カレイの種類の見分け方と特徴を写真で解説!味や値段も調査!
日々の食卓でもスーパーマーケットの魚売り場でもおなじみのカレイ。その種類は世界で100種類ほどが生息して、日本の食用カレイだけでも30種類以上になります。はたして、それらを見分けることはできますか?カレイの煮付けや唐揚げを作ろうと買い物をする時に、どのカレイが向いているのか選ぶことはできますか?今回は日本で売られている主なカレイの特徴と見分け方、そして気になる味や値段についても徹底的に調査してみました。
カレイの種類って気にしたことがありますか?
日々の食卓でもおなじみのカレイ。煮付けや唐揚げをはじめ様々な調理法に合い、ご飯のおかずにも合う魚です。四季を通していろいろな「カレイ」が出回るので、私たちにとっては1年中手に入る魚でもあります。そんなカレイをスーパーマーケットや魚屋で購入する時に、種類を気にしたことはありますか?
ヒラメとカレイはどちらも平べったい魚で、見分け方として「左ヒラメに右カレイ」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。腹部を下にして目が上に来るように置いたときに、左を向くのがヒラメ、右を向くのがカレイになります。ただ例外もあって、「ヌマガレイ」という種類のカレイは両目が左についていて、一概には見分けられないこともあります。
ヒラメとカレイの見分け方としては、口を見るという方法もあります。ヒラメは口が大きくて歯がとがっています。それに対してカレイは口が小さく歯も発達していません。お店で魚を購入する時には切り身になっていることも多く、その外見の特徴から種類を見分ける機会はなかなかありません。この機会にカレイの種類を調べてみて、料理に合わせたカレイを選べるようにしましょう。
カレイは世界で100種類もいる
カレイは北極海、太平洋、インド洋、大西洋の沿岸といった世界中の海に生息していると言われていて、浅い海から水深100メートルほどの深海まで様々な場所に生息する魚です。カレイ科の魚はとても種類が多く、世界ではおよそ100種類ほど、日本周辺海域だけでも30種類以上が分布しています。世界の漁獲量は、アメリカ、中国、ロシアの順になっています。
日本の代表的なカレイ11種類
日本で生息しているカレイの中でも、特に代表的なカレイは11種類あげられます。今回はこの11種類のカレイであるマガレイ、イシガレイ、マコガレイ、ホシガレイ、アカガレイ、メイタガレイ、ムシガレイ、ババガレイ、マツカワカレイ、ヌマガレイ、オヒョウを順に紹介します。特徴・他との見分け方だけでなく、味の違いや市場での値段などの役に立つ情報もまとめてみました。
もっともポピュラーなマガレイ
まず初めに紹介するカレイは、日本全国で食されていて最も代表的な種類と言えるマガレイです。特に北海道から東北にかけて水揚げされ、旬は秋から春にかけてです。とは言え、スーパーマーケットなどで1年を通して見かけ、値段は安い魚です。体長は50cmほどにもなり、平たくて卵型に近い形をしています
マガレイはマコガレイ、イシガレイとともに代表的なカレイと言われ、外見がよく似ているので見分け方が難しいところです。目と目の間にうろこがないのがマガレイで、マコガレイは目と目の間にうろこがあります。もうひとつの見分け方は口の形です。マコガレイよりマガレイの方が口がとがって見えます。また、マガレイは白い面の方に黒い点があったり尾の付け根の部分が黄色かったりしますが、個体差もかなりあります。
マガレイはあまり大きくならないものが流通しているので、丸のままかあるいは2等分の切り身で売られています。透明感がある白身の肉質が特徴的で、淡白でクセがなく、毎日でも食べられる飽きない味です。身離れがよく熱を通しても硬くならない種類のため、塩焼きや煮つけはもちろんのこと、から揚げやムニエルにも向いているカレイです。
体調40cm以上になる大型のイシガレイ
次に紹介するイシガレイも代表的なカレイのひとつです。成魚は両縁近くと側線付近に石のような石状骨質板がそれぞれ一列見られ、これが他のカレイ類との見分け方です。個体によっては白や黒の斑点が見られるものもいます。マコガレイとの見分け方としては、ウロコをもっていないことが特徴で、表面・裏面ともに滑らかな種類のカレイです。成長につれて、ほっそりとした形になっていきます。
