2018年06月08日公開
2024年07月17日更新
マハタとはどんな魚?値段や美味しい食べ方とクエとの違いについて!
マハタという魚を知っていますか?スーパーや鮮魚屋には並ばない高級魚なので、知っている人は少ないかもしれません。マハタは味非常に美味で、クセのない上品な白身魚です。大きく成長するのも特徴で、釣りを楽しむ人たちの中では、幻の魚と言われていることもあります。今回は、そんなマハタはどんな魚なのか、値段や美味しい食べ方を紹介していきます。よく似ているクエとの違いについても紹介していくので参考にしてみてください。
高級魚のマハタが食べてみたい!
マハタという魚を知っていますか?スーパーや魚屋には並ばないほどの高級魚ですが、料理店などと取引されているため、名前を聞いたことがあるという人はいるかもしれません。高級魚のマハタは、味が極めて美味で、とても上品な旨みと甘みがあります。一度は食べてみたい高級魚です。今回は、そんなマハタについての情報や値段、おすすめの食べ方などを紹介していきます。
マハタとはどんな魚?
マハタとはこんな魚
マハタは、スズキ目ハタ科マハタ属の海水魚です。日本での主な生息地は西日本の各地ですが、太平洋側では千葉県より南、日本海側では新潟県より南の地域に生息しており、比較的広い地域で見かけられる魚です。
マハタの一番の特徴は、茶色の体と模様です。写真で見ると縦じま模様と言いたくなりますが、正しくは魚の頭を上にして見るため、横じま模様という扱いになります。この横じま模様は幼魚にのみ見られるもので、成長していくにつれて、次第に薄くなります。模様の濃さを見るだけで、マハタがどのくらい成長しているかを理解することができます。
マハタは水深50~200メートルの地点に住み、岩に息を潜めて生活しています。幼魚は比較的水深の浅い場所に生息していますが、大きく成長するほど、海の奥深くに潜っていきます。岩に隠れ、エサである小魚や貝殻類が現れるのをひそかに待っているのです。
マハタは、地域によって異なる名前で呼ばれています。山口県ではアラ、島根県ではカナ、石川県ではナメラなど、まったく異なる名前で扱われていることもあります。マハタは、スーバーなどの鮮魚店で扱われることはほぼ無く、市場に出るものは料理屋に買われることがほとんどです。料理屋では、これらの名前で扱われていることがあるかもしれませんので、覚えておくと良いでしょう。
マハタはとても大きく成長する魚
マハタは、大きく成長しても体長50~60cmほどですが、まれにとても大きく成長することがあります。体長は1メートルを超え、重さは100キロを超えるほど大きくなるものもいます。ここまで成長したマハタは、別名「カンナギ」と呼ばれ、釣りを楽しむ人たちの中では、幻の魚としてささやかれています。
過去に確認されたものでは、体長186cm、重さ120キロもの巨大なカンナギが釣れたという記録も残っています。可愛らしい小さめのものから、人間以上に大きく成長するものまであり、マハタの成長は個体差があるようです。
マハタの効能
マハタは脂質が少ない白身魚で、タンパク質が多く含まれています。タンパク質は筋肉や臓器など、私たちの体を構成する要素として非常に重要なものです。マハタは、100グラムあたり19.38グラムのタンパク質を含んでおり、私たちの体に栄養を行き渡らせてくれます。
また、旨み成分と呼ばれるグルタミン酸や、アスパラギン酸、アラニン、ロイシンなどのアミノ酸が多く含まれており、これらがこの魚の美味しさを引き出す元となっています。マハタの刺身を2~3日寝かせると、旨みが凝縮されて美味しくなりますが、これは上記のアミノ酸の働きによって旨みが引き出されるからです。
マハタの旬の時期
マハタの旬は春~夏頃とされています。ですがマハタは旨みが変動しづらいため、旬の時期でなくとも十分美味しくいただくことができます。一年を通して美味しく食べられる高級魚なのです。高級魚とされるだけあってお値段はお高めですが、旬のマハタは値段相応、もしくはそれ以上の美味とされています。
肉質は独特の歯ごたえがあり、新鮮なものは刺身として食べるのが絶品です。ですがそれ以外にも、様々な食べ方で親しまれています。マハタは加熱料理しても身崩れしにくいため、鍋料理として食べられることも多くあります。また、煮付けや唐揚げなどの身近な調理方法でも、マハタの美味しさを十分に味わうことができるのです。
