米味噌と麦味噌の違いと特徴を解説!味噌汁の使い方も紹介!

味噌は、1300年ものあいだ日本の食生活を支えてきており、日本人の食卓に欠かせない調味料の1つです。また味噌は、栄養豊富な大豆発酵食品としても知られています。「味噌」とひとくちに言っても実にさまざまな種類があり、地域や個人の好みでそれぞれ使い分けられています。今回は、中でも特に全国でよく使われる米味噌と麦味噌についてスポットをあて、米味噌と麦味噌の成分や味の違いや、米味噌と麦味噌それぞれの特徴について説明します。また味噌汁の健康に効果的な使い方も紹介します。

米味噌と麦味噌の違いと特徴を解説!味噌汁の使い方も紹介!のイメージ

目次

  1. 1日本人の食卓を支える味噌
  2. 2味噌の種類
  3. 3米味噌・麦味噌の栄養成分と効能
  4. 4米味噌の特徴
  5. 5麦味噌の特徴
  6. 6味噌汁具材の効果的な使い方
  7. 7米味噌・麦味噌が長持ちする保存方法
  8. 8米味噌と麦味噌それぞれの特徴を活かした使い方を!

日本人の食卓を支える味噌

味噌󠄀の原型になる食品は古代中国で作られ、その後日本に伝わったのは7世紀ごろ飛鳥時代だと言われています。以来1300 年以上にわたり日本人の食生活を支えてきました。全国各地域で気候や風土、食習慣や好みに合わせた沢山の種類の味噌󠄀が作られているため、生まれ育った土で使われる味噌が「ふるさとの味」となる事が多いです。

今日は味噌にはどんな種類があるか紹介すると共に、味噌の中でも特によく使われている米味噌と麦味噌について、その特徴や2つの味噌の違いについて詳しく解説します。またいろいろな効能を持つ味噌汁の具材についても見て行きます。

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味噌の種類


味噌は全国の各地域の気候・風土・原料の配合や製法により、さまざまな種類のものがありますが、穀物の雑菌を培養・繁殖させて作る麹の原料から米味噌󠄀、麦味噌󠄀、豆味噌󠄀の3種類と、これらを混合した調合味噌󠄀に分けることができます。ここれはそれぞれの味噌について見ていきます。
 

米味噌


米味噌は米・大豆・塩が原料となり、大豆に米麹を加えて作ったものです。日本全国の生産量の80%と最大のシェアを占めます。米味噌は地域によって赤や白のもの、また味わいも甘め・辛めがありますが、米味噌の発酵熟成の期間が短いと白く、発酵熟成期間が長いものは赤くなるという違いがあります。

また米味噌は、原料の大豆に加える米麹の分量によって味わいに違いが出ます。米麹が多いと甘く、米麹が少ないと辛めの米味噌ができます。味噌は地域性がよく反映される調味料で、米味噌も各地方や個々の家庭でも独自の味噌を作っていたりと本当に多くの種類があります。

麦味噌

麦味噌は麦、大豆、塩を原料とし、大豆に麦麹を加えて作ったものです。日本全体の生産量としては5%ほどで、中国・四国・九州地方を中心に生産・消費されています。またスーパーなどに出回る商品としての味噌とは違い、農家の人たちが自家用として消費していたことから「田舎味噌」とも呼ばれます。

豆味噌

豆味噌は大豆、塩を原料としています。蒸した大豆に麹菌をつけ塩を合わせて熟成させた味噌です。こちらも生産量は全国の5%と少なめですが、愛知県・岐阜県・三重県など中部地方を中心に消費される、地域性が強い味噌です。八丁味噌や名古屋味噌が有名です。

調合味噌

米味噌と豆味噌、米味噌と麦味噌といったように、米味噌・麦味噌または豆味噌を3種とか2種調合したり、または複数の麹を混合して醸造した味噌です。全国的な生産量は全体の10%程で、米味噌や麦味噌といった単独麹での味噌に比べてマイルドな風味になる傾向があります。
 

