カレイの下処理方法を解説!煮物・冷凍するときやスーパーの切り身は?
カレイは煮物にしても美味しい魚ですが、下処理の方法となるとぬめりの取り方など、わからないことが多い魚です。ですがカレイはこの下処理をきちんとしているかどうかで、仕上がりの臭いや味にも大きな違いが出てしまいます。丸のままのカレイを買ってきても、スーパーで切り身のカレイを買ってきても、下処理はどうしたら良いのでしょうか?カレイの下処理は煮物や冷凍にするときにどうしたら良いのか、丸のままのカレイだけでなくスーパーで売っている切り身のカレイについても紹介します。
カレイの下処理は面倒?
カレイは平べったくて、他の魚以上に下処理が面倒そう、とついついスーパーでも切り身の方を選んで買ってきていませんか?お店によってはスーパーでも下処理をしてくれるところもありますが、待ち時間が気になったり時間が合わなかったりすることもあります。そんなカレイですが、実は家庭でも結構簡単に下処理のできる魚なのです。
カレイは丸ごとで売られていることも多い魚
カレイは丸ごと売られていることも多い魚です。特にサイズが小さめのカレイがパック売りされているのを、見たことがある人は多いことでしょう。小ぶりなカレイはそのまま煮物に使ったり、唐揚げにしたりと使い勝手も良い魚ですが、下処理をしないとやっぱり臭いが気になってしまい、せっかく頑張って作っても箸が進まなくなってしまいます。まさに下処理の大切さを痛感させられる瞬間といえます。
カレイはスーパーでは切り身が一般的
スーパーではすでに切り身になっているカレイを売っているため、そのまま料理に使える便利さから、ついつい切り身で買うことが多いです。スーパーでも結構大きめのサイズのカレイを丸ごと売っていることも多いため、下処理の方法がわかるのであれば、やっぱり大きいカレイを買ってきて使いたいものです。スーパーでも安心して大きいカレイを買ってこられるよう、カレイの下処理の方法を覚えてみませんか?
カレイの下処理の方法
カレイの煮物を家で作ったときなどに、生臭い臭いが気になったことはありませんか?臭いの素になっているのは、カレイの身を覆っているぬめりと、うろこやひれなどに残っている汚れです。最初はちょっと手間に感じるかもしれませんが、このぬめりと汚れを綺麗に取ってしまえば、煮物でも揚げ物でもそれこそ刺身でも、どんな料理に使っても臭いが気になることはなくなります。そんなカレイの下処理の方法を紹介します。
カレイを丸ごと買ってきた場合の下処理方法
まずはカレイの表面に付いた汚れを、流水で丁寧に洗い流します。水洗いが終わったら、カレイに塩を塗りつけながらこすって、ぬめりが消えるまで取り除きます。もう一度水で洗い流したら、包丁を立てた状態で当てて、カレイの尻尾のほうから頭のほうに向かって、残ったぬめりとカレイのうろこを取り除いていきます。カレイのえらやヒレの近くを持ったり、薄手の布巾をかけて押さえると、滑らず安全に作業できます。
このぬめり取りで忘れやすいのが、カレイのひれの部分のぬめり取りです。ひれの付け根から端に向かって包丁でこそぎ落とすようにして、ぬめりを取り除きます。カレイの表が終わったら、裏も同じように丁寧にぬめりを取って洗い流します。ここでいったん包丁とまな板を綺麗に洗って、カレイのぬめりやうろこといった汚れを落とします。下処理の作業前にまな板に新聞紙を敷いておくと、ぬめりがまな板に付きにくくなりおすすめです。
たくさんのカレイの下処理をまとめて行う場合、ぬめりを新聞紙でふき取る方法もあります。キッチンペーパーよりも、がさがさと少し固めの新聞紙やチラシの紙を使うのがおすすめです。ぬめりをある程度ふき取ったところで、包丁でうろこと残りのぬめりをこそぎ落とせばおしまいです。うろこ落としも金だわしを使うと、楽に数をこなせます。マガレイやクロガレイなど、ぬめりの少ないカレイで試してみると良いでしょう。
カレイのうろことぬめりを取ったら、いよいよ本格的におろしていきます。カレイのお腹側を上にしてまな板に置いたら、まずは頭の上から胸びれの後ろを通して包丁を入れていき、頭を切り落とします。カレイの体の真ん中辺を通る背骨を切るときには、包丁の角を使って力を入れれば切り落とすことができます。
カレイの頭を切り離せたら、頭があったほうを右側にしてお腹のほうを手前側にします。カレイの内臓は小さいので、包丁の先で簡単にかき出すことができます。卵が奥に入っていることがありますが、卵はそのまま残しておいて大丈夫です。内臓を出しきったら、骨に沿って付いている赤い血合い部分を綺麗にしていきます。血合いに張っている薄い幕を包丁で切りながら、包丁の先でこそぎ落としつつ流水で洗い流します。
大きいカレイを煮物にするときには、そのまま煮やすい大きさにぶつ切りにするだけです。下処理さえちゃんとできれば、後は簡単に料理することができます。お値段的にも大きいカレイを丸ごと買ってきたほうが安くすむので、この機会に試してみてはいかがでしょうか?
