カレイの刺身のさばき方/切り方を解説!味やカロリーは?
カレイは煮付けなどで楽しむことが多い魚ですが、実は刺身でも美味しく楽しめます。そんなカレイを刺身にするときには、しっかりとさばき方・切り方をマスターしておきたいものですが、カレイの刺身の味とはどのようなものであり、カレイの刺身のカロリーはどれくらいなのでしょうか?今回は、そんなカレイの刺身について、絶対に覚えておきたいさばき方・切り方から気になる味やカロリー、栄養素などを掘り下げるので、ぜひ家で楽しむべく参考にしてみてください。
目次
カレイとはどんな魚?
カレイと言えば日本人にとってはかなり馴染み深い魚のひとつですが、主に煮付けで楽しまれるという特徴やヒラメと混同しやすいというイメージがあるものです。そんなカレイのさばき方・切り方をチェックしておけばカレイを刺身にして楽しむことも可能ですが、さばき方・切り方が難しいとも言われるカレイはどのような魚なのでしょうか?
カレイのさばき方・切り方は難しい?
カレイのさばき方・切り方は初心者の人には難しいとも言われていますが、極端に高度な技術を要するというよりも、さばく過程が多いため鬱陶しく思ってしまう人が多いようです。しかし、ちょっとしたコツをおさえるだけでカレイは実は簡単にさばくことができるので、面倒くさがらずにそのさばき方・切り方の手順をマスターしていきたいものです。
カレイは普段煮付けなどで楽しむイメージが強いかもしれませんが、実は刺身も広く親しまれています。寿司屋ではエンガワという名前のネタがかなり人気となっていますが、実はエンガワの一種はカレイの刺身でもあります。しかし、やはり自分でカレイの刺身を作るとなると難しそうですが、刺身ならではの味わいは初心者にとっても挑戦に値します。
そんなカレイのさばき方・切り方は、重要なプロセスなどを省かずに丁寧に行うことで、綺麗な見た目の刺身を初心者でも案外簡単に楽しむことができます。また、カレイはカロリーが低く栄養が豊富な魚だとも言われているためダイエットに役立つとも言われていますが、そもそもどのような魚でありどのような種類があるのかをみていきましょう。
何種類いる?
カレイはヒラメと混同しやすいという特徴もあるものですが、そもそもどのような魚なのでしょうか?普段カレイという言葉を聞くときにそれはカレイ目カレイ科に属する魚の総称を指すものであり、特定の種類のカレイをイメージしている人は少ないかもしれません。しかし、同じカレイ科の中でもさまざまな種類の魚がいるので、興味深いでしょう。
種類ごとにさまざまな特徴や習性、あるいは風味があるカレイですが、総じて体は平たく両目が原則として身体の右側に集中しているという特徴があります。そしてその目がある側を上にして海底に横向きになった状態で砂の中などに潜んで生息していることが多いです。そんなカレイ科は、5〜7種類ほどの亜科に細分化されると言われています。
カレイ科の中でも有名なカレイ亜科には、マガレイやマコガレイなどのカレイが属するツノガレイ属が挙げられます。また、カレイの中でも他の種類に比べて知名度があるオヒョウは、タイヘイヨウオヒョウやタイセイヨウオヒョウなどがありますが、これらはカレイ科の中でもオヒョウ亜科オヒョウ属のカレイで、カレイの中でも特に大型です。
他にも体表が粘液で覆われているものの年越しに食べられる文化もあるカレイ亜科ババガレイ属のババガレイや、淡水域をも生息域としており浅い砂地などに擬態するイシガレイなどの種類もあります。このように多くの種類があるカレーですが、スーパーでよく見かけるのはアサバガレイ・カラスガレイ・マガレイなどとなっているようです。
カレイとヒラメの違い
お伝えしたようにさまざまな種類のいるカレイは種類によって微妙に味わいも異なるとされており、マガレイなどの定番品もあれば高級料亭で取り扱われることの多いヤナギムシガレイなどもあり、時にはかなり大型のオヒョウなどを楽しめるケースもあります。このように同じカレイでも色々な違いがありますが、カレイとヒラメはどう違うでしょうか?
