ヤツメウナギの食べ方と効果効能を解説!味や蒲焼きなどの料理も紹介!

ヤツメウナギって知っていますか?ウナギって名前がついていますが、ウナギの仲間ではありません。まして魚でもないです。うなぎのような細長い体をしていますが、中身は全然別物です。そのヤツメウナギはウナギの何倍もの栄養素を含み、滋養強壮の薬としても利用されてきました。ヤツメウナギは脂身が多く、食感や風味が肉の内臓に近いこともあり、食べ方を工夫しなければ、味わいにくいです。一般的な食べ方としては蒲焼が多いようです。この希少なヤツメウナギの食べ方と効果、蒲焼以外の料理についても紹介します。

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目次

  1. 1ヤツメウナギはウナギでも魚でもない!
  2. 2ヤツメウナギとは?
  3. 3ヤツメウナギは栄養が豊富!その効果効能を解説
  4. 4ヤツメウナギの食べ方と味について
  5. 5ヤツメウナギが食べられるおすすめのお店
  6. 6ヤツメウナギは滋養強壮に優れている!

ヤツメウナギはウナギでも魚でもない!

ヤツメウナギは、脊椎動物亜門、円口類、ヤツメウナギ目に属する動物の一種です。ウナギやアナゴのような姿形をしているので魚のように錯覚しますが、魚類ではないです。ヤツメウナギは顎を持たない円口類でこのような口をしているのはヤツメウナギ類の他には、ヌタウナギ類しか現存していないです。その意味でもヤツメウナギは「生きた化石」とも言われています。

ヤツメウナギとは?

ヤツメウナギは体長が20cmのものから100cmのものまで種によって大きさが違います。主に淡水に生息し、世界中の寒冷水域に生息しています。ヤツメウナギには左右7つずつのエラの穴があり、それが本来の目と合わせて8つの目に見えるところから八目ウナギと名付けられたとされています。

ヤツメウナギの外見上、もっとも特徴的なのはヤツメウナギの口です。ヤツメウナギには顎がなく、円形の吸盤状をしており、強い吸引機能をもっています。ヤツメウナギは常に動いていないと姿勢を保持することができず、強い吸引力を持つ口で河底にある石などに吸い付いて姿勢を保持します。またその口で他の魚などに吸い付いてヤスリ状の歯で体に傷つけて体液を吸っています。

ヤツメウナギの種類

ヤツメウナギの種類は国内では4種類で、カワヤツメウナギ、スナヤツメウナギ、シベリアヤツメウナギ、ミツバヤツメウナギが生息しています。そのうち食用となるのは、カワヤツメウナギと一部のスナヤツメウナギだけのようです。海外には41種類のヤツメウナギ類が生息しています。

ヤツメウナギの生態

ヤツメウナギは淡水河川で繁殖を行い、3mm程の小さい卵を種類によって様々ではあるが、河川や湖の浅瀬で数100~数万個産卵します。産卵後体が負担に耐えられず死んでしまいます。一月ほどで卵から孵化し、アンモシーテスと呼ばれる幼生期を数年過ごした後に、成体へと変態します。幼生期はプランクトンや水中を漂う有機物を食べて過ごします。成体に変態後、海で暮らすカワヤツメと淡水で暮らすスナヤツメと大別されます。

カワヤツメは成体へと変態後、2~3年海で過ごし、再び繁殖期になると河川に戻ってきます。スナヤツメは繁殖期までずっと河川で過ごし、変態後は消化管が脆弱であり餌をとらずに過ごす種が多いです。カワヤツメが多く住む北海道では、5~6月に遡上してその年の夏に産卵する種と、9月~10月に遡上して来年の3月~4がつくらいに産卵する種があります。

ヤツメウナギは、幼生期は泥の中で過ごすため、目が皮下に埋没しています。カワヤツメは成体になると海に出るため、目は開かれていますが、スナヤツメは一生のうちほとんど目を閉じており、産卵期にわずかに開くだけとされています。

