豆味噌とはどんな味噌?米味噌・八丁味噌との違いと使い方を解説!

豆味噌と聞いて八丁味噌を思い浮かべる人も多いでしょう。豆味噌はよく赤味噌と言われる、濃い赤茶色をしていて赤だし味噌汁に使われる味噌です。赤みがあり、固くうま味の強い豆味噌は八丁味噌とどう違うのかを調査しました。豆味噌は発酵期間が長いので、栄養素も多く、健康に効能もあり基本の味噌汁以外にも様々な使い道が出来る便利な味噌です。豆味噌を美味しく味わう使い方やレシピも紹介するので、ぜひ参考にして豆味噌を食卓に取り入れてください。

豆味噌とはどんな味噌?米味噌・八丁味噌との違いと使い方を解説!のイメージ

目次

  1. 1豆味噌はどんな味噌?
  2. 2味噌の種類
  3. 3地域によって好まれる味噌は違う
  4. 4豆味噌の栄養
  5. 5豆味噌は八丁味噌と違う?
  6. 6豆味噌は濃厚な味わい
  7. 7豆味噌の美味しい使い方
  8. 8豆味噌を生かしたベーシックな使い方
  9. 9豆味噌のうま味生かすアレンジした使い方
  10. 10豆味噌をうまく使いこなそう

豆味噌はどんな味噌?

豆味噌とは、大豆と塩、そして麹だけで作られる味噌です。長期間熟成させるので色味が濃い味噌となり、濃い赤茶色をしているので赤味噌とも言われています。夏場は高温多湿になる東海地方で、腐りにくく保存性がいい味噌として発展してきました。長期熟成のため、加熱しても香りが残るので豆味噌が良く作られている東海地方では豆味噌を使った煮込み料理が発達してきました。

豆味噌は、しっかりと重しをして長い期間をかけて熟成させます。水分の抜けた固い味噌なので保存性に優れています。豆味噌の八丁味噌は保存性に優れ、携行しやすいということで戦国時代、徳川家康などが陣中食としての使い方を奨励していたという文献も残っています。保存しやすいだけでなく、うま味や塩分が強いので他のおかずがなくてもご飯が進むので、調味料としての使い方以上の食べ方をされていました。

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味噌の種類

日本全国で味噌は作られていますが味噌は発酵を決める麹の量や作る材料、熟成期間によって、塩分濃度や味わい、色なども全く違ったものになります。すべての味噌は大豆を使用しますが、どんな麹を使うかで味噌の種類の違いになります。米麹を使って発酵させた「米味噌」は全国各地で作られています。中部地方では大豆に直接麹菌を使い発酵させた「豆味噌」、九州や四国などでは麦麹を使った「麦味噌」が多くなります。

味噌の色味によって「白味噌」「淡色味噌」「赤味噌」と言われていますが、材料だけで分けられるものではありません。大豆を煮るか蒸すかの違い、大豆に対して麹の量の違い、発酵させる期間や温度の違い、発酵の途中で手を加えるかどうかなど、様々な条件で色が変わります。発酵する過程で、アミノ酸が糖と反応して褐色に変化することを「メイラード反応」といい、発酵が進んだ味噌の方が色が濃くなります。

うま味の強い豆味噌

伝統の豆味噌は大豆と塩と水、そして麹のみで作られます。米麹や麦麹を使わず、蒸した大豆を丸めたものに麹菌をまぶし、材料のすべてを豆麹にして作られます。空気を抜いて重しをし、1年半から3年もの長い間熟成させます。長期間熟成させることでうま味も香りも強くなり、しっかりとした味噌になります。原材料のほとんどが大豆のためたんぱく質も多く肉や魚と相性が良く、うま味の相乗効果で美味しさが増す効能もあります。

畑の肉と言われる大豆にはたんぱく質が多く含まれています。豆味噌になってもそのたんぱく質は多く含まれています。味噌は発酵食品なので、ビタミンやミネラルが豊富で、乳酸菌や酵素なども含まれ、健康に効能がありますが、豆味噌は更に発酵する期間が長いため特に健康への効能が期待できます。豆味噌は、味噌の中でも生活習慣病や老化を抑制する効能も知られています。

全国的に作られている米味噌

日本は稲作の国です。米はどの地域でも栽培されているので、手に入りやすい穀物で発酵させるにもいい食材なので、米味噌が発達してきました。同じ米味噌と言っても、地域ごとに米麹や大豆との量のバランスによって味も違います。熟成期間や塩分濃度でもかなり味が変わります。一番ベーシックな味噌なので、味噌汁や味噌和えなど使い方も幅広く、全国的に使いやすい味噌と言えます。

米麹を使って発酵した米味噌でも、塩分の強い淡色味噌の信州味噌や赤味噌の仙台味噌、甘い白味噌の西京味噌など様々です。白味噌は大豆を茹でてから発酵させます。茹でることでメイラード反応を起こす成分が流れ出て色味が薄くなります。麹の量も多く大豆の割合が少ないので更に色味が出にくい製法です。熟成期間もかなり短く塩分も少ないので、上品な甘さで京料理で使い方も多く主に京阪神エリアで作られ食べられています。
 

