さつまいもはカビが生えても食べれる?見分け方や切り口が緑・黒の原因は?
家庭菜園などでも栽培することができるさつまいもは、貯蔵性が高く長期保存が可能な野菜ですが、保存方法が悪いとカビが生えることがあります。家庭菜園でたくさん収穫したり、もらったりしてたくさんのさつまいものがあるときなど、気が付いたらカビが付いていたという事もあり、食べれないだろうと処分してしまった人もいるのではないでしょうか?また、切り口が変色して驚いいたという経験がある人もいると思います。さつまいもはカビが生えても食べれるのか、切り口が変色する理由を解説していきます。
目次
長期保存可能なさつまいも
自然な甘みと、ほくほくとした食感で料理からスイーツまで幅広い使い方ができるさつまいもは、貯蔵性が高く長期保存に適した野菜です。日本各地で様々な品種が作られており、金時いも紅あずま、安納芋などが有名です。比較的暖かい地域で栽培されるため日本では西日本での栽培が中心となっています。
焼き芋といえば秋のイメージが強いですが、旬のシーズンも晩秋となっています。8月の終わりごろから収穫が始まり、秋の終わりごろまで収穫がされます。家庭菜園でたくさんのさつまいもを収穫した場合は、適切はな保存方法を使うことで、長期保存ができる野菜となっています。
さつまいもにカビが出たら食べれるかを解説
どんな野菜でもそうですが、保存状態が悪いとカビが生えてくることがあります。さつまいもにもカビが生えることがあり、そんな時はどうしたらいいか見分け方が難しいと思います。また、見た目は普通だったのに、切ったら中が変色していたという事もあり、驚いて捨ててしまったという人もいるのではないでしょうか?
さつまいは暖かい場所で栽培される野菜ですので冷所を嫌います。冬で涼しいから大丈夫だと安心をしていると気が付いたらカビが生えていたという事もあるので注意が必要です。さつまいものもつ栄養素や、さつまいもにカビが生えた場合食べれるかの見分け方や切り口が変色する理由など、さつまいもについて解説します。
さつまいものカロリーはどれくらいあるの?
さつまいもはヒルガオ科の植物の根が肥大したものです。仲間だと思いがちなじゃがいもはナス科の植物で、じゃがいもとは違った植物です。さつまいもの原産地は中米となってますが、日本には中国を通じて伝わりました。ヒルガオ科の植物ですのでさつまいもの花はヒルガオにそっくりな可愛らしい花が咲きます。受粉することはないので、種は取れません。
さつまいもはホクホクとした甘みが特徴です。さつまいもというと太るというイメージがありますが、その反面歩王府な栄養素が含まれている野菜となります。カロリーは100g中132kcal、糖質は29.2gとなっています。じゃがいもと比べてみるとじゃがいものカロリーは76kcal、糖質17.6gとなっており、さつまいもはカロリーも糖質も高いことが分かります
さつまいもはカビが出ても食べられる
さつまいもは保存性が高いのでめったなことではカビが生えることはないのですが、保存状態が悪いとやはりカビは生えてしまいます。白いふわふわとした綿のようなものや、青カビなども見られることがあります。しかし、さつまいもは中身が固くしっかりと実が詰まっているので、実際には中身までカビが発生しているという事はあまりまりません。カビの生えた部分を切り落とせば食べることは可能です。
さつまいものによく見られるカビの種類
カビには実に多くの種類があり、さつまいもに生えるカビも一種類ではありません。カビの種類によっては食べないほうがいいものもあります。カビでさつまいもが食べれるかの見分け方と処理方法を説明します。
さつまいもに見られる白い綿状のカビ
さつまいもを取りだしたら表面に白い綿のようなものが生えていたら、それはクモノスカビ、ケカビといわれるカビの代表的なものです。表面に軽く付いている程度であれば洗い流して良く火を通せば食べれるので捨てないようにしましょう。画像のように黒く痛んでいるところがある場合は、その部分を切り落として処分し、残った部分を食べれるので早めに調理しましょう。
さつまいもに見られる青カビ
さつまいもの両端などから発生する場合が多いようです。アオカビは糸状不完全菌類に属する菌類で青色をしているのでアオカビといいます。このアオカビから抗生物質であるペニシリンが発見されたなど、時に人にとって役立つこともあるカビです。例えば、カマンベールに疲れる菌はこのアオカビの一種です。さつまいもにこのカビついた場合はその部分を切り取れば食べれるので、良く加熱して食べてください。
さつまいもに見られる黒カビ
バスルームなどでよく見られる黒カビも時としてさつまいもに付着していることがあります。段ボールなどの中で湿気がこもり空気中のカビの菌によって繁殖したものと考えられます。この黒カビの場合、毒性が強いとされ、あまり食べないほうがいいという意見もあります。黒いもの付着している場合はカビではことも考えられます。次で紹介するさつまいもに見られる黒いものを参考に食べれるか判断してください。