小さいカレイを買ってきた場合の下処理方法
大きいカレイのときと同様に、ぬめりやうろこを取るところまでは一緒ですが、小さいカレイはそのまま料理に使うことも多いため、内臓の処理方法が異なります。ぬめりとうろこを取り終えたカレイの頭を軽く持ち上げて、えらぶたに包丁の先を入れて切り開きます。切り開いた隙間から包丁の先を差し込んで、えらを引き出して取り除きます。
カレイを裏返したら、胸びれの下近くのお腹側に包丁で切込みを入れて、その隙間から包丁の先を使って内臓をかき出します。中に内臓が残っていたら、指を使ってかき出して、流水でお腹の中を綺麗に洗い流して完成です。
カレイをスーパーで切り身で買ってきた場合の下処理方法
スーパーで買ってきたカレイの切り身も、そのまま料理に使うと臭うことがあります。すでに下処理が済んでいると思わずに、ひと手間かけてあげましょう。買ってきた切り身には、火通りや味染みを良くするためにも、表裏の両面に切り目を入れてあげます。カレイの切り身の大きさにも寄りますが、1本~3本の切れ目を骨に当たる深さまで入れます。このとき卵まで切ってしまわないよう注意しましょう。
切り目を入れたカレイの切り身は、両面に軽く塩をふって、しばらく置いておきます。塩をふることで汚れや臭みの素を含んだ水が出てくるので、調理前に綺麗に洗い流して水気をふき取ります。切り身を煮物に使うときには、水分が出てきたらそのまま沸騰したお湯に入れて、表面の色が変わったところで冷水に移します。「霜降り」と呼ばれるこの作業1つで、汚れた水を洗い流し臭いの素を取るだけでなく、煮崩れしにくくしてくれます。
冷水にとったカレイの切り身は、流水で洗うと身を傷めてしまうため、たまり水でうろこや汚れを綺麗に洗います。切り身に残ったカレイのうろこも、表面だけ火を通すことによってはがれやすくなります。うろこだけでなく血合いなども固まっているので、それらも綺麗に洗って取り除きます。スーパーで買った切り身にも、臭いの素は残ったままのことが多いので、そのまま煮物などに使わずきちんと下処理をするようにしましょう。
カレイの煮物料理を作る
カレイの下処理が済んだら、早速料理に取り掛かりましょう。カレイの料理の定番である、カレイの煮物ははずせない一品です。基本的な味付けを覚えれば、料理初心者でも簡単に美味しいカレイの煮付けを作ることができます。他の魚の煮魚でも使える、調味料の分量も紹介します。
煮魚の基本的な味付けは、味醂と醤油が同じ量に対して、水と酒をその倍入れて煮汁を作れば、後は魚を煮るだけで美味しい煮魚が完成します。アルコール分が気になる人は、先に味醂と酒を混ぜたものを火にかけて、アルコール分を飛ばしてしまうと良いでしょう。煮魚を作ることに慣れてきたら、砂糖や出汁で自分好みの味を追求してみると良いでしょう。カレイの煮物の場合は、砂糖を醤油や味醂と同じくらい入れることが多いです。
カレイの姿煮
小さめのカレイを使って作る、カレイの姿煮です。カレイの表面には、飾りと火の通りと味染みを良くするために、数本ないし十字に切れ目を入れます。加熱することにより皮が縮んでも、煮崩れも起こりにくくなります。甘めの味付けにしたいときには、味醂と同じくらい砂糖を入れても良いでしょう。調味液の材料を全て入れたものを中火で温め、砂糖が溶けたところでカレイを入れて表面にさっと火を通します。
カレイの表面に火を通して旨みを閉じ込めたらしょうがを入れ、水で濡らした落し蓋をして7分~8分間煮ます。落し蓋の端から泡がたって十分に煮立っている状態が火加減の目安です。落し蓋が家にないときは、お玉で煮汁をかけながら煮ても良いでしょう。煮崩れしないように、優しく煮汁をかけてあげるようにします。落し蓋も最後はとって煮汁が3分の1になるまで煮込むと、煮汁がとろりとしたソース状になります。
カレイの切り身の煮付け