カレイとヒラメは体が平たい魚だという認識は多くの人がもっていると思いますが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?ヒラメは大きくはカレイの仲間として分類され、カレイ目カレイ亜目ヒラメ科に属している魚です。そんなヒラメは、カレイの仲間の中では特に高級な食材として重宝され、寿司屋などで見かけることも多い魚でしょう。
そんなカレイとヒラメの違い・見分け方は案外簡単であり、基本的には目が付いている体の側が異なるという違いになります。既述の通りカレイの身体においては両目が体の右側に偏って付いているという特徴がありますが、ヒラメの場合はこれが逆であり身体の左側に偏って二つの目がついているという体の作りですが、他にも違いがあります。
カレイとヒラメのもう一つの違いとしては、その食性でしょう。どちらも肉食でありますが、カレイに比べてヒラメは獰猛だと言え、成魚の9割以上が小魚を主食にしています。そのためカレイとヒラメを釣る時にはその餌にも違いが生じ、カレイの場合はワームなどが餌となることもありますが、ヒラメの場合は生き餌の小魚が一般的となっています。
カレイの刺身にするさばき方/切り方を解説
お伝えしたようにカレイにはさまざまな種類があり、その種類ごとに習性や特徴、風味なども異なるようですが、ヒラメとカレイの見分け方は両目が偏ってついている位置のようです。そしてヒラメだけでなくカレイも煮付けなどだけでなく刺身として活用することも可能となっていますから、そのさばき方・切り方を逐一チェックしていきましょう。
①ウロコと頭を落とす
カレイを刺身にするためのさばき方・切り方は初心者にとってはかなり難しいとも言われていますが、実はカレイをさばくのは予想以上に簡単であり、慣れてしまえば美味しく綺麗な刺身を家で食べることも可能だと言えます。カレイのさばき方・切り方の手順としてはまず、ウロコと頭を落とすことになりますが、この過程はかなり重要となります。
魚をさばく際には多くの場合においてまずウロコをとることになりますが、包丁で擦るようにすることでカレイのウロコは除去することができるでしょう。カレイの中にはぬめりが強い種類も存在しますが、そのぬめりも一緒に取り除けるように、尾から頭の方に向かって包丁を擦っていきます。頭の方をおさえた状態だと、ウロコ取りがしやすいです。
ウロコは表だけでなく裏側にもついているので、表側のウロコ取りが終わったら、裏側も同じような要領で処理を行いましょう。タワシなどもうまく活用するとウロコとぬめりが綺麗に取れますが、ウロコを取り終わったらしっかりと水で流しましょう。それからカレイの頭を左側に置いてエラに沿わせるようにして頭を切り落としていきます。
頭を左側にした状態ではエラの部分から切り込みを入れる形となりますが、頭を逆側にした状態で先ほどの切れ目とは逆向きになるように切り込み、頭を落とします。この際に内臓も一緒に出てくることがあるので、引っ張り出して除去してしまいましょう。ウロコ取りと頭の切り落としが終わったら表側・裏側の身をいよいよ切っていくことになります。
②表側を切る
カレイのさばき方の手順としては、まずお伝えしたようにウロコを取って頭を切り落とすことになりますが、その後には表側・裏側の処理をそれぞれしていくことになります。まずは背中側に切り込みを入れて身を切り落としていきますが、カレイの尾を上にして尾から頭の方に向かって背びれに沿ってしっかりと切り込みを入れていきましょう。
そのあとは頭の方を上にして、逆に頭から尾に向かって同じく背びれに沿って切り込みを入れていきましょう。背びれに沿った切り込みが無事入ったら、今度は中骨に沿った切り込みを入れていきましょう。このときは、尾から頭でも頭から尾でも構いません。切り込みを入れ終わったら、中骨に沿っていよいよ身を切り取っていきます。
カレイは身崩れを起こしやすい魚ですから、中骨に沿って包丁を入れて何度も線を切り込んでいくように包丁を動かし、少しずつ身を切り取るようにしましょう。決して焦って一気に身を切り取ろうとしないように注意してください。左右半分の身が切り取れたら、今度は上下を逆転させて反対の向きに同じような要領で丁寧に身を切り取っていきます。
③裏側を切る
お伝えしたような要領で背中側の身を半分ずつに切り取れたら、続いて裏側の身を切り取っていきましょう。身を切り取った背中側がつくようにカレイを逆転させて、まずは切り込みを入れていきます。切り込みを入れる手順は基本的に先ほどと同じであり、背びれに沿って尾から頭、頭から尾に切り込んだ上で中骨に沿って切り込みを入れていきます。
こうして腹側も切り込みを入れ終わったら、背中側と同じような方法で身を切り落としていきます。まずは頭側を上にして中骨に沿って包丁を入れ、包丁を何度も引くようにして丁寧に身を切り取っていきます。背中側同様に身崩れを防ぐためにできるだけ丁寧に身を切り取っていき、切り取り終わったらカレイを反転させて包丁を入れます。
尾が上になるようにして左右反対側の身を同じような要領で中骨に沿って切り取っていきます。背中側で慣れて入ればこの段階は案外スムーズに進むかもしれません。こうして背中側・腹側の身を2枚ずつに切り取ることができれば、5枚おろしの完成となります。この5枚おろしの状態にすることで刺身をはじめとする色々な料理に使いやすくなります。
④エンガワを切り皮を剥ぐ
ここまでお伝えしたような手順を踏めば、初心者でも簡単にカレイを5枚おろしにすることができます。紹介したさばき方はヒラメなど他の魚に対しても活用できるので、この機会にカレイのさばき方・切り方の手順をマスターしてヒラメなども同時に楽しみたいものです。5枚おろしにしたあとは、いよいよ刺身の根幹となるエンガワを切っていきます。
エンガワは寿司などで多くの人にとって馴染み深いと思いますが、エンガワはカレイがヒレを動かすための筋肉質な部分のことを指します。コリコリとした食感が特徴的なエンガワですが、カットする際には包丁の先端を駆使して身がやや残るような状態にして切り取ります。エンガワをこうして切り取ったあとは、皮を剥いでいきます。
カレイの刺身の味は?