豆味噌はよく「赤味噌」と呼ばれますが、米味噌でも赤みが強い赤味噌はあります。北海道や東北地方などで作られる米味噌は長い期間熟成させた赤味噌です。塩分も多めで蒸した大豆を使って米麹で発酵させているので、しっかりとメイラード反応を起こし、熟成した赤い味噌になります。うま味が強く、ヘルシーな味噌です。米味噌と一口に言っても全国で作られているので、地域ごとに個性があり使い方も様々です。

甘さや香りが美味しい麦味噌

九州地方や四国の愛媛県では麦麹を使った麦味噌が作られてきました。麦味噌は麹の比率が多く、熟成期間が比較的短い麦味噌で甘めの味噌が多いのも特徴です。米麹味噌よりも塩分が少な目で、あっさりした甘味の少ない、麦の香ばしい香りがする味噌です。麦麹の粒が残ったものが多く、粒をそのまま味わう使い方をすることもあります。

麦味噌の中でも、塩分が多く辛口の味噌もありますが、それでも麦の香りのする柔らかい味になります。麦味噌は野菜との相性がいいので、野菜を多く使った味噌汁や味噌野菜炒めに使うことをおすすめします。麦麹を使っているので、他の味噌よりも食物繊維が多く腸内環境を整える効能があります。更に鉄分やカルシウムなどのミネラルも豊富な場合が多いです。麦味噌を使うならさっぱりとした味の料理になります。

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地域によって好まれる味噌は違う

やはり、豆味噌、米味噌、麦味噌と色々な種類の味噌がありますが、地域の気候や特産物に根差した味噌が作られてきました。現在のように流通が発達しても、地元で作られた味噌が食べ慣れた味になるので、東海地方以外で暮らしている人には、豆味噌はあまり馴染みがないようです。基本的には北の方にある地域は、塩分が濃い味噌が好まれ、南の地域では甘めの味噌が好まれる傾向があります。

豆味噌の栄養

大豆が主原料の豆味噌は、栄養豊富な味噌の中でも特に栄養価が優れています。大豆の量が多いのでたんぱく質が豊富で、大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンに似た働きをするので、特に女性の健康に効能があると言われます。ビタミンやミネラル、食物繊維も豊富で、大豆を発酵させることでうま味成分のグルタミン酸などが多く作られます。

メイラード反応によって生じる茶色の色素のことをメラノイジンと言います。メラノイジンは善玉菌を増やして悪玉菌を減らすことで腸内環境を良くする効能があります。更にコレステロール値を下げる効能や、血糖値の上昇を緩やかにしたり、インスリン活性酸素を減らす働きもあります。

豆味噌は八丁味噌と違う?

豆味噌の「赤味噌」と「八丁味噌」は同じような使われ方をします。普段食べていない人にとっては何が違うのは分かりにくいでしょう。豆味噌は豆と塩と麹、そして水だけで作られた味噌で、その中でも愛知県岡崎市にある岡崎城から西に八丁離れた場所「八丁村」という場所で作られた味噌が八丁味噌と呼ばれます。保存性に優れた八丁味噌が三河武士の岡崎の街を発展させてきたと言っても過言ではありません。

今でも八丁味噌ブランドを守るために、昔ながらの作り方を守り、余計な添加物を入れずにしっかりと長期熟成させて八丁味噌は作られています。地元の人には八丁味噌を使った味噌汁は日常のもので、赤だし味噌汁でないと味噌汁を食べた気にならないという人もいるほどです。更に、八丁味噌の味噌蔵は見学できたりするので、地元の人や観光客にも豆味噌の中でも八丁味噌は知名度が高いと言えます。

豆味噌は濃厚な味わい

豆味噌は、他の味噌よりも熟成期間が長い分かなり濃厚な味です。食べ慣れないうちは苦みとして感じることもあるでしょう。よく豆味噌を食べる地域の人には、この苦みも含めての美味しさと言われますが、苦手に感じるようなら甘みを足すと食べやすくなります。味噌汁なら豆味噌と塩分が少なめの甘い白米味噌と合わせて使うと両方の味噌のいいところを生かせる使い方になります。

東海地方の料亭などで、豆味噌を使った赤だし味噌汁にはみりんを隠し味に使っているところもあります。みりんの甘みが豆味噌とマッチしてうま味を増幅させ上品な味噌汁になります。なめこや豆腐、三つ葉などシンプルな具材がおすすめです。野菜たっぷりの味噌汁なら豆味噌を溶いてから煮立たせると野菜に味噌の味が染み込み美味しくなります。

豆味噌の美味しい使い方

豆味噌の特徴である、うま味を上手に生かした使い方をしましょう。通常、味噌は加熱しすぎると香りが飛ぶので、長く煮込む料理には不向きとされています。味噌を溶き入れたらすぐに火を止めて味噌の香りを逃さないようにします。ですが、豆味噌は長く煮込んでもそのうま味や香りが逃げにくく、煮込み料理に向きます。甘めの豆味噌ベースのたれで煮込んだどて煮や、土鍋で煮込む味噌煮込みうどんなどがあります。