自宅で下処理をしたカレイの場合は、好みの大きさに切った後に片面に十字の切り目を入れます。スーパーで買ってきた切り身など霜降り処理をした切り身は、すでに切れ目も入っているのでそのまま使用します。ここでも調味液には砂糖を入れて作ります。煮立てて味が混ざり合った煮汁に、切れ目を上にしてカレイの切り身としょうがを入れて、落し蓋をして15分~20分ほど中火で味が染みこむまで煮込みます。
家に落し蓋がないときは、先の煮付けのように煮汁をお玉でかけても良いですが、アルミ箔を丸く切って落し蓋の代わりにすることもできます。近頃はアク取りの機能も持った紙製の落し蓋も売っていますが、カレイのような白身魚はアクは少ないので、普通にアルミ箔の落し蓋で十分です。煮あがったカレイはお皿に盛り付け、一緒に煮込んだしょうがを飾りにしても、新しく刻んで乗せても良いアクセントになりおすすめです。
カレイの冷凍の仕方
大きいカレイを買ってきたときや特売で買いすぎたときなど、食べきれない量のカレイを冷凍することもあるでしょう。ですが買ってきたときのパックに入ったままの状態で冷凍すると、冷凍焼けを引き起こしやすくなり、傷みが早くなってしまいます。カレイを冷凍保存するときのコツをまとめてみました。
カレイを上手に冷凍するコツ
カレイを生で冷凍するときには、切り身で保存することが多いでしょう。スーパーで切り身で買ってきたときは、面倒でもパックから取り出して1枚1枚水分をふき取った後に、空気に触れないようにラップで包みます。空気に触れるままにしておくと、冷凍焼けしやすくなるばかりか、乾燥してパサパサした味わいになってしまいます。頭や内臓が付いたままでも傷みやすくなるため、冷凍保存するときには卵も取ってしまいましょう。
野菜を冷凍保存するときと同様に、魚も急速冷凍したほうが品質の劣化を防ぐことができます。カレイもこの例に漏れず、急速冷凍したい魚です。冷凍庫にしまうときには、できればアルミ製のパッドか金属製のトレイやお皿に乗せてから入れると、熱伝導率が良く効率的に冷凍することができます。金属性のトレイやお皿がないときは、普通のお皿にアルミホイルを敷いたものでもそのまま凍らせるよりも効率よく冷凍できます。
カレイを生のまま冷凍保存したときは、賞味期限は2週間~3週間くらいです。一度解凍した場合は、再冷凍せずに使い切るようにしましょう。スーパーで解凍品として売られているものも、冷凍保存はできません。特に発泡スチロールのケースで売られている魚は、店員に確認するなど注意して購入するようにしましょう。
カレイを冷凍するとき、もし解凍後のカレイの利用方法が煮物であれば、先に煮物にしたり味付けした後、煮汁や調味液ごと冷凍するのが一番のおすすめです。煮汁や調味液ごと冷凍することによって、パサパサすることもなく味染みも良くなるので、生のままより解凍後の使いやすさも違います。
カレイの解凍の仕方
カレイを解凍するときは、電子レンジや常温解凍は避けたほうが良いです。一気に解凍すると旨みがドリップとして流れ出やすく、べちゃべちゃになったりパサパサな魚になるだけでなく、菌が繁殖しやすく食中毒の原因にもなります。一番おすすめの方法は、冷蔵庫の中で時間をかけてゆっくり解凍することです。品質を落とすことなく安全に解凍することができます。ただし解凍には6時間~半日かかるので、余裕を持って解凍しましょう。
どうしても急ぎで解凍したいときには、氷水を使って解凍しましょう。空気よりも水のほうが熱伝導率が高いため、90分~2時間ほどで解凍できます。水がかからないように注意しながら、ドリップのでも最小限に抑えつつ解凍できるので、いざというときには便利な方法です。すでに味付け済みや調理済みのカレイは、解凍せずにそのまま温めたり調理することができるので、冷凍保存前には仕込みも済ませておくと無駄がありません。
カレイの下処理をマスターしよう
カレイは下処理さえマスターしてしまえば、好きなサイズを好きな料理方法で楽しめる便利な魚です。カレイの種類によって旬もさまざまなため、常に身近にある魚でもあります。カレイの下処理方法をマスターして、1年中美味しいカレイを堪能しましょう。