鉄分の効果・効能を調査!効果的な摂り方と効果が出るまでの時間は?
鉄分が私たちの体の中でどんな働きをしているかと考えたとき、真っ先に浮かぶのは赤血球に含まれた鉄分が酸素と結びついて、体中に酸素を送る働きをしている、ということです。ですが、他に鉄分にどんな効果・効能があって、どれだけ私たちの体にとって必要なミネラルかと聞かれると、意外と知っている人は少ないのも事実です。そんな鉄分に焦点を当てて、私たちの体の中での働きや効果・効能の他、効果的な摂り方に摂取した鉄分の効果が出るまでの時間まで紹介します。
目次
- 1鉄分は体を支える効果を持つ必須ミネラル
- 2鉄分不足というと貧血だけだと思ってませんか?
- 3鉄分は筋肉中に酸素を保存する効果もある
- 4鉄分は筋肉の活動にも効果を発揮する
- 5鉄分は疲労回復に効果的
- 6鉄分には美肌効果もある
- 7鉄分は肌だけでなく髪や爪も綺麗にする効果がある
- 8鉄分はがん予防にも効果的な栄養素
- 9鉄分ははげ予防にも効果的
- 10アスリートを支える鉄分の効果・効能
- 11鉄分は骨粗しょう症予防にも効果的
- 12あなたは鉄分が足りている?セルフチェックしてみよう
- 13鉄分の効果的な摂り方
- 14鉄分の摂取を控えたほうが良い人もいる
- 15鉄分の効果・効能が出るまでどのくらいの時間がかかる?
- 16上手に鉄分を摂って健康に過ごそう
鉄分は体を支える効果を持つ必須ミネラル
鉄分の体内での働きというと、血液中のヘモグロビンに含まれていて、体中に酸素を送る効果がある、というのが一般的な認識です。確かに体中に酸素を送り届けるのも鉄分の大切な働きですが、鉄分が人の体内に3g~4gほど含まれていることでもわかるように、他にもさまざまな効果・効能を持ち、体のさまざまなところでさまざまな働きを担っています。
鉄分は血液中以外にも、筋肉や脊髄などさまざまなところで重要な働きを担っています。人の血や肉が赤いのも、実は含まれている鉄分が原因です。そんな体中で働き続けている鉄分の効果・効能の他、鉄分の効果的な摂り方や摂るときの注意点、鉄分を摂るのに効果的な時間や効果・効能が出るまでにかかる時間まで紹介します。
鉄分不足というと貧血だけだと思ってませんか?
鉄分不足と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、やっぱり貧血でしょう。貧血は特に女性がなりやすく、過度なダイエットや栄養の偏りなどの他にも、生理や妊娠までもが貧血の要因になります。貧血が体にとって良くないのはいうまでもありませんが、貧血はあくまで鉄分不足のひとつの症状に過ぎません。鉄分不足は体中に深刻な問題を引き起こします。貧血の人はなおのこと、鉄分の効果・効能に目を向け早期に治療しましょう。
鉄分は体のあちこちで働き、さまざまな効果・効能がある
鉄分が血液中だけでなく、体中の組織に多く含まれていることでもわかるように、体内でさまざまな働きをし、健康に大きく関わる効果・効能を持っています。そんな鉄分が不足したら、体は正常な機能を失い、貧血だけでなくさまざまな病気にかかったり、生命活動自体を維持できなくなる可能性すらあります。そんな鉄分の効果・効能から説明していきます。
鉄分は筋肉中に酸素を保存する効果もある
鉄分はビタミンB6やたんぱく質とともに、ヘモグロビンを作り赤血球を生み出します。赤血球は全身に酸素を送り届け、生命活動を支える働きを担います。そんな赤血球から、筋肉内にあるミオグロビンというたんぱく質がヘモグロビンから酸素を預かり、筋肉を動かすときまで酸素を貯蔵しておきます。ミオグロビンが酸素を預かることができるのも、含んでいる鉄分が酸素と結合する働きがあってのことなのです。
鉄分は筋肉の活動にも効果を発揮する
このミオグロビンの中にも、鉄分が3%~5%ほど含まれています。筋肉を動かすときには、食べ物から作り出したエネルギー源に、ミオグロビンが保存していた酸素を細胞が吸収して、細胞内で化学反応を起こすことでエネルギーを生み出し、筋肉を収縮させて動かすことができるのです。人が動くことができるのも、鉄分の働きがあってこそなのです。
鉄分は疲労回復に効果的