カレイはあまり刺身で食べるという習慣がない人も多いかもしれませんが、かなり美味しいとして話題になっています。カレイの刺身は通常の身の部分もエンガワの部分もそれぞれ違ったよさがある上に寝かせることでさらに旨味が増してより通好みになるとも言われています。果たしてそんなカレイの刺身はヒラメに比べてどうなっているでしょうか?
ヒラメとの味の違い
カレイは煮付けやみりん漬けなどにしてやや甘めの味付けで楽しむというのが一般的かもしれません。しかし、お伝えしたようにカレイを刺身にする際のさばき方・切り方は案外簡単なので、ぜひ挑戦したいものです。そんなカレイの刺身の味わいはややヒラメに類似していますが、両者を食べ比べてみると機微な違いを実感できるかもしれません。
ヒラメは高級魚の一種として数え上げられていますが、カレイの中にも種類によってはかなり高級で高値で取引されるものもあります。そんなカレイは高級料亭などで提供されることも多いですが、もちろん家庭でも美味しいカレイの刺身を食べることは可能です。一般的にヒラメに比べてカレイの方が味わいはやや濃厚で、通好みとされています。
ヒラメの刺身はかなり淡白で、食感はしっかりめでコリコリとしており、噛めば噛むほどえも言われぬ旨味が口の中いっぱいに広がるという印象があります。それに比べるとカレイはやや食感が柔らかめな上に濃厚な印象のある旨味が特徴となっています。一方で、カレイはヒラメに比べて臭いと言われることもありますが、それは調理法によります。
お伝えしたように5枚おろしにする前にはしっかりと頭や内臓、表面のぬめりなどを取り除くものですが、このプロセスを怠ってしまうとやや臭い印象に仕上がってしまうかもしれません。ヒラメとの違いを理解するためには実際に両者を食べ比べてみるというのもおすすめですが、違いを明確に区別するためにもそれぞれを正しい方法でさばきましょう。
エンガワは美味しい?
カレイの刺身は案外簡単にさばくことができますが、臭みが出ないためにも適切な方法でカットし、ヒラメに比べてやや通好みとも言われるその味わいを堪能したいものです。そんなカレイの刺身はやはりエンガワの部分まで味わいたいものですが、エンガワの部分はなんと言ってもヒレを動かす部分のため、コリコリとした筋肉質になっています。
そんなエンガワはコリコリとした硬めの食感が特徴的なため、すぐには噛み切れずに口の中で噛みしめるという場合が多いでしょう。その分淡白ながらも口の中に旨味が広がりやすいという特徴がありますが、実はヒラメのヒレを動かす部分もカレイと同じくエンガワと呼ばれています。そのため、両者のエンガワを食べ比べるのも面白いでしょう。
カレイのエンガワは一般的にヒラメのエンガワに比べてややカロリーが高く濃厚な味わいだと言われています。また、同じエンガワでもカレイのエンガワの方が脂質も多いため、カロリーや脂質が気になっている人にとってはヒラメの方がおすすめかもしれません。しかし、両者にはそれぞれのよさがあるので、やはり食べ比べてみたいものです。
カレイの刺身のカロリー/栄養は?
