アカハタの釣り方や仕掛けは?刺身のさばき方や煮つけなど料理も紹介!

今回紹介する「アカハタ」は大衆魚というよりは高級魚というイメージがある魚です。しかし、そのイメージの割には手に入れやすく、骨からいいダシが出ると評判です。釣りの対象魚としても人気があるので、今回はアカハタの釣り方や仕掛けについて詳しく調べてみました。また、併せて刺身にする場合のさばき方や煮つけなどの料理も紹介しますので、アカハタを釣ったときなどの参考にしてみてください。

アカハタの釣り方や仕掛けは?刺身のさばき方や煮つけなど料理も紹介!のイメージ

目次

  1. 1アカハタはどんな魚?
  2. 2アカハタの釣り方は?
  3. 3アカハタのさばき方を覚えよう!
  4. 4アカハタの美味しい料理を紹介!
  5. 5釣りを楽しんで新鮮なアカハタを食べよう

アカハタはどんな魚?

アカハタはスズキ系スズキ目スズキ亜目ハタ科マハタ属の海水魚です。熱帯のサンゴ礁域や温帯の岩礁域の浅場~深場に生息していて、日本での生息域としては関東以南の太平洋側、富山湾以南の日本海側などに広く分布している魚です。成魚の体長は約30~40センチほどと、ハタの中では大きいほうではありませんが、味がいいのと、特に西日本ではアカハタの釣り場が豊富なために、釣りの対象魚として人気の魚となっています。

アカハタは丸みを帯びた体形をしていて、口が大きく、下アゴが上アゴよりも前に突き出た見た目をしています。体色としては全体的に赤く、体側には5本ほどの濃赤の縞模様があり、白い斑点が不規則に散在していますが、これらの特徴は個体によって若干違います。アカハタモドキというよく似た魚には白い斑点と縞模様がありません。また、アカハタの尾ビレの後縁は丸くなっていて、背ビレ棘の背縁は黒くなっています。

アカハタは漢字では「赤羽太」と書き、主に東京や神奈川県三崎での呼び方です。地方での呼び方、いわゆる地方名としては「アカサコ」「アカバ」「アカイオ」「アカウオ」「アカゴロ」などと呼ばれることもあります。また、沖縄では「アカミーバイ」と呼ばれています。ミーバイは沖縄の言葉でハタを意味し、アカハタではない他の種の魚でも赤いハタであれば「アカミーバイ」と呼ばれます。

アカハタは基本は雑食性で、小型のアカハタの場合はイソメ系の虫などやエビ、カニなどの甲殻類を捕食します。大型化してくると魚やタコ、イカなどを好んで捕食するように変化します。また、アカハタはある段階まで雌雄が決まっていない「雌雄同体」です。これは魚類としてはポピュラーな生態で、アカハタの場合は全て雌から始まり、雄になった個体と産卵を迎え3年ほど経過し、その後成熟すると雄に転換します。

アカハタは食べられる?

結論から言うとアカハタは食べることができる魚です。ハタ類の中ではやや評価が低いといわれていますが、これは流通するアカハタの鮮度が低い場合が多く、加熱用として出回ってしまうためで、鮮度さえよければ透明感のある見た目の淡白な白身で、刺身としてもまた寿司ネタとしても美味しい魚です。刺身など生で食べるだけでなく蒸し物や汁物にされることも多く、中華料理との相性もいいと言われよく使用されています。

アカハタの市場価格はいくら?

ハタ系の魚は高級魚として知られていますが、アカハタの市場価格もやはり他の魚と比べるとやや高めとなっています。時期や場所にもよりますが、アカハタの市場価格は地方市場のキロ単価の例をあげると、小ぶりの300g前後で1500~2000円/キロとなっています。料理としてもっとも使いやすいとされる500g~1kgのサイズとなると、3000円/キロ以上する場合もあります。

アカハタの釣り方は?

アカハタの釣り場としては、以前は西日本が中心とされてきましたが、近年では温暖化の影響からか伊豆半島や房総半島を中心とした関東圏でも釣ることができるようになり、パワフルでトルクのある引きのよさも相まって釣りの対象魚として人気となっています。磯や堤防からでも釣ることができますし、沖釣りで狙うスタイルも人気が高くおすすめです。自分の好きなスタイルに合わせて釣り方や仕掛けも変えてください。

また、アカハタは岩礁帯に多く生息する魚で、大型になると40cmを超えるサイズも釣ることができます。基本的には海底でエビやカニなどの甲殻類を待ち伏せしているので、甲殻類を模した形状のワームを使った、底を叩く釣り方がメインとなっています。これは静岡県、特に伊豆半島で人気の釣種となっています。この釣り方での狙いとしての基本は、カケアガリや根周りですので併せて釣りのときの参考にしてください。