クセのない白身魚だからこそ、様々な食べ方で美味しく味わうことができます。和食だけでなく、洋風や中華風など全ての料理に利用することができ、どんな味付けにもマッチして食事を彩ってくれます。
マハタの値段
マハタは高級魚と呼ばれるだけあり、値段も高くつきます。マハタ自体、スーパーや魚屋などに置かれることがなく、市場に出されているものは料理店向けの販売がほとんどです。通販等で売られているものは、1キロ未満のものでも5000円~6000円、もしくはそれ以上の値段となっています。高級魚の中でも、このお値段はかなり高いものです。
長崎県や三重県では養殖も行われており、市場で売られているものは養殖で育てられたものがほとんどです。ハタ類の魚は飼育が難しい面もあるそうで、養殖されている魚は少数です。値段が高くつくのは、売られている絶対数が少ないからという要因もありそうです。多くの魚が生産されるようになれば、より気軽にマハタを食べられるようになるかもしれません。
マハタとクエの違い
マハタに似た魚としてクエがあげられます。どちらもハタ科の大きい魚で見た目も似ているため、一見すると同じ魚のように思えます。クエとマハタは、どのような違いがあるのでしょうか?
主な違いは、生息する地域です。マハタは西日本を中心に、北海道以外の多くの地域で見かけられますが、クエが取れるのは、九州や四国などの南の温かい地域が中心です。また、マハタの旬は春~夏頃までですが、クエの旬は冬となっています。同じハタ科の魚で、同じような体をしていても、生息域や旬が大きく異なるのです。
マハタもクエも、どちらもきれいな横じまの模様をしていますが、よく見てみると模様の様子に違いがあります。マハタは、全ての横じま模様がまっすぐに入っていますが、クエは前2本の横じまだけが頭の方へ流れるように入っています。マハタは大きく成長するにつれて横じま模様が薄くなっていくので、判別しにくいものもあるかもしれませんが、機会があればよく目を凝らして模様を見比べてみましょう。
身は刺身にすると違いがよく分かり、マハタの方が身が透き通る白色をしています。薄造りにすると、血合いのピンク色と身の白色がよく映えてきれいです。味はマハタもクエも、上品で旨みのある味わいであることに変わりはありません。しかし、クエの方が個性を感じられる旨みとも言われており、人によって好みが分かれそうです。
マハタのさばき方
マハタのさばき方は、他の魚とほぼ同じです。しかし骨が非常に硬いため、身をはがすときに難しく感じられるかもしれません。ここでは、マハタのさばき方やコツを紹介していきます。マハタをさばくときには、ぜひ参考にしてみてください。
マハタの3枚おろしのさばき方(刺身にも)
マハタはぬめりが出やすい魚なので、さばく前にタワシでぬめりと汚れを洗い流しましょう。できたら、次はうろこを包丁ですき引きします。できるだけ包丁を水平に、うろこと皮を薄く取っていくイメージで行っていきます。大体のうろこが取れたら、残っている細かいうろこを包丁で丁寧に取っていきます。
うろこを取り除けたら、頭を切り落としていきます。胸びれと腹びれが頭側につくように斜めに包丁を入れていきましょう。切りにくい場合は、裏返して反対側からも切っていきます。頭が取れたら、腹部に包丁を入れて内臓を取り出しましょう。奥にある血合いも取っていきます。出来たら、うろこと血合いを洗い流し、よく水気を取っておきましょう。
下準備ができたら、身を3枚におろしていきます。尾を左にして、腹部から中骨に沿って包丁を入れます。刃先が中骨に触れるカリカリとした感触を手掛かりにするとやりやすくなります。尾まで切れたら半回転させ、背から中骨に沿って包丁を入れていきましょう。そして、腹から中骨に沿って関節を切り片身をはがします。
片身をはがすときは、骨が硬いため無理にはがそうとしないようにしましょう。腹と背から切り込みを入れておいて、最後に中骨の関節を切って片身をはがすようにします。片方が出来たら裏返し、同様に片身をはがしていきます。背びれがとがっているため、ケガをしないように注意してください。
