カレイとヒラメの違いとは?目の向きや味と値段など比較調査!
食卓に並ぶことも多く、たくさんの家庭でも親しまれているカレイ。そんなカレイと一見そっくりな魚であるヒラメも、美味しい魚だということで有名です。見た目はとても良く似ているカレイとヒラメですが、その違いとは一体なんなのでしょうか?カレイとヒラメの違いについて、目の向きや味・値段の違いについてはもちろん、それぞれの性格や食べ物の違いなどについても調べてみました。比較して見ていきましょう。
カレイとヒラメを見分けられる?
魚の中でも、特に似ているということで有名なカレイとヒラメ。カレイは、一般的な家庭で食卓に並ぶほど身近な魚として知られています。カレイの煮つけなどは定番の家庭料理とも言えるほどです。一方で、ヒラメは白身魚の中では高級魚とも言われており、刺身やお寿司などで食べると美味しいとして人気です。
見た目だけで比較してみると、ほとんど違いがないようにも見えるカレイとヒラメ。しかし、カレイは【カレイ亜目ヒラメ科】に属しており、ヒラメは【カレイ亜目カレイ科】に属しているという明確な違いがあります。どちらもカレイ亜目ではあるものの、科目できちんと分かれているようです。しかし、見た目だけできちんと判断できるようになりたいと感じる方も多いのではないでしょうか?
ここからは、カレイとヒラメの見分け方についてそれぞれの特徴を比較しながら紹介していきたいと思います。またそれだけではなく、味や値段などについても後ほど紹介します。まずは、見た目がそっくりで見分けるのが難しいカレイとヒラメの違いについて見ていきましょう。
カレイとヒラメには6つも違いがある!
一見そっくりで同じようにも見えるカレイとヒラメ。ですが、実は見分けるポイントとしてカレイとヒラメには違いがあります。その数はなんと6つ。さっそく、順にカレイとヒラメの違いについて比較していきます。
左ヒラメで右カレイ
まず、カレイとヒラメの見分け方として有名なものが“左ヒラメ”・“右カレイ”という言葉です。その意味は、腹を下にしておき、目を上になるようにカレイとヒラメを置いたときに、ヒラメは左向き・カレイは右向きになるということです。また、正面からカレイとヒラメを見た際も同じことが言え、正面から見てヒラメは左に、カレイは右に目がついています。カレイとヒラメを見分ける際には、まず目を確認するのがいいかもしれません。
目のついている位置が特徴的なカレイとヒラメですが、生まれた際は他の魚と同じように左右に目がついているのだそうです。しかし、成長するにつれ、それぞれ位置がずれてくるのだとか。また、実はカレイの目の位置はその地域によっても違うのだそうです。例えば、日本では左に顔があるのが100%なカレイですが、アメリカ周辺だと50%ほどのカレイのみ左に顔があるのだとか。
ごくまれに、日本でも「ヌマガレイ」など一部のカレイは、左に顔があるカレイもいます。また、生まれたばかりの成長しきっていないカレイとヒラメはまだ目が移動していないということもあり見分けが難しいと言われています。そのため、目の位置だけではカレイとヒラメを見分けるのが難しいという場合も出てくると言えます。そんな時に備えて、目の位置以外の見分け方も見ていきましょう。
カレイとヒラメは口の形も違う
目の位置を比較することで、カレイとヒラメを見分けるポイントを紹介しましたが、生まれたばかりのカレイとヒラメを見分けることは難しく、生息地によっては多少の違いもあるため完璧に見分ける方法とは言えませんでした。しかし、実はカレイとヒラメは口の形が全く異なっているのです。カレイとヒラメの口を詳しく見て見ましょう。
こちらの画像は、ヒラメの口がよく分かるものです。ギザギザとした歯が見えているのが分かります。このギザギザの歯を持つものはヒラメです。また、口もカレイと比較すると大きめで、裂けるように大きく開いているということを覚えておくのもいいかもしれません。
一方、こちらはカレイの口がよくわかる画像です。ヒラメと違って歯がギザギザと尖っていないようにも見えます。また、口の大きさもヒラメよりは小ぶりで、ぷくぷくとしています。こうしたカレイとヒラメの違いから、地域によってはヒラメのことを“おおくち”、カレイのことを“くちぼそ”と呼び分けるところもあるのだそうです。