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米味噌・麦味噌の栄養成分と効能

味噌の主原料の大豆は「畑の肉」と言われ、良質なたんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルなどを含む食べ物ですが、その大豆を発酵させることでアミノ酸やビタミンなどが生成されさらに栄養価が高まります。味噌はその他カリウム、食物繊維、カルシウムなども豊富で、1つの食品でこれほど多くの栄養を含むものは他に例が無いほどです。


また、味噌を摂取することによって、腸を整える、脳の活性化、コレステロールを抑える、老化を防ぐ、ダイエット効果、しみ・くすみを抑えて美肌になるなどの効能があります。しかし、味噌は50度以上に加熱されると栄養素が壊れるため、味噌の栄養を壊さず摂るには、味噌を沸騰させないことがコツです。

米味噌と麦味噌では成分や効能に違いはある?


米味噌と麦味噌では成分に違いがあるのでしょうか?麦味噌は米味噌に比べて麹を多く含むため甘めの味わいで香りも豊か、味噌汁にした場合はあっさりとした味になります。また、麦味噌は米味噌と比べて塩分も低く食物繊維とたんぱく質が多めです。そのため麦味噌は、便秘を解消したい人や塩分を控え目にしたい人に最適な味噌と言えます。

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米味噌の特徴

全国で最も多くの日本人が消費する米味噌ですが、地域や風土、好みによって色や味わいも様々です。ここでは、各地域の郷土料理に使われている米味噌の特徴的な使い方について見てみます。各地域の独特の風味を食べ比べてみるのも楽しいでしょう。

郷土料理に見る米味噌の特徴的な使い方「白身魚の西京味噌漬け焼き」

西京味噌は米麹が多く配合された米味噌の1種で、京都を中心とした関西地方で作られる甘口の白味噌です。西京味噌をみりんでのばしてたれを作り、それに鰆や銀鱈などの白身魚を漬け込んでから弱火で焼いたものです。淡白な白身魚のうまみを上手に引き出しつつ、甘さとしょっぱさがほどよく絡んだ上品な味わいになります。
 

郷土料理に見る米味噌の特徴的な使い方「五平餅」

全国各地で生産・消費される沢山の米味噌の種類の中で、信州味噌は長野県(信州)を中心に生産されており、淡い色あいで辛口の味わいを特徴とする味噌です。信州味噌を使った郷土料理の1つに五平餅(ごへいもち)があります。

五平餅は、粒が残る程度に半掲きにした粳米(うるちまい)飯に醤油や味噌のタレをつけ、串焼きにしたもので中部地方の山間部の郷土料理として知られていますが、信州地方では信州味噌に砂糖やみりん、またクルミを加えて甘辛くしたタレを塗って香ばしく焼き上げます。

郷土料理に見る米味噌の特徴的な使い方「じゃっぱ汁」

じゃっぱ汁は青森県の郷土料理で、「じゃっぱ」(タラや鮭などの魚の頭や内臓、身の付いた骨などのあらのぶつ切り)を野菜などと共に煮込んだ汁物です。じゃっぱ汁は塩のみの味付けの場合もありますが、津軽味噌を使ったじゃっぱ汁もとてもポピュラーです。

津軽味噌(つがるみそ)は、青森県津軽地方で生産されている米味噌で、赤色の中辛味噌に分類されます。寒冷な気候のため長期間の熟成が必要で、その間の酸敗を防ぐために塩分濃度は13%と高めですが、逆に長期の熟成で独特のうまみがある味噌です。

米味噌は手作りできる!