煮つけ、唐揚げ、塩焼き、ムニエルなどが一般的な調理方法になりますが、大型の活魚なら刺身にするのが一番美味しいです。昔から夏に美味しいカレイとして人気があり、夏の活魚は高い値段で取り引きされています。透明感のある身には適度な弾力があって、噛みしめるたびに甘味が口中に広がります。エンガワもとても味がいいので、お忘れなく味わってください。
船釣りで人気のマコガレイ
マコガレイはマガレイやイシガレイと並んで、船釣りや食用魚として人気のカレイです。特に関東などではカレイと言えばマコガレイを指すことが多く、高い認知度があります。他のカレイとの見分け方としては、両目の間にウロコがあること、背びれと尻びれに黒い条紋がないといったことがあげられます。また、イシガレイによく似ていますが石状骨質版を持たず、表面は細かいウロコで覆われています。そして、やや細長い体型をしているのも特徴です。
マコガレイは食卓でお馴染みのカレイのうち、最も味が良いということで知られています。特に卵を持っている子持ちカレイは、昔から煮付けとして親しまれています。甘辛い味付けはご飯のおかずにぴったりです。また、寒い時期の子持ちカレイを塩焼きにしたものも美味しいです。ふり塩をして半日ほどおいてから、じっくりと焼き上げるとクセのない味わい深い一品となります。
ひれの模様が特徴的なホシガレイ
一般的なカレイを3種類紹介したあとは、貴重で高級な魚と言われるホシガレイを紹介します。特に天然のホシガレイは今では幻の魚と言われるくらい珍しくなっています。旬の夏場は、市場でヒラメの何倍というとても高い値段で取り引きされています。両側にあるヒレの丸い黒斑が特徴のカレイです。
目がある方は焦げ茶色でマツカワカレイとよく似ているので、もっと簡単な見分け方を紹介します。裏に返すと、背びれやしりびれにホシガレイは大きな丸い黒斑があり、マツカワカレイは黒く太い帯の模様があります。
ホシガレイは晩春から夏にかけて買い求めると、甘味・旨味とも豊かで最高です。エンガワの味もヒラメに負けないと言われています。味がよくて脂があってきめ細かい白身で、刺身はもちろんのこと塩焼きにしても絶品です。骨はお吸い物に、ひれは唐揚げにしても美味しいです。高価なカレイなので、 刺身を造った後のあらは煮つけにするなど、無駄にすることなくすべて味わって欲しいものです。
赤い色が特徴のアカガレイ
アカガレイは、水揚げされると赤くなって魚全体に血がにじんだように見えることから名づけられたと言われています。獲りたてはあまり血走っていなくてだんだん赤くなり、そして鮮度が落ちるとこの赤い色は消えていくそうです。雄は25cmほど、雌は40cmほどにもなり、主に北海道や日本海沿岸で取れるカレイです。福井県の方では「越前カレイ」とも呼ばれています。
アカガレイはカレイの中でも身が柔らかく、煮付け、塩焼き、ムニエル、フライと様々な調理方法で食べられています。特に美味しいのが刺身と言われていますが、アカガレイは鮮度が落ちやすい魚ですので、生食できるのは鮮度管理を徹底したものに限られてしまいます。新鮮な刺身は白く透き通っていて、食感が良く甘みがあり味も濃厚です。
カレイの中では小型のメイタガレイ
メイタガレイの体の形はひし形で砂地のような斑点模様があって、目玉が2つ飛び出しているのが特徴のカレイです。目と目の間にトゲがあり、それを触ったら痛かったと言うのが、メイタガレイの名前の由来と言われています。関西では、カレイの仲間でもトップクラスの人気があります。しかも、流通量自体が少ないので高い値段で取り引きされています。
メイタガレイとよく似ているナガレメイタガレイとの見分け方は、体の模様です。メイタガレイの体の模様はふわふわとした不規則な丸い形で、ナガレメイタガレイにある模様は規則正しい丸い斑紋です。煮付け、唐揚げなどで美味しいのは他のカレイと同様ですが、鮮度の良いメイタガレイが手に入ったらやはり刺身がおすすめです。透明感のある白身の刺身は絶品と評判のカレイです。
虫食い模様が特徴のムシガレイ
ムシガレイの特徴は、虫に食われたような丸いマークがあることです。裏返してお腹を見るとスケルトンのように透けているので、他のカレイの仲間との見分け方は簡単です。甲殻類やイカ類などを食べるので、カレイ類であるにも関わらず口は大きめです。