ここまで、カレイの刺身のさばき方・切り方やその味わいについて詳しくみてきまいた。カレイの刺身は他の刺身の切り方同様にまずは頭や内臓、ウロコを除去しますが、そのあとは5枚おろしにしてからエンガワと皮を切るようです。そんなカレイの刺身に関してはカロリーや栄養も気になるものですが、果たしてどのようになっているのでしょうか?
カレイの刺身のカロリー
カレイの刺身はヒラメの刺身とそのカロリーや栄養に関しても比較されることが多いですが、カレイのエンガワのカロリーは天然物のヒラメに比べるとやはりやや高いという印象があります。養殖ものに関してはカロリーも脂質もカレイを上回るヒラメが存在しますが、もちろん種類によっても異なりますが、魚の中では高すぎるとは言えません。
気になるマガレイの刺身のカロリーは、100gあたりで約95kcalとなっています。もちろんこれは100gあたりのカロリーであって、だいたい1人前となる5切れほどの刺身のカロリーは約40kcalとなっています。カレイの刺身はメインのおかずなどとして楽しめますが、このカロリーはお肉類に比べるとかなり低カロリーでヘルシーだと言えそうです。
他の種類に関しては、オヒョウが100gあたり約100kcal、マコガレイが約99kcalほどとなっており、微妙に種類間でカロリー差があるものの、大差はないようです。また、新鮮なものは刺身で楽しめるカレイですが、その活用法としては刺身だけでなく煮付けやムニエルなどもあり、調理過程がより加わることでカロリーは高くなることとなります。
カレイの刺身の栄養
カレイの刺身は他の魚の中で特に高すぎるということはないため、メインのおかずとして活用すればダイエットにもつながるかもしれません。そんなカレイの刺身に関してはカロリーだけでなく栄養素も気になるものですが、果たしてカレイにはどのような栄養が含まれているのでしょうか?まずカレイは、低脂質で高タンパクだという特徴があります。
カレイには筋肉や髪、爪など身体を作るのに欠かせないタンパク質が100gあたり平均的に20g前後含まれており、運動中の人にもおすすめと言えるかもしれません。またそれだけでなくアミノ酸の一種であるタウリンも他の食品に比べて豊富に含まれているのがカレイであり、身体の諸機能の維持や疲労回復などの効果が期待できるかもしれません。
他にもカレイにはビタミンB12をはじめとするビタミン群や、鉄分などの無機質類もバランスよく含まれています。鉄分は貧血防止に役立つ栄養素ですし、ビタミンB12も葉酸とともにヘモグロビン形成に関わっているビタミンであり、貧血防止に役立つでしょう。このように、低カロリーなこと以外にも、カレイには栄養面的なメリットがあるのです。
カレイの刺身の糖質
お伝えしたようにカロリーはさほど高くないカレイの刺身ですが、たとえ低カロリーな食品でも比較的糖質量が多いことがあるので注意が必要です。ダイエットに役立つと言われることもあるカレイの刺身ですが、果たして糖質制限中の人にとってはおすすめだと言えるでしょうか?実はカレイは糖質もかなり低めの食材となっているようです。
魚類は数ある食品の中でも特に糖質が低く、カレイも100gあたり0.1gほどの糖質にか含んでいないようです。この糖質量は野菜類に比べてもかなり低いと言えるでしょう。特に刺身の場合であれば余計な調味料の糖質が含まれないためにカレイを使った料理の中でも特に低糖質であり、糖質制限中の人にもカレイの刺身はおすすめだと言えます。
しかし、カレイを使った料理は刺身だけではなく、ムニエルやみりん漬け、煮付けなども挙げられます。味醂漬けや煮付けなどは砂糖などを多めに使う料理であり、カレイの煮付けにしてしまうとやはり100gたり4〜5gほどの糖質量となるかもしれません。そのため、カレイを刺身以外で食べる場合には、その味付けには十分に注意したいものです。
カレイの刺身はダイエットに向いている?