ヤツメウナギと食文化:日本

日本での産地は北海道、新潟県、山形県秋田県などの日本海にそそぐ河川でよく漁獲されます。肉は硬くて独特の風味を持っているので、日本では古くから郷土料理としてその土地に合った食べ方をされてきました。北海道の江別市では、2001年まで毎年ヤツメウナギ祭りが開催されていましたが、近年漁獲量が激減し、ヤツメウナギ祭りは行われなくなりました。

秋田県では、ヤツメウナギを蒲焼にして食べることもあるが、一番人気の食べ方は、ヤツメウナギをぶつ切りにしてほたて貝の貝殻で作った鍋に濃い目のすき焼き風やみそ味で煮込む「かやき」が寒い冬の時期の味覚の一つになっています。関東ではヤツメウナギの蒲焼がもっともポピュラーな食べ方でヤツメウナギの蒲焼専門店があるくらいです。

山形県の最上川では、漁獲量が減った今でもヤツメウナギ漁が行われており、近隣での流通も行われています。山形県酒田市ではヤツメウナギの最も一般的な食べ方としてはみそ汁の具にすることであります。水からヤツメウナギを煮込み、濃い目の味噌汁にする食べ方は昔から変わっていないようです。また山形県酒田市では串を使わずにヤツメウナギを蒲焼にして食べられていたそうです。

ヤツメウナギと食文化:海外

ヨーロッパでも古くからヤツメウナギが食べられていました。イギリスでは、かの有名なイングランド王ヘンリー1世はヤツメウナギ料理が好きで大量に食べ過ぎた結果、健康を害して死亡したという逸話まであります。フランスのワインで有名なボルドー地方では「ヤツメウナギのボルドー風」と呼ばれるヤツメウナギの赤ワイン煮込みは伝統の料理です。現地では缶詰でも売られているくらいポピュラーな食べ方です。

ヤツメウナギの味や食感が肉類や動物の臓物に近いこともあり、ヨーロッパではポピュラーな食材としてリゾットやパイや煮込み料理に使用されています。またヤツメウナギの血液にも栄養が豊富で滋養強壮効果や風味付けの意味でも血液をソースに使う食べ方も考案されました。ヨーロッパの多くのレストランでも冬の味覚として季節限定で提供するレストランも多いようです。

ロシアでもビュッフェ形式の前菜であるザクースカなどにヤツメウナギの料理が出されることもあるそうです。ドイツでもヤツメウナギは様々な食べ方がされています。ポルトガルには、「ヤツメウナギの卵」と呼ばれるケーキがあり、クリスマスに食べられています。かつてヤツメウナギが高級食材だったときに、庶民の憧れとしてヤツメウナギを模したケーキを作ったことが起源とも言われています。

ヤツメウナギは栄養が豊富!その効果効能を解説

ヤツメウナギはその脅威の栄養価から昔から滋養強壮に効果があると注目されてきました。実際にサプリメントや漢方薬の材料としても今もなお使われています。ヤツメウナギの健康への効果について説明していきたいと思います。

ヤツメウナギは天然サプリメント!

ヤツメウナギはまさに天然のサプリメントと言ってもいいくらい良質の栄養分の宝庫です。特にビタミンAの含有量はすさまじく、夏バテ予防に効果のあると言われるウナギの約6倍、干したヤツメウナギであれば約37倍ものビタミンAを含んでいます。また、鉄分もウナギの約9倍、ビタミンB1 で約7倍、ビタミンB2 で約15倍と栄養価が圧倒的に高いです。
 

感染予防や目の健康に役立つ「ビタミンA」

それでは、ヤツメウナギに多く含まれるビタミンAとはどんな栄養素なんでしょうか?ビタミンAは油脂に溶ける脂溶性ビタミンの一つでレチノール活性当量(μgRAE)として現在は表されています。レチノール活性当量とは動物性食品に含まれるレチノールの量と、植物性食品から摂取されるβ-カロテンなどのカロテノイドが体内でビタミンAとしての作用を発揮する場合の換算量との合計で表されています。