体がエネルギーを生み出すには、赤血球が運んでくる酸素は欠かすことはできません。疲れを残さないためにも、各細胞が効率よくエネルギーを生み出し、代謝を良くすることが欠かせません。鉄分は全身の代謝を支える、大切な働きも担っているのです。貧血になるとだるさを感じるのも、鉄分不足による代謝の衰えが原因となっているのです。
他にも鉄分は、粘膜を保護したり白血球の働きを維持する効果もあります。白血球は体の免疫力に大きく関わり、白血球の活動が鈍れば病気にかかりやすくなります。体の免疫機能を正常に保つのにも、鉄分は大きく関わる大切な栄養素なのです。
鉄分には美肌効果もある
実は鉄分には、美肌を保つために欠かせない働きがいくつもあります。実際貧血になると、単に血色が悪くなるだけでなく、肌がくすんだりかさついたりします。鉄分が、美肌を保つのに大切な成分である理由を説明していきます。
鉄分にはシミを防ぐ効果・効能もある
肌にシミができる原因は、紫外線によってできる活性酸素から肌を守るために、メラニン色素が作られることが原因です。メラニン色素がそのまま肌に沈着して、シミになってしまうからです。紫外線を浴びると、肌に大量の活性酸素ができてしまいます。その活性酸素を抑えるのに、カタラーゼという酵素が作られます。このカタラーゼを作るのに鉄分が必要なため、鉄分不足はシミの素になってしまうのです。
鉄分にはコラーゲンを合成する働きを助ける効果もある
さらに鉄分には、特殊なたんぱく質とビタミンCなどを原料にして、コラーゲンを作る働きがあります。コラーゲンが美肌の維持に必要なことは、すでに常識といっていい知識です。そのコラーゲンを体内で作るのにも、鉄分が大きく関与しているのです。貧血のサインとして肌荒れやシミがあげられるのには、こういった理由もあるのです。
鉄分は肌だけでなく髪や爪も綺麗にする効果がある
髪や爪は、たんぱく質と鉄分などが作用しあってできています。鉄分に余裕が無いと、いわゆる『後回し』にされる部分でもあるため、鉄分が不足すると髪が抜けやすくなったりツヤがなくなるだけでなく、爪も扁平になって弾力のない柔らかい爪になり、割れやすくなります。髪も爪も、女性にとってはお洒落を楽しむためにとても大切なものです。爪がアーチを描いていなかったら深刻な鉄不足ですので、すぐに対処しましょう。
鉄分はがん予防にも効果的な栄養素
鉄分が不足してくると、生理的に甘いものであるグルコースという成分を摂りたくなる、という研究報告があります。このグルコースという成分は、「がんの餌」とも呼ばれる成分です。人間の体の中では常に活性酸素が発生し、がん細胞も発生していることが知られています。ですが、通常は抗酸化物質や免疫細胞により、無毒化されています。
ですが、グルコースをやめられなくなれば、毎日できるがん細胞の中に生き残って、がんにまで成長してしまうものが出てくる可能性が高くなります。ただでさえ鉄分不足は免疫能力を落としてしまいます。まさに悪循環以外の何物でもないので、鉄分不足にならないように注意が必要です。
鉄分ははげ予防にも効果的
鉄分が髪を美しくする効果があることは説明したとおりです。髪を美しくするということは、はげや薄毛予防にも効果があるということです。頭頂部の髪が細くなったり、髪の厚み自体が薄くなり始めているようでしたら、多めに鉄分を摂るようにしましょう。普段鉄分の少ない食事の女性のほうが、薄毛になる可能性が高いという報告もあるので要注意です。
アスリートを支える鉄分の効果・効能
激しい運動をするためには、普段異常に多くの酸素を必要とします。全身に酸素を運び代謝を助ける働きをしている鉄分も、通常以上に多く必要になります。さらに加えて激しい運動時には、運動の衝撃で赤血球が壊れてしまうことも多く、壊れた赤血球から流れ出たヘモグロビンで、血尿になることすらあります。筋肉の発達のためにも鉄分は必要なため、鉄分の必要量は基準値程度では全然足らないのが実情です。
このことはトップアスリートに関わらず、運動部の学生でもいえることです。元々成長期で多くの鉄分を必要としているところに、運動での損失と筋肉を発達させるためにと、他の同年代の学生と比べてもより多くの鉄分を必要とします。特に女子は鉄不足で貧血どころか無月経になることもあるので、意識して摂取するように心がけましょう。