さつまいもに見られる黒いものはカビだけではない
さつまいもを見ると黒くなっていて驚いたという経験はありませんか?カビが生えたのか思いさわってみると、なんだか光って様子が違うという場合は、それはカビではなく「ヤラピン」という成分かもしれません。さつまいもを切った時に出る白い乳液上の液体が固まって黒く変色したものです。主にさつまいもの両端にできることが多く、時にはベタベタとした感じを受けるかもしれません。
黒カビとの見分け方は、それを光に照らしたら光っているかどうかです。カビと違ってカビの匂いは感じられません。水では簡単に洗い流せないという特徴もあります。このヤラピンであれば問題なく食べれるので、黒カビとの見分け方が大切です。
さつまいもに含まれるヤラピンは、さつまいもだけに含まれている成分です。包丁でサツマイモのを切ったときに白っぽくなることがありますが、これがさつまいものヤラピンです。ヤラピンは胃の保護したり、腸の動きを活発化したりといった働きがあります。さつまいもは便秘に効果があると言われるのは、さつまいもが豊富な食物繊維を含んでいると同時に、このヤラピンの効果も大きいのです。
ヤラピンは皮の周辺に多く含まれています。表面へにじみ出てくることにより参加して黒く変色します。カビと思った黒いシミのようなものは実はこのヤラピンであったという事もおおいので、見分け方を参考に誤って捨てることのないようにしましょう。ヤラピンが酸化すると苦みを感じたり、えぐみを感じることがあります。
さつまいもの切り口が変色したのはカビが原因?
さつまいもの見た目は何もないけど、切ってみたら切り口が変色しているなどの驚くことがあります。切ってみたら黒かった、切ってしばらくしたら変色してきたなどの症状があるのですが、中にには緑やオレンジなどの色に変色していることもあり、原因が分からず困ります。その切り口の変化の原因について説明をします。
切り口が黒くなる原因
さつまいもを切ってしばらくすると、切り口が黒く変色してきます。この症状は多くの人が経験をしたことがあるのではないでしょうか?これはリンゴの切り口が黒ずんでくる症状と同じで、その原因はポリフェノールです。ポリフェノールはほとんどの植物に存在している苦みや色素の成分で、活性酸素など度の有害物質を無害に変える効果があり、摂取することで生活習慣病などを予防する効果があるとされています。
ポリフェノールはとても酸化しやすい成分で、植物に含まれるオキシターゼという酵素の作用で、黒ずんだり茶色くなったりといった症状が出やすくなります。切り口が黒ずむのを防ぐためには切ってすぐに水につけるという方法が簡単で有効です。また、さつまいものポリフェノールは皮付近に多く含まれているので、分厚く皮をむくことである程度変色を防ぐことができます。
切り口が緑になる原因
切り口が緑になる、というよりも加熱すると緑になるといった症状がみられることがあります。これもさつまいもに含まれるポリフェノールが原因です。ポリフェノールの一種「クロロゲン酸」と呼ばれる成分がアルカリ性のものと反応すると緑色になります。例えば切ったさつまいもを冷蔵庫で保管すると緑色になることがありますが、これは冷蔵庫から発生する気体の中にアンモニアが含まれていることが原因です。
また天ぷらにするとさつまいも緑色に変色することが良くあります。これはてんぷら粉に含まれるベーキングパウダーが原因で、ベーキングパウダーはアルカリ性なので起こる反応となります。調理前だと食べれるのかと不安になるかもしれませんが、味などには変化がないので通常通り調理して食べて大丈夫です。
ポリフェノールには抗酸化作用があることは説明をしましたが、ポリフェノールに含まれるクロロゲン酸は女性が悩む原因であるシミに大変効果が期待できる成分です。抗酸化作用はアイチエイジングの作用も期待できるので、女性にはとてもおすすめの成分となっています。
切り口がオレンジ色やピンクの原因
さつまいもを切ってみたら、白っぽい色ではなく、オレンジやピンクといった色だったという事があります。自分が知っている色ではないので一瞬驚くと思いますが、この原因は薩摩いいもの品種に関係しています。安納芋といったさつまいもの品種に多く見られますが、βカロテンを多く含んでいる品種であることが考えられます。
さつまいものカビ以外の症状の見分け方
腐ってしまったさつまいもの症状
実際にカビが出ている、腐っているかもしれないといったさつまいもの見分け方を説明します。実際にさつまいもが腐ると「異臭がする(酸っぱい匂い)」「カビが生えている」「さつまいもの表面にしわが出ている」「柔らかくなっている」「べとべととした水分が出ている」などの症状がみられます。この場合はもう食べれないので処分となります。
表面一部分が黒ずむ・中が茶色っぽくなるといった症状は?