カレイとヒラメの口の部分の骨を見てもその違いは明確です。画像左側のカレイの歯と画像右側のヒラメの歯を比較すると、それぞれの歯の発達の仕方にかなりの違いがあります。カレイの小さな歯と比較すると、ヒラメの歯はかなり大きくギザギザと尖っています。では、なぜ外見がそっくりなカレイとヒラメはここまで歯が違うのでしょうか?その理由について見ていきましょう。
カレイとヒラメでは食べるものも違う
カレイとヒラメを見分ける際に役立つそれぞれの歯の特徴。カレイは小さな歯である一方、ヒラメの方は大きくギザギザと尖っていました。その理由は、カレイとヒラメは食べるものが違うためです。大きくて鋭く、ギザギザと尖った歯を持つヒラメ。そんなヒラメが食べるのは、主に魚です。イワシやアジなどを捕食するため、肉食だとも言われています。そのため、ヒラメの顔はカレイと比較すると怖いというのも特徴として有名です。
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イワシやアジなどの小魚を食べるヒラメですが、一方でカレイは釣り餌として知られているゴカイやコエビなどを主食として食べるのだそうです。そのため、ヒラメと比較するとその口は小さめだと言われています。食べるものが違うことから、それぞれの歯の特徴にも違いがあるカレイとヒラメ。目の位置と歯の特徴を理解することで、きちんと見分けることができそうです。
食べるものが違うということから、釣りのやり方に関してもヒラメとカレイでは違いがあります。小魚を捕食するヒラメを釣る際には、生きたイワシをそのまま使ったルアー釣りなどが一般的だとして知られています。一方、コエビなどを食べるカレイなどを釣る際には、主にワームを使うのが良いとされています。食べるものの違いから釣り方も異なるカレイとヒラメ。よく理解することで効率よく釣りも楽しめそうです。
カレイとヒラメの性格の違い
目の位置・歯の形にそれぞれ違いがあるカレイとヒラメ。実は、性格にも違いがあるのだそうです。カレイは、海底を動き回りながら主食であるゴカイやコエビを探す好奇心旺盛でおっとりとした性格の魚である一方、ヒラメは海底にじっと潜んで獲物を待ち、獲物が来たら凄まじいスピードで遅い掛かる獰猛な性格なのだとか。カレイと比較すると、ヒラメの方が怖い顔をしており、歯も鋭くとがっているというのも納得です。
カレイはおっとりとした性格、ヒラメは俊敏なハンターのような性格ということで、見た目はとても良く似ていても、よく見るとそれぞれに特徴があり性格にまで違いがあるということで驚いた方も多いのではないでしょうか?食べるものや暮らし方などを考えると、性格に違いがでるというのも理解できます。
よく似ているカレイとヒラメですが、見分けるべきポイントをしっかりと観察することで、きちんと確実に見分けることができるとも言えます。では、カレイとヒラメに味の違いはあるのでしょうか?続いては、カレイとヒラメの味の違いについて比較していきたいと思います。
カレイとヒラメは味にも差がある
目の位置や歯の特徴だけではなく、食べるものや性格も全く違うカレイとヒラメ。そんなカレイとヒラメはそれぞれの特徴もあってか、同じ白身魚ではあるものの、それぞれの味にも差があることで知られています。
まず、カレイは多くの家庭でも親しまれている魚として有名なので想像しやすいのではないでしょうか?カレイの身はとてもふっくらとしていて、ふわふわとした食感を楽しむことができる魚です。そのため、家庭ではカレイの煮つけやムニエル、焼き魚にしても美味しく食べることができ優しい味と食感が特徴。調理もしやすく、料理方法も様々です。
一方、俊敏に魚を捕食するということもあり身がとても引き締まっているヒラメ。その引き締まった食感を生かして、ヒラメは刺身や寿司で食べるのが一般的だと言われています。カレイと同じように火を通して調理してしまうと、引き締まった身が硬くなってしまうということもあるので、注意が必要です。
カレイは大衆魚でヒラメは高級魚?