鉄分は骨粗しょう症予防にも効果的
鉄分と骨粗しょう症、一見何の関係もなさそうに見えますが、実は大いに関係があります。なぜなら骨は、コラーゲンとカルシウムが1:1の割合でできているからです。美肌効果のところでも説明しましたが、骨にもコラーゲンが欠かせないのです。骨を鉄筋コンクリートの柱にたとえると、コラーゲンが鉄筋の役割をし、カルシウムがコンクリートの役割をしています。骨密度の検査でわかるのはカルシウムの量だけなので要注意です。
あなたは鉄分が足りている?セルフチェックしてみよう
鉄分は年齢によっても必要量が変わる栄養素ですが、その人の置かれている状況によっても必要量が変わる栄養素です。体内の鉄分がきちんと足りているか、定期的に健康診断を受けるのも大切ですが、セルフチェックして日ごろから欠乏症予防に心がけるのも大切なことです。セルフチェックで思い当たることのある人は、通常よりも多めに鉄分を摂るように心がけましょう。
鉄分不足ではなくても多めに摂りたい人
普段から肉のような動物質よりも、野菜や果物といった野菜質のもののほうが好き、という人は、鉄欠乏症になりやすいので要注意です。野菜でも鉄分を多く含むものはありますが、動物質の食品と比べると消化吸収率が低いため、鉄器を使った調理などで鉄を補うようにしたほうが良いでしょう。
また、妊活中・妊娠中・授乳中の人も、鉄分を大目に摂ったほうが良い人たちです。特に妊娠・授乳中は、赤ん坊に栄養分を率先して送るため、母体の栄養状態が悪くなりやすい時期でもあります。赤ん坊の食事の分まで、自分の体から作り出さなければいけないのですから、より多くの栄養素が必要になるのは自然のことです。母親の健康は赤ん坊の健康に直結するので、自己管理もしっかりしたいものです。
女性の貧血が多い理由の1つが、月経があることです。毎月のように結構な量の血液が、体外に排出されることになります。当然鉄分も多く含まれた状態で排出されてしまうため、減った分をきちんと補ってあげる必要があります。特に経血の量が多い人は、意識して鉄分を補給するようにしましょう。
鉄分がやや不足している隠れ貧血(潜在性欠乏症)の症状
出典: http://swaf.jp
特に女性に多いのが、肝臓の貯蔵鉄分であるフェリチン不足です。貧血検査で赤血球量やヘモグロビン量は調べても、体内の貯蔵鉄の量は調べることはまずないので、見落とされがちなことも理由の1つです。ヘモグロビン量に問題がないのに、貧血でよくあるめまいや立ちくらみ、疲労や倦怠感といった症状があるときは、一度隠れ貧血を疑ってみることも必要です。
体内に吸収された鉄分は、まずは優先的にヘモグロビンの材料として使われます。その際に余った鉄分がフェリチンに貯蔵されます。血中のヘモグロビンの量が足らなくなってくると、不足分をフェリチンに貯蔵されていた鉄分で補うため、フェリチンの貯蔵鉄分の量が少ないと、すぐに鉄欠乏症になってしまうのです。
鉄分が完全に不足している欠乏症の症状
動機や息切れ、めまいが頻繁に起こるようになったり、疲れが残りやすくなっただけでなく、風邪もひきやすくなったとなれば、ほぼ間違いなく鉄分が不足して貧血になっています。他の病気でも似たような症状の病気もあるので、病院できちんと検査を受けたほうが賢明です。貧血は放っておけば肌荒れや情緒不安定など、身体面だけでなく精神面でも不調が現れるようになります。きちんと治療するようにしましょう。
特に男性や閉経後の女性の場合は、鉄分不足になりにくくなっています。加齢による消化能力の低下以外での貧血になる原因として、消化器系の病気が疑われます。胃潰瘍や消化器系のがんなど、出血を伴う病気による貧血もあるので、貧血かな?と思ったら近くの病院で検査を受けたり、栄養士による食事相談を受けたりして、適切な処置をとるようにしましょう。
鉄分の効果的な摂り方
鉄分が体にとって重要なミネラルとはいえ、気をつけて食事をしていても不足していることも珍しくない栄養素です。少しでも無駄の少なくなる効果的な鉄分の摂り方と、鉄分を摂るときにより鉄分を生かす摂り方や、消化吸収の観点から気をつけたい食べ合わせなど、理由とともに紹介します。