カビではなく、さつまいもの表面の一部分に黒ずみが見られることがあります。さつまいもの保存適正温度は13度から16度程度となります。適正温度を下回るとさつまいもは低温度障害という症状がみられることがあります。また、切ってみるとさつまいもの中身の白い部分が茶色がかっていることもあります。低温度障害を起こしているさつまいもは食べることはできますが、味は落ちてしまいます。カビとの見分け方も簡単です。
低温度障害を起こしたさつまいもは、味が落ちてしまいそのままで食べるには美味しくないのですが、もったいないと思うなら、思い切ってサラダやスープといった調理に使うと良いでしょう。黒く柔らかくなった部分は切り落としてしまって、美味しく食べれるところだけを利用しても良いでしょう。黒くなったからと言ってカビではないので見分け方を参考に有効活用してください。
さつまいもカビではなく芽が出た場合は?
さつまいもから芽が出ている場合も食べれるのか心配だと思います。じゃがいもの芽はソラニンという有毒物質が含まれているため、身体に悪いとされていますが、さつまいもの芽にはじゃがいものような毒素を含む物質は含まれておらず、食べることができます。ただ、さつまいもの養分を芽に取られてしまうので味は落ちてしまいます。また芽が出たまま放置するとさつまいも自体がしわしわになるので、早めに食べてしまいましょう。
さつまいもの茎は食べられる
さつまいもの茎は実は食糧難だった時には食料として食べられていた立派な食品です。葉に近い柔らかい茎の部分は皮ごと食べることができ、それ以外の固い部分も皮をむけば食べれるのです。葉も食べることができ、こちらはお浸しなどで食べることができます。家庭菜園等で機会があれば、茎の料理にもチャレンジしてみるとさつまいもを育てる楽しみも増えるのでおすすめです。
さつまいもをカビ等から守る保存方法
さつまいもは長期保存が可能な野菜です。保存適した温度は13度から16度となっており、冷蔵庫で保存は低温度障害を起こすのでおすすめできません。もし家庭菜園で収穫したようなさつまいもは土を落とさずに保存すると、3か月以上の保存が可能です。その場合は雨が当たらないような軒下などで、3日ほど干して乾燥させます。そのあと新聞紙でくるんでダンボールなどに入れ、温度15度程度湿度80%程度の場所で保存します。
スーパーで入手したさつまいもは洗ってしまい表面に水が付いていることから、長期保存には適していません。そういう場合には切って水につけてアクを抜いき、茹でて柔らかくなった状態でジッパー袋に入れて冷凍保存するのがおすすめです。そのまま食べるのにはあまり適していませんが、スープやお味噌汁といった料理に手早く使うことができ、1ヶ月程度の保存が可能になります。
半部だけ使ったというような切ったさつまいもは切り口にラップをして冷蔵庫で保存します。この場合の保存期限は2日ほど。あまり日持ちがしませんので早めに使い切りましょう。使い道がない場合は上の方法でとりあえず冷凍保存しておくこともおすすめです。
さつまいもはカビが生えても食べれる
さつまいものカビや切り口の変色などについて説明をしました。保存方法が適切だと長期保存が可能なさつまいもですが、温度などの影響で時にはカビが生えていたという事もあります。家庭菜園などでたくさんさつまいもが収穫できた時などカビが生えたという時でも、諦めて捨てる前に傷んで食べれないのか見分け方を参考に、カビだけであれば洗ったり切り落としたりして調理して見てください。