“左ヒラメ”・“右カレイ”とも言われるように、目の位置に違いがあるカレイとヒラメ。それぞれ食べるものが違うということから、カレイは歯もそこまで発達しておらずおっとりとした性格で、身もふっくらとしています。そのため煮物などの大衆的な料理がほとんどです。
一方、ヒラメは小魚などを捕食する獰猛なハンター性格ということもあり、歯もギザギザと尖っていて身もよく引き締まっています。お刺身や寿司などで活用されるのも納得と言えるほどの味を誇ります。そのため、大衆的なカレイとは違って白身魚の高級魚とも呼ばれています。
一見するとそっくりなカレイとヒラメですが、見た目・性格・味にもそれぞれ違いがあるように実は値段も全く異なります。大衆的な料理にも使われるなど親しみやすいカレイとその値段とは裏腹に、ヒラメは1キロあたり6000円~7000円の値段で取扱いされるのだそうです。比較的高級魚として有名なタイでさえも、1キロあたり3000円~4000円の値段だということを考えると、ヒラメがいかに高級な値段であるかが分かります。
また、スーパーなどの店頭で多く取り扱われているカレイ。一方で、ヒラメはあまり見かけることがありません。その理由は、カレイとヒラメそれぞれの漁獲量にあります。農林水産省のデータによると、ヒラメの漁獲量は約6000t、カレイの漁獲量は約46000tとかなりの差があるようです。漁獲量が少ないとなるとそれだけ希少価値も高まるため、ヒラメの値段がカレイの値段と比較すると高いというのものも仕方ないとも言えます。
カレイでもヒラメより高い種類もいる
大衆的な魚として親しまれているカレイと、刺身やお寿司など少し高価な料理に扱われるとして知られているヒラメ。カレイと比較すると、ヒラメの方が値段が高く高級魚とも呼ばれていますが、カレイの中でもヒラメより値段が高い種類もあります。
それは、ホシガレイと呼ばれるものです。ホシガレイは、体調40cmを超えるものでカレイ・ヒラメ類の中では最も高級な魚として有名です。天然のヒラメよりも値段が高く、白身魚の中では最上級とも呼ばれるほどの高級魚であるホシガレイ。スーパーなどの店頭で並ぶことは全くないと言えるほどです。
ホシガレイは透明感のある白身部分が特徴的で、火を通しても身が硬くなりにくいと言われていますが、高級魚ということもあり割烹料理やお刺身・寿司などで食べられることが多いのだとか。また、ホシガレイの他にも各地域ではヒラメよりも高価に扱われるブランド名まで持つカレイもいくつか存在します。
そんなカレイの一つとして挙げられるのが、マツカワと呼ばれるカレイです。“王鰈(おうちょう)”というブランド名を持つマツカワ。大きいものでは全長80cmを超えるものもあるのだそうです。体の表面が松の皮に似ているところからその名がついたとされているマツカワですが、ヒレの模様が鷹の羽根に似ていることから“タカノハ”という別名も持ちます。
マツカワは、天然のヒラメよりも高級であるとして有名なホシガレイと肩を並べるとも言われるほどです。互いに高級魚としての知名度を誇るホシガレイとマツカワ。実は、表の面で比較するととても良く似ているホシガレイとマツカワですが、腹の部分を見るとその違いを見分けることができます。背びれやしりびれが線のようになっているマツカワと比べ、ホシガレイは点のようになっていることが画像を見てもわかります。
カレイとヒラメの違いまとめ
一見するとほとんど違いがないようにも見えたカレイとヒラメ。見分け方が難しいとも言われるカレイとヒラメですが、よく観察すると目の位置・歯の形・顔・性格・味などに明確な違いがありました。また、その値段にも違いがあり、大衆魚として親しまれるカレイと比べて高級魚と呼ばれるヒラメ。そんなヒラメよりも高級なカレイがいたりと様々でした。
それぞれの種類によっては身の弾力や料理方法も全く異なるカレイとヒラメですが、双方の良さなどを十分に理解したうえで改めて料理すると、また違った魅力が見えてくるでしょう。どちらがカレイで、どちらがヒラメかという見分け方を十分に理解したあとは、それぞれの特徴を生かした味や食感を楽しみに家庭の食卓に並べるもいいかもしれません。