ビタミンAの働きは、発育を促進したり、肌の健康をできるだけ維持したり、薄暗いところでもすぐに目が慣れて見えるようになる視覚の暗順応としての効果を発揮します。また、のどや鼻などの粘膜に働いて、感染予防に働いて体を細菌から守ったりするなど、生体の維持に必要な機能をたくさん持っています。

ビタミンA が不足すると、「とり目」と呼ばれる暗いところで目が見えなくなる症状が起こりやすくなります。日本ではまれですが、栄養状態がよくない発展途上国と呼ばれる地域では深刻な社会問題となっています。その他の不足症状では、皮膚及び粘膜の感想や角質化が起こりやすくなり、屋外の細菌やウイルスへの抵抗力が低下し、感染症にかかりやすくなります。

ヤツメウナギ以外でビタミンAが多く含まれている食品は、豚や鳥のレバー、アンキモなどの内臓系が一番多く、海苔などの海藻や、抹茶や緑茶などのお茶にも多く含まれています。野菜では、パセリやにんじん、ケールなどにも多く含まれています。

ビタミンA の取り過ぎにも注意が必要です。過剰なビタミンAの接種では、ビタミンA が肝臓などに蓄積し、肝障害などの副作用を起こしやすくなります。特にお腹に赤ちゃんのいる妊婦の方はビタミンAの摂り過ぎで胎児への重篤な副作用が報告されています。ビタミンAの過剰摂取は逆に体を悪くしたり、胎児に悪影響を及ぼすこともあります。

ヤツメウナギはあんこうの肝には及ばないものの、ビタミンAの宝庫です。ビタミンAは視力回復に効果的な栄養素ですが、摂りすぎると健康に害を与えます。ビタミンA一日摂取量の目安は、3歳~5歳までは一日700μgRAEまでで、成人でも2700μgRAEを超えないように摂取することが必要です。含まれるビタミンAの量は一匹で11070μgRAEもあるので、一匹全部食べると摂取ビタミンAオーバーになるので注意が必要です。

抗酸化作用のある「ビタミンE」

次にビタミンEについて見ていきたいと思います。ヤツメウナギにはビタミンE が多く含まれており、抗酸化作用に効果的と言われています。ビタミンEもビタミンAと同じく油脂に溶ける脂溶性ビタミンです。ビタミンEの作用をする物質として「トコフェロール」がありますが、このうち最もその効果が強いのがα(アルファ)-トコフェロールと言われています。

「日本人の食事摂取基準(2015)」でビタミンEはα-トコフェロールの量を基準にしています。ビタミンEの重要な働きで「抗酸化作用」が挙げらえます。抗酸化作用とは、体内の脂質の酸化を防いで体を守るように働きます。体内の細胞が酸化してしまうと、細胞膜が老化してしまったり、LDLコレステロールが参加すると動脈硬化になりやすくなったりします。

ビタミンEの抗酸化作用は、こういった体内の細胞の酸化を防ぎ、生活習慣病や老化と関係する疾患を予防する効果が期待されています。また、ビタミンEは血液の流れを良くする効果もあるので、毛細血管の流れを促通して、すみずみまで血液が流れ、冷え性や、肩こり、腰痛などの症状の緩和にも役立ってきます。さらに、血液の流れをよくすると同時に血管を拡張させるので、肌荒れの予防や改善効果もあります。

ビタミンEはヤツメウナギに多く含まれていますが、他にはアーモンドなどのナッツ類や植物油にも多く含まれています。特にサフラワー油に多く、次にコーン油、オリーブオイルの順となっています。うなぎ、たらこ、イワシのような魚介類、カボチャやアボガド、ほうれん草にも多く含まれています。果物ではキウイフルーツやレモンにも多くビタミンEが含まれています。

ビタミンEは不足すると、細胞膜の脂質が酸化され損傷してしまうことがあります。細胞が損傷されてしまうことによって、時々感覚が鋭敏もしくは鈍感になったり、しびれなどの神経障害をきたすことがあります。未熟児ではビタミンEの欠乏により赤血球が壊れ、貧血になってしまうことがあります。ビタミンEはビタミンCと一緒に摂ると効果が持続する作用がありますので、一緒に摂るようにしてください。