味噌はスーパーで市販されているものも本当に沢山のブランドや種類がありますが、自分のオリジナルの味噌を作ってみたいという人は、自宅で自家製の味噌を作ることもできます。味噌づくり初心者の人は比較的簡単にできる米味噌から挑戦すると良いでしょう。また、何から始めたらわからないという超初心者の人には、「手作り味噌セット」の購入をおすすめします。

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麦味噌の特徴

麦味噌は、上記で成分や効能の違いを見たように、米味噌と比べて食物繊維とタンパク質が多く塩分は少なめです。麹の量も米味噌より多いので甘口になり、麦のかおりが豊かな味噌です。ただし、麦味噌には繊維が多いため、味噌汁に使う時には味噌こしを使って麦の繊維部分が取り除き、まろやかな味わいにします。

郷土料理に見る麦味噌の特徴的な使い方「冷や汁」

冷や汁(ひやしる、ひやじる)は主に夏場に食べる、出汁と麦味噌で味を付けた冷たい汁物料理です。日本の各地で郷土料理として作られていますが、特に宮崎県のものが有名です。麦味噌および冷や汁の具材そのものの栄養価も摂れるうえ、暑さで食欲が落ちる夏場に冷たい汁を米飯・麦飯にかけることで食欲も増進されます。

郷土料理に見る麦味噌の特徴的な使い方「伊予さつま」

伊予さつまは、愛媛県の各地でみられる魚と麦味噌を使った郷土料理です。焼き味噌にすりつぶした魚を加え、さらに焼いたものを煮だし汁でのばし、味付けこんにゃくやキュウリを混ぜ、あたたかいご飯の上にかけて食べます。手間がかかるため、今日では家庭で作られることは少なくなり、郷土料理店で出される料理となっています。

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味噌汁具材の効果的な使い方

味噌そのものにも多くの栄養成分が含まれて「医者いらず」ともいわれますが、日常的に味噌を摂取するには味噌汁にするのがおすすめです。また組み合わせる具材によってさらに相乗効果を生むこともできます。ここでは効能別でのおすすめの味噌汁具材を紹介します。

整腸作用に効果的な味噌汁は?

便秘がちだったりおなかの調子を整えたい時には、ごぼう・こんにゃく・海藻類が味噌汁の具材に良いでしょう。味噌だけでも整腸作用がありますが、それに加えて食物繊維がたっぷりの具材との相乗効果で腸の活動を活発にしたり、便を柔らかくできます。

風邪予防に効果的な味噌汁は?

風邪をひきそうだな、と思った時にはかぼちゃや人参・ほうれん草などの緑黄色野菜を味噌汁の具材にすると良いでしょう。味噌汁自体が体を温める効果があるのに加えて、緑黄色野菜のビタミンAが免疫力を高めてくれます。

疲労回復に効果的な味噌汁は?

ビタミンB群は疲労回復に効くといわれていますが、そのビタミンB群をたくさん含んでいる食品は豚肉・鶏肉・大豆製品などです。豆腐などを具材にした味噌汁で前日の疲れを取り、1日元気ににスタートしたいものです。

むくみに効果的な味噌汁は?

女性に多いむくみを和らげる効果がある具材は、キノコ類、イモ類、海藻類、ほうれん草などカリウムを多く含む食材です。またカリウムは塩分の体内吸収を防ぐ役割もあるため、塩分が気になる人にもおすすめの具材です。

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米味噌・麦味噌が長持ちする保存方法

味噌󠄀は賞味期限を過ぎても食べられないものではありませんが、時間の経過と温度の影響によって風味が変化したり、色が変わります。味噌を開封後は、表面の乾きと酸化を防止するためラップをかけて空気に触れないようにしましょう。


また味噌のおいしさを長く保つためには、冷蔵庫または冷凍庫で保管するのがおすすめです。冷凍庫と聞くと意外かもしれませんが、味噌は冷凍庫に入れても少し固くなるだけで固まりません。小分けにしてラップに包んでおくと、そのまま冷凍庫から使う分だけ出してそのまま料理に使えるので便利です。

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米味噌と麦味噌それぞれの特徴を活かした使い方を!

いかがでしたか?色や甘辛口の違いなどで種類が豊富な米味噌も、より健康的で素朴な麦の香りが楽しめる麦味噌もそれぞれの味わいがあり、普段食べなれている味噌とは違う味噌や具材をを使って味噌汁を作ってみると、味だけでなく体に対する効能に違いも出ます。バラエティに富んだ味噌汁をぜひ楽しんでみてください。

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