お伝えしたようにカレイの刺身はカロリーが低い上に糖質量もかなり少ない食材のようです。この事実からカレイの刺身はダイエット向きだと言われることもありますが、もちろんそれはダイエットの方法によるでしょう。確かにカロリー制限や糖質制限中においてはカレイの刺身は心強い味方となってくれそうですから、ぜひうまく活用したいものです。
しかし、カレイの刺身がいくらダイエット向きの食材だと言ってもそれだけを食べているのでは栄養が偏ってしまいかねません。そのため、カレイの刺身をダイエットに活用する際にはほかの食材とのカロリーや栄養の兼ね合いをも考慮する必要がありますが、カレイの刺身以外の料理はその味付けによってはダイエットに不適な場合もありそうです。
お伝えしたように低カロリー・低糖質なカレイですが、煮付けなどにする際には多くの調味料を使いますから、どうしてもカロリーは高くなりがちですし糖質量も多くなってしまう傾向があります。そのため、カレイをダイエットに用いる際には基本的に刺身が望ましいですが、他の料理を食べる場合にはそのレシピに工夫が必要だと言えます。
カレイの刺身に潜む寄生虫がいる?
カレイを刺身にするためのさばき方・切り方は予想以上にシンプルなため、各段階をしっかりと把握しておけば初心者でも問題なく美味しい刺身を家で楽しめることでしょう。そんなカレイはカロリーが低い上にタンパク質やアミノ酸などの栄養素が含まれているメリットもありますが、注意点としては刺身に潜む可能性のある寄生虫が挙げられます。
潜む寄生虫「アニサキス」
カレイの刺身に潜む寄生虫の筆頭としては、やはりアニサキスが挙げられます。アニサキスは線虫の一種でありカレイ以外の鮮魚にも潜んでいることが広く認知されていますが、食物連鎖によって魚類から鯨類まで寄生する可能性があるので注意が必要です。刺身の文化がある日本では、人間もこのアニサキスに十分に注意しなくてはならないでしょう。
特にアニサキスの習性として、海底付近の砂などに生息している傾向がありますが、カレイは砂などに擬態して潜んでいることもある魚です。そのため、数ある魚の中でも特にアニサキスに寄生されやすいと言われており、淡水に生息しているカレイもあるものですが、海水と淡水が混じった汽水域に生息しているカレイほど注意が必要なようです。
アニサキスが寄生した状態のカレイの刺身を食べてしまうと、食中毒にかかってしまいます。その症状としては腹痛や嘔吐などが報告されていますが、現代においてもアニサキスによる被害は見受けられるので厳重に注意してカレイを楽しみましょう。アニサキスによる被害を予防するためには、できるだけ鮮度の高いカレイを選ぶのがポイントです。
粘液胞子虫類が寄生していることがある?
カレイの刺身を食べる上での第一の注意点としては、線虫の一種でありさまざまな魚に寄生するアニサキスが挙げられますが、アニサキスのほかには粘液胞子虫類が寄生してしまうという注意点も挙げられます。粘液胞子虫類による被害は決して人体にとって猛毒というわけではありませんが、カレイの身の質を変えてしまうので要注意なのです。
この粘液胞子虫類が寄生してしまったカレイは死後硬直のあとで身がグニョグニョに柔らかくなってしまうという特徴があります。この現象はゼリーミート現象とも呼ばれていますが、冷凍をしてもその現象は続いてしまうので注意が必要だと言えます。ただ、この粘液胞子虫類の被害はアニサキスに比べるとかなり低い確率となっているようです。
また、アニサキスとは違い粘液胞子虫類に寄生されたカレイを食べても特に人体にとって悪いというわけではありません。ただ、粘液胞子虫類に寄生されたカレイの刺身は食感が柔らかすぎて美味しいとは言えないため、やはりこの粘液胞子虫類に寄生したカレイもできるだけ避けて、美味しく健康的な状態のカレイを刺身で楽しみたいものです。
新鮮なカレイの見分け方
既述の通り、アニサキスや粘液胞子虫類などの被害に遭うこともあるカレイの刺身ですが、それらの被害に遭う確率を最小限におさえつつより美味しい状態のカレイを食べるためには、カレイの目利きが重要となります。カレイの刺身を美味しく安全に楽しむためにはカレイの鮮度が重要となりますが、よい状態のカレイとはどんなものでしょうか?