ビタミンE を取り過ぎると出血がしやすくなります。ワーファリンなど血流をよくする薬と併用して摂ると薬の効果が強く出過ぎることがあるので注意してください。詳しいことは病院や薬局で尋ねてください。ビタミンEの上限値は男性では750~900mg、女性では650~700mg程度です。

ビタミンEは比較的に体内に蓄積しにくいという特徴を持っており、よっぽどでなければ過剰となることはありません。ちなみにヤツメウナギのビタミンEの含有量は1尾あたり5.13mgです。

女性の貧血予防に役立つ「鉄分・亜鉛」

ヤツメウナギに多く含まれる鉄分と亜鉛などのミネラルは貧血予防に効果的とされています。鉄分は体の中に3gほど含まれている栄養素で、体内の鉄分のうち70%が赤血球を構成するヘモグロビンの材料になります。残りの鉄は肝臓などに貯蔵されています。ヘモグロビンは、呼吸で取り込んだ酸素と結びついて、体中のすみずみまで酸素を運ぶ役割をもっています。

鉄は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類に分かれます。ヤツメウナギに含まれている鉄分はヘム鉄で、主に肉や魚などの動物性食品に含まれています。ヘム鉄は体内の吸収率が非ヘム鉄と比べて高いです。非ヘム鉄は植物性食品や乳製品によく含まれている鉄で、ビタミンCや各種タンパク質と同時に摂取することで効果的に体内に吸収がされやすくなる鉄で、ほうれん草や小松菜、大豆などによく含まれています。

体内の鉄分が不足すると、ヘモグロビンを作ることができず酸素を体中に送ることが出来なくなり、鉄欠乏性の貧血になるおそれがあります。人は何か動作をする時に体の中の酸素を運動のエネルギーとして使用します。ヘモグロビンや赤血球の量が減り、酸素の供給量が減ると、少し動いただけでも酸素不足になり、すぐに疲れてしまったり、めまいや頭痛になったりします。

心臓も酸素を使って血液を送り出しているので、酸素が不足すると、動機や息切れがしやすくなります。特に女性は月経などの影響で男性よりも鉄分が必要となります。一般的に20代男性で1日7mg、20代女性では10.5mg(月経がある場合)の鉄分が必要としています。ヤツメウナギに含まれている鉄分の量は2.7mgと1日に摂取する鉄分の1/3ほどと他の食材と比べ多く含まれています。

次にヤツメウナギに多く含まれている亜鉛についても説明します。亜鉛は成人の体内に約2g含まれており、大半は皮膚や骨、肝臓、眼球、筋肉などに含まれています。亜鉛は体内でタンパク質の合成に係る酵素の材料として用いられます。亜鉛はヤツメウナギに多く含まれている他に、肉、魚介類、大豆製品に多く含まれています。

亜鉛は新陳代謝やエネルギー代謝、免疫反応や味覚への影響など、身体の様々な働きを助けて正常な状態を効果的に保つ働きをしています。体内の亜鉛の量が低下すると、様々な問題がおきます。まず、亜鉛不足で起こり易いのが味覚障害です。味を感じるためには、味蕾という味覚細胞の存在が必要です。亜鉛は味覚細胞の活動を促進する働きをもっており、亜鉛が不足すると、味を正しく感じられないという障害が起こりやすくなります。

亜鉛が不足すると、免疫機能が低下しやすくなります。亜鉛は免疫機能に関わりをもつ細胞を活性化するため、亜鉛の不足により、免疫効果が低下し、肺炎などの感染症になりやすくなります。亜鉛不足により、爪や皮膚の異常が起こったり、子どもの成長障害の原因となります。ヤツメウナギの亜鉛の含有量は2.16mgと多く、推奨されている亜鉛の1日摂取量は男性9mg、女性は8mgであることを考えるとかなり含まれていると思います。