鉄分にも種類がある
人間の体内での鉄分は、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類が存在します。人体内の鉄分の約70%は、血液中のヘモグロビン内にヘム鉄として存在しています。残りの約20%~30%の鉄分は、非ヘム鉄として体内に存在しています。鉄は体外に排泄されずに再利用されることの多い栄養素で、1日の食事で吸収される5%~10%に当たる約1mgが、汗などの排泄物とともに対外に排出されて、摂取と排出のバランスがとられています。
ヘム鉄は鉄とたんぱく質が結合してできる鉄分で、動物性食品に多く含まれます。二価鉄とも呼ばれる形をしていて、化学式もFe2+と表記します。人間は十二指腸と小腸上部で鉄分をヘム鉄の状態で吸収するため、吸収率も高めで10%~25%ほどです。鉄分の吸収量はその人の鉄分保有量の影響も受けるので、効率よく鉄分を吸収したい場合には動物性食品からの摂取がおすすめです。
一方非ヘム鉄は、植物に多く含まれる鉄そのままの鉄分です。三価鉄とも呼ばれる形をしていて、化学式はFe3+と表記します。人間が鉄分を消化吸収する際にはヘム鉄に変換してから吸収することになるため、吸収率は当然低くなり、約2%~5%と非効率的です。人間が鉄分を吸収するためにはヘム鉄に変換する必要があるため、食物繊維などの邪魔がある植物性の火ヘム鉄は、鉄分補給には非効率的なのです。
鉄分の効果・効能をアップさせる摂り方
鉄分だけ摂っていれば貧血などは治るのか?といえば、そんなことはありません。鉄分の効果・効能を生かすためには、やはりバランスの良い食事は必須です。貧血対策だけでみてみても、鉄分を摂るだけでなくヘモグロビンの材料であるたんぱく質も、合わせて摂らなければヘモグロビンを増やすことはできません。
ヘモグロビンの材料となるたんぱく質の素になるのは、アミノ酸と呼ばれる栄養素です。このアミノ酸をいかにバランスよく含んでいるかという指標として、アミノ酸スコアというものがあります。このアミノ酸スコアは100を最上位として、さまざまなたんぱく質食品を数値化していますので、アミノ酸スコアの高い食品と合わせて鉄分を摂るのが、効果的な摂り方としておすすめです。
鉄分の吸収率をアップさせる摂り方
日本食は多くは植物性です。ほうれん草やひじきに大豆加工食品など、鉄分そのものは含んでいますが、基本的に非ヘム鉄の食品が多いのも事実です。ですが摂り方を工夫するだけで、非ヘム鉄だけでなくヘム鉄も消化吸収が良くなります。それは酢や果物などの、酢酸やクエン酸、ビタミンCを多く含む食品と合わせて食べることです。
酢の中に含まれる酢酸や、果物や野菜に多く含まれるビタミンCやクエン酸には、非ヘム鉄をイオン化してヘム鉄へと変化させる効果があるため、植物に含まれる非ヘム鉄の消化吸収だけでなく、動物性のヘム鉄もまたより吸収しやすくしてくれる、効果的な鉄分の摂り方です。
もちろんサプリメントも鉄分補給の候補にあがります。特に妊娠中の女性など、食が細くなって食事が摂りにくくなっている人は、サプリメントでの補給がおすすめです。鉄分の吸収をよくするビタミンCや、血液を作る手助けをする葉酸やビタミンB12なども配合されているサプリを選びましょう。
鉄分の効果・効能を助ける栄養素
鉄分と合わせて摂ることにより、効果・効能が高まる栄養素はたんぱく質以外にもあります。ビタミンB12や葉酸と合わせて鉄分を摂ると、造血効果を高める効果があり、疲労回復や持久力の向上などの効果・効能が期待できます。また微量元素のひとつである銅も、鉄分と一緒に摂ることでヘモグロビンの合成を手助けしたり、消化吸収を良くする効果もあります。
鉄分の消化吸収を邪魔する栄養素
鉄分を効率よく吸収するためには、消化吸収を邪魔する食品との食べ合わせは避けましょう。具体的には、タンニンやその一種であるカテキンの他、フィチン酸やシュウ酸といった成分を含む食品は、鉄分を多く含む食品と一緒に摂取しないか、影響を最小限に抑えるよう工夫した摂り方をします。
