部、北アフリカ、カナリア諸島などが原産地です。寒さに弱く温暖な気候を好むため、日本の中でも特に沖縄で育ちやすいとされています。アロエベラは夏に黄色の花を咲かせます。花言葉は「苦痛」・「健康」・「万能」・「信頼」であり、葉に棘があることやアロエの効能にちなんでいます。健康を願ってプレゼントするのもおすすめです。

アロエベラの苗が用意できたら、土や鉢を選びます。アロエベラに合う土は水はけのよい土です。腐葉土2～3割、赤玉7～8割が適していますが、手に入らないのであれば普通の土でも代用可です。普通の土を使う場合は鉢底に小石を入れて水はけを良くしましょう。鉢を選ぶときは、アロエベラが鉢からはみ出さないような大きさの鉢にします。土の種類や鉢の大きさについてわからないことがあれば、園芸店で相談してみてください。

アロエベラの苗を鉢の中央に立てて、周りに土を入れていきます。アロエベラは葉が重くて安定しにくいので根をしっかり植えることが重要です。根の部分が鉢底についても良いので、深い位置に植えて安定させます。植えたら1週間は水を与えないようにして土に馴染ませ、根が土に張ったら水やりを始めます。液体肥料や固形肥料は3～4ヵ月に一度与える程度で十分です。多すぎると根腐れの原因になるので気を付けましょう。

アロエが育って大きくなった頃に鉢の土を見てみてください。もし根が張りすぎていた場合、成長が悪くなるので植え替えが必要になります。植え替え用の鉢は一回り大きなものを用意してください。植え替えに適している時期は3月～5月の温かくなった頃です。

植え替えの方法について、まず始めに鉢からアロエベラを抜いて土を落としたら古い根を切ります。植え替えの際の重要ポイントは古い根を切り落とした後の切り口を十分に乾燥させることです。1週間ほどおいて切り口が十分に乾いたら、鉢に植え替えます。前項で述べたように根がしっかりと安定するように鉢に植え替えたら、1週間は水やりをせずに新しい土に根を張らせます。

アロエベラは育て方が簡単であると言われています。その理由としては、水やりを頻繁に行う必要がないことや比較的害虫に強いことがあげられます。食用にアロエベラを育てる場合はできるだけ化学肥料を使わないようにするなど、育て方に工夫するとよいでしょう。上手なアロエベラの育て方には3つのポイントがあります。

園芸店で買ってきたアロエベラはできるだけ直接日光に当てて育てます。ただし、ハウス栽培のアロエベラの場合は日光に慣れていないので、買ってしばらくのうちは午前10時くらいまでは日なたに置き、その後は日陰に置きます。葉の色が黄ばんできたら太陽に強くなった証拠なので、それ以降はたっぷりの日光の下で育てるとよいでしょう。

夏は毎日、春は3～4日に一度、土が乾いていることを確認して水をやります。秋から冬にかけては徐々に水やりの回数を減らします。厳しい寒さの続く冬の間、暖かい部屋で育てている場合は10日に1度くらい水をやります。戸外で育てている場合は冬場は水やりを控えましょう。

アロエベラは寒さに弱く、霜や雪にあうと凍って枯れてしまうことがあります。気温が5度以下になったら、室内の日当たりの良い場所に移すとよいでしょう。もしも葉が傷んだり枯れてしまった場合は、はさみかナイフで葉の付け根から切り取りましょう。

自宅で育てたアロエベラの生葉を使う時は、葉の切り取り方に注意しましょう。アロエベラは株の外側の葉から切って使います。主軸に近い葉は切り取ってはいけません。というのも、内側にある葉は若い葉で、これから成長して古くなった葉と入れ替わるために必要な葉なのです。

アロエベラを食べてみたいけれど自分で育てるのは大変だ、と考えている方におすすめなのは、アロエベラの生葉を販売している店で購入するかネットで取り寄せる方法です。もっと手っ取り早いのが良いという方は販売されているアロエベラの加工品を購入するとよいでしょう。先にも述べた通り、販売されているアロエの加工品には医薬品指定されているアロインなどの成分は含まれていません。

便秘解消などアロインの効果を得たい方は、アロエベラの生葉を購入して葉肉を食べるとよいでしょう。また、キダチアロエのアロインは医薬品扱いではありません。販売されているキダチアロエの加工品によってもアロインの効果は得られます。アロエベラの加工品の長所は、お腹が緩くなることなく有効成分を摂取でき、健康や美容に良い効果が期待できる点です。アロエベラの生葉の入手先とアロエベラの加工品について紹介します。

アロエベラの生葉は店頭で見かけることがありますが、ネットでも販売されています。アロエベラの生葉をお取り寄せする場合は、なるべく販売店のホームページを見て栽培状況をチェックしましょう。栽培期間は長い方がよく、またハウス栽培のアロエベラよりも自然の中で太陽を浴びて育ったアロエベラの方が栄養分が豊富なようです。おすすめなのは、沖縄の宮古島産のアロエベラを専門に販売している「アロエベラ本舗」です。

アロエベラ本舗で販売されるアロエベラは、農薬不使用で除草剤や化学肥料も使っていないとのことです。また、アロエベラを栽培するのに適している宮古島の土壌で、有機肥料を与えて数年かけて育てたものを販売しているそうです。アロエベラ本舗の公式ホームページから、アロエベラの生葉をオンライン注文することができます。

販売されているアロエベラの加工品といえば、アロエヨーグルトがすぐに思い浮かびます。一般的なアロエヨーグルトに使用されているアロエは全てアロエベラです。ただし、販売されているアロエヨーグルトには、外国産の栽培期間が短いアロエベラが使用されていることが多いため、アロエベラの効果を過度に期待しないようにしてください。

アロエベラの生葉が苦手な方はアロエベラの葉肉部分をまるごとしぼって作られたエキスやジュースで代用するのもおすすめです。アロエベラの有効成分はそのままで、医薬品指定成分を抜いて緩下作用がゆるやかなので、どなたでも使えます。凍らせてシャーベットにする時やアロエベラ寒天を作る場合も、アロエベラジュースを使えば簡単に作ることができます。アロエベラジュースは先程紹介したアロエベラ本舗でも販売されています。

外出する時もアロエを持ち歩いて手軽に摂取したい、という方にもおすすめなのは、アロエベラを使用した健康食品です。調べたところ、アロエベラ純100%の粉末の「アロエ革命」という名前の商品が、「アロエランド」から販売されています。表皮を除いたアロエベラを高分子で粉末化しており、少量の水で溶くと、とろみが出ます。添加剤を一切使用していないというのも魅力的です。

今回は、アロエベラの効果効能や食べ方、またアロエベラの育て方や、手軽にアロエベラの栄養を摂取するために加工品について紹介しましたが、いかがでしたか？アロエベラはスーパーフードと言われるとおり、豊富な栄養素が健康と美容にとても良い効果をもたらしてくれることがわかったと思います。自分の生活スタイルに合った方法を選んで、継続的にアロエベラの栄養を摂取しましょう。