コレステロール値を下げる「DHAとEPA」

続いてヤツメウナギに多く含まれているDHAとEPAについて説明をします。DHA(ドコサヘキサエン酸)は、1989年代にイギリスで発見された栄養素です。魚の油からとれる栄養素で、人体の脳や網膜などの神経系に多く含まれていることから、「日本人の子供の知能指数が高いのは、魚食(DHA)の影響ではないか」とまで言われました。

EPA(エイコサベンタエン酸)とDHAは同じ魚油の中に含まれているので同じように考えられがちですが、作用は少し違います。DHAは脳の細胞の中に入り、脳細胞を柔らかくし、情報の伝達をよくし、細胞を活性化させると言われています。胎児の脳の発達や知識をどんどんと吸収していく乳幼児には重要な栄養素と言えます。年齢を重ねても脳細胞を維持していくためにも重要な栄養素です。

EPAは血液をサラサラにするのに重要な赤血球の柔らかさに関係すると言われています。EPAを体内に摂取した際には、EPAが赤血球の膜に取り込まれて赤血球自体が柔らかくなります。赤血球が柔らかくなると、血液年度が低下して、血液がサラサラになることが確認されています。現在ではEPAのこの機能を利用して高脂血症の薬や閉塞性動脈硬化使用の薬としても使われています。

さらにEPAは、血液をサラサラにすることに加え、コレステロールの値を減らし、善玉コレステロールを増やす働きも持っています。DHAとEPAが同時に働くことによって、血栓予防や中性脂肪を減少してくれる効果的な栄養素だと言えます。EPAは成人病予防だけでなく、ダイエットにも効果がある栄養素です。

DHAの一日の目安摂取量は1000~2000mgと言われており、実際には300~500mgしか摂れていないと言われています。ヤツメウナギのDHA量は100gあたりに2000mgも含まれており、EPAも100gあたりに2330mgも含まれており、一匹食べるだけで一日の目安摂取量以上のDHAやEPAを体内に取り込むことができます。ヤツメウナギのDHAやEPA含有量に着目してヤツメウナギのサプリメントを販売している会社もあるそうです。

ヤツメウナギの食べ方と味について

ヤツメウナギの食べ方としてはウナギと同じように蒲焼にしてよく食べられていますが、他にはどんな食べ方があるのでしょうか?また、ヤツメウナギはどんな味なのでしょうか?ヤツメウナギの味や食感、蒲焼以外の食べ方についても紹介します。

ヤツメウナギの味は?

ヤツメウナギはウナギのような柔らかい食感とはまるで違い、身が締まって固いまるで牛のモツのような食感と形容されます。軟骨の食感も残っており、特に刺身で食べるとコリコリした食感がします。川魚の泥臭さはあまりなく、それよりもヤツメウナギの油の匂いが肉の匂いとよく似ています。ジビエ料理を食べた時に感じるケモノ臭さがあります。

味わいは、牛や豚のレバーの味によく似ています。ヤツメウナギの味を形容するならば、動物系の内臓に魚の油を足した感じですが、人によって感じ方は若干違うようです。蒲焼で食べるのと他の食べ方で食べるのとはまた、味わいが変わってきます。

ヤツメウナギの値段

最近、漁獲量が減ったヤツメウナギは値段が高騰しており、高級食材となっています。通信販売でも買うことができますが、一匹約4500円くらいです。蒲焼屋さんなどのお店で食べると2500円以上することが多いです。一般の料理屋ではヤツメウナギの料理は入荷次第となっていることも多く時価で出しているところもあるそうです。

ヤツメウナギのおすすめ料理は「蒲焼き」

ヤツメウナギを食べるとすると真っ先に挙げられる食べ方はやはり蒲焼です。見た目がウナギに近いのですが、味は全く別物です。もともと癖の強いヤツメウナギですが、蒲焼にすると甘辛い味付けがとても合います。独特の食感と苦味があるので、好き嫌いが分かれる味です。山椒をかけると苦味と香りが中和されます。最近は国産物が貴重なため、外国産のヤツメウナギを使用している店も多いそうです。