タンニンやカテキンを多く含む食品といえば、緑茶や紅茶、コーヒーだけでなく、ワインに果物の柿も含まれます。タンニンは鉄と強く結びついて、鉄分の吸収を阻害します。鉄分だけでなくたんぱく質とも結びつきやすく、酸化防止剤・凝固剤としても使われることがあるため注意が必要です。飲むときは食事の前後30分以上あけて飲んだり、タンニンの少ない飲み物に変えるなど、鉄分の摂り方に合わせましょう。
玄米や大豆の糠や皮の部分に多く含まれるフィチン酸も、食事に含まれる鉄分の量とのバランスが悪いと、鉄分の消化吸収を阻害する危険性があります。ただし、糠自体に含まれるフィチン酸は糠に包み込まれていて、吸収を阻害する量が極めて少ないことが確認されています。ですが、鉄分の量が少なすぎれば吸収量が減ることに変わりはないので、たんぱく質を合わせた摂り方をすると、損失を少なくすることができます。
シュウ酸も鉄分と結びついて対外への排出を促してしまう、困った性質を持った成分です。ほうれん草やたけのこに多く含まれますが、茹でて灰汁抜きをすれば簡単に取り除くことができるので、下処理を済ませて食べ合わせる分には問題なく、注意点さえ守れば鉄分もきちんと摂取することができます。
鉄分を摂取する時間の目安
鉄分は吸収される量も多くなく、とかく不足しがちな栄養素です。そのため、毎食摂取することを心がけたほうが良い栄養素でもあります。この時間帯に鉄分を、ではなく、毎食鉄分を補給できる食事を心がけましょう。特に鉄分欠乏症の人やスポーツ部に所属している学生・社会人といった人たちは、定期的に貧血になっていないか自己チェックをして、食事時間以外でも不足分は間食で補うような摂り方をしたほうが賢明です。
鉄分の摂取を控えたほうが良い人もいる
通常鉄分は不足しがちな栄養素です。ですが、中には過敏なまでにサプリメントを利用している人もいることでしょう。そういう人は、今一度サプリメントの栄養成分表を確認してください。栄養価が重複して、栄養過多になるような摂り方はしていませんか?栄養素は確かに体に必要なものですが、摂り過ぎれば毒になります。あれもこれもと手を出すと、栄養過多も体調不良の原因になります。
鉄分にも副作用がある
通常の食事で鉄分の過剰摂取になることはまずありません。ですが鉄器の使用やサプリの併用と、鉄分の摂り方が過剰になるとこの限りではありません。鉄分の過剰摂取の症状としては、胃もたれや吐き気にひどいときは嘔吐し下痢になることもあります。このような胃腸障害だけでなく、皮膚の色素沈着が起こる場合もあります。必要以上に臓器に鉄分が蓄積され、臓器にダメージを及ぼすようになるので、過剰摂取は控えましょう。
鉄分の効果・効能が出るまでどのくらいの時間がかかる?
特に鉄分は、この時間帯に吸収されやすいとか、この時間帯に特に必要といった、『縛られる時間』を持たない栄養素です。食事に気をつけたり、サプリメントで補ったからといって、短時間で効果が出る栄養素でもありません。鉄分は吸収された後さまざまに形を変えて、時間をかけて効果が現れてくる栄養素だということを忘れてはいけません。
鉄分を一番多く消費する血液中の赤血球の寿命は約120日、つまり約4ヶ月ということになります。ヘモグロビンも赤血球中に存在しているので、同様に約4ヶ月の寿命ということになります。全ての血液が同じ時間に生まれているわけではないので、私たちの体内では毎時間赤血球が生まれたり死んだりしていることになります。死んだ赤血球のヘモグロビンの鉄分も再利用されるとはいえ、常に補充していないと足らなくなってしまいます。
鉄分の摂取を始めても、鉄不足による体の不調の度合いも、鉄分の補給の効果・効能が体調に反映されるまでの時間も、その人その人で違いがあります。たとえ改善されたとしても鉄分がまた切れれば同じことなので、一時的な効果に満足することなく、継続的に鉄分を摂取し続ける必要があります。鉄分の効果・効能は、摂取量が足りている時間は効果が続く、そう考えるほうが良いです。
上手に鉄分を摂って健康に過ごそう
鉄分は、私たちが健康に生きていくために欠かすことのできない栄養素です。毎日適切な量を上手に摂取して、ヘモグロビンだけでなく肝臓を始めとした各臓器にも、適切な量をきちんと貯蔵しておきましょう。健康な毎日の秘訣は、上手に鉄分と付き合っていくことでもあるのです。