スーパーマーケットや魚市場などでカレイを見分けるときにはまず、表面のぬめりやツヤなどをチェックするとよいでしょう。新鮮なカレイは表面にぬめりやツヤがあるものです。また、全体的に丸みを帯びてふっくらと肉厚なものが望ましいでしょう。また、お腹の色をチェックして白いものの方が鮮度が高く刺身にしても美味しいと言えそうです。
一方でぬめりやつやがないものや弾力が感じられないものは、鮮度が高いとは言えず刺身には適していないかもしれません。また、身が真っ白で黒ずんでいたり泥の臭いが移ったりしているものもフレッシュではないため、気をつける必要がありそうです。このような新鮮なカレイと新鮮ではないカレイの違いも意識し、美味しい刺身を楽しみましょう。
カレイの美味しい食べ方3選
ここまでカレイを刺身にするときのさばき方に加えて刺身に適した新鮮で美味しいカレイの見分け方もチェックしてきました。カレイは新鮮なものであれば刺身でも楽しむことができますが、もちろん刺身だけがカレイの楽しみ方の全てではありません。ここでは刺身を含めたカレイの美味しい食べ方を3つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
カレイの刺身
カレイの楽しみ方の筆頭としては、やはり刺身が挙げられます。カレイは煮付けなどのイメージが強いかもしれませんが、ヒラメに比べてやや濃厚な味わいを楽しむことができます。そんなカレイを刺身で楽しむときには、醤油だけでシンプルに楽しむのもよいですし、わさびなどの薬味を加えてもよし、藻塩などで楽しむのもよしでしょう。
また、カレイの刺身を切るときには、2mm程度の薄切りにするのが望ましいです。そして薄切りにする際には包丁を引いて切らないと綺麗に切ることができないため、刃元から先までをフルに使って切りましょう。また、皿に盛り付ける際には皮目が左にくるようにして左から右に重ねていくとよいので、ぜひ綺麗に盛り付けてみてください。
また、大葉を敷いたりかいわれ大根を添えたりしても、かなり見栄えのよいカレイの刺身が完成します。このようにカレイの刺身はカットの仕方・盛り付け方によってビジュアルにかなりの差が出ますが、綺麗に盛り付けることで何倍にも美味しく楽しめるでしょう。あとは薬味をつけたり白米と一緒に食べたりなど、思い思いに刺身を堪能しましょう。
カレイの煮付け
カレイは案外刺身にしても美味しいですが、刺身以外で美味しいカレイの料理といえば煮付けが挙げられます。カレイの煮付けは家庭料理の定番として知られていますが、ポイントをおさえればやや低カロリーめでも美味しい煮付けを時短で作ることも可能でしょう。
カレイの煮付けを作るときの調味料は、水・砂糖・酒・みりん・醤油、そしてアクセントとなる生姜という定番の組み合わせがベストだと言えます。しかし、砂糖をやや少なめにすることで糖質制限中でも美味しくさっぱりめの煮付けを楽しめますが、まずは調味料を鍋で沸騰させ、下処理をしたカレイに生姜の薄切りをのせて煮込んでいきます。
煮込むときはアルミホイルなどで落し蓋をした上で、15〜20分ほどじっくりと火を通していきましょう。完成した煮付けは皿に盛る時に一緒に生姜も乗せると見栄えがよくなりますが、ごぼうなどの野菜を一緒に煮込んでつけあわせにするのもおすすめです。
カレイのムニエル
カレイは刺身や煮付けなどの定番の和食にすると間違いなく美味しく楽しめますが、もちろんムニエルにしても美味しいでしょう。カレイのムニエルは他の白身魚と同じような要領で案外簡単にムニエルにすることができるのでおすすめです。
カレイをムニエルにするときにはまず、下処理をした上でカレイの水気をしっかりと拭き取り、小麦粉を振りかけます。このとき同時にクレイジーソルトなども振りかけて下味をつけましょう。そしてフライパンにはバターをひいてカレイを焼いていきます。両面にほどよく焼き色がつくまで焼きますが、焼きすぎには注意しましょう。
カレイのムニエルには蒸し野菜や人参のグラッセなどを付け合わせにすると見栄え的にも栄養面的にも申し分ないですが、レモンなどをトッピングすることでより爽やかに楽しめるので、ぜひチャレンジしてみてください。
カレイを上手にさばいて刺身を美味しく食べよう!
今回は、カレイの刺身について詳しくみてきましたが、いかがでしたでしょうか?カレイはそのさばき方・切り方を知っておけば刺身としても楽しめますが、カレイやヒラメのヒレの部分は総じてエンガワと呼ばれていますが、カレイはヒラメとは微妙に風味が異なります。そんな違いも感じながら、寄生虫に注意してカレイを様々な形で楽しみましょう。
また、カレイは低カロリーで高タンパクな上にタウリンなどのアミノ酸やビタミンB群なども豊富に含まれています。そんなカレイで刺身を作れば食卓を彩れる上にダイエットにも活用できますが、カレイは刺身以外にも煮付けやムニエルなどのレシピで堪能できるため、ぜひカレイはさばき方・切り方を知り色々な料理にして味わっていきましょう。