ヤツメウナギの鍋料理「かやき」

ヤツメウナギの蒲焼以外の食べ方として有名なのは「かやき」です。かやきはホタテ貝の殻を鍋の代わりにしてすき焼き風仕立てやみそ仕立てにする山形県、秋田県、新潟県に伝わる郷土料理で「貝焼き」と書きます。新鮮なヤツメウナギをぶつ切りにして、ネギやゴボウなどと一緒に煮ます。独特の風味がありますが、旬の時期のヤツメウナギは脂も乗って、やみつきなる味です。

そのまま火であぶって食べる「干しヤツメ」

干しヤツメは、昔ながらの製法でヤツメウナギを塩に漬けて風干しにして作ります。干したヤツメウナギを軽く炙って食べるとビールが欲しくなってきます。生や蒲焼で食べるヤツメウナギとはまた違った風味を楽しめます。また、ヤツメウナギを干すことによって、ビタミンAを含め栄養価がが生の時の何倍も跳ね上がります。健康食品としても注目されているヤツメウナギの真価を味わうことが出来ます。

ヤツメウナギの蒲焼で作る佃煮丼のレシピ

次にヤツメウナギの蒲焼をアレンジした佃煮丼の作り方を紹介します。ヤツメウナギの蒲焼は癖があって苦手という人にひと手間をかけるとヤツメウナギの癖が減り美味しく食べやすくなります。材料はヤツメウナギの蒲焼串2串、砂糖大さじ1、酒大さじ1、みりん大さじ1、しょう油大さじ1半、水ひたひたまで、しょうがのすりおろし小さじ1、大葉2枚、七味唐辛子2振り、ご飯120gです。

作り方は、ヤツメウナギの蒲焼は食べやすい大きさに切り、鍋に入れます。酒、砂糖、みりん、しょう油、しょうがのすりおろしを鍋に加えます。水をヤツメウナギがつかるくらいまで入れます。鍋を中火にかけ、煮立ったら火を弱めます。ヤツメウナギが焦げてしまわないように注意をしながら10分ほど煮ます。火を止めてそのままヤツメウナギに味を染み込ませます。

ご飯を準備し、洗ってちぎった大葉を乗せ、ヤツメウナギを好みの量を乗せて、七味とうがらしを振れば完成です。ショウガと大葉でヤツメウナギの独特の風味が中和されます。お好みで白ネギと一緒に煮込めば、ネギに味が染み込み美味しくなります。ネギとヤツメウナギもよく合います。

ヤツメウナギが食べられるおすすめのお店

最後にヤツメウナギが食べられるおすすめのお店を紹介します。最近、ヤツメウナギの漁獲量が激減した影響でヤツメウナギの専門店の数も随分と減ってきました。おすすめするお店は、そんな中でも一生懸命、誠実にヤツメウナギと向き合っているお店ばかりです。

ヤツメ料理こじま

昔はヤツメウナギの主要産地であった北海道江別市にある数少ないヤツメ料理が食べられる店です。ヤツメウナギの料理の他にもえぞ但馬牛の焼肉も食べれます・店主の小島さんは石狩川やつめ文化研究会の副会長でもあるそうです。ヤツメウナギのお刺身と炭火焼が2000円と破格の値段で食べられます。ランチにはヤツメ定食1500円、ヤツメ丼も1500円で食べられます。

店の中に入ると水槽があり、ヤツメウナギが出迎えてくれます。見た目が少し怖いので帰る時に見たほうがいいかもしれません。名物のヤツメ定食はヤツメウナギの蒲焼風の串焼きが3串、ご飯、みそ汁、小鉢、サラダ、漬物がついてきます。ヤツメウナギのお刺身は他ではあまり食べられないこの店ならではです。新鮮なヤツメウナギを注文を受けてから捌くので新鮮でなければ食べられません。