仕掛けを覚えよう

アカハタを釣る場合の仕掛けはいくつかあり、また、地域差がある場合もあります。釣りをする場所に合った仕掛けを使用してください。アカハタは海底にいることが多いので仕掛けを底に沈めるために、オモリはきちんと着底が確認できる重さのオモリを使ってください。ルアー釣り、ぶっこみ釣りなどで釣ることができ、船釣りであればテンヤ釣りといった方法で釣れますので、仕掛けもそれぞれに合ったものを覚えてください。

アカハタ釣りの標準タックルとして、ロッドは7~8ft程度の専用ロッド等で15g位まで扱えるもの。リールはベイトフィネス対応のベイトリール、又は2500番程度のスピニングリール。ラインはベイトフィネスならフロロ8lb前後、スピニングならPE0.4~0.6号+リーダー8~12lb程度。ルアーは3センチ前後のワームの直リグやテキサスリグ、ジグヘッドリグなどがおすすめです。

それぞれの釣り方や仕掛けについて

磯や堤防からは投げ釣りである「ぶっ込み釣り」が人気です。竿は磯竿の3~4号クラスがよく、できれば長めの5.3mがおススメです。足元に根が広がっているような場所などでは、根掛かりを避けられるのでなるべく長いロッドを使いたいところです。リールはキャストするので、バックラッシュのないスピニングタイプ、サイズは中~大型がよいです。針は丸セイゴ15~17号を使ってください。オモリは25~30号がおススメです。

船釣りの場合には「スロージギング」や「ひとつテンヤ」が人気です。ひとつテンヤの場合、仕掛けなどはマダイ狙いで使う仕掛けと同じものを使ってください。アカハタは基本的に海底で甲殻類を待ち伏せしているので、付けるエサは冷凍エビや甘エビなどがおススメです。海底近くの層である底ダナを意識したタナ取りをするのがコツで、船が流されてしまい、テンヤが着底しなくなったら再投入するなど色々と試してみてください。

アカハタが釣れるベストシーズン

アカハタは季節関係なく1年中釣ることのできる魚です。しかし、基本的には南方系の魚ですので年によって若干の違いはありますが、海水温が高めの夏~秋、特に夏場の7・8月がアカハタ釣りのベストシーズンだといわれています。ただし、九州以南では冬でも釣ることができるエリアもありますので、冬のアカハタ釣りを楽しみたい人は、九州以南の釣ることができるエリアを探して訪れるのもおすすめです。

アカハタのさばき方を覚えよう!

手に入れたアカハタを新鮮な内に刺身などとして食べることができるよう、さばき方を覚えておきましょう。さばき方は1度覚えてしまえば難しくはありません。下処理として、アカハタのウロコとぬめりを落とします。アカハタのウロコは細かく、しっかりと付いていてはがれにくいですが、包丁の刃などでキレイにこすり落とします。背ビレの際や胸ビレの脇なども隅々まで落とし最後に水でキレイに洗い落とし、水気を拭きとります。

下処理であるウロコとぬめりをキレイに取ったら、次は頭と内臓を取り除きます。アカハタ腹ビレの付け根から胸ビレにかけて、内臓まで切らないように注意しながら切り込みを入れた後、背骨に直角に包丁を入れ、背骨を切断します。反対側も同じように切り込みます。頭が胴体と離れるまで切り込みを入れたら、ゆっくりと頭を胴体から引き離してください。このようにすると、頭に内臓がついて一緒に出てきます。

後は切断面から腹を切り裂き、背骨に沿って血合いの部分に切れ込みを入れ、流水で腹の中をキレイに洗い流します。洗いあがったら腹の中と体の外側の水気をしっかりと拭き取ります。軽く身を持ち上げながら包丁を中骨の上を滑らせるように身を切り進めて身を切り離します。反対側も同じようにして切り開いて3枚におろします。3枚におろしたら、他の魚と同じように腹骨をそぎ落とし、小骨を丁寧に抜いていきます。

皮を引く場合は、尾側の皮を少しむいてから、その部分を左手で持ち引っ張るようにしながら、皮と身の間に包丁を入れ、まな板に刃先をすり付けるように小刻みに動かしながら、キレイに引き取ってください。アカハタはキレイな白身魚ですので、さばき方を覚えてきちんとさばくことができれば、見た目も華やかな刺身などが自宅でも作れておもてなしにも最適ですので、是非アカハタのさばき方をマスターしてみてください。

アカハタの美味しい料理を紹介!