調味料が豆味噌だけの料理で、煮込み続ける使い方をすると煮詰まってしまい苦みを感じやすくなります。味噌と砂糖やみりんなど甘辛く味付けするものなら煮込むことで美味しさが際立ちます。豆味噌で煮込んだ料理は濃い色をしているので、くどく塩辛いイメージもありますが、思ったほど塩分も強くなくうま味をストレートに感じます。

豆味噌を生かしたベーシックな使い方

豆味噌は栄養価も高く健康に効能があるヘルシーな調味料です。コクがありうま味が強いので、豆味噌の美味しさを生かしたレシピを紹介します。「名古屋めし」と言われる東海地方の名産の食べ物は多くが豆味噌を生かした料理になっています。抗酸化作用が強く健康への効能が高い豆味噌を良く食べる東海地方は健康的で日常生活を過ごせる「健康寿命」が長いという結果も出ています。健康にいい豆味噌を使ってみましょう。

豆味噌を使ってうま味の赤だし味噌汁

豆味噌を使った赤だしの味噌汁は、濃厚なうま味があり一度食べるとくせになる美味しさです。豆味噌を普段から食べ慣れていない人なら、豆味噌だけを使った味噌汁では、苦みなども感じてしまうので、豆味噌と米味噌を合わせて味噌汁にしたほうが良いでしょう。豆味噌のうま味と米味噌のマイルドさが合わさって食べやすい味噌汁になります。

豆味噌のコクが美味しい田楽

豆味噌は水分が少なく固めの味噌です。その味噌を酒や砂糖などで溶き、田楽味噌にするとどんな食材も美味しい田楽になります。焼いた豆腐と合わせた豆腐田楽やこんにゃくなどに塗ったこんにゃく田楽は東海地方ではよく見かけます。飛騨地方の名物、五平餅もくるみやごまと豆味噌を合わせたたれを作り塗ったものなので一種の田楽ともいえます。甘辛く味付けし、こんがりと焼くと豆味噌の香りが食欲をそそります。

止まらない美味しさ豆味噌でどて煮

東海地方の名物で、どて煮というものがあります。牛や豚のモツを大根やこんにゃくなどと一緒に、豆味噌に砂糖を加えて甘くしたものでコトコトと長時間煮込んだものです。名古屋の居酒屋に行けば必ずあるメニューです。モツも野菜もしっかりと味噌が染み込み、ご飯やお酒が進むメニューです。

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豆味噌のうま味生かすアレンジした使い方

豆味噌はうま味が強いので隠し味に使うには最適の調味料です。豆味噌だけでは苦みを感じる場合も、隠し味にしたり他の味噌と合わせて使うなら美味しく味わえます。チョイ足しアレンジなら、普段の料理などに使いするだけなので簡単に使えて便利です。

ミートソースの隠し味に豆味噌

うま味が強い豆味噌は隠し味として使うと効果抜群です。ミートソースに赤味噌を追加するだけでコクが増し、美味しく変化します。手作りのミートソースに入れる場合なら、野菜やミンチを炒めるタイミングで、1人前に対し小さじ1の豆味噌を一緒に炒めます。豆味噌の香りも付き食欲をそそるミートソースになります。温めた市販のミートソースにも1人前小さじ1の割合で溶かせばワンランクアップのパスタになります。

豆味噌を使ってうま味最大チャーハン

チャーハンの味付にコチュジャンやテンメンジャンなど中華のジャンを使うことも多いでしょう。1人前に対し小さじ1程度の豆味噌を使ってチャーハンを作ると中華のジャンを使うよりさっぱりしたものになります。辛みはなくうま味が出るので辛さが苦手な人には特におすすめです。冷凍チャーハンでも小さじ1/2程度の豆味噌を一緒に温め、食べる直前に混ぜると美味しくなります。

簡単便利な味噌玉

味噌玉というものを知っていますか?味噌をだしと一緒にボール状に包み、熱湯を掛ければすぐに味噌汁になるという優れものです。簡単に出来、時間のない朝などに大活躍です。軽く焼いた味噌に鰹節や昆布粉を混ぜ、具材も一緒に混ぜ込んで1回分ずつラップに包めば出来上がりです。どんな味噌でも作れますが、うま味の強い豆味噌を加えて作ればとても美味しい味噌汁になります。

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豆味噌をうまく使いこなそう

くせのある豆味噌は使い方次第で、美味しい料理になります。味噌汁にはもちろん、味噌をしっかり味わう煮込み料理や隠し味にも便利です。市販の合わせ味噌を買ってくるのもいいですが、味噌を自分でブレンドして合わせ味噌にするなら、その日の具材や気分によって配合を変える使い方もできます。それぞれの味噌の特徴や効能を生かして、美味しい料理に役立ててください。

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