最後に腹骨をすいていきます。腹骨が左向きになるように置き、包丁の左側を腹骨に沿わせるようにして切り取っていきましょう。最後は包丁を立てて、腹骨と身を切り離すようにするときれいに仕上げることができます。
マハタは身にしっかりとした歯ごたえがあるため、刺身にする場合は薄造りにするのがおすすめです。包丁を斜めにして入れていき、身が透き通り、下に包丁が透けて見えるくらいの薄さに切っていきましょう。
マハタの美味しい食べ方と料理方法
道の駅多々羅しまなみ公園名物、マハタ料理!#道の駅 #多々羅しまなみ公園 #マハタ料理 #幻の魚 #クセのない白身 #美味しかった #ここでしか食べれない pic.twitter.com/NHAGho7KqX
— himeharu (@shimanami_hime) December 10, 2017
マハタは高級魚で値段もお高めですが、その味は値段相応、もしくはそれ以上と言われています。自宅で手軽にできる料理方法でも、マハタを十分美味しく食べることができます。手に入った際には、ぜひ試していただきたいおすすめの食べ方を紹介します。
新鮮なマハタはお刺身で
新鮮なマハタは刺身でいただきましょう。剥きたてのエビのようなプリプリとした食感と甘さを味わうことができるのでおすすめの食べ方です。見た目も透き通るような白色で、血合いのピンク色が美しく映える料理です。上品な旨みと甘さはやみつきになること間違いなしです。
マハタの刺身をいただくには、先ほどの切り方を参考にして、身を刺身用に切っていきます。薄造りにしたものを丸い皿に盛り付けていきます。中心から円を描くように重ねて並べると、食卓の料理をきれいに彩ってくれます。ポン酢や、大根おろしに一味唐辛子を混ぜた「紅葉おろし」と一緒に食べると、味のアクセントになり非常に美味です。
また、刺身にする場合は、冷蔵で2~3日ほど寝かせて熟成させると、アミノ酸の働きで旨みが増して美味しくなります。新鮮なマハタが手に入った際には、ぜひ試していただきたい一品です。
漁師おすすめのマハタの煮付け
マハタの煮つけは、漁師がおすすめするほどの絶品料理です。淡泊な白身魚なので、煮つけにすると味が染みこんで美味しく食べることができます。また、マハタからは素晴らしく美味しい出汁が出るため、季節の野菜と一緒に煮込めば、魚の美味しさが野菜に染みこんで一層美味しさを引き立ててくれます。
煮つけを作るには、3枚おろしにした身を用意します。そして食べやすい適度な大きさに切りましょう。身の用意ができたら、水300cc、醤油大さじ4、みりん大さじ1、酒大さじ2、砂糖大さじ3を鍋に入れ、十分沸騰させていきます。
沸騰したら、身を入れて中火~強火で5分~7分ほど一気に煮付けます。強めの火で一気に煮付けると、臭みが出ずに旨みを閉じ込めることができます。お皿に盛り付けたら、甘じょっぱい煮汁が魚に染みこむ絶品料理の出来上がりです。
ふわっと美味しいマハタの唐揚げ
マハタは加熱調理すると、鶏肉のような締まりになり、ジューシーな味わいになります。唐揚げにすれば、魚の旨みが衣の中に凝縮され、ふわっと美味しい絶品料理の出来上がりです。上品かつジューシーな旨みで、ご飯がすすむので、ぜひ試していただきたい食べ方です。
マハタの唐揚げを作るには、3枚おろしにした身を用意します。身を食べやすい大きさに切っていきましょう。そこに塩コショウを振って、少し置いておきます。出てきた水分は拭き取りましょう。片栗粉を軽くまぶしたら、180度に熱したサラダ油に入れて揚げていきます。きつね色になったら、キッチンペーパーなどで軽く油を切り、皿に盛りつけて完成です。
塩コショウで下味をつけた後に、にんにくやショウガなどで濃いめに味つけをすると、お酒のおつまみとしても非常に合う一品になります。淡白な白身魚はどんな味付けにも合うので、お好みで味付けを調整して、絶品料理を美味しくいただきましょう。
マハタを美味しく食べてみよう
マハタの情報やクエとの違い、値段や食べ方、おすすめの料理などを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?マハタには旬もありますが、1年を通して旨みが落ちない魚なので、いつ入手しても美味しく食べることができます。手に入った際には、これらの食べ方を参考にして、美味しい味を堪能してみてください。