ムシガレイは透明感のある白身でやや水分が多く、他のカレイに比べるとうま味は少なめです。ところが、干したりソテーしたりすることで味わいが増して、香りが高く美味しくなります。特に小型・中型の物は一夜干しに向いていて、焼いて初めて皮目の風味や上質の白身が生きてくるカレイで人気です。そのため、意外と値段が高い場合があります。
ナメタガレイとも呼ばれるババガレイ
ババガレイの名前の由来は、外見が薄汚れていて皮がぶよぶよしているところが、年老いた老婆に見えるためだと言う説があります。なんとも嬉しくない名前ですが、昔から煮付け用の魚として絶大なる人気です。関東ではナメタガレイと呼ばれ、値段が高いため主に料理店で使われるほかはデパートや高級魚店で売られています。
ババガレイの旬は身は厚く脂がのっている冬です。煮付けにすると繊維質の身がいい具合にしまり大変おいしく、冷めると煮こごりができ、その味はカレイの最高級品とも言われています。こってりとした味付けにしても淡い味付けにしても美味。上品な中に甘みと旨みがある価値あるカレイです。
幻のカレイと呼ばれるマツカワカレイ
マツカワカレイという名前の由来は、表面のウロコが硬くザラザラしており松の幹の表面に似ていることからだと言われています。主に北海道太平洋沿岸に生息していて、昔は水揚げ高がとても多かったのですが、1990年以降は激減しているので養殖が試みられています。
ホシガレイとマツカワカレイの見分け方はヒレの模様です。ホシガレイのヒレには丸い黒斑、マツカワカレイの黒模様は縞になっています。ホシの黒丸と違い、黒いオビのようになっているのが特徴で、裏返しにするとさらにはっきりと見分けがつきます。
あまりにも高価で貴重なカレイなので、家庭で料理する魚ではなくもっぱら料理店で出される魚だと言えます。値段はヒラメ同様かそれを超えるほどの高値がつけられている貴重な魚です。透明感があり上品な旨味と甘味があり、刺身にするのが一番美味しい食べ方です。脂がのっているので、塩焼きや煮つけも美味しいと評判です。皮をはいで塩焼きにしても美味しいし、縁側、肝なども驚くほど美味だと言われています。
淡水にも住んでいるヌマガレイ
ヌマガレイはその名の通り淡水でも生息するカレイです。湖や沼や川などの完全な淡水にでも生息することができて、体長は90cmほどまで大きくなります。カレイ類であるにもかかわらず、ヒラメと同じように左に目があります。黒い面は小さなトゲが散在していてざらざらしていて、背ビレと尻ビレに黒くはっきりした模様があるのが見分け方となります。
このカレイは東北や北海道では水揚げが多いのですが、残念ながら味の評価があまり高くないので値段はカレイの中でも最も低い部類です。また、淡水まで進出する魚の常として、時に強烈に生臭いものもあるので刺身には向いてないカレイです。大ぶりで肉厚なので、新鮮なものであればそこそこに美味しく食べられます。カラッと唐揚げにするのはいかがでしょうか?
カレイの中では最大のオヒョウ
オヒョウは漢字で「大鮃」と書き、大きなヒラメという意味です。昔はヒラメもカレイも区別していなかったため、このように名づけられたと言われています。オヒョウは国内で揚がる食用カレイの中で一番大きく、雄は1.5メートル前後、雌は3メートルまでになります。大型の魚なのでスーパーマーケットなどでは切り身として売られていて、値段は安いカレイです。
オヒョウという名前には馴染みはない人でも、回転寿司などではネタとして使われているため意識せずに食べているかもしれません。まったくクセのない白身で、ムニエルなどバターや油を使った料理に向いています。クセがなく旨みにも欠けるので、バターや香辛料で風味を補うと意外と美味しく、安くて使いやすいともカレイとも言えます。
料理に合わせてカレイを選ぼう
今回は日本で売られているカレイの特徴と見分け方、そして気になる味や値段についても徹底的に調査してみました。いかがでしたでしょうか?刺身に美味しい上品なカレイから、大ぶりで大味だけれど安くていろいろな料理にアレンジしやすいカレイまで紹介しました。
確かにどう調理しても美味しいカレイも存在しますが、現実にはお財布との相談もあります。高価な幻の魚マツカワカレイを日常の煮付けや塩焼きにするのはもったいなくて、ぜひ刺身で味わいたいというものでしょう。予算と相談しながら上手に買い物をして、カレイを美味しく食べましょう!