クエとはどんな魚?一度は食べたい高級魚の旬・料理・値段を調査

幻の魚とも言われるクエ!その美味しさもさることながら、手に入り難さと高級極まりない値段もあって中々口に入らない本当の「海の贅沢」というべき魚です。生息地域も限られており、滅多に市場にも出てこないこのクエ。なかなか食べる機会がないからこそ、食べられる時に時期や調理方法を外したくありません。一番美味しい旬や料理法はどのようなものか、そして何よりも気になるお値段について調べてみました。

クエとはどんな魚?一度は食べたい高級魚の旬・料理・値段を調査のイメージ

目次

  1. 1クエとはどのような魚?
  2. 2美味なる魚と言われるクエ
  3. 3幻の魚?クエの旬はいつ?
  4. 4高級魚クエの値段とは?
  5. 5海外でも食べられているクエ
  6. 6クエのオススメ絶品魚料理
  7. 7クエは釣り人が惚れ込む魚
  8. 8クエという魚を知るオススメスポット
  9. 9海の宝石クエのまとめ

クエとはどのような魚?

高級魚で知られるクエは硬骨魚綱スズキ目ハタ科の海水魚です。クエという名前はもともと関西で使われていたもので、別名として三重県でクエマス、和歌山県ではキョウモドリ(京戻り)、九州ではアラと呼んでいます。釣りを好む方はこのクエの老成魚をモロコと呼ぶことがあります。
 

クエはその親戚に当たるハタと見た目が非常に似ており、その中でもマハタとは本当に酷似しています。確認の仕方としては体に斜め上方に黒褐色の雲状帯が6条走っているのがクエです。しかしこれも老成魚になれば不明瞭になります。

クエは本州中部〜台湾、南シナ海まで分布しており、老成魚になれば全長1m以上にも成長します。昼間は穴の中に潜んでおり、夜間に他の魚やエビ・カニを捕食します。この様に生活を送っているため、クエはなかなか網にはかかりにくく、基本的には一本釣りするしかありません。クエを専門とする漁師もなかなか釣り上げられないため「幻の魚」「海の宝石」といわれています。

美味なる魚と言われるクエ

クエは美味しい魚

クエはそのちょっとグロテスクな容貌からは考えられないほどの最高級の美味しさを誇る白身魚です。脂がしっかりと乗りながらも上品かつ深みのある味がクエの特徴。程よい甘さと歯ごたえを持ち、「クエを喰ったら他の魚は喰えん」と言われるほどです。特に天然ものクエの繊細な美味しさは他に替えがありません。

さらにクエは身だけでなく皮やアラも絶品。この部位に含まれる上質で滑らかなゼラチン質は他の魚ではありえない美味しさです。魚好きの中でフグよりもクエの方が美味しいという意見が多いのも納得です。

幻の魚?クエの旬はいつ?

一般的にクエの旬は冬と言われていますが、実はクエには定まった旬はありません。サンマやアンコウの様な「旬がある魚」というわけではなく、クエは比較的年中獲れる魚です。しかしながらよく冬場が旬と言われるのは、クエが鍋料理に適している魚であると言う事ができること、冬の時期のクエは身に脂が乗っていることがあげられます。脂の乗ったクエがは鍋に最適です。脂が乗って美味しい冬の季節は確かに旬といえるでしょう。
 

この冬の時期がクエの旬であるということを広めた一つの要因に大相撲があります。クエの産地の一つである九州。大相撲の11月場所はこの九州福岡で実施されます。冬の旬の脂の乗ったクエでちゃんこが作られますので、力士の皆さんも大いに食欲が増した事でしょう。

しかしながら冬場のクエに勝ると言われているのが夏のクエです。クエはだいたい6月ごろに産卵をおこないます。この産卵の時期は余分な脂が落ちている状態です。そのあと冬に向けて活発に活動して体に養分を蓄えていくのですが、この夏の時期はクエが非常に食欲旺盛となっており、その為クエの身も併せて美味となるため鮮魚専門店などではこの夏のクエの方が評価が高いのです。
 

この夏の時期のクエにはまだ卵を抱えていることもあり、これは珍中の珍と言えます。また、クエの握りなどもこの時期の方が美味しいようです。クエは表旬の冬と裏旬の夏の2回美味しい時期があると覚えておきましょう。

高級魚クエの値段とは?

