味噌の賞味期限は開封後と未開封で違う?長持ちする保存方法も紹介!
味噌はどの家庭にもある保存食品の一つですが、味噌の賞味期限について気になったことはありませんか?変色してきたり液体が浮いてきた味噌は賞味期限内でも食べて大丈夫なのでしょうか?そんな味噌の正しい保存方法や古くなった味噌の有効的な使い方などを紹介します!
目次
日本人なら知っておきたい「味噌」の話
味噌は1000年以上も昔の中国が起源とされる大豆の加工食品で、麦・大豆や塩を発酵させた醤(ひしお)が飛鳥時代に日本へ渡り、何年もかけ全国へ広がりました。各地の風土に合わせ材料や作り方など工夫された味噌は地域に根付き、現在でも日本人とは切ってもきれない存在です。日本食といえば「味噌汁」と言われるほど日本を代表する存在で、近年の健康ブームなどもあり日本だけでなく世界からも注目されています。
日本には味噌のほかにも大豆を使った加工食品がたくさん!
味噌が大豆の加工食品であることは有名ですが、大豆を使った日本食に欠かせない加工食品はたくさんあります。特に納豆・醤油・豆腐・豆乳・おから・湯葉・きな粉・煮豆・高野豆腐・もろみなどどれも日本食といえばこれ!というものが並びます。最近ではおからダイエットなどでおからがブームになり、おからを使った栄養食品の「SOY JOY(そいじょい)」はスーパーやドラッグストアで見かける身近なものとなりました。
全国にある色々なお味噌と特徴
味噌には原料よって大きく4種類に分けられます。大豆に米麹を加えて作る「米味噌」、大豆に麦麹を加えて作る「麦味噌」さらには大豆に豆麹を加えて作る「豆味噌」がありそれらを2つ以上合わせて作られる味噌は「調合味噌」と呼ばれています。全国的によく食べられているのが「米味噌」ですが、中部地方では「豆味噌」、九州地方や四国の一部では「麦味噌」というふうに地域によって食べられる味噌にちがいがあります。
味噌の要「麹(こうじ)」とその種類
発酵食品とは材料を発酵させる作用をもつ微生物の繁殖により起こる食材の変化のことで、世界的にも有名な加工食品といえばヨーグルトやチーズ・キムチ(乳酸菌)、パン(酵母菌)、お酒や酢・味噌(麹菌)、納豆(納豆菌)などがあります。そして味噌に必要な麹は味噌だけでなく、お酒や醤油・みりん・甘酒・漬物などには必要不可欠となるため、麹がなければ日本食ができないほど日本人とは深い繋がりがあります。
味噌の材料は、米や麦・大豆と塩、そして「麹(こうじ)」です。麹は穀物にコウジカビというカビを生やしたもののことで、材料を発酵するのに重要な働きをします。この麹菌にはさらに種類があり、麹菌を米に植えつけできたものが「米麹」、米ではなく麦ならば「麦麹」、大豆であれば「豆麹」となります。また味噌はこの麹の種類や割合によって味に違いがでてきます。
余談ですが「糀(こうじ)」は米こうじにのみ使用する漢字です。米こうじで使われる漢字の糀は米に花が咲いたように見えることから「米」という漢字に「花」と書いて「糀」となりました。麹は中国から伝わった漢字ですが、糀は日本で生まれた和製漢字です。
味噌文化日本!発酵食品「味噌」がもつ魅力とは?