一品ごとにヤツメウナギを一匹使うので、二品頼めばヤツメウナギ二匹分食べることになります。一匹でも十分な栄養量なので食べ過ぎにはご注意ください。店にヤツメウナギを食べにくる際は前もって予約をしておいた方が無難です。やはり漁獲量が以前の数十分の一になっているので、捕れない日もあるそうです。JR野幌液から徒歩3分とアクセス良好です。

八ッ目やにしむら

巣鴨地蔵通り商店街にある有名店です。ヤツメウナギは国産ではなく、天然のアラスカ産を使用しているとのことです。ヤツメウナギの名前を看板にしていますが、ヤツメウナギを注文する人よりもウナギを注文する人の方が多いです。初めてヤツメウナギを注文する人のために食べ方を説明してくれます。初めての人にはまずヤツメウナギの串から勧めることが多いようです。

ヤツメウナギの入荷には波があるので予め電話等で問い合わせてから店に向かう方がお勧めです。八ッ目重定食は2800円、八ッ目蒲焼定食2800円ですが、入荷次第で値段が変わることがあるそうです。ヤツメウナギは独特の癖がありますが、蒲焼にすると炭のいい香りが移って香ばしく美味しくいただけます。食感は豚や牛のモツのような感じで独特の苦みはあります。

店は巣鴨店と目黒店があり、どちらも最寄りの駅から徒歩圏内にあります。東京見物に来たついでに美味しく健康によく、今では珍しいヤツメウナギを食べてみてはいかがでしょうか?

八ツ目鰻本舗

八ツ目本舗は明治創業の日本で唯一ヤツメウナギの専門料理店だそうです。店は浅草橋駅から徒歩2分と好立地にあります。メニューは串焼き中心でどんぶり物は提供はしていません。昔からの作り方を現在も変わらず行っています。メニューは、八ツ目鰻の蒲焼、八ツ目鰻のキモ焼き、八ツ目生キモ、八ツ目鰻佃煮です。健康にいいものばかりを置いている店でビールの代わりに薬膳酒が置いています。

ヤツメウナギの蒲焼は弾力があり、噛めば噛むほど味が出てきます。ヤツメウナギの生キモはひょっとすれば、全国でもこの店しか置いていないかもしれません。ワインに漬けこまれた生キモは独特の癖と苦味が特徴です。店の隣では漢方薬も販売しているので、健康についていろいろと相談にのってくれるかもしれません。店に来る人は健康を意識した方が多いそうです。

以前にもやもやサマーズでも紹介されて脚光を浴びたそうです。注文を受けてから一串一串丁寧に備長炭で焼き上げてくれます。お土産にヤツメウナギの肝の缶詰も販売しています。

ヤツメウナギは滋養強壮に優れている!

ヤツメウナギは「ウナギ」と名付けられてはいますが、「ウナギ」とは全然別物で、魚ですらありません。ヤツメウナギは太古の昔から原生しており、「生きる化石」とも言われています。ヤツメウナギで特徴的なのはその見た目です。顎がなく、円形の口をして尖った歯がたくさんあるヤツメウナギの見た目はグロテスクで、あまり食欲がわく外観をしていません。

味も特徴的で、見た目には鰻と少し似ているのですが、味は全くの別物で全身が締まっており食感は歯ごたえが固く、動物のモツをたべているような感じがします。やつめうなぎの油には独特の癖があり、魚の匂いがするよりはジビエのような野性的な香りがします。味わいは動物の内臓を食べているようで若干の苦みもあります。以前は、全国でも寒冷地でよく捕れたのですが、最近では漁獲量が激減しています。

そのため、価格も高騰し高級食材となってしまいました。また、ヤツメウナギには鰻の何倍もの栄養成分が含まれており、特にビタミンAが豊富で昔からヤツメウナギを食べると目がよくなるとも言われてきました。ヤツメウナギは絶滅の危機に瀕しているとも言われ、食べれる店もどんどん減っているようです。しかし、まだヤツメウナギを出している店もあるので、ぜひ天然サプリメントとも言われるヤツメウナギを食べてみてください。

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