天然物のクエは高級料亭やクエ料理専門店に運ばれることが多く、滅多に小売店に入荷することはありません。たまにあっても1キロ10,000円以上の値段がつくときもあります。クエが非常に値段が高い理由はまずその味の良さ、そして需要と比較して個体数の少なさ、最後に産地が限られていることがあげられます。

さらに天然もののクエは一本釣りが殆どということも値段が高騰する原因の一つです。天然物はやはり数が制限されてしまいますので、その分値段にダイレクトに反映していまいます。
 

最近では養殖物のクエも出てきていますが、それでも値段は1キロあたり3,000円〜5,000円程度になります。養殖物のクエは「近大マグロ」で有名な近畿大学が先鞭をつけ、昭和50年代後半から研究を開始しました。長年の苦労の末、和歌山で人工授精させて孵化させた稚魚を奄美大島で4〜5年育て、また和歌山に戻すという方法を行っています。

この近大産のクエは2007年秋から地元白浜で「紀州本九絵」として出荷を始めています。天然ものの魚に近い味でありながら値段は天然ものの半分で済むということで人気となっています。また、岡山理科大でもクエの養殖の研究は進んでいます。

海外でも食べられているクエ

クエのその美味ゆえに海外でも賞味されています。香港や広東ではクエを含むハタ科の魚は石班と呼び、刺し身や鍋、フライにして食べます。特に清蒸石班魚は大人気です。石班の中でもクエは特にその中でも珍重されて泥斑と呼ばれ、香港離島部の海鮮レストランの目玉商品です。もともと中華料理の中でも海鮮料理は高価な部類に入るのですが、泥斑はかなりの高級魚で広東では144kgの大物老成魚が320万円で落札した事もあります。

クエのオススメ絶品魚料理

クエという魚を料理する時は捨てる所がありません。その美しい白い身の部分は刺し身とクエ鍋になりますし、内臓は酢みそで和えると最高の酒の肴となります。ウロコは揚物に、かぶとやアラはアラ汁の素材となります。皮は湯引きで頂きますし、ヒレは鰭酒に使われます。クエの唐揚げはフグの唐揚げ以上に美味ともいわれます。料理していて本当に無駄の無い魚と言えるでしょう。

この中でもオススメ料理なのはやはり刺し身とクエ鍋。葱を巻いてポン酢でいただく刺し身は驚くほど繊細な味です。しっかりとした身はプリっプリでほのかに甘く噛めば旨味が染み出してきます。そしてクエ鍋はクエの旨味が凝縮したお鍋です。力士もちゃんこで食べているこのクエ鍋は必食です。

クエ鍋の最後の〆は勿論クエ雑炊です。クエの持つ脂が全て溶け出したスープをしっかり吸った雑炊はまさに絶品。クエの全てを平らげた気分にしてくれます。しかもクエという魚はコラーゲンたっぷり、野菜からの旨味もたっぷり!低カロリーなのにたっぷりのコラーゲンを摂取できて、当然のように美味という贅沢な魚の贅沢な雑炊です。

クエは釣り人が惚れ込む魚

クエは磯釣りのターゲットとしては日本では最大級の魚であり、数多くの釣り人の憧れでもあります。ベテランの釣り師が「クエは幻の魚」というのですから、クエの希少さは言うまでもありません。

先にあげたように、天然もののクエは一本釣りで釣り上げます。クエはそれぞれ自分の巣を持っており、夜間にエサを求めて動き出します。それ故クエは昼間はなかなか釣り上げ難くなっています。しかも、釣り針にかかるとクエは自分の穴に逃げ込み、その大きなエラをいっぱいに張って出てこなくなります。

クエ釣りは最初のアタリのあとの竿が絞り込まれた瞬間が勝負です。クエが自分の巣に戻る前に一気に竿を立ててファイトとなります。大きくて力の強いクエですから磯から引きずり込まれないように注意が必要です。もしクエを釣りあげる事が出来たら、その美味しさは格別のものになるでしょう。
 

クエという魚を知るオススメスポット

和歌山県の最西端、紀伊水道に面した日高町は豊富な魚を水揚げする天然の良港ですが、この日高町は「天然クエの町」としても知られています。この日高町の天然クエといえば最早一種のブランドです。日高町にはクエのオブジェが飾られてあり、天然クエをアピールしています。日高町の料理旅館や割烹料理店ではクエ鍋や刺し身をメインとしたコースが色々用意されています。

また冬のクエ鍋のシーズンになるとお土産として「クエ鍋のセット」が販売されるようになり、非常に人気です。クエ鍋セット以外にも人気なのが「くえのもつ缶」です。これは比井崎漁業協同組合が3年かけて開発した、クエの胃袋を甘辛く煮込んだもので、もともと珍しいクエのさらに珍しい胃袋ですので、なかなか手に入らないものです。もし見かけたら即購入です。

和歌山県で県の名産品を和歌山県優良県産品(プレミア和歌山)として認証していますが、「日高町天然クエ料理」は第10回の和歌山県優良県産品として見事認証されました。「天然クエの町」、日高町では毎年秋に「クエ祭り」を開催しています。日高町が誇る美味なる魚を嗜みに一度訪れてみては如何でしょうか?
 

海の宝石クエのまとめ


幻の魚、クエについて色々学んできました。クエが高級魚とされる理由、そしてクエ釣りの魅力がよく判ったのではないかと思います。表旬・裏旬も興味深い知識でした。ちょっと高いクエですが、食べてみようと思いませんか?夏でも冬でも、チャンスがあれば他の高級魚も是非ご賞味ください。

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