味噌の材料は大豆と米または麦・塩・麹です。大豆の加工食品である味噌は大豆の栄養素を併せ持っています。大豆は畑の肉とも呼ばれていて良質のタンパク質が多く、カリウムやリン・鉄分などのミネラルも多く含みます。また豆味噌(豆麹を使った味噌)は米味噌よりビタミン類を多く含みます。炭水化物が米味噌より少ないので米麹を使わない豆味噌は、ダイエット中の方が使う味噌におすすめです。
毎日摂取して健康!味噌のさまざまな健康効果
味噌には種類があり「米味噌(米麹)」、「麦味噌(麦麹)」、「豆味噌(豆麹)」と材料となる麹によって呼び方が変わりますが、原料はすべて大豆を使います。味噌は大豆の加工食品であり、大豆にはイソフラボンという成分が多く含まれています。このイソフラボンが女性ホルモンに似た働きをするので骨粗しょう症の予防や更年期障害を軽減する働きがあるのです。
また味噌に含まれる食物繊維が腸内の掃除をしてくれることでお腹の調子を整えることができます。女性ホルモンに似ているイソフラボンは肌・髪の保湿やホルモンのバランスを整えるなどの効果があることがわかっています。ほかにもがん予防や糖尿病予防、生活習慣病の予防血流改善効果など多くの健康要素が報告されています。
意外と知らない味噌の賞味期限のひみつ
「味噌汁などほぼ毎日使うので賞味期限内には使い切ってしまう。」という人もいらっしゃいますが、「味噌はたまにしか使わないので開封後しばらく使わない。」という人も多いと思います。賞味期限内の未開封であればなんとなく安心できますが、一度開封してしまった開封後の味噌は賞味期限内であっても変色や状態の変化が少なからずありそのまま使ってもよいかどうか心配です。
あるようでない?味噌の賞味期限とは
味噌は冷蔵庫などない昔からある保存食です。ですのでよほどのことがない限り食べられなくなることはありません。しかし風味や味は変化します。そこで味噌に消費期限(安全に食べられる期限)ではなく賞味期限(美味しく食べられる期限)が設けられています。しかし現在多く流通している味噌には調味料やアルコール(酒精)が含まれたものが多く、また健康ブームから減塩味噌なども多くなっており保存方法には注意が必要です。
賞味期限を左右する味噌に使われる添加物とは
市販されている味噌の中には発酵を止め味噌を少しでも長持ちさせるためにさまざまな添加物を加えた味噌があります。主によく使われているものが酒精(エチルアルコール)で、ソルビン酸K(防腐剤)、次亜硫酸Na(大豆の脱色)、調味料(アミノ酸など味付けの役目)、ビタミンB2(色合いの保護)などがあります。添加物は味噌の容器や内蓋に記載された原材料の表記で確認することができます。
生きた味噌の見分け方
麹が生きた味噌の材料は、米または麦と大豆・塩と麹だけです。調味料や保存料、アルコール(酒精)が含まれていたり加熱処理された味噌に含まれている麹は活動を休止しています。生きた味噌とは材料がシンプルで主に「無添加」と表記されており、内フタに味噌が呼吸するための呼吸口がついています。麹が生きている味噌は製品化されてからも発酵を続けているので保存方法によっては未開封でも色や風味が変化していきます。
無添加と書かれている味噌で材料が麹、米または麦、塩、大豆という味噌には内フタに呼吸口がついています。写真では少し見えにくいですが、無添加の無という漢字の上あたりに小さい穴が開けられています。これが呼吸口で最近では技術の進歩によりフタ全体に通気性のあるものもあり穴がないものもあるようですが、現在店頭に並ぶ無添加味噌のほとんどはよく見ると内側のフタのどこかに穴があります。
味噌を買うときの注意!賞味期限より陳列場所をチェックしよう!
味噌は賞味期限より、最適な場所できちんと保存ができているかで美味しく食べられる期限が変わってきます。店頭で陳列された味噌もお店によっては日の当たりそうな場所であったり、温かい空間にある味噌ではなく、なるべく温度の低い場所や日当たりの悪いところに陳列されているお味噌を購入しましょう。お味噌を購入するお店選びも味噌を長持ちさせるための一つの方法です。
無添加味噌とそれ以外の味噌の賞味期限
味噌は賞味期限が明記されていますが、実はそれよりも長く保存できると言われています。しかし開封後の味噌は無添加味噌でもそうでない味噌でも味や風味は日が経つと変化します。それでもきちんと冷蔵庫で保存してやれば無添加味噌なら1年ほどはもちます。ただし無添加でない調味された味噌、あるいは減塩タイプなどの味噌はカビが発生するなど起こることがありますのでできるだけ開封後、賞味期限内に消費しましょう。
開封した味噌と未開封の味噌では賞味期限にちがいがある?
味噌は消費期限ではなく賞味期限であることは説明しましたが、未開封の味噌をうっかり使い忘れていた場合などは味噌に限らずよくあります。賞味期限とは「未開封で適温に保存された場合の期限のめやす」であるということが前提であり、食べられなくなる期限のことではないので、よほど過酷な状態で保存し尚且つ激しい変色や悪臭が伴わないのであれば開封・未開封にかかわらずすぐに食べられなくなるというものではありません。
味噌の賞味期限を決める重要なポイント
味噌は本来保存食であり、未開封であっても開封後であっても重要なのはその保存状態です。味噌に限らずほとんどの食品は温度や湿度によって品質に変化が起こります。味噌も無添加の味噌は麹が働き続けていますから温度が高いと発酵が進み、色や風味が変わります。また無添加ではない味噌も同じで保存料や防腐剤が入っていても、やはり高温の場所や湿度の多い場所であれば品質の変化が起こる可能性はあり、味や風味は変わります。
味噌を美味しく保存する方法とは?