アカハタは専門の漁師がおらず、水揚げから流通に至る経路も確立していないために、料理店などに入荷される前に鮮度が落ちてしまうという負の一面もあります。ただし、鮮度がよければとても味がよく、色鮮やかで料理映えする魚ですので、フォトジェニック的な意味でもおすすめの魚です。釣ったりして手に入れたアカハタのさばき方をマスターして、是非今回紹介するアカハタ料理にもチャレンジしてみてください。

弾力のあるアカハタは刺身がオススメ

アカハタを美味しく食べることのできる料理として代表的なのが刺身です。新鮮なアカハタを刺身にすると弾力があり、身がプリプリしています。さばき方としては下処理をして、頭を取り、3枚におろして腹骨を取り除き、皮をひいてサク取りをします。その後、薄切りにし、小口切りにした小ネギや大葉、モミジおろしやワサビなどを添えて食べてください。キレイな白身の刺身ですので、おもてなし料理の1品としてもおススメです。

アカハタの煮つけが美味しい

アカハタは加熱すると身がギュッとしまり、プリプリの食感がたまらない1品になります。また、煮ることによって厚めの皮がプルプルのゼラチン質になりとても美味しいので、煮つけはおススメの料理方法です。アカハタの煮つけがおススメなのは、その強い旨味やプリプリした食感もさることながら、料理にした時の見た目の華やかさが理由の1つでもあります。見た目が美しく、食べても美味しい、それがアカハタの煮つけです。

さばき方に自信がない場合は簡単に姿煮にしてもいいですし、3枚におろして食べやすい大きさに切って2つに割った頭と一緒に煮てもいいです。みりん、しょうゆ、ショウガを一緒に入れ甘辛く煮ると、ご飯のおかずとしてもぴったりの煮つけの完成です。また、残った煮汁はジップロックなどに入れて冷凍しておくと、次の煮つけを作る際に使え、便利でおススメです。炊き込みご飯のタレなどにも使えるので、試してみてください。

アカハタは骨からダシが出るので鍋がいい

アカハタは骨からとてもいいダシが出るので、刺身などの料理だけでなく、鍋にするのもアカハタのおススメの料理の1つです。1年を通してあまり味にバラツキのないアカハタは、冬の鍋の時期には重宝する魚です。作り方としては他のハタ系の魚で作るよせ鍋として作るのが基本的なレシピです。アカハタから出たコラーゲンたっぷりの贅沢な鍋になります。また、旨みが残ったダシ汁でシメの雑炊を作ってもとても美味しいです。

アカハタのダシはみそ汁にもおススメ

骨からいいダシが出ることを利用して、アカハタのアラを使った、アラのみそ汁を作ってもとても美味しいのでおススメです。アカハタをいつものさばき方でさばいたときに出たアラを余すことなく使えるので経済的です。鍋に水を入れて沸騰させ、魚を全部いれます。アクが出たらきれいに取り除きます。魚に火が通ったら、みそを入れて一煮立ちさせます。器に盛って小ネギを散らしたら、アカハタのみそ汁の完成です。

アカハタの中華風蒸し

中華の材料としても重宝されるアカハタを自宅で手軽に食べることもできます。アカハタの内臓、エラ、ウロコを取り熱湯をかけて冷水にひたし下処理をした後、酒をかけ、蒸し器で20分ほど酒蒸しにします。みりんとしょうゆを鍋に入れて煮立たせ、合わせ調味料を作り、ネギとショウガを細切りにします。アカハタが蒸しあがったら合わせ調味料をかけ、ショウガとネギを乗せ、熱したゴマ油をジャーっとかけたら出来上がりです。

ちょっと贅沢なアカハタのみそ漬け

高級魚であるアカハタを使ってちょっと贅沢な魚のみそ漬けにするのもおススメです。3枚におろしたアカハタの小骨を取り、塩をふり暫くおきます。みそに酒を入れて床を作ります。塩をふったアカハタから出た水分をふき取り、食べやすい大きさに切り、みそ、ガーゼ、切り身、ガーゼ、みその順で包み込みタッパーに入れて2~3日漬け、その後焦がさないように焼いたら出来上がりです。お弁当のおかずにもぴったりのみそ漬けです。

釣りを楽しんで新鮮なアカハタを食べよう

アカハタ釣りは想像以上の強い引きがあるために人気急上昇中です。まだ未体験の人は、アカハタ釣りの仕掛けや釣り方を覚えてチャレンジしてみてください。また、アカハタを釣った後のさばき方を覚えると、新鮮なアカハタの刺身や鍋などの料理を自分で気軽に作れ、高級魚を美味しい内に食すことができて楽しさも倍増です。今回の記事を参考に是非アカハタを釣って食べて楽しんでください。

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