海苔や干し椎茸などの乾物にはたいてい乾燥剤が同封されています。同じように味噌には多くにエージレスという脱酸素剤が味噌の表面を覆っている白い紙の上に乗せられています。脱酸素剤は未開封時に容器内の酸素を吸収させることが目的ですので、開封後は白い紙と一緒に捨ててください。白い紙は脱酸素剤が味噌に埋もれないように乗せられています。ただし、呼吸口のついた無添加味噌にはこれらは入っていません。
賞味期限と品質保持のために
味噌に入っているエージレス(脱酸素剤)は、麹の働きを止めている味噌に入っています。食品の変質には多くに空気(酸素)が関係しているため容器内の酸素をこのエージレスが吸収するのです。エージレスの中身は、主材料は鉄で、ほかにビタミンC・無機塩類・色素です。
簡単に美味しさと風味を長持ち
開封後の味噌はできるだけ空気に触れさせないように保存することが大事です。味噌に限らず水分を含むものが空気に触れているとカビが発生します。冒頭に麹はカビだと説明しましたが、ここでいうカビは空気中に多く存在する好気性で耐塩性のカビで食べられません。そのため味噌をカビから守るためにも味噌の表面にしっかり密着させるように空気を抜きながらラップをします。
さらにおすすめ!味噌を美味しく保存する方法
開封後のみそにラップを貼って保存しますが、普段あまり味噌を使わないのであれば冷凍庫の保存をおすすめします。味噌は冷凍庫に入れても凍らないのでお玉で簡単にすくえます。特に暑い時期は、よく使うご家庭でも冷凍庫で保存した方が長持ちします。特に減塩味噌などは傷みやすいので冷凍庫で保存しましょう。
袋入りの味噌は写真のような密封容器に移し替えて表面に空気を抜きながらラップをして冷凍庫または冷蔵庫に保存します。そしてここで裏ワザがあります。袋に入った状態で一度冷凍しておくと味噌がほんのり固くなり粘土の要領で折り畳みながらきれいに無駄なく袋から取り出すことができ、移し替えが楽になります。
お味噌メーカーおすすめ!お味噌を使った美味しいレシピ
味噌は味噌汁だけでなく、たくさんの料理にアレンジできます。大豆の加工食品であることを考えると大豆と相性の良さそうな食材を使えばメニューのアイディアが浮かんでくると思います。古くなって変色や風味の落ちた味噌は、味噌汁ではなく他の料理に使えばまた美味しくいただくことができます。
チキンのバーベキュー味噌グリルのように、豚の味噌漬けや鯖の味噌煮などは味噌を使う料理の中でも有名ですね。
隠し味に味噌を使った炊き込みご飯です。炊き込みご飯に味噌?という少し変わった使い方ですが、味噌にコクがでてシンプルな具材でもこれだけでも満足する一品になりそうです。
無添加味噌を使ったお味噌汁は根菜が美味しそうです。味噌汁も具材を変えただけで色々なアレンジができます。豆腐や玉ねぎといったいつものお味噌汁の具材をアボカドやトマトに変えれば洋風のお味噌汁に変身します。
賞味期限と消費期限のちがいについては時折テレビなどでも取り上げられ知っている方も多いと思いますが、味噌に設けられているのは賞味期限です。「賞味」つまり美味しく食べられる期限のことで、賞味期限が切れたから食べられなくなるものではありません。古くなったお味噌は味や風味は落ちますが調理法や調味料を加えることで新たな料理となって再び味わうことができるのです。
【まとめ】日本を代表する健康食品「味噌」を美味しく食べよう!
大豆の栄養たっぷりの味噌は日本人の誇りです。そして味噌を少しでも美味しく長く味わうための保存方法はとても重要なポイントです。今まで味噌をあまり知らなかったという方もこれを機に味噌を改めて知ると、今まで気にしなかった賞味期限の不安や保存方法を見直せたのではないでしょうか?味噌が日本に伝わってから今日まで味噌はずいぶん変化しました。スーパーに行かれたらぜひたくさんの味